スイス WHO(`09)

WHO インターンについて
医学部医学科 6 回生
篠原 浩
学生番号 0600-16-4162
1.
実習概要
実習は特定のスーパーバイザーの下で行います。日本人の職員の下で行うのが楽だと思
いますが、日本人以外の職員の下で行うことも可能です。その場合は、予め知り合いの職
員がいないならば、日本人の職員に紹介してもらう必要があるでしょう。
実習内容は部門やスーパーバイザーの意向によって全く異なります。基本的にはスーパ
ーバイザーのヘルプ+個別の仕事が与えられるはずです。僕の場合、当初の予定では個別
の仕事は季節性インフルエンザのワクチンの摂取率の悪い地域におけるワクチン戦略につ
いてのまとめでしたが、行く直前にパンデミックインフルエンザが発生したので、新型イ
ンフルエンザの臨床情報の収集およびまとめ(プレゼンテーションおよび週報の記事作成
含む)、ガイドライン作成補助(文献収集など)、日本への情報提供(これは WHO として
の仕事ではないですが)を主に行いました。
注意しなければならないのは、給料こそありませんが、やる内容は周りの職員と変わら
ない仕事です。責任を取らねばならないことはほとんどありませんが、自覚は必要ですし、
受け身で行う類のものでもありません。何かを学ぶ、あるいは習得するという気持ちを持
ってやることが不可欠です。
2.
タイムテーブル
僕がインターンに行った時期は非常に忙しく、僕の就業時間にも多大な影響を与えまし
た。ですので、僕のタイムテーブルは当てになりませんが、参考迄に。
8:00-15
WHO に到着
-8:30
新型インフルエンザの状況の up date を確認、必要なら print out
8:30-9:30
Morning Conf.
(全体→team、team は通例カフェテリアで)
(後に 9:00-10:00)
9:30-12:00
自分に関係するミーティングがあれば参加、なければ、自分の
仕事
12:00-12:30
昼食
12:30-20:00
午前中と同じ(暇ならスーパーバイザーに仕事伺いに行く)
20:00
帰宅
他のインターンに聞いたところによると、17:00-18:00 には帰っていたとのこと。毎晩
20:00 まで仕事と言ったら、目を丸くされました。
随分単調に見えるかもしれませんが、関係するミーティングは多い時で週に 10-15 もあ
ったので(一日に 4 つなどということも)
、見た目以上に時間には追われていました。
3.
あった方が良い能力
まず、大抵のことはなんとかなります。ので、ここではあると便利かもしれない能力に
ついて。
①
語学力
英語がある程度使えれば何とかなります。話す能力・聞く能力は最低限あれば(道を聞
かれて答えられる、自己紹介できるなど、単純な会話能力)、いる間にのばすことが可能で
す。むしろ、分かりやすい NHK などの語学番組でアメリカ英語を完璧にヒアリングでき
ることがそのまま WHO での英語をヒアリングできることにはつながりません。フランス
語なまりの英語、クイーンズイングリッシュ、イタリア語なまり、スコットランドなまり
(これが一番大変、、、)と様々な英語を聞き取る良い場になるでしょう。
読む方は京大に入れれば大丈夫ですが、論文を素早く読む練習は必要でしょうか。書く
方はなかなか習得が難しいですが、書く内容によって、自分なりのテンプレートのような
ものを持っておいた方が良い気がします。読めない、書けないは仕事にもろに響きます。
その他の言語は習得しておけば、どこかで活きるかもしれませんが、ないと困る言語は
ひとつもありません。あえて言えば、ジュネーブはフランス語圏なので、フランス語が分
かると楽しいですかね。
②
パソコン操作
まず、英語のタイピングが慣れないとなかなか大変だと思います。が、すぐに慣れます。
フランス語対応の配置になっている場合があるので、それは注意が必要でしょう。ないと
困る能力は、インターネットおよびオフィスを操る能力くらいで、特別に高度な能力は必
要ありません。もちろん、あれば重宝される可能性はありますが。あえて挙げれば、文献
整理のソフトである、EndNote および Reference Manager について操作できれば言うことな
しですね。
③
ポジティブな姿勢
これが一番大切。周りの職員はみな親切で、インターンが教えてほしいと言えば、まあ
大抵のことは教えてくれます(それが仮にかなりつたない英語で頼んだとしても)。聞くは
一時の恥ですから、頑張って聞きましょう。
4.
ジュネーブでの生活
まず、物価が恐ろしく高いです。マクドナルドのハンバーガーが 2.50 スイスフランで、
スイスフランは 85-90 円くらいですから、200 円以上する計算になります。WHO のレスト
ランの昼食も、セットメニューは 1000 円以上します。安く済ませるなら、カフェのクロワ
ッサンやサンドイッチ、レストランなら重さで値段が決まるサラダバーでしょうか。いず
れにしろ、食費からして馬鹿になりません。
次に泊まる場所ですが、僕は幸運にもスーパーバイザーのお家に居候させてもらいまし
た。多少緊張するものの、経済的にもその他の面でも非常に楽でした。ただ、向こうがオ
ファーしてくれなければ居候はあり得ないので、その他の手段としては、①日本で探す、
②スーパーバイザーにお願いする、③とりあえず行ってみてから探す、の3通りあります
が、いずれにも長所短所あります。①については、日本からではおそらくあまり良い物件
は見つからないでしょう。お金に余裕があれば、ホテル暮らしなどという恐ろしいことも
可能でしょうが、まあ、あまり現実的ではありません。見つかれば幸運ですね。②が一番
現実的ですが、頼みづらい側面はあります。スーパーバイザーによっては、その辺見越し
て聞いてくれるかもしれません。③は無謀に聞こえるかもしれませんが、そこまで悪い方
法ではないです。実際、僕もこの方法を取っていました(どうしよう、と悩んでいたとこ
ろに居候のお話をいただいたのです)。来てから一週間くらいはジュネーブ市内のユースホ
ステルに泊まることができるので、安く済ますことができます。そこを確保(人気が結構
あるので)し、WHO の intranet(内部のネットワーク)で room share を募ってみると、案
外早く決まるということです(友人談)。どうしょうもなくなったら、スーパーバイザーに
相談しましょう。
治安:良いですが、駅前などスリは多いらしい。また、薬物乱用者が駅周辺にたむろす
るらしい。
スーパー:Migro と Coop がありますが、週末は土曜の 4 時以降だいたいしまってます。
平日のうちにお買い物を。
電話:最近は海外対応の端末も増えてきました。対応でない端末でも、空港などで対応
端末を貸してくれますが、高いです。もちろん通話料も高いです。
観光:ジュネーブや周辺(ニヨン、ローザンヌ、モントルーなど)はヨーロッパの街並
みの代表のようなきれいな街並みです。土日など時間があれば、アルプスやイタリア、フ
ランスにまで足を伸ばすこともできます。
5.
apply について
WHO の HP から申し込みができます http://www.who.int/employment/internship/en/を参照し
てください。必要な文書は在学証明書や海外旅行の保険証などに加えて、履歴書(CV)や
cover letter とよばれる、欧米の履歴書に添える文書などです。他にいくつか要求されるか
もしれません。
HP から申し込めばあとは抽選、のように見えますが、本当に行きたいのであれば、事前
にコネを作っておくべきです。コネがあれば、優先的に取ってもらえますので、逆に言え
ば、なければちょっとキツいかもしれません。スーパーバイザーとしても、一定期間仕事
を任せるので、どこの馬の骨とも分からない人材を取るのはリスキーだとのことです。
もし、興味をもたれた方や、WHO のインターンに行きたい方がいらっしゃいましたら、
下記のメールアドレスまでご連絡下さい。できる範囲で対応します。
篠原 浩
[email protected]