当院血液・腫瘍内科で治療を受けた再発急性リンパ性

告知文:当院血液・腫瘍内科で治療を受けた再発急性リンパ性白血病患者様へ
フィラデルフィア染色体陰性成人急性リンパ性白血病の
初回再発後の予後についての後方視的検討について
当院ではこのたび当院で治療を受けられた再発急性リンパ球性白血病患者様のうちフィラデルフィア染色体
陰性であった方に対し以下のような疫学的な調査を行うことを予定しております。対象となられる患者様・
そのご家族でこのような調査にご意見・ご質問のある方は下記へご連絡ください。
1)目的
フィラデルフィア染色体陰性成人急性リンパ性白血病の初回再発例に対して行われた治療やその治療後の
経過を、再発前の因子と合わせて解析し、初回再発患者の予後因子を検討することを目的としています。
2)背景
成人急性リンパ性白血病は多剤併用化学療法により寛解が得られる可能性は高くなりましたが、再発率は
依然高いままです。そのため最初に寛解に入った第一寛解期に、適切なドナーがいれば骨髄移植を行うとい
う治療選択があります。しかし骨髄移植にも様々な合併症があり、中には死亡する症例もあり、急性リンパ
性白血病に第一寛解期で骨髄移植を行う方が良いかどうかの結論は出ていません。こうした治療選択を行う
際に本疾患が再発した時の予後(生存率、生存期間等)がどの程度であるのかは不可欠な情報ですが、再発
後の成人急性リンパ性白血病の予後に関するまとまった報告はわずかしかありません。そこで成人急性リン
パ性白血病の初回再発患者に関して、再発後の経過に関するデータを収集して再発患者の予後を明らかにす
るとともに、初発時と再発時の患者背景、第一寛解期での治療、再発後の治療に関するデータを解析して、
再発患者の予後規定因子を検討するために本研究は計画されました。本研究は自治医科大学附属さいたま医
療センターで計画され、同様の調査が全国各地の病院で行われ集計される予定になっており、当院はその調
査に協力する形になります。
3)対象と方法
1998年4月から2008年4月までに当院で治療されたフィラデルフィア染色体陰性成人急性リンパ性白血病
のうち、初発時16歳から65歳で、第1寛解期到達後に初回再発をきたした症例を対象とします。
対象症例に関して、初発時および再発時の検査所見、治療内容、最終転帰などのデータを収集します。氏
名,住所など個人を特定する事につながるデータは収集いたしません。今回の調査に関連して、患者様に新
たに検査、診察を行うこともありません。これらを集計・解析して再発後の全生存率、第2寛解到達率、第2
寛解到達症例の無病生存率等を算出し、それぞれに対して、初発時の因子、第1寛解期での治療、再発時因子、
再発後治療が及ぼす影響を単変量ならびに多変量解析で検討します。
当院における本研究に関するご意見・ご質問は
名古屋大学医学部附属病院血液・腫瘍内科学
へお願いいたします。
早川文彦
電話:052-744-2111