平成26年度 第 2 回薬学総合演習確認試験 【問 1】生薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 2 3 4 オウバクの原植物はキンポウゲ科で、周皮を除いた樹皮が薬用とされ、ベルベリンを主要成分とする。 ボタンピの原植物はボタン科で、根皮が薬用とされ、ペオノールを主要成分とする。 リュウタンの原植物はリンドウ科で、開花期の全草が薬用とされ、青酸配糖体を主要成分とする。 エイジツの原植物はバラ科で、果実が薬用とされ、フラボノイド配糖体を主要成分とする。 【問 2】生薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。 1 2 3 4 ケツメイシはマメ科植物エビスグサの根茎由来の生薬である。 タイソウはクロウメモドキ科植物ナツメの果実由来の生薬である。 バクモンドウはユリ科植物ジャノヒゲの根由来の生薬である。 ゴシュユはシソ科植物コガネバナの根由来の生薬である。 【問 3】生薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。 1 キョウニンはバラ科植物の種子の生薬で、主要成分として青酸配糖体を含み、鎮咳去痰薬として用い られる。 2 ニンジンはウコギ科植物の根の生薬で、主要成分としてステロイドサポニンを含み、利尿薬として用 いられる。 3 センキュウはセリ科植物の根茎の生薬で、主要成分としてフタリド類を含み、婦人薬として用いられ る。 4 コウカはキク科植物の頭花の生薬で、主要成分としてセスキテルペンを含み、健胃薬として用いられ る。 【問 4】次の症例は、眼科病棟で服薬指導を行っている緑内障患者に関するものである。 「症例」 原発性閉塞隅角緑内障患者(男性 67 歳)に対して、過去1年間、ピロカルピン塩酸塩点眼液、チモロ ールマレイン酸塩点眼液による治療が行われていた。また、同患者は労作性狭心症を合併しており、 最近の半年間、べラパミル塩酸塩が経口投与されていた。服薬指導の際、患者より「息苦しい」との 訴えがあり、不規則な徐脈(46 拍/分)が認められた。医師と薬剤師との協議によりベラパミル塩酸 塩を他の薬剤に変更することになった。 上記症例について、SOAP 形式で薬剤管理指導記録簿に記入する際の記入内容に関する記述のうち、正し いのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1. S とは subjective data の略で、 「べラパミル塩酸塩が経口投与されていた。 」などを記載する。 2. O とは objective data の略で、 「労作性狭心症を合併」などを記載する。 3. A とは action の略で、 「患者の訴えに基づく医師との協議」などの行動を記載する。 4. A とは assessment の略で、 「息苦しい」などの患者の訴え、その他を記載する。 5. P とは plan の略で、 「べラパミル塩酸塩を他の薬剤に変更する。 」など、今後の計画を記載する。 平成26年6月7日 第一薬科大学 【問 5】チーム医療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1.チーム医療では、各職種間の独立性を尊重するため、職種共通のガイドライン、プロトコール等は使用 せず、各職種で独自に作成する。 2.チーム内の情報共有のため、職種間で情報共有するための文書や患者に提供する説明文書は専門用語で 記述しなければならないため、薬剤師は他職種が用いる専門用語を理解することが重要である。 3.チーム医療は医療保険制度の中で行われるので、介護保険制度の職種はチーム医療の構成員にはならな い。 4.専門化された医療に対応するため、がん専門薬剤師等の専門薬剤師の養成も重要である。 5.保険薬局の薬剤師もチーム医療の一員として期待される。 【問 6】コミュニケーションに関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1.コミュニケーションにおいて、最初の言葉が全体の印象に影響を与えることをハロー効果(halo effect)という。 2.対面で会話をする場合、情報の受け手は、非言語的コミュニケーションと呼ばれている話し手の表情や 声の調子など言葉以外のものから多くの情報を得ることができる。 3.聞き手が話し手の伝えたい言葉を共感的に繰り返すことは、話を受け止めていることを話し手に伝える 方法のひとつである。 4.答える側が決まった答えではなく、どのようにでも答えられるように聞く質問の形式を「閉じた質問」 という。 5.日本人は低コンテキストコミュニケーション文化を持っており、理路整然とした会話を得意としている とされている。 【問 7】生物活性天然物とその生合成経路に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 2 つ選べ。 1 カンプトテシンとフィゾスチグミンはトリプトファン由来のアルカロイドである。 O N H3C N H N CH3 O O O N N H CH3 CH3 OH O H3C カンプトテシン 2 フィゾスチグミン チモールとレスベラトールはイソプレノイド経路で生合成される。 CH3 OH HO OH H3C CH3 OH チモール レスベラトール モルヒネとベルベリンはチロシン由来のアルカロイドである。 3 H O CH3 N O H H3C O HO H H OH N+ O O CH3 モルヒネ ベルベリン ポドフィロトキシンとテトラサイクリンはシキミ酸経路で生合成される。 4 OH H O O O OH O OH O OH O H3CO OCH3 OCH3 O NH2 H HO CH3 ポドフィロトキシン OH N H CH3 H3C H テトラサイクリン 【問 8】生薬成分の基原と生合成に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 レインは、ダイオウに含まれる成分で、イソプレノイド経路(メバロン酸経路)により生合成さ れる。 2 l-メントールは、ハッカに含まれる成分で、酢酸・マロン酸経路により生合成される。 3 l-ヒヨスチアミンは、ベラドンナコンなどナス科植物に含まれる成分で、オルニチンから生合成 される。 4 アネトールは、ウイキョウに含まれる成分で、シキミ酸経路により生合成される。 【問 9】漢方処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 当帰芍薬散や加味逍遙散は、桂枝湯を基本とした処方である。 2 小健中湯や大健中湯は、人参が配合されている処方である。 3 葛根湯や小青竜湯は、麻黄が配合されている処方である。 4 八味地黄丸や牛車腎気丸は、附子と地黄が配合されている処方である。 【問 10】次の化合物の組み合わせのうち,共鳴の関係にあるものはどれか.2つ選べ. H3C 1 CH3 H3C O O OH O CH2 2 H H 3 4 H2C N(CH3)2 5 H3C H2C N(CH3)2 H3C 【問 11】Cyclohexane 及びその誘導体に関する記述のうち、正しいのはどれか.2つ選べ. 1. Cyclohexane のいす形立体配座における C-C-C 結合角は 120 度である 2. trans-1,2-Dimethylcyclohexane の安定ないす形立体配座では、2 個のメチル基は equatorial 結合である。 3. cis-1-tert-Butyl-4-chlorocyclohexane の安定ないす形立体配座では、クロロ基は equatorial 結合である。 4. 舟形の cyclohexane のすべての隣り合った炭素-炭素結合は、ねじれ形配座である。 5. cis-1,3-Dimethylcyclohexane の二つのいす形立体配座間の平衡には偏りがある。 【問 12】下記の立体構造のうち、(2R,3S)-2-bromo-3-chlorobutane を正しく表しているのはどれか。2つ選 べ. CH3 CH3 Br H Br C H H Cl Cl C H CH3 CH3 1 2 H CH3 Br H3C Cl H CH3 Br H H Cl CH3 3 4 H3C CH3 Cl Br H H 5 【問 13】血液疾患に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。 1. 急性前骨髄球性白血病では、転座染色体 t(15:17)が認められる。 2. 再生不良性貧血では、末梢血の白血球数が増加する。 3. 溶血性貧血では、末梢血の網状赤血球数は減少する。 4. 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、出血時間は延長する。 5. 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、プロトロンビン時間(PT)は正常であるが、活性化部分トロ ンボプラスチン時間(APTT)は延長する。 【問 14】消化器疾患に関する記述の正誤について、誤っているものはどれか。2 つ選べ。 1. ヘリコバクター・ピロリ菌の初感染は、幼少期に多い。 2. ヘリコバクター・ピロリ菌はウレアーゼ活性をもち、塩酸からアンモニアを産生する。 3. ヘリコバクター・ピロリ菌には、クラリスロマイシン耐性のものがある。 4. 脂肪分の多い食事を大量に摂取した数時間後に、疝痛発作を起こしやすい。 かんとん 5. 胆石が総胆管に嵌頓すると ALP、γ-GTP、間接ビリルビン値の上昇が見られる。 【問 15】腎疾患に関する記述のうち、誤っているものはどれか。2 つ選べ。 1. 急性糸球体腎炎では、血清補体価の CH50 値や補体 C3 値の低下が認められる。 2. 横紋筋融解症に合併する急性腎不全は、筋細胞由来のミオグロビンが尿細管を閉塞させることにより 発症する。 3. 尿中ナトリウム排泄率が増大すれば、腎前性腎不全が疑われる。 4. IgA 腎症では、ネフローゼ症侯群を示すことは少ない。 5. ネフローゼ症候群では低タンパク血症をきたすため、食事は高タンパクにする。 【問 16】新生児に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1 1 つ選べ。 1. クロラムフェニコールは、gray syndrome(灰白症候群)を発症することがあるので禁忌である。 2. 弱酸性薬物は乳汁中に蓄積しやすいので、母体が服薬を必要とする場合は人工乳に切り替える必要が ある。 3. 核黄疸は、新生児の血液脳関門の未発達が主な原因と考えられている。 4. 新生児黄疸は、グルクロン酸抱合代謝能やアルブミン産生能が未発達であることが原因である。 5. ジアゼパム坐剤は、中枢神経抑制作用が強いので、乳児には投与禁忌である。 【問 17】降圧薬のうち、妊娠 20 週以降の妊婦の高血圧症に適応可能となる薬物はどれか。2つ選べ。 1. エナラプリルマレイン酸塩 2. ロサルタンカリウム 3. ニフェジピン 4. メトプロロール 5. ラベタロール 【問 18】子宮用剤に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。 1. 子宮筋は妊娠後期にオキシトシンへの感受性が高まるので、オキシトシンが分娩誘発や陣痛促進に用 いられる。 2. 弛緩出血に用いられる麦角アルカロイド製剤のエルゴメトリンマレイン酸塩は、子宮筋収縮作用のた め妊婦には禁忌である。 3. プロスタグランジン(PG)F2α製剤ジノプロストの子宮筋収縮作用は妊娠後期のみのため、治療的流 産には用いられない。 4. アスピリン潰瘍の治療に適応のあるミソプロストールは、切迫流産防止にも適応がある。 5. 切迫流産・早産の防止には、β2刺激薬のリトドリンよりも、硫酸マグネシウム製剤の静注が第一選 択薬となる。 【問 19】わが国の医療保険制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。 1. 加入者は、原則として、保険医療機関で、療養の給付を受けることができる。 2. 加入者が納めた保険料に応じて、給付される療養の種類に違いがある。 3. 保険で給付される療養と保険外で給付される療養を併用できる場合がある。 4. 75 歳以上の者は、保険料を負担しない制度に加入する。 5. 医療保険制度では、本人が希望すれば、制度に加入しないことが認められている。 【問 20】後発医薬品はその先発医薬品との生物学的同等性が求められている。同じ規格の内容固形製剤 において、後発医薬品がその先発医薬品と同一であることが必要なのはどれか。1 つ選べ。 1. 定量法 2. 有効成分の含量 3. 添加物の種類 4. 製品の重量 5. 効能・効果 【問 21】過去 10 年間の統計を踏まえて、施設数の多い順序を正しく表示しているのはどれか。1 つ選べ。 1. 一般診療所>歯科診療所>薬局>病院 2. 薬局>病院>一般診療所>歯科診療所 3. 薬局>一般診療所>歯科診療所>病院 4. 病院>薬局>一般診療所>歯科診療所 5. 一般診療所>歯科診療所>病院>薬局 【問 22】消化性潰瘍治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 スクラルファートは、エンテロクロマフィン様細胞のガストリン受容体を遮断し胃酸分泌を抑制す る。 2 レバミピドは、胃粘膜のプロスタグランジン(PG)生合成を促進させ、PGE2 や PGI2 を増加させるとと もに活性酸素消去作用を示す。 3 クラリスロマイシンは、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を示すが、クラリスロマイシン 耐性の場合は、メトロニダゾールを用いる。 4 ランソプラゾールは、胃壁細胞の Na+-K+-ATPase を非可逆的に阻害して、持続的に胃酸分泌を抑制す る。 5 水酸化マグネシウムは、胃内 pH を低下させて、ペプシノーゲンのペプシン変換とペプシン活性を抑 制する。 【問 23】消化管に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ラモセトロンは、セロトニン 5-HT3 受容体の遮断により、ストレスによる大腸輸送能亢進及び大腸水 分輸送異常を改善し、排便亢進や下痢を抑制する。 2 アザセトロンは、消化管の求心性迷走神経末端のセロトニン 5-HT3 受容体を刺激して 嘔吐を抑制する。 3 モサプリドは、消化管のアドレナリン作動性神経に存在する 5-HT3 受容体を刺激し胃腸運動を促進 する。 4 トリメブチンは、消化管のコリン作動性及びアドレナリン作動性神経シナプス前膜に位置するオピ オイドμ受容体を遮断する。 5 サラゾスルファピリジンは、活性体の 5-アミノサリチル酸が大腸部位の炎症を抑制する。 【問 24】肝臓及び胆道に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ウルソデオキシコール酸は、肝臓からの胆汁分泌を促進し、肝内胆汁うっ滞を改善する。 2 エンテカビルは、B 型肝炎ウイルスの逆転写酵素阻害作用を示すことなく、DNA ポリメラーゼを選択 的に阻害する。 3 インターフェロンは、オリゴアデニル酸合成酵素を阻害し、ウイルス RNA の合成を抑制するため、 抗ウイルス作用を示す。 4 ラクツロースは、腸内の有機酸を増加するため、腸管内 pH を低下しアンモニア産生菌の発育や腸管 内アンモニアの吸収を抑制する。 5 グリチルリチン酸は、インターフェロンの産生を抑制するため慢性肝疾患に有効であるが、副作用 として偽アルドステロン症がある。 【問 25】脂質の二分子膜に関する記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。 1 両親媒性脂質の親水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。 2 温度が高くなると、脂質分子の回転・拡散の運動性が低下する。 3 不飽和脂肪酸鎖の二重結合が通常トランス型をとり、流動性を増大させる。 4 リポソームは、球状ミセル集合体である。 5 ゲル状態の二分子膜にコレステロールを加えると、膜の流動性が高くなる。 【問 26】医薬品ア〜ウについて、正しい記述はどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 アはベンゾジアゼピンの骨格をもつイミプラミンである。 2 イは、(S) -プロリン(L-プロリン)の N−置換体である。 3 ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。 4 ウは、インドール骨格をもつインドメタシンである。 5 アが最も水に溶けにくい。 【問 27】レボドパとその関連化合物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 レボドパの名称は (S)−3−(3,4−dihydroxyphenyl) valine である。 2 レボドパは L-チロシンから合成される。 3 レボドパが脱炭酸されると、ドパミンが生じる。 4 ドパミンのベンジル位がヒドロキシ化されるとアドレナリンが生じる。 5 ノルアドレナリン及びアドレナリンを含む一部の生体アミンをカテコールアミンとよぶ。 【問 28】次の化合物うち、反応する相手によりルイス酸にもルイス塩基にもなるのはどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1. CH3SCH3 2. P(C6H5)3 3. BF3 4. N(CH3)3 5. CH3OH 【問 29】化合物アを還元したところ,2 種類の異性体イおよびウが得られた.本反応に関する記述のうち, 正しいのはどれか.2つ選べ. 還元剤 H OH O OH H ア ウ イ 1 アは光学不活性である. 2 イとウはエナンチオマーの関係にある. 3 イとウの融点は,それぞれ異なる値を示す. 4 イとウの旋光度は,絶対値が等しく正負の符号は逆である. 5 イとウは,TLCにおいて異なるRf値を示す. 【問 30】次の記述のうち、正しいのはどれか.2つ選べ. 1. l-メントールの l は比旋光度の符号(-)と対応している. 2. D-グルコースの D は,R/S 表示の R に対応している. 3. 光学活性を示すためには,必ず分子内にキラル中心がなければならない. 4. R/S 順位則では,-C(CH3)3 は-CH=CH2 よりも優先順位が高い. 5. dl-メントールに光学的に純粋な乳酸を縮合させて分離し,それぞれのエナンチオマーを得る方法をキ ラルプール法という. 【問 31】次の処方で体液と等張なエフェドリン塩酸塩の溶液を調製するのに必要なブドウ糖の量(g)はど れか。1 つ選べ。ただし、エフェドリン塩酸塩、クロロブタノール、ブドウ糖の食塩当量はそれぞれ 0.30、 0.24、0.18 である。 処方 エフェドリン塩酸塩 クロロブタノール ブドウ糖 2.0g 0.5g [ ]g 精製水 適量 ----------------------------------------全量 100mL 1. 0.30 2. 0.50 3. 0.90 4. 1.0 5. 1.20 【問 32】図のように錠剤の側面に擦り傷が生じる打錠障害はどれか。1 つ選べ。 1. バインディング 2. スティッキング 3. スラッギング 4. キャッピング 5. ケーキング 【問 33】造粒法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。 1. 押し出し造粒法は、一定孔径のスクリーンから薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイ ズでカットして造粒する方法なので、不定形の造粒物が得られる。 2. 攪拌造粒法は、攪拌翼を高速回転させながら、結合剤溶液を噴霧して造粒する方法なので、重質で球 形の造粒物が得られる。 3. 噴霧乾燥造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法なので、熱風気流 中で圧密化を受け、重質で球形の造粒物が得られる。 4. 破砕造粒法は、混合した粉末状の原料を圧縮成形した後、粉砕する方法なので、円柱状の造粒物が得 られる。 5. 流動層造粒法は、熱風気流中に薬物と添加剤からなる溶液もしくは懸濁液を噴霧し、急速に乾燥する 方法なので、球形の造粒物が得られる。 【問 34】感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 アタザナビル硫酸塩は、HIV プロテアーゼを阻害することにより、HIV の増殖を抑制する。 2 テルビナフィンは、ラノステロール C-14 脱メチル化酵素を阻害し、真菌細胞膜成分の エルゴステロールの生合成を阻害する。 3 オセルタミビルリン酸塩は、その代謝活性体がウイルスの脱核を阻害し、核内へのウイルスの 侵入を阻止する。 4 エファビレンツは、非核酸系の構造を有し、逆転写酵素を阻害して HIV の増殖を抑制する。 5 ジドプシンは、HIV のプロテアーゼを阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。 【問 35】帯状疱疹とその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ヘルペスウイルスⅡ型による感染症である。 2 疼痛を伴う紅斑や水疱が全身的に出現する。 3 治療にはバラシクロビルやファムシクロビルが用いられる。 4 疼痛にはアセトアミノフェンは無効である。 5 帯状疱疹後疼痛(PHN)には、プレガバリンが有効である。 【問 36】抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、DNA トポイソメラーゼⅡを阻害する。 2 ドキシフルリジンは、腫瘍細胞内でフルオロウラシルに変換されて、チミジル酸合成酵素を阻害 する。 3 メトトレキサートは、代謝活性体が2本鎖 DNA のグアニン塩基間をアルキル化して架橋を形成し、 DNA 合成を阻害する。 4 メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、アデニル酸及びグアニル酸の生合成 を阻害する。 5 シクロホスファミドは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、テトラヒドロ葉酸を枯渇させて DNA 合成を抑制する。 【問 37】重大な副作用として出血性膀胱炎が起こる可能性がある薬剤はどれか。1つ選べ。 1. チクロピジン塩酸塩 2. シスプラチン 3. メトホルミン塩酸塩 4. エピルビシン塩酸塩 5. シクロホスファミド 6. ゲムシタビン塩酸塩 【問 38】抗悪性腫瘍薬の調製に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2 つ選べ。 1. 抗悪性腫瘍薬のうち取扱い上注意を要するものとは、毒薬指定になっているものや、ヒトで催奇形性 又は発がん性が報告されているものなどである。 2. バイアル内で薬物を溶解する場合は、エアロゾルの飛散汚染を防ぐため、バイアル内を陽圧にしては ならない。 3. 抗悪性腫瘍薬の混合調製には、作業環境として水平気流型クリーンベンチを使用した。 4. 誤って自分の手に針を刺した医療従事者への薬物投与の相談を受けたので、ファモチジン塩酸塩を推 奨した。 5. 廃棄物は、薬液により周囲を汚染しないように口の閉まるビニール袋に入れて保管・廃棄する。 【問 39】次の薬物の重大な副作用及びその主な初期症状に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2 つ選べ。 薬 物 重大な副作用 主な初期症状 1 チクロピジン塩酸塩 無顆粒球症 手足に赤い斑点、青あざ 2 メトホルミン塩酸塩 乳酸アシドーシス 下痢、嘔吐、倦怠感 3 アロプリノール 中毒性表皮壊死症 発熱、発疹、水ぶくれ 4 ゲフィチニブ 間質性肺炎 咳、呼吸困難、発熱 5 アマンタジン塩酸塩 悪性症候群 悪心、全身倦怠感、黄疸 【問 40】タンパク質の消化・吸収・代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1.タンパク質を過剰に摂取して、アミノ酸が余剰になると、アミノ酸プールが拡大して貯蔵される。 2.タンパク質の消化によって生じたジペプチドやトリペプチドは、アミノ酸とは異なる輸送体を介して小 腸上皮の微絨毛膜を通過する。 3.エネルギー摂取量が不足すると、タンパク質が分解されて生じたロイシンはグルコースに変換される。 4.肝臓以外の組織でアミノ酸が分解して生じたアンモニアは、グルタミンに変換され肝臓へ輸送される。 【問 41】遺伝子組換え食品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1.輸出国で安全性審査を受けた遺伝子組換え食品は、輸入、販売等が許可されている。 2.遺伝子組換え食品のヒトヘの安全性は、食品安全委員会で審査される。 3.遺伝子組換え農作物は、国内で商業的に栽培されている。 4.遺伝子組換え食品の検知法の 1 つとして、PCR 法がある。 【問 42】食品中の残留農薬の規制に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1.農薬取締法に基づいて残留基準が設定されている。 2.ネガティブリスト制による規制が行われている。 3.残留基準や暫定基準が設定されていない農薬については、食品中に 0.01 ppm を超えて存在してはなら ないとされている。 4.残留基準は、一日許容摂取量( ADI )を超えないように設定されている。 5.残留基準や暫定基準は、国内で使用が認められている農薬だけに設定されている。 【問 43】コリン作動薬及び抗コリン薬に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ピレンゼピンは、ムスカリン性アセチルコリンM1受容体の選択的遮断薬であり、胃液分泌を抑制す る。 2 アセチルコリンは、ムスカリン性アセチルコリン M2受容体を刺激し、Gi タンパク質を介してホスフ ァチジルイノシトール代謝回転を亢進させる。 3 プラリドキシム (PAM) は、コリンエステラーゼ分子に結合した有機リン化合物を解離させて、コリ ンエステラーゼを再賦活化する。 4 エドロホニウムは、コリンエステラーゼのエステル部位と強固に結合し、コリンエステラーゼを持続 的に阻害する。 5 アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基で置換すると、アセチルコリンエステラーゼ及び非特 異的コリンエステラーゼによる分解を受けやすくなる。 【問 44】副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ピロカルピンは、毛様体筋を弛緩させ、眼圧上昇および遠視性調節麻痺を引き起こす。 2 ネオスチグミンは、末梢においてコリンエステラーゼを可逆的に阻害し腸管の蠕動運動を抑制する。 3 ベタネコールは、コリンエステラーゼにより分解されやすく、作用は一過性である。 4 タムスロシンは、前立腺肥大による排尿障害を改善する。 5 ジスチグミンは、瞳孔括約筋を収縮させ、縮瞳を引き起こす。 【問 45】末梢神経系に作用する薬物に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 アトロピンは、点眼により眼圧を低下させる。 2 カルテオロールは、アドレナリンβ2 受容体に選択性が高く、気管支平滑筋を弛緩させる。 3 クロニジンは、交感神経終末におけるアドレナリンα2 受容体を刺激して、血圧を下降させる。 4 イプラトロピウムは、気管支平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激し、気管支平滑筋を 拡張させる。 5 プラゾシンは、アドレナリンα1 受容体を選択的に遮断し、末梢血管を拡張させて血圧を下降させる。 【問 46】X 線回折測定法に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。 1 X 線を結晶に照射すると、主にその物質中の電子の強制振動が起こり、散乱 X 線が生じる。 2 X 線の波長をλ、結晶の面間隔を d、結晶への入射角及び反射角をθ、反射次数を n とすると、 dsinθ=nλを満たす角度でのみ X 線回折が生じる。 3 結晶構造解析では、回折角から結晶格子の面間隔が決定できる。 4 結晶構造解析では、結晶構造に基づいた同心円状の回折像が得られる。 5 結晶構造解析では、照射した X 線とは波長の異なる散乱 X 線についても回折像を得ることができる。 【問 47】原子の性質に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。 1 フッ素、酸素、炭素、窒素のうち、最も電気陰性度が大きい原子は酸素である。 2 第一イオン化エネルギーは原子から電子を 1 つ取り去るのに必要なエネルギーである。 3 希ガス以外の原子においては、電子親和力が大きい原子ほど、陽イオンになりやすい。 4 二酸化硫黄中の硫黄の酸化数は、+4 である。 5 2 原子分子において電気陰性度の差が小さいほど、双極子モーメントが大きくなる。 【問 48】屈折率、旋光度及び円二色性(CD)に関する記述のうち、正しいものはどれか。2 つ選べ。 1 媒質 A から媒質 B への屈折率は、媒質 A,B の絶対屈折率の差から求められる。 2 旋光度の測定により、光学活性物質の純度や濃度を知ることができる。 3 旋光度は、測定温度に依存しない。 4 CD スペクトルの測定により、タンパク質のアミノ酸配列に関する情報が得られる。 5 旋光度を測定することにより、金属錯体の立体異性体に関する情報が得られる。 【問 49】次に示す化合物(A~C)を E2 反応の反応性が高いものから低いものへ並べた正しい順番はど れか。1 1 つ選べ。 CH3 CH3 CH3 Br Br Br CH3 A B C 1 A > B > C 2 A > C > B 3 B > A > C 4 B > C > A 5 C > A > B 6 C > B > A 【問 50】消炎鎮痛剤であるナブメトン(A)は、下図に示すアルドール縮合を利用する方法で合成される。 ナブメトン(A)ならびにこの合成法に関する記述のうち、誤っているものはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ O CHO NaOH HO CHO CH3I NaOC2H5 CH3O D CH CH3 CH3O C 反応(ア) CH C 試薬(R) B 反応(イ) O CH2 H2 / Pd-C CH3O 反応(ウ) 1 ナブメトン(A)の化学名は、4 -(6-methoxynaphthalen-2-yl)butan-2-one である。 2 反応(ア)はフェノキシドイオンによる求電子置換反応である。 3 反応(イ)の試薬(R)はアセトンである。 4 中間体(B)は、(C6H5)3P=CHCOCH3 を用いる Wittig 反応でも合成できる。 5 反応(ウ)の接触水素化は anti 付加で進行する。 A CH2 C CH3 【問 51】主生成物の構造が正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処 理を施してある。 H3C 1 OH H3C CH NH H3C LiAlH4 C N H3C O O 2 CH3 C CH2CH2 C OC2H5 O 3 5 OH HOCH2CH2OH H+ C Cl O OH CH3 CH CH2CH2 CH2 C H O 4 NaBH4 OH 1) CH3CH2Li 2) H+ (C2H5)2NH OH CHCH2CH2OH OH C CH2CH3 CH2CH3 N C2H5 C2H5 【問 52】放射線防護に関して、正しいのはどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1. 内部被曝からの防護は、距離、時間、遮へいを考慮することである。 2. 半価層はγ線の種類や遮へい材の材質が変わっても同じである。 3. 内部被曝の際の生物効果の大きさは、α線<β線<γ線の順である。 4. 体内に摂取された放射性核種の有効半減期(Te)は、物理的半減期(Tp)及び生物的半減期(Tb)と から、Te = 1/2(Tp + Tb)のように表される。 5. 高エネルギーβ− 線の遮へいは、β− 線自体と制動放射線に対する遮へいを考慮する必要がある。 【問 53】次の組合で、直接関連のないのはどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1. 等価線量 ———————— 放射線荷重(加重)係数 2. 実効線量 ———————— 組織荷重(加重)係数 3. 高 LET 放射線 ————————α線 4. 吸収線量 ———————— Gy 5. 90Sr —————— 甲状腺親和性核種 【問 54】放射線の生物作用について、誤っているのはどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1. 遺伝的影響は、確率的影響に分類されている。 2. 水酸ラジカルは、生体における放射線による間接的な作用の主役である。 3. しきい線量があるものを確定的影響という。 4. 造血組織は特に放射線感受性が高い。 5. 放射線による発がんは、早期影響に分類されている。 【問 55】薬物の血漿タンパク結合の測定に用いられる式はどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1. Noyes-Whitney 式 2. Scatchard 式 3. Henderson-Hasselbalch 式 4. Cockcroft-Gault 式 5. Langmuir 式 【問 56】薬物の組織移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1. 分子量 5000 を超える薬物は、筋肉投与後、リンパ系に移行しやすい。 2. 肝臓の毛細血管壁の構造は、連続内皮に分類される。 3. 脈絡叢上皮細胞には P-糖タンパク質が発現しており、一部の薬物の脳内移行を妨げている。 4. エバンスブルーは、血漿中のアルブミンとほとんど完全に結合するため、その分布容積は血漿容積と ほぼ等しくなる。 5. 組織結合率が同じ場合、血漿タンパク結合率が低い薬物に比べ高い薬物の分布容積は大きい。 【問 57】薬物代謝に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 シトクロム P450(CYP)には多数の分子種が存在し、基質特異性が高い。 2 ケトコナゾールは、核内レセプターに結合して、代謝反応を阻害する。 3 イミプラミンは CYP によるN-脱メチル化を受けて活性代謝物へ変換される。 4 ワルファリンの抗血液凝固作用は、フェノバルビタールとの併用により減弱する。 5 モルヒネは、小腸と肝臓で 3 位と 6 位の水酸基が主に硫酸抱合され、そのうち 6 位抱合体は鎮痛作用 を示す。 【問 58】細胞内の DNA 複製に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 2 つ選べ。 1 DNA ポリメラーゼは、鋳型 DNA とプライマーが存在すれば新たに娘鎖を合成できる。 2 岡崎フラグメントは、連続複製時に合成される短鎖 DNA である。 3 DNA ヘリカーゼは、DNA 二重らせんを巻き戻す。 4 DNA リカーゼは、二本鎖 DNA の隣接する 5'-リン酸と 3'-OH を結合する酵素である。 5 テロメラーゼは、RNA プライマーを合成する。 【問 59】アミノ酸(C C)の生合成過程の一部を示した図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2 2 つ選べ。 1 Aを酸化すると L-グルタミン酸が得られる。 2 AからB Bへの変換において生じるXは水である。 3 Bはラクトン構造をもつ。 4 Bは NADH によって酸化されて最終的にCになる。 5 Cの名称はプロリンである。 【問 60】次の組合せで、直接関連のないのはどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1 NaI(Tl)シンチレーション検出器 −−−−−− 発光現象を利用 14 2 液体シンチレーション検出器 −−−−−−− C や 3H の測定 3 放射平衡 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 親核種と娘核種の壊変定数の大小 4 GM 計数管 5 半導体検出器 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 気体の電離現象を利用 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 液体の励起作用を利用 【問 61】Noyes-Whitney 式に関する記述のうち、正しいものを2つ 2つ選べ。 2つ dC = k ⋅ S ⋅ ( Cs − C ) dt C:溶液中の溶質濃度、Cs:固体の溶解度、S:表面積、 k:見かけの溶解速度定数、t:時間 1 シンク条件(C«Cs)についてのみ成立する式である。 2 溶解速度定数 k の値は、溶解過程での撹拌条件により変化する。 3 結晶性医薬品を数μm 程度まで微細化すると、表面積の増大とともに Cs も著しく増大するため、溶 解速度は顕著に大きくなる。 4 溶液の体積が増加すれば k の値が小さくなり、溶解速度は減少する。 5 縦軸に内部溶液中の溶質濃度 C 、横軸に時間tをとった時、溶質濃度が溶解度に達するまでは、右 上がりの直線が得られる。 【問 62】下記の処方薬と併用すると、薬物相互作用により、吸収が低下するのはどれか。2 2 つ選べ。 (処方) ニザチジン錠 150mg 1 回 1 錠(1 日 2 錠) 1 日 2 回 朝食後・就寝前 30 日分 1 ゲフィチニブ錠 2 シンバスタチン錠 3 レボチロキシンナトリウム錠 4 アタザナビル硫酸塩カプセル 5 ノルフロキサシン錠 【問 63】不整脈に関する記述の正誤について、誤っているものはどれか。2 2 つ選べ。 1 WPW 症候群では、心電図上デルタ波と呼ばれる特有な所見がある。 2 アダムス・ストークス症候群では、必ず人工ペースメーカーの植え込みが必要である。 3 心房細動では、心電図上f波が認められる。 4 QT 延長症候群では、発作性上室性頻拍の合併が多い。 5 リエントリーとよばれる興奮旋回現象が、不整脈の発生に関与する。 【問 64】腹が冷えて痛み、腹部膨満感があるなどの症状に用いられる漢方薬はどれか。1 1 つ選べ。 1 大建中湯 2 大黄甘草湯 3 小青竜湯 4 芍薬甘草湯 5 牛車腎気丸 【問 65】パーキンソン病とその治療に関する記述のうち、誤っているものはどれか。2 2 つ選べ。 1 典型的な症状として企図振戦、姿勢反射障害、筋固縮などが現れる。 2 進行すると認知機能が低下することがある。 3 病理学的には、レビー小体の出現が認められる。 4 マイネルト基底核の病変が著しく、コリン作動性神経細胞の変性が認められる。 5 エンタカポンは、レボドパの半減期を延ばし、効果持続時間を延長する。 【問 66】生物学的製剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。1 1 つ選べ。 。 1 ワクチンとは、感染症予防の目的でヒトや動物を能動免疫する抗原の総称である。 2 生物学的製剤基準に収載されている製剤は、ワクチン、トキソイド、抗毒素製剤、インターフェロ ン製剤および血液製剤である。 3 ワクチンには、注射製剤はあるが経口製剤はない。 4 乾燥 BCG ワクチンは、用時溶解して用いる注射剤で、静脈注射により結核の予防に使用する。 【問 67】麻酔した動物の血圧測定実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 アセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は一過性に下降した。これは、アセチルコリンが血管内 皮細胞のムスカリン性アセチルコリン M2 受容体を刺激したためである。 2 アトロピンを静脈内注射したのち、大量のアセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は上昇した。 これは、アセチルコリンが交感神経節と副腎髄質のニコチン性アセチルコリン受容体を刺激したため である。 3 プロプラノロールを前もって静脈内注射したのち、アドレナリンを静脈内注射すると、血圧は下降 した。これは、プロプラノロールが血管のアドレナリンβ2 受容体を遮断したためである。 4 フェントラミンを前もって静脈内注射したのち、ノルアドレナリンを静脈内注射すると、血圧は著 しく下降した。これは、フェントラミンが血管のアドレナリンα1 受容体を遮断したためである。 5 アンギオテンシンⅡの静脈内注射による血圧上昇反応は、カンデサルタンシレキセチルの前処置に よって抑制される。これは、カンデサルタンシレキセチルがアンギオテンシンⅡ受容体を遮断し、ア ンギオテンシンⅡによる血管収縮やアルドステロン分泌を抑制したためである。 【問 68】情報伝達物質および細胞内情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 グリシン受容体は、イオノトロピック型受容体の一種であり、塩化物イオン(Cl-)を透過させる。 2 N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)型受容体は、メタボトロピック型(代謝型)のグルタミン 酸受容体の一種である。 3 γ-アミノ酪酸(GABA)は、L-トリプトファンの脱炭酸によって生合成され、放出後神経終末およ びグリア細胞に取り込まれる。 4 ニコチン性アセチルコリン受容体は、7 回膜貫通型タンパク質である。 5 アドレナリンα1 受容体刺激は、三量体 G タンパク質を介してホスホリパーゼ C を活性化する。 【問 69】日本薬局方に収載されているエフェドリン((1R,2S )-2-methylamino-1-phenylpropan-1-ol)の正し いニューマン投影式はどれか。1 1 つ選べ。ただし、図中の Ph はフェニル基を表している。 OH H Ph OH CH3 H NHCH3 H H 1 OH CH3 Ph NHCH3 2 H 3C H OH H Ph NHCH3 3 H3 C H Ph H NHCH3 4 【問 70】次の記述は、酸が混在する中性医薬品の純度試験に関するものである。以下の実験から求めら れる酸の残存量は、硫酸に換算して何%以下か。最も近い値を1つ 1つ選べ。ただし、硫酸の分子量を 98.08 1つ とする。 「本品 6.0 g を新たに煮沸して冷却した水 50 mL に溶かし、 フェノールフタレイン試液 3 滴及び 0.01 mol/L 水酸化ナトリウム液 0.60 mL を加えるとき、液の色は赤色である。 」 1 0.0005 2 0.005 3 0.03 4 0.15 5 0.3 【問 71】高分子材料に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 カルメロースカルシウムは、水に容易に溶解し、増粘剤として用いられる。 2 ゼラチン水溶液に貧溶媒のエタノールを加え続けると、ゼラチンの高濃度相(コアセルベート)が 分離する。 3 マクロゴール 400 は、常温で液体である。 4 セラセフェートは、pH 2 付近で溶解する胃溶性高分子である。 5 N-アセチルグルコサミンは、優れた保水性を有する天然高分子である。 【問 72】小学校から担当の学校薬剤師に対して、ノロウイルス感染対策として給食室の調理台や調理器 具の消毒に関して質問があった。 塩素濃度 200 ppm の次亜塩素酸ナトリウム液を5L準備するには、 6 w/v % 次亜塩素酸ナトリウム消毒液が何 mL 必要か。最も近いものを1つ 1つ選べ。 1つ 1 8 2 17 3 35 4 48 5 62 【問 73】成人に対する用法及び用量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 2 つ選べ。 1 オセルタミビルリン酸塩をインフルエンザウイルス感染症の治療に用いる場合には、通常 1 回 75 mg、1 日 1 回、7~10 日間服用する。 2 アカルボースは、通常 1 回 100 mg、1 日 3 回、食後に服用する。 3 ファモチジンをクレアチニンクリアランスが 30 mL/min 以下の患者に用いる場合には、1 回 20 mg、 2~3 日に 1 回、または 1 回 10 mg、1 日 1 回服用する。 4 イトラコナゾールを探在性真菌症の治療に用いる場合には、通常 1 回 100~200 mg を 1 日 1 回、空 腹時に服用する。 5 アレンドロン酸ナトリウム水和物は、起床時に多めの水で服用し、服用後少なくとも 30 分経ってか らその日の最初の食事を摂ること。 【問 74】食品の製造・調理過程で生じる有害化学物質とその発生の予防に関する記述のうち、正しいの はどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 HACCP は、食品中の有害化学物質の調査方法の 1 つであり、製造工程の最終製品の抜き取り検査を 行うシステムである。 2 魚や肉類の焦げた部分に生じる変異原性物質には、ピリドイミダゾール骨格を有するものがある。 3 ポリカーボネート樹脂製の食品容器で食品を加熱すると、スチレンが食品中に移行することがある。 4 ジャガイモや穀類を高温で揚げたり焼いたりすると、アクリルアミドが生成することがある。 【問 75】血液に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 トラネキサム酸は、抗プラスミン作用及び抗プラスミノーゲン作用により線維素溶解系を抑制する。 2 ベラプロストは、 プロスタノイド IP 受容体を刺激し、 Gs タンパク質を介してサイクリック AMP (cAMP) を増加させる。 3 クロピドグレルは、ADP の P2Y12 受容体を遮断することでアデニル酸シクラーゼ活性を抑制し、サイ クリック AMP(cAMP)を低下させる。 4 ウロキナーゼは、遺伝子組換え組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)で、プラスミノーゲンを活 性化し、フィブリン分解を促進する。 5 フィトナジオン(ビタミン K1)は、ヘパリンの過剰投与時による出血傾向の治療に使用される。 【問 76】固定相としてオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル、移動相としてアセトニトリルと緩衝液 (pH 7)の混合溶媒を用いて、ベンゼン、トルエン及び安息香酸の分離を液体クロマトグラフィーにより 行った。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。ただし、質量分布比を k とする。 2つ 1 ベンゼン、安息香酸、トルエンの順に溶出される。 2 ベンゼン、トルエン及び安息香酸の保持には、水素結合が働いている。 3 カラム温度を上げると、芳香族化合物の質量分布比(k)は大きくなる。 4 移動相中の緩衝液の含量を増やすと、ベンゼン、トルエン及び安息香酸の k は大きくなる。 5 移動相中の緩衝液の pH を 7 から 3 に変えると、安息香酸の k は大きくなる。 【問 77】細胞分裂と細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 ヒトは、20 対の常染色体と男女それぞれ 2 本の性染色体をもつ。 2 男子における血友病の発症率が高いのは、Y 染色体の異常によるものである。 3 細胞周期の G0 期は、増殖能力を保持しながら増殖停止/休止をしている時期である。 4 DNA 複製前に DNA の損傷をチェックするための時期を G2/M 期チェックポイントという。 5 細胞周期の中で、核膜が消失するのは M 期である。 【問 78】シトクロム P450 (CYP) に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品の摂取で、CYP3A4 の誘導が起こ る。 2 遺伝的要因により CYP2C19 の代謝活性が低い人の割合は、日本人と比較して白人の方が多い。 3 ワルファリンの薬効に最も影響する薬物代謝酵素は CYP2C19 である。 4 グレープフルーツジュースを飲むことにより、主に肝臓における CYP3A4 の発現が誘導される。 5 ヒトの肝組織中の存在量が最も多い分子種は CYP3A4 である。 【問 79】ある化合物の 45 ℃における分解が、半減期 3 日の 2 次反応に従うとする。この化合物 160 mg を 12 日間、45 ℃で保存したときの分解量として、正しいのはどれか。1 1 つ選べ。 1 10 mg 2 25 mg 3 32 mg 4 90 mg 5 128 mg 【問 80】バンコマイシン塩酸塩に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 ヒスタミン遊離によるレッドネック症候群を引き起こすことがあるため、30 分以上かけて点滴静注 する必要がある。 2 間質性肺炎や肺線維症が現れることがため、胸部 X 線検査を定期的に行う必要がある。 3 聴力障害が現れることがあるため、定期的に聴力検査を行うとともに、アミノ配糖体系抗菌薬との 併用には注意する。 4 急性腎不全等の重篤な腎障害が現れることがあるので、投与中は腎機能検査値に注意する。 5 クロストリジウム・ディフィシルによる偽膜性大腸炎に経口で用いられる。 【問 81】アナフィラキシー・ショックの治療について、誤っているのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 呼吸困難に対するクロモグリク酸ナトリウムの吸入 2 血圧低下に対するアドレナリンの皮下または筋肉内投与 3 アレルギー反応に対するコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウムの静脈内投与 4 呼吸困難に対するアミノフィリンの緩徐な静脈内投与 5 頻脈に対する塩酸ニカルジピンの静脈内投与 【問 82】薬物 A と B が併用禁忌による疑義照会の対象となる組み合せはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 薬物 A 薬物 B 1 パニペネム ――― バルプロ酸ナトリウム 2 ノルフロキサシン ――― ロキソプロフェン 3 ファモチジン ――― タモキシフェンクエン酸塩 4 ニプラジロール ――― シルデナフィルクエン酸塩 5 フルコナゾール ――― フルニトラゼパム 【問 83】ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患であって、薬事法に生物由来製品に関する規定が設け られる契機となったのはどれか。1 1 つ選べ。 1 スモン(SMON) 2 ギラン・バレー症候群 3 クロイツフェルト・ヤコブ病 4 後天性免疫不全症候群 5 C 型肝炎 【問 84】分光学的測定法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 赤外吸収スペクトルは、一般に、波数 4000 cm-1 ~400 cm-1 の範囲で測定され、その波長は 25 μm ~ 250 μm に対応する。 2 有機化合物のヒドロキシ基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると低波数側にシフトす る。 3 L-トリプトファンの紫外吸収スペクトルは、インドール環π電子の基底状態から励起状態への電子 遷移を観測している。 4 原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは、輝線スペクトルである。 5 L-トリプトファン(分子量:204.23、比旋光度 [α ]20 D :-30.0°~ -33.0°) 0.25 g を正確に量り、 水 20 mL を加え加温して溶かし、冷後水を加えて正確に 25 mL とし、層長 100 mm のセルを用いて測 定すると、旋光度は-3.0°~-3.3°になる。 【問 85】レトロウイルスに関する記述のうち、正しいものはどれか。2 2 つ選べ。 1 ゲノムとして 2 本鎖 DNA をもつ。 2 増殖の過程に逆転写酵素が関与する。 3 宿主細胞の表面に存在する受容体に結合したのち、細胞内に侵入する。 4 ウイルスゲノムに由来する RNA が、宿主細胞ゲノムに組込まれプロウイルスとなる。 5 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及び B 型肝炎ウイルス(HBV)は、いずれもレトロウイルス科に属する。 【問 86】ABC トランスポーターに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 2つ選べ。 2つ 1 P-糖タンパク質(MDR1) 、MRP2 及び BCRP は、いずれも細胞内から細胞外に薬物を輸送する。 2 MDR1、MRP2 及び BCRP は、小腸上皮細胞では、側底膜側に局在して発現している。 3 MDR1 は、主に塩基性または中性の脂溶性の高い薬物を基質として認識する。 4 MRP2 を介する薬物の生体膜透過においては、H+勾配が駆動力となる。 5 BCRP を介する薬物の生体膜透過においては、Na+勾配が駆動力となる。 【問 87】硫黄原子の酸化数が最も多きい分子はどれか。1つ 1つ選べ。 1つ 1 亜硫酸 2 硫化水素 3 硫酸イオン 4 二酸化硫黄 5 硫黄(単体)
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