鎌ケ谷市教育振興基本計画(案)

社会の急激な変化により、これまで人としてごく当たり前だと思われてい
た人とのかかわりが希薄となってきています。教育は、どのような社会にあ
っても、人とかかわり、自ら考え、自己を表現しながら、人格の完成を目指
し、民主的な社会の形成者を育てていくことがその使命です。
平成23年度は、小学校が2年間の移行期を経て新学習指導要領による教
育がスタートします。中学校にあっては、移行期の最終年を迎えます。新学
習指導要領の基本理念は、前回と変わりありません。「生きる力」の育成で
す。つまり、「確かな学力」「豊かな人間性」「健康体力」の知・徳・体をバ
ランスよく育てることを目指しています。
この「生きる力」を育てるためには、豊かな体験が必要です。豊かな体験
が豊かな人間を育てていきます。そのために、学校はわかる授業で確かな学
力を育てる場となり、家庭はそれを支え人としての基本的な生活習慣を身に
つける場となり、そして地域はコミュニケーションを育てる場として、お互
いがそれぞれの教育力を発揮することが、子どもたちの成長をより確かなも
のにしていくのです。
鎌ケ谷市では、平成23年度から今後10年間のまちづくりの基本的な方
向を示す「後期基本計画」を平成22年2月に策定しました。そこでは、
「人
間性豊かな子どもの育成環境」「生きがいのある暮らしができる生涯学習社
会」という二つの大きな柱を立て、義務教育の充実、児童生徒の安全・安心
の確保、生涯学習スポーツやレクリエーションの振興、芸術・文化の振興等
を目指して取り組んでいきます。
また教育委員会では、教育基本法を根拠とした「教育振興基本計画」の策
定努力義務を受け、上記「鎌ケ谷市後期基本計画」との整合性を図りつつ、
また、「教育検討懇話会」の『提言』をベースとして「鎌ケ谷市教育振興基
本計画」を策定しました。
鎌ケ谷市生涯学習推進目標である 、『さわやかにふれあい、学びあい、高
めあうまち』づくりのために、家庭・地域・学校それぞれが自らの教育力を
高め、連携を図りながら子どもたちを育てていきたいと考えています。
鎌ケ谷市教育委員会
過日、私は数人の友人と伴に「学び心」の発露として、宮沢賢治、
石川啄木の故郷、盛岡市や花巻市等を訪れました。彼らは幼少の頃か
ら高い宗教的文化環境の中で豊かな感性と学問的素地を育みました。
二人はどんな貧しさや逆境の中にあっても、詩人と或いは教師との信
念や情熱の炎を消すことはなく、たとえ死に瀕していても、「学び心」
を続け、志の実現に努めました。偉業を達成した多くの人たちは、こ
の「学び心」を持ちつづけた人だと思います。
今、ここに市民も参加して関係者のご尽力により、鎌ケ谷市教育振
興基本計画が策定されました。学ぶことが単に受験のためだけでなく
自己や社会の成長・発展に資する「学び心」を育てる良き機会となり
教育改革が益々進展しますことを心より念じております。
平成23年
月
鎌ケ谷市教育委員会委員長
皆 川
征 夫
核家族化、知識基盤社会、価値観の多様化、地域社会の連帯感の希
薄化など、子どもを取りまく環境が大きく変化する中、教育がこのよ
うな社会の変化に対応していくことは当然のことでありますが、一方
で、人を育てるということは不易の課題であるといえます。
この課題に対し、今、家庭・地域・学校の連携強化の必要性が盛ん
にいわれておりますが、それぞれが役割分担の責任を果たしながら、
子どもたちの成長を育んでいくことが益々大切になってくると思いま
す。
今後、この「鎌ケ谷市教育振興基本計画」を指針の一つとして、鎌
ケ谷市の教育行政に努めてまいりたいと思います。
平成23年
月
鎌ケ谷市教育委員会教育長
川 西
八 郎
1
計画策定の趣旨
・・・・・・・・
1
2
計画の位置づけ
・・・・・・・・
2
3
計画の全体構想
・・・・・・・・
3
4
計画の基本的な方向および施策
・・・・・
4
基本的な方向
Ⅰ
・・・・・・・・
5
基本的な方向
Ⅱ
・・・・・・・・
15
基本的な方向
Ⅲ
・・・・・・・・
25
資
料
鎌ケ谷市教育検討懇話会『提言』
今、子どもたちには自らの未来のために、その裡に創造性や豊かな心情を
培いながら確かな見通しをもって主体的に学ぶことが、これまでのどの時代
にも増して必要とされています。そのために家庭、地域、学校を問わず、教
育の機能が持つ使命の意義も大きくなっています。
平成18年12月教育基本法が改正され、さらに、今後10年間の国の教
育施策の方向性を示す「教育振興基本計画」が平成20年7月に示されまし
た。このような中、今回、『鎌ケ谷市教育振興基本計画』を策定することに
なった経緯は、
1 「教育基本法第17条」を受け、各地方自治体にも地域や児童・生徒
の実情に合わせて計画の策定の努力義務が定められたこと
2 小中学校の新しい学習指導要領の完全実施が平成23年度、24年度
からであること
3 「鎌ケ谷市総合基本計画」
、「かまがやレインボープラン21」が平成
23年度より、後期10年間の開始となること
等々が時期的に重なったことによるものです。
『鎌ケ谷市教育振興基本計画』の策定は、「鎌ケ谷市総合基本計画」との
整合性を図り、※「鎌ケ谷市教育検討懇話会」で協議された事項をその柱と
しました。
鎌ケ谷市の子どもたちの明るい未来に向け、学校教育の今後5年間の方向
性を示したものです。
※
「鎌ケ谷市教育検討懇話会」
設置の目的は、鎌ケ谷市の学校教育全般にわたり、中長期的展望を持ち、
国の「教育振興基本計画」や市行政の総合計画等との整合を図りながら、
幅広い協議を行い、以て鎌ケ谷市の学校教育の向上・発展に資することに
ありました。
平成21年度に3回の協議を行い、平成22年6月に、その協議内容は
【提言】という形で教育委員会に示されました。この【提言】は、『鎌ケ
谷市教育振興基本計画』の終わりに資料として付しました。
-1-
『鎌ケ谷市教育振興基本計画』を策定するにあたっては、「鎌ケ谷市総合
基本計画」との整合性を図り、また 、「鎌ケ谷市教育検討懇話会」で協議さ
れた事項をその柱としました。
策定努力義務
●基 本 理 念・・・人間尊重・市民生活優先
●都 市 像・・・緑とふれあいのあるふるさと 鎌ケ谷
●基 本 目 標 「自然と社会が調和する
「健康で生きがいのある福祉
環境共生都市」をめざして ・学習都市」をめざして
●基 本 体 系
・生きる力を育てる義務教育の充実
・児童・生徒の健康と安全の確保
・高等教育の充実
・青少年の健全育成
-2-
「躍動感と魅力あふれる
交流拠点都市」をめざして
基本的な考え方
基本的な方向=目標
人との関わりを大切にし
て、個の自立と自律を育て
るとともに、社会の一員と
しての自覚を養う教育を進
めます。
1 子どもの姿
〔目標〕
社会の中で、たくましく自立
して生きていくことができる子
どもを育てます。
体験を重視し、創造力豊
かで個の力を存分に発揮で
きる教育を進めます。
2 家庭・地域・学校の姿
〔目標〕
家庭・地域・学校が一体とな
り、互いに連携し、教育の向上
に取り組みます。
安全・安心を育み、成長
を見守り・支える教育を進
めます。
3 鎌ケ谷の教育の姿
〔目標〕
質の高い教育環境の整備を図
り、地域の期待に応える教育を
推進します。
-3-
計画策定の趣旨・計画の位置づけ・計画の全体構想より、3つの基本的な
方向とそれぞれ3つの施策を設け、鎌ケ谷市が取り組む学校教育の今後5年
間の方向性を示しました。
基本的な方向 Ⅰ 子どもの姿
〔目標〕社会の中で、たくましく自立して生きていくことができる
子どもを育てます。
施
策
Ⅰ-1
施
施
策
策
Ⅰ-2
Ⅰ-3
基礎的・基本的な知識及び技能を習得し、思考力
や表現力を育てます
自他を思いやり、豊かな心を育てます
健やかな体、体力の向上を図ります
基本的な方向 Ⅱ 家庭・地域・学校の姿
〔目標〕家庭・地域・学校が一体となり、互いに連携し、教育の向
上に取り組みます。
施
施
施
策
策
策
Ⅱ-1
Ⅱ-2
Ⅱ-3
家庭教育力の向上を図ります
家庭・地域・学校の連携強化を図ります
学校教育の充実を図ります
基本的な方向 Ⅲ 鎌ケ谷の教育の姿
〔目標〕質の高い教育環境の整備を図り、地域の期待に応える教育
を推進します。
施
施
施
策
策
策
Ⅲ-1
Ⅲ-2
Ⅲ-3
安全・安心で質の高い教育環境の整備を図ります
個々のニーズに応じた支援の充実を図ります
地域の期待に応える教育をすすめます
-4-
社会の中で、たくましく自立して生きていくことが
できる子どもを育てます。
-5-
取り組み
(1)個に応じた教育、少人数指導の推進
(2)学び合い、高め合う授業の推進
(3)国際理解教育の推進
過去4年間の全国学力・学習調査の結果より、鎌ケ谷市の児童生徒
は、基礎的事項の習得状況についてはほぼ全国平均並ですが、思考
力・判断力・表現力に課題が残るという結果が出ています。平成23年度
より小学校に外国語活動が導入されるなど、教育活動に新しい対応が
求められています。
さらなる変化が予想される社会の中で、自立して生きていくため、基
礎的・基本的知識及び技能を身につけさせるとともに、身につけた知識
・技能を活用する思考力・表現力を育成します。
-6-
(1)個に応じた教育、少人数指導の推進
子どもたちに基本的な知識・技能の確実な定着を図るためには、一人
一人の実態や性格を理解し、その子どもにあった指導が求められてい
ます。
「わかる喜び」や「学ぶ楽しさ」を体感させるためにも、個に応じた教育
や少人数指導を推進していきます。市の非常勤講師である「きらり先
生」「ほほえみ先生」を各小中学校に配置したり、外国人のために日本
語指導ボランティアを配置し、個に応じたきめの細かい指導を展開しま
す。
(2)学び合い、高め合う授業の推進
人は、言語を通して、ものごとを考えたり他とのコミュニケーションを図
ります。言語活動は、知的活動や人間関係づくりの基盤となるもので
す。子どもたちが、自他の考えをもとに学習活動を行うことは、思考力や
表現力を育成することや、コミュニケーション能力を育成することにつな
がります。
市では「学校教育指導の指針」を作成し、「学び合い高め合う授業」を
行なうために、
①相互の信頼関係を築く授業
②子どもの視点からつくる授業
③伝え合うことにより、一人一人の考えがみんなに広がる授業
④基礎的・基本的な知識・技能の定着を大切にする授業
を重点としてとらえ、推進していきます。
-7-
(3)国際理解教育の推進
国際化が進む中、外国への興味・関心を高めることは大切なことで
す。外国語でコミュニケーションを図るための外国語活動、様々な国の
文化や生活を理解する国際理解教育の推進が求められています。
小学校では以下のことに留意し、国際理解教育を推進します。
①ALT(外国語指導助手)の増員
②外国語活動に有効な電子黒板など、ICT(情報通信技術)の活用
③外国語ボランティアの導入
また、中学校では、以下のことに留意し、実用的な英語教育を目指しま
す。
①ALTの活用の充実
②ネイティブな発音にふれる機会の増設
さらに、小学校と中学校で連続した指導が行えるよう、十分な情報交換
を行ないます。
【成果目標値】
指
標
名
現状値
目標値
(H22 年度)
(H27 年度)
少人数教育指導教員(きらり先生)配置数
14人
14人
特別支援教育推進指導教員(ほほえみ先生)配置数
10人
14人
5人
8人
外国語指導助手(ALT)配置数
-8-
取り組み
(1)道徳教育の推進
(2)読書活動の充実
(3)体験活動の充実
近年、自然環境の減少、子どもの数の減少、携帯電話・ゲーム機器
の普及により、子どもたちは戸外に出て自然の中で過ごす機会が激減
し、家の中で過ごす時間が増えています。
他人と関わり合いながら、より充実した人生を歩むために、自然の事
象や物事に感動すること、または人の気持ちに共感する想像力や思い
やりの気持ちを持つことが大切です。
家庭・地域・学校が連携・協力して、豊かな心を育む教育を充実させ
ます。
-9-
(1)道徳教育の推進
他人を思いやる気持ちが足りない、共感性が乏しい、規則が守れない
等の問題が指摘され、子どもたちの心の教育の重要性が叫ばれていま
す。
学校教育全体の中で道徳教育の推進を図ります。道徳教育推進教
師を中心として道徳教育全体計画を作成します。
また、道徳の授業の中で、子どもたちの心を揺さぶる資料の活用や
指導方法の工夫を行い、内面に根ざした道徳性の育成を図ります。
さらに、授業参観や保護者会、教育ミニ集会を活用し、家庭教育の重
要性を家庭・地域に啓発していきます。
(2)読書活動の充実
読書活動は、言葉を学び、物事に感動する心、想像力を育みます。ま
た学校図書館を拠点として行われる調べ学習は、学力を育む重要な活
動です。
子どもたちが、必要な時に必要な本がスムーズに手に入るよう、学校
図書館の蔵書の充実を図るとともに、学校間や市立図書館との連携を
図ります。
また、より読書活動が盛んになるよう、学校図書館
司書の増員を検討し、図書ボランティアの積極的な支
援をいただきながら、人的な環境を整えていきます。
あわせて、引き続き、データベース化の作業を進めていきます。
- 10 -
(3)体験活動の充実
人、自然、地域の文化等に直接ふれる体験活動は、子どもたちの内
面に働きかける教育活動であり、自然体験、職場体験、宿泊体験等の
重要性が叫ばれています。
林間学校・修学旅行をより充実したものとします。
また、小学校の職場見学、中学校の職場体験も、子どもに職業観を
もたせる活動として積極的に取り組みます。
体験活動の機会を増やすために、地域の方々や外部指導者に積極
的に指導を依頼するとともに、様々な活動を提供してくれるボランティア
や指導者の発掘と育成に取り組みます。
【成果目標値】
指
標
名
学校図書館司書配置数
現状値
目標値
(H22 年度)
(H27 年度)
11人
- 11 -
14人
取り組み
(1)食育の推進
(2)体育指導の充実
(3)健康教育の推進
子どもたちが充実した人生を過ごすためには、学力を身につけ、豊か
な心をはぐくむとともに、健やかな体づくりが欠かせません。
しかし、保護者の就労の多様化や、食料品の豊富さに比べ栄養摂取
のアンバランスが指摘されるなど、子どもたちの食生活が十分に満たさ
れていないのが現状です。
また、外遊びの機会の減少など、子どもたちの体力の低下も危惧さ
れています。
子どもたちに健康教育をさらに推進していくため、家庭と連携を図りな
がら、食生活の重要性をあらためて認識させることや、体力の維持・向
上に努めさせることがよりいっそう必要となります。
- 12 -
(1)食育の推進
食べることは生きることの基本です。栄養バランス、
安全な食品等に関する知識を習得させることが必要です。
学校では次のことを通して、食育を推進していきます。
①自ら考えて調和のとれた食事ができる、自己管理能力の育成
②給食の時間を利用した、楽しい食事のあり方の習得
③栄養職員・養護教諭と担任が連携した、食や体に関する授業実践
④望ましい食習慣づくりのために、家庭や地域へ啓発活動
(2)体育指導の充実
子どもたちの体力は、1985年ごろをピークとして下がり続けていること
が指摘されています。体力の向上とともに、生涯を通して運動に親しむ
態度や能力の育成が必要です。
子どもたちの運動に対する意欲を高め、健康の保持・増進を目指した
指導の充実に努めます。そのために、特に、若手教員を対象とした体育
の実技研修の充実を図ります。
また、休み時間に十分な外遊びができるよう、学級の人間関係づくり
を進めていくとともに、校庭・体育館等の環境
を整えていきます。
- 13 -
(3)健康教育の推進
喫煙、薬物乱用、感染症、生活習慣病、心の病等は、今や子ども達に
も無縁ではなくなってきています。自らの健康の保持増進に対する意識
を高めるために、発達段階に応じた健康教育を行うことは重要なことで
す。
学校教育全体の中で健康教育の推進を図ります。中でも、養護教諭
との連携により、健康を守るための知識・態度の育成をはかる授業を進
めます。
また、学校だよりや保健室だより等を通して、家庭・地域への啓発活
動を積極的に行なっていきます。
- 14 -
家庭・地域・学校が一体となり、互いに連携し、教育
の向上に取り組みます。
- 15 -
取り組み
(1)子どもの生活習慣の確立
(2)家庭学習の充実
(3)親学の推進
核家族化・少子化が進む中、子どもたちの成長を育む過程において、
様々な課題が指摘されています。
その中で、子どもたちの規範意識の低下や人間関係づくりの未熟さ、
さらには生活習慣が十分確立していないなど、家庭でのしつけや教育
のあり方が問われています。
家庭教育の充実に向けて、実践可能かつ有効な取り組みが重要で
す。
- 16 -
(1)子どもの生活習慣の確立
子どものしつけや基本的な生活習慣の確立は、家庭教育が何よりも
根本となります。
『早寝・早起き・朝ごはん』の生活習慣を身につけさせることや礼儀作
法・家庭学習のあり方等について、PTA活動や保護者会・教育ミニ集会
を通して、家庭教育の重要性を啓発し、実践方法などの情報を提供して
いきます。
(2)家庭学習の充実
家庭学習が、学力向上という学校全体の目的と密接な関係があるこ
とは、多くの調査研究より明らかになっています。家庭学習の充実を図
るため、学校が家庭の信頼と協力を得て、組織的に取り組みを進めて
いく必要があります。
具体的には、学力向上策(全国学力・学習状況調査、市独自の学習
到達度調査も含め)全体の中で、家庭学習をどのように位置づけるか検
討します。
また、学校の学習についての基本方針を示し、そのことを基に家庭で
の支援のあり方について協力依頼するなど、学校と連携した取り組みを
進めます。
- 17 -
(3)親学の推進
子どもは大人の鏡です。長きにわたり子に接する親の教育を、学校や
地域が支援することは大事なことです。そのために、子育てに関する学
習、親としての学習の機会及び情報の提供が必要です。
親学を推進するために、次の内容を整備します。
①「幼児教育」施策との連携
②親の相談窓口の明確化
③親や大人のコミュニケーション力向上などをテーマとした講演会
の開催
④「親学」などの通信講座の積極的な情報提供
- 18 -
取り組み
(1)学校評議員会や教育ミニ集会の充実
(2)学校支援ボランティア活動の活性化
(3)地域行事への積極的参加
子どもたちを取り巻く人間関係が希薄化するなど、家庭や地域の教育
力の低下が社会的にも大きく取り上げられています。
子どもたちの教育を担うのは学校だけでなく、家庭や地域と連携・協
力して、それぞれが役割を担っていく必要があります。
また、家庭・地域・学校が連携することによって情報を共有化し、子ど
もたちの教育支援・健全育成に取り組んでいく必要があります。
- 19 -
(1)学校評議員会や教育ミニ集会の充実
家庭・地域・学校が連携していくためには、広く行われている学校評議
員会や教育ミニ集会をさらに充実させていく必要があります。
保護者会、学校評議員会や教育ミニ集会などの有効な運営の仕方を
支援します。また、意見として出されたり話し合われた内容や改善策を、
積極的に情報発信していきます。
(2)学校支援ボランティア活動の活性化
現在、市内小中学校では交通安全・学校環境美化・学校図書館整備
・学習支援等多くのボランティア活動が行われています。
この学校支援ボランティア活動をさらに活性化するために、人材バン
クの整備や保険等の充実を図ります。
また、ボランティア活動の拡大を目指すため、たとえば学生ボランティ
アの活用ついて調査・研究を進めるなど、その可能性を探っていきま
す。
- 20 -
(3)地域行事への積極的参加
地域は子どもたちを大きく成長させてくれます。子どもたちは、地域に
活動の場を求めることによって多くのことを学ぶことができます。そのこ
とが、地域を大切にすることにもつながっていきます。
鎌ケ谷市にも地域の行事がたくさんありますが、地域に根付いた伝
統的な行事や歴史的経緯のある行事を掘り起こし、大事にしていく姿勢
が必要です。
地域活動をいっそう推進するために、地域を支える人材(ボランティア
や指導者)を発掘し、育成に取り組みます。
また、小中学生を対象とした研修会(JRCリーダー研修、元気っ子ゼ
ミナール等)を通し、地域に貢献できるリーダーを育成していきます。
【成果目標値】
指
標
名
教育ミニ集会実施校
学校支援ボランティア人数
- 21 -
現状値
目標値
(H22 年度)
(H27 年度)
14校
14校
637人
870人
取り組み
(1)学校評価の推進と学校運営の改善
(2)教職員の資質向上
(3)学校に関する情報の発信と受信
子どもたちの成長を育むためには、学校教育の充実が重要です。そ
のためには、教師の指導力・授業力の向上に加え、学校全体の教育力
の向上が大切となります。
教師一人一人が主体的に実践的な指導ができるよう「鎌ケ谷市学校
教育指導の指針」を作成し、日々の指導を推進していきます。
また、若年層だけにとどまらず、誰もが受けられる鎌ケ谷市独自の研
修会を企画し、教師の指導力向上に努めていきます。
- 22 -
(1)学校評価の推進と学校運営の改善
子どもや家庭・地域から信頼される学校運営を行うために、自己評価
や、子ども・保護者からのアンケートをもとに行う評価を用い、その結果
に基づいて学校運営の改善に努めることが大切です。
実情に応じた学校運営や、児童生徒の指導に生かすことのできる学
校評価になるよう、評価項目・評価方法を再検討していきます。
また、家庭や地域に、得られた評価を今後どのように生かしていくの
かが目に見えるよう、評価結果の適切な活用や成果等について、広く情
報を発信していきます。
(2)教職員の資質向上
学校全体の教育力向上のためには、専門性と社会性を兼ね備えた教
師を育成することが大切です。
教職員の資質向上のため、次のことを充実させていきます。
①教務主任会議や生徒指導主任会議をはじめ、各分掌に応じた研
修の充実
②市独自で教職2年目・3年目を対象とした若年層研修の充実
③課題や要望の多い理科・体育・英語等での実技指導的な研修の充
実(外部講師の招聘)
④研究指定校の設置
さらに、研修会の進め方は、従来の講義型からワークショップ型へ転換
しながら、参加者一人一人の理解度を高める工夫を行います。
- 23 -
(3)学校に関する情報の発信と受信
子ども、家庭、地域からの信頼を高めるために、学校からの情報の発
信と、家庭・地域からの情報の受信が大切です。
学校だよりやホームページなどによる積極的な情報発信に努めま
す。
また、家庭・地域・学校に関わりが深く、身近な組織であるPTA活動
の充実と改善を行い、情報の提供や協力体制を整備し、学校の活性化
を図ります。
【成果目標値】
指
標
名
学校評価実施回数(一校あたり)
現状値
目標値
(H22 年度)
(H27 年度)
1回
2回
若年層研修回数
年2回
年3回
実技指導(体育.理科実験等)研修回数
年2回
年3回
- 24 -
質の高い教育環境の整備を図り、地域の期待に
応える教育を推進します。
- 25 -
取り組み
(1)学校教育施設の耐震化、防犯体制
の整備の推進
(2)危機回避能力の育成
(3)いじめ、暴力行為への対応
校舎・施設等の老朽化や登下校中における交通事故等、子どもの命
を脅かすことが多くなっている昨今、安全・安心に関わる問題の解決が
急がれています。
自らの安全を守るためには、子どもたちの危機回避能力を育成して
いくことが重要です。社会的課題となっている「いじめ」や「暴力行為」に
かかわる問題についても、早期発見・対応に向け家庭・地域・学校およ
び関係機関との理解ある連携を通し、未然に防ぐことができるよう取り
組んでいきます。
- 26 -
(1)学校教育施設の耐震化、防犯体制の整備の推進
学校の教育環境の安全性を高めるとともに、地域全体で子どもを守る
ことが重要です。
安全な教育環境の実現のために、校舎・施設等の耐震補強工事を進
めていきます。
また、家庭・地域・学校および関係機関等の協力のもと、防犯体制を
整備します。具体的には、青色パトロールカーの巡回の強化、交通安全
教室・自転車講習会の開催、さらには、地域の方々によるネットワーク
会議の実施に取り組みます。
(2)危機回避能力の育成
子どもたちの安全を守るため、危険を早く予知・予測できる能力の育
成が必要です。
家庭・地域・学校および関係機関による見守りとともに、危機回避能
力の育成に取り組みます。集団下校や火災・地震における避難訓練は
もちろん、不審者に対する防犯訓練を実施します。
また、防犯標語の作成や交通安全教室を実施し、子どもの防犯に対
する意識の向上を図ります。
- 27 -
(3)いじめ、暴力行為への対応
学校における「いじめ」や「暴力行為」が社会的な問題となっており、
継続的に対応する必要があります。
いじめや暴力行為の防止に対する具体策として、次のことを積極的に
推進していきます。
①実態把握に努め、早期発見・早期対応を図る
②教職員と子ども、子ども同士の信頼関係をもとに、職員間での情
報の共有化を図る
③発達に即した子ども理解に努め、家庭・地域・関係機関との連携を
図る
④教育相談週間を設定するなど、子どもの悩みが把握できるよう
「場の設定」の充実を図る
【成果目標値】
指
現状値
標
名
義務教育施設耐震化率
目標値
(H27 年度)
58.8%
80.4%
(H22 年度)
青色パトロールカー巡回回数(一校あたり)
2.6回
3.0回
(H21 年度)
いじめ調査実施回数
1回
(H22 年度)
- 28 -
2回
取り組み
(1)特別支援教育の推進
(2)不登校児童生徒へ支援の拡充
(3)就学支援等の充実
特別な支援が必要な子どもたちに、早い時期から必要な支援を見極
め、効果的な支援を行うことが大切です。また、個々のニーズに応じた
適切な支援が実施できる教育プログラムの作成が必要です。
集団の中で上手にコミュニケーションを図っていくことの苦手な子ども
たちは、その原因や状況に応じた適切な対応が必要です。学校あるい
は家庭が単独で解決のできない、複雑な原因もあるので、青少年センタ
ー、警察、医療機関等の連携が大切です。
- 29 -
(1)特別支援教育の推進
家庭・地域・学校および関係機関が協力しながら、個に応じた適切な
支援が必要です。
特別な支援を必要とする子どもが適切な支援を受けられるよう、特別
支援教育コーディネーターを中心として、個別の指導計画の作成、校内
支援体制の整備を行います。
また、発達障がいをもつ子どもたちを支援する市の非常勤講師「ほほ
えみ先生」を、市内全校に配置することを検討します。
様々な関わりを持つことによる交流教育の充実を図ります。
(2)不登校児童生徒へ支援の拡充
病気や家庭の事情以外の理由で学校に登校できないでいる子どもた
ちが年々増加しているという実態があります。
学校では、このような不登校を未然に防ぐ取り組みとして
①個に応じた学習指導の充実を図ります
②子どもたち同士の良好な人間関係づくりの支援を行います
③子どもたちが悩みを気軽に相談しやすいように、教育相談の充実
に努めます。
ふれあい談話室(教育支援センター)では、少人数で多用な活動を行
うなど、子どもたちが自信を回復できるよう取り組みます。
さらに、不登校の早期解決に向け、家庭・青少年センター・警察・医療
機関等との連携を行います。
- 30 -
(3)就学支援等の充実
楽しい学校生活を送るために、子どもや保護者の入学に対する不安
を早期に解決することは大事なことです。
市教育委員会は、随時就学相談を行います。
また、入学前の就学時検診において、保護者に特別な支援に関する
パンフレットを配布するなど、様々な機会を捉えて家庭・地域に情報を
発信します。
さらに、市の関連部局との連携を図り、保護者の不安解消に向け取り
組みます。
【成果目標値】
指
標
名
現状値
目標値
(H22 年度)
(H27 年度)
特別支援教育推進指導教員(ほほえみ先生)配置数
10人
14人
不登校児童生徒出現率
1.1%
0.8%
- 31 -
取り組み
(1)情報活用能力を高める教育環境の充実
(2)職場体験学習を核としたキャリア教育
の推進
(3)帰国・外国人児童生徒へ支援の充実
子どもたちが変化の激しい社会に順応し、たくましく生きていくため
に、様々な課題を克服していく必要があります。
その中に、情報モラルの育成、望ましい勤労観や職業観の定着、外
国人児童生徒への支援等が、社会の要請としてあげられています。
- 32 -
(1)情報活用能力を高める教育環境の充実
現代の子どもたちは、情報化社会で生きています。コンピュータ等を
扱うことは、社会生活で必要不可欠なものとなり、学校において積極的
に学ぶことが必要です。また、インターネットによる情報モラルについ
て、保護者へ発信する必要もあります。
インターネット社会での正しい関わり方について、学校で指導するとと
もに、保護者との連携を深めます。
事件・事故に巻き込まれないようにチェーンメール、プロフ等の扱いに
ついて、関係機関と連携しながら家庭に情報を提供します。
小学校低学年からコンピュータ操作・情報モラル等に関する学習を一
層取り組みます。
(2)職場体験学習を核としたキャリア教育の推進
毎日を懸命に生きる子どもたちは、夢や希望を大切にしています。
キャリア教育を発達段階に応じてすすめ、社会人・職業人として自立
できるよう、望ましい勤労観、職業観を育成します。
特に、あいさつや返事等、社会生活に必要なマナーやルール、コミュ
ニケーション能力を育成します。
また、地元の商工会や商店会・企業の協力を得て、活動の場を広げ
る取り組みを行います。
- 33 -
(3)帰国・外国人児童生徒へ支援の充実
帰国子女・外国人が増えてきているのが現状です。帰国・外国人児童
生徒に対しては、日本で生活するために日本語の習得が必要となりま
す。
そのために、日本語の早期習得と学習面での支援を行います。また、
外部機関との連携により、有効な学習支援も進めます。
- 34 -
Ⅰ 「学校と地域等との連携」部会
提言
1
「学校支援ボランティア」
「社会教育と学校教育の連携について」
現状及び課題
(1)教職員が子どもと向き合う時間を拡大し、子ども一人一人に対する
きめ細やかな指導をする時間の確保を図る取り組みが必要とされてい
ます。学校と地域との連携体制の構築を図り、学校支援ボランティア
等を充実させていく必要があります 。(可能な範囲での教員支援を実
践していく。)
(2)現在、交通安全ボランティア、学校環境美化ボランティア、図書ボ
ランティア、学習支援等のボランティアが多くの学校で支援活動を行
っているようですが、今後、活用拡大についてその可能性を探る必要
があります。
(3)地域は子どもを大きく成長させてくれます。鎌ケ谷市にも地域の行
事がたくさんありますが、伝統的な地域に根付いた行事や、歴史的経
緯のある行事を掘り起こして大事にしていく姿勢が必要です。
地域を支える人材を発掘し育成することが必要です。
取組
(1)ボランティアのさらなる組織化を目指すため、市が行っている「学校支援ボ
ランティア事業」を基本に、人材バンクの整備や保険等の充実を図っていきま
す。
(2)学生ボランティアを活用するにあたり、不登校支援、日本語指導、図書支援
等の具体化に向けての事前の調査・研究をしていきます。そのためにも、大学
との連携のあり方について調査・研究をしていきます。
(3)地域活動をいっそう推進するために、ボランティアや指導者の発掘と育成に
取り組みます。また、小中学生は研修会(JRCリーダー研修、元気っ子ゼミ
ナール等)を通し、地域に貢献できるリーダーを育成します。
資料Ⅰ− 1
Ⅰ 「学校と地域等との連携」部会
提言
2
「教育についての学校・家庭・地域の役割分担について」
現状及び課題
(1)学校だけが子どもたちの教育を担うのではなく、家庭や地域と連携
し、それぞれの役割を担っていく必要があります。家庭教育の充実に
向けては、学校と地域がその支援を推進していく必要があります。
また、学校・家庭・地域が連携することによって、児童生徒が教育
上どうしてプラスになるのか、また、どうして必要なのかを家庭・地
域に分かって頂くことが大切だと思います 。(そこではじめて学校本
来の教育ができるということです。)
(2)家庭学習が、学力向上という学校全体の目的と密接な関係があるこ
とは、多くの調査研究より明らかになっています。学校が家庭の信頼
と協力を得て、組織的に学校と家庭の学習を連携した取り組みが必要
です。
(3)子どもの教育について一番真剣になって欲しいのは親なのですが、
その指導を誰かに任せたいという気持ちになっているように見えるこ
ともあります。
「学校・教師」対「子ども・親」という、1対1の個を意識する向
い方をした情報のキャッチボールが必要と考えます。
親になるための学習、親としての学習の機会及び情報の提供が必要
です。
取組
(1)学校・PTA等の連携を強化し、子どものしつけや、基本的な生活習慣の確
立を家庭で身につける重要性の啓発に取り組みます。
学校の保護者会や教育ミニ集会を活用して、家庭教育の重要性、実践方法な
どを啓発します。
(2)組織的に学校と家庭の学習を連携した取り組みを進めます。
・学力向上策(全国学力・学習状況調査、市独自の学習到達度調査も含め)全
体の中で、家庭学習をどのように位置づけるか検討します。
・学校の学習についての基本方針を示し、そのことを基に、家庭での支援のあ
り方について協力依頼します。
(3)親や大人のコミュニケーション力向上などをテーマとした講座の開催を推進
します。また、「親学」などの通信講座がある場合は、積極的に紹介します。
資料Ⅰ− 2
Ⅰ 「学校と地域等との連携」部会
提言
3
「学校への家庭・地域の声の反映のさせ方について」
現状及び課題
(1)学校評議員会や教育ミニ集会が広く行われています。この会をさら
に充実させ、学校との連携を深めていくためにも、意見として出され
たり話し合われた内容や改善策を、情報として発信する必要がありま
す。
(2)学校評価の推進とその結果の適切な運用に基づき、学校運営の改善
に努めることが大切です。
(3)PTA活動を今まで以上に充実させた上で、情報を共有する必要が
あります。
取組
(1)学校だよりやホームページなどによる積極的な情報発信に努めます。
保護者会、学校評議員会や教育ミニ集会などの有効な運営の仕方を支援します。
特に、学校評議員制度については調査・研究を進めます。
(2)子ども、家庭、地域からの信頼を高めるために、学校の自己評価やこども・
保護者からのアンケートをもとに評価を行い、その結果の適切な活用と公開を
行います。
(3)学校・家庭・地域に関わりが深く、また身近な組織であるPTA活動の充実
と改善を行い、情報の提供や協力体制を整備し、学校の活性化を図ります。
資料Ⅰ− 3
Ⅱ 「新しい教育課題等」部会
提言
1
「学校図書館整備について」
現状及び課題
(1)学力を高め、豊かな心を育てるために、読書活動は重要です。
(2)学校図書館の図書数がまだ標準冊数に達していません。蔵書の充実
が必要です。
(3)調べ学習について図書館の役割は重要です。そのためにも、蔵書数
だけではなく、現状を反映する図書が必要となるので、こまめな蔵書
の入れ替えが必要です。
(4)図書館をより活性化させるためには、人の存在が重要です。学校図
書館にいつも人がいることで、図書館に活気が生まれ、自ら読書や調
べ学習を進めようとする意欲が出てきます。
取組
(1)蔵書数を増やすなど、学校図書館の充実に努めます。また、データーベース
化の全校実施を行い、貸し出し・返却の作業や検索作業の合理化を図ります。
(2)より多くの本がどこの図書館でも借りられるように、学校図書館、市立図書
館等をオンライン化することを推進します。
(3)その時代の子どもの意欲を喚起するテーマ、新しい情報が得られる図書等、
つねに蔵書の入れ替えを行います。
(4)学校図書館司書の常時全校配置を目指します。また、図書ボランティアを充
実させ、子どもの読書意欲を高めます。
資料Ⅰ− 4
Ⅱ 「新しい教育課題等」部会
提言
2
「特別支援教育の在り方について」
「外国籍児童生徒に対する日本語指導の在り方について」
「不登校児童生徒について」
現状及び課題
(1)特別な支援が必要な子どもに対しては、早い時期から必要な支援を
見極め、一人一人の子どもに適した効果的な支援を行うことが大切で
す。また、個々のニーズに応じた適切な支援が実施できるよう、個々
の教育プログラムが作成されるような環境整備が必要と思います。
(2)学級担任だけが抱え込んで悩まないためにも、学校内の特別支援教
育コーディネーターを中心に、校内はもとより、医師をはじめとする
専門機関との連携、家庭・地域への啓発が必要です。
(3)外国籍児童生徒に対しては、日本で生活するために日本語の習得が
必須です。しかし、日本語がある程度習得できても、学習面では全く
ついて行けない状況があるので、日本語の早期習得と学習面での支援
が必要です。
(4)集団の中で上手にコミュニケーションを図っていくことの苦手な児
童生徒は、その原因や状況に応じ適切な対応が必要です。学校あるい
は家庭が単独で解決のできない、複雑な原因もあるので、学校、家庭
はもとより、青少年センター、警察、医療機関等の連携が大切です。
取組
(1)就学時検診等、入学前に保護者に発達障がいに関するパンフレット等を配布
するなど、様々な機会を捉えて、家庭・地域に情報を発信することが必要です。
(2)発達障がいのある児童生徒に対しては、学校内の特別支援教育コーディネー
ターの専門性を向上させる研修を推進します。
(3)外国籍児童生徒に対する指導は、外部機関との連携により有効な学習支援を
進めます。
(4)集団の中で上手にコミュニケーションを図っていくことの苦手な児童生徒に
適切な対応を行うため、学校、家庭、青少年センター、警察、医療機関等の連
携がとれる組織の構築を図ります。
資料Ⅰ− 5
Ⅱ 「新しい教育課題等」部会
提言
3
「第三者評価について」
現状及び課題
(1)・各校における学校評価は、自己評価、学校関係者評価等が行われ
ております。今後は、一層の内容の検討が必要と思われます。
・学校経営のマンネリ化から脱却する為には、学校評価を導入した
学校経営改革プログラムを作成し、それを公開して、さらに改革
を推進するといった組織作りを早急に取り組む必要があります。
そして、その中には、自己評価だけでなく、第三者評価の検討に
も積極的に取り組む必要があります。
(2)学校職員が持つ学校評価への抵抗感を軽減するためにも、指導に生
かせる評価項目等について、評価内容の充実を図る必要があります。
(3)家庭・地域では、得られた評価を指導にどのように生かしているか
が目に見えないとの不満の声があります。評価を生かした取り組みに
ついて、積極的に公開することが必要となります。
取組
(1)学校運営や児童生徒の指導に生かせる学校評価となるよう、評価項目、評価
方法を再検討していきます。
(2)評価結果の適切な活用や成果等について、学校内外に情報を発信していきま
す。
(3)学校評価のさらなる充実のため、第三者評価委員会の発足について調査・研
究いたします。
資料Ⅰ− 6
Ⅲ 「教育課程」部会
提言
1
「学力の向上」
現状及び課題
(1)過去3年間の全国学力・学習状況調査の結果より、鎌ケ谷市の児童生徒は、
基礎的事項の習得状況についてはほぼ全国平均並みであるが、思考力、判断力、
表現力については全国平均よりやや劣るという結果が出ております。また、家
庭学習の時間については、小学校段階より全国平均と比較して少ないことがわ
かりました。
したがって、小中学校の連携を深め、思考力・活用力を身につけるために基礎
的・基本的な学力の習得を行うことが必要です。
(2)小学校では、平成23年度より新学習指導要領が完全実施となり、外国語
活動が新たに加わります。
小学校へのALT(外国語指導助手)の派遣回数や教材活用を十分に準備し、
活用事例等を検討していく必要があります。
(3)少人数教育の指導は、学習につまずきのある児童生徒の対応に加え、一人
一人の個性に対応する教育という趣旨で体制を組んでいます。
鎌ケ谷市の「学力向上」についての課題と、「きらり先生」の有効な勤務運用
について再考していく必要があります。
取組
(1)今まで以上に教師の専門性を高めるとともに、学びあい高め合う授業を達成
するため、日々の授業の充実をめざします 。「
( 指導の指針」4つの柱 ①相互
の信頼関係を築く授業 ②基礎的・基本的な知識・技能の定着を大切にする授
業 ③子どもの視点からつくる授業 ④伝え合うことにより、一人一人の考え
がみんなに広がる授業)
また、本市独自の学習到達度調査(国語、算数・数学)を実施するにあたり
内容を検討し、さらに、家庭学習の大切さを啓発するための工夫を図るなど、
学力向上策を検討していきます。
(2)ALTの配置時間の拡充や電子教材の活用を充実します。
(3)きらり先生の配置については今後も継続し、スキルアップのための研修等を
実施し、指導・助言を行います。
資料Ⅰ− 7
Ⅲ 「教育課程」部会
提言
2
「教職員研修の在り方」
現状及び課題
(1)教職1年目については、研修が多く実施されるが、2年目以降少な
くなるため、教員の指導力向上のためにも、今後、特に若年層の研修
を増やす必要があります。
(2)研修内容については、授業研究や実技研修等、中身の充実を図る必
要があります。
取組
(1)教職員一人一人が主体的に実践的な指導ができるよう「鎌ケ谷市学校教育指
導の指針」を作成し推進しています。若年層だけにとどまらず、誰もが受けら
れる市独自の研修会も数々企画し、教員の指導力向上に努めます。
(2)新学習指導要領実施に向けて、教員の指導面での課題・要望に応じ、理科・
体育・英語等での実技指導的な研修を行うなど、外部講師の派遣も含め幅広く
研修事業を推進していきます。
(3)研修会の持ち方として、一部、講義型からワークショップ型へ転換し、参加
者一人一人の理解度を高めます。
資料Ⅰ− 8
Ⅲ 「教育課程」部会
提言
3
「情報教育の在り方」
現状及び課題
(1)情報の取り扱いにおける課題として、情報社会の影の部分が大きく
なり、子どもの生活環境も含めた社会全体の規範意識の低下があげら
れています。
(2)携帯電話に関する情報モラルについて、学校から保護者に対しても
っと情報を発信する必要があります。
(3)社会では、コンピュータやインターネットの活用が増し、生活をす
るうえで必要不可欠なものとなっております。学校でコンピュータや
周辺機器等を積極的に扱う必要があります。
取組
、
(1)インターネット社会との正しい関わり方について、学校で指導するとともに、
保護者への理解・協力を依頼します。
(2)事件・事故に巻き込まれないようにチェーンメール、プロフ等の扱いについ
ての具体を示し、関係機関と連携して情報モラルのあり方(注意点や犯罪性)
について家庭に情報を提供します。
(3)小学校から情報に関する学習への取組を一層進め、授業や行事等に活用出来
るようにします。
資料Ⅰ− 9
【検討懇話会委員長】
教 育 検 討 懇 話 会 は 、3 つ の 部 会 の 議 論 と 全 体 会 で の 協 議 を 経 て 、何 と か「 提
言」をまとめることができました。
協議を通じて知った皆さんの教育への関心の高さと、子どもを取り巻く様
々な問題に対して解決方法を見出そうという意欲の強さには正直驚かされま
した。教育の現場で日々様々な形で子ども達に関わっている方々の意見を直
接聞くことができ、大変勉強になりました。
委 員 の 皆 さ ん の 多 岐 に 渡 る 意 見 を「 提 言 」の 中 に 取 り 入 れ た つ も り で す が 、
委員長である私の力量不足もあって十分に反映されていないかもしれませ
ん 。 た だ 、 こ う し た 学 校 ・ 家 庭 ・地 域 全 体 で 子 ど も を 育 て て い こ う と い う 意
識と行動こそが、日本の教育の諸問題を解決する大きな力になるものと確信
しています。
〔近藤
広一〕
【学校と地域等との連携】部会
この会に参加させていただき、子育て、教育に様々な考えがあることを知
らされました。それぞれの立場からの考えをお聞きし、大変勉強になりまし
た。この提言が、絵に描いた餅にならぬよう、一つでも多く実現できるよう
に、教育委員会に強い指導力を求めるとともに、地域よりご協力をさせてい
ただきます。
〔星本
慎児〕
子ども達には、いろいろな考えを持ち、いろいろな考えを知り、いろい
ろな考えを受け入れる寛容さを持ち合わせてほしい。
そこから生まれてくる、自分達の問題は自分達自身で解決していこうとす
る「皆で考える力」を育んでいってほしいものです。
学校や地域の人びとは、ただ単にやさしく手を差しのべることではなく、
じっとやさしく見守ることのほうも肝要であろう。解決案・策などを子ども
達自身が皆で見つけ出すことの大切さを感じ取るように導くことが必要では
ないでしょうか。
鎌ケ谷の子ども達が、人の温かな環境の中で、郷土意識を持ち、誇りを抱
き、自立していくことを見守っていきたいと思います。
〔佐藤
メッセージ − 10
喜夫〕
「 鎌 ケ 谷 市 教 育 検 討 懇 話 会 」に 参 加 さ せ て い た だ き 、学 校 や 学 区 を 越 え て 、
地域の方々と話をする機会をいただき、感謝しております。学校を応援した
いという皆様の思いが伝わってきて、大変心強く思うと同時に、今まで以上
に 、「 学 校 と 地 域 ・ 家 庭 と の 連 携 」 を 図 り 、 学 校 の 役 割 を 果 た し て い か な け
ればならないという思いを強くもちました。
“学力”という言葉が、幾度となく出てきましたが、今の子どもたちに求
められている“学力”はどのようなものなのかということについて、地域や
家庭にあらゆる機会をとおして御理解していただく必要性を感じました。ま
た 、「 授 業 の 質 の 向 上 」 に 向 け て の 真 剣 に 取 り 組 ん で い く と 同 時 に 、 そ の 取
り組みと成果について、ひろくお知らせしていかなければならないと感じま
した。ありがとうございました。
〔浅岡
正人〕
【新しい教育課題】部会
鎌ケ谷市の学校図書館を取りまく環境は、数年前に比べ、はるかに進歩し
てきていると感じています。
平成23年度には、すべての小中学校で蔵書のデータベース化が実施され
ます。平成22年度の学校図書館司書の人数は4名増え11名となり、あと
3名で全校配置になります。本の予算も増額になっています。また、各学校
で は 図 書 ボ ラ ン テ ィ ア に よ る 朝 の 読 み 聞 か せ や 図 書 整 備 作 業 が 定 着 し 、「 朝
の読書」なども活発に行われるなど、読書活動が推進されています。
鎌ケ谷市の学校図書館も子ども達一人ひとりの「読みたい、知りたい」に
答えられる図書館に一歩ずつ近づいてきていると感じています。やはり私達
大人が子ども達に本を届ける努力をしていかなければ子ども達の読書意欲、
調べる意欲は高まっていかないと思います。
〔広川
祐子〕
限られた財源や人材の中で、どのようなことが可能かというスタンスで
話し合いがなされましたが、かたやインクルージョンの理念のもと、現状と
はかけ離れた内容で教育体制が国のレベルで話し合われているのも現実で
す。小・中学校の通常学級がいま以上に多様なニーズに対応していくことに
な れ ば 、『 専 門 職 』 に よ る コ ー デ ィ ネ ー ト が 必 須 で あ る と 考 え ま す 。
今後の国の動向が心配ではありますが、いかなる特別支援教育の枠組みで
あってもまずは、子ども達一人ひとりのニーズに応じた一貫性のある支援を
行なうこと、そのために関係機関と連携していくことが大切で、所属してい
る特別支援学校もその一端を担っていることを再認識いたしました。
〔齋藤
メッセージ − 11
好子〕
子どもの自立支援について多様な方々と検討でき、とても有意義でした。
実施に向けて、よりよい具体的案の検討を期待します。
〔井之川
慶子〕
伝統的価値観が崩壊し、価値観の多元化・多様化が進み、学校教育の役割
や目指す報告も不明確になりつつある中、多様な立場の方々が一堂に会し、
これからの鎌ケ谷市の教育のあり方について議論し、それを教育行政にいか
す試みは大変意義あることである。
本部会も、学校評価、特別支援教育、キャリア教育、学校図書、不登校な
どへの支援やそのあり方等、多岐にわたり議論し、一定の方向性を示すこと
が出来たと思っている。
しかし、基本的構想は具体的プランとその取り組み、そして、成果や課題
を明らかにしてはじめて花開くものである。この懇話会を契機に、組織的、
継続的な取り組みができるよう期待したい。
〔皆川
征夫〕
【教育課程】部会
今回、この骨子を作成するに当たり、現場で奮闘する若年層教員の意見が
盛り込まれたことを大変うれしく思います。
現場には様々な課題や悩みを抱えた子ども達、そして教員が少なくありま
せん。これを機に、現状の教育環境が改善されることを期待しています。
より質の高い教育を提供できるようになることは鎌ケ谷市の未来を担う子
ども達にとって大いにプラスに働くことでしょう。この骨子が現場の教育環
境に一日も早く反映されることを現場の一教員として望みます。
〔金山
奈央〕
5年後、10年後の鎌ケ谷市の子どもたちの元気に学ぶ姿を考え、開かれ
たこの教育検討懇話会に学校代表の一員として参加させていただけたことに
感謝するとともに、責任を感じました。
現在、学校経営にあたり、さまざまな課題と向き合っていますが、そうし
た実態をテーマとして話し合い、これからの教育活動に何が必要なのか、ま
た、子どもたちに義務教育の中で、つけなければいけない力は何か、そのた
めに学校、家庭、それぞれで取り組まなければいけないこと等、いろいろな
分野の方から意見をいただき、議論できたことと思います。
教育懇話会の提言が実施され、鎌ケ谷市の子ども一人一人が輝く姿が見ら
れることを期待します。
〔松岡
メッセージ − 12
康太郎〕
10年後の鎌ケ谷を想像してみました。高層ビルが建ち、地下鉄が開通
し、野球やサッカーの公式戦が頻繁に行われたり、都市化、少子高齢化、高
度情報化、国際化が進んだ世の中になっていると予想されます。しかし、い
つの世にも、健康で明るい子どもたちが育つ環境は作っていかなくてはいけ
ないと考えます。
「子は親の鏡」と申します。10年経っても同じだと思います。親と子の
ふれあいや学校や地域の人たちの関わりができる環境が重要だと思います。
パソコンやインターネットの高度情報化社会でも使い切るのは人間です。ロ
ボットの開発が盛んですが、高度なロボットでも心はありません。心を入れ
るのは人間です。
いつまでも自然豊かな緑の多い環境、子どもが健やかに育つ安心で幸福な
環境ができることを願っています。
メッセージ − 13
〔伊東
正司〕
○子どもの安全・安心、学力向上、健康・体力・心の豊かさを図ることは、
教育行政をあずかるものとしての願いです。
○鎌ケ谷市教育委員会の教育委員は、学校の様子を具に把握するため、学校
訪問を積極的に行い、学校との連携をさらにすすめます。
○鎌ケ谷市教育委員会の指導主事は、学習への指導法を先生方に伝えるため
に学び続けます。
○鎌ケ谷市教育委員会は、子どもの成長のため、主催行事を積極的に企画・
開催し、その充実を図ります。
発
行
日 : 平成23年
月
編集・発行 : 鎌ケ谷市教育委員会教育指導課
〒273-0195 鎌ケ谷市新鎌ケ谷2-6-1
電 話 047-445-1141
FAX 047-445-1100