心臓血管外科部 当該診療科の特徴 当院は、日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会・日本血管外科学会の3学会構成心臓血管 外科専門医認定機構認定修練施設(基幹施設)であり、末梢血管のみならず心臓手術も修錬認定 可能な施設である。昨年の手術症例数は後天性心疾患手術 67例、先天性心疾患手術6例、胸部大 動脈手術38例、腹部大動脈手術38例、末梢動脈手術54例、静脈手術31例、ペースメーカー24 例、総手術数280例であった。 プログラムの特徴 当科は、後天性心疾患・先天性心疾患・大動脈疾患・下腿までの末梢動脈疾患・静脈疾患・ ペースメーカーと、新生児・乳児期の心奇形手術を除くほぼ全範囲の心臓血管外科領域を扱って いる京都では数少ない病院で、以前より大動脈ステントグラフトや below knee の血行再建術を 積極的に行っていたこともあり、他院に比べてこれらの手術が多いこと、透析症例や大動脈解 離・大動脈瘤破裂などの緊急症例が多いことも特徴の一つである。ここ数年年間100例前後の心 臓・胸部大血管手術と60~80例の腹部大動脈・末梢血管手術を行っている。 到達目標 研修期間 A.3年次 高齢者、ハイリスク患者、救急患者を含む心臓疾患、血管疾患症例を主治医と して診療に当たると共に、積極的に後進の指導に加われる。退院後の患者の外来 診療に加わり、術後経過観察、抗凝固療法などを行える。必要な検査計画を立 て、手術術式などについて、自身の考えを述べられる。心臓血管造影法、心臓血 管カテーテル法、心臓血管エコーの結果を解析できると共に、後進を指導でき る。ASD手術、心臓腫瘍摘出術、膝関節上血行再建術、動脈血栓摘除術、末梢 動脈手術、下肢静脈瘤手術、静脈血栓除去術、ペースメーカー埋め込み術などの 手術術者となれる。 B.4年次 高齢者、ハイリスク患者、救急患者を含む心臓疾患、血管疾患症例を主治医と して診療に当たると共に、後進の外科医を指導し、その成果を評価できる。必要 な検査計画を立て、手術術式などについて、自身で決定できる。大動脈弁置換術 術、単弁置換術、CABG1~2枝、心臓腫瘍摘出術、下行大動脈瘤置換術、腹部 大動脈置換術、膝関節下血行再建術などの術者になる。退院後の患者の外来診療 に加わり、術後観察、抗凝固療法などを行える。外来診療を通じて、術後患者の 診療を行いながら長期予後の観察、管理ができる。特に、抗凝固療法、心不全治 療、不整脈治療、ペースメーカー管理などが自在に行えると共に、病状の変化、 合併症などを的確に判断し、検査を指示し、その結果から適切な処置ができる。 3年(うち半年~1年は消化器・一般外科ローテート可) 学会名 取得が可能な資格等 日本外科学会 日本胸部外科学会 日本心臓血管外科学会 日本血管外科学会 日本脈管学会 取得可能資格 日本外科学会専門医 3学会構成 心臓血管外科専門医 3学会構成 心臓血管外科専門医 3学会構成 心臓血管外科専門医 日本脈管学会認定専門医 指導体制 現在、専門医は3学会構成心臓血管外科認定修練指導者である部長と、心臓血管外科専門医の 医長の2名おり、更に卒後10年以上の医師2名を含めて治療・指導にあたっている。臨床指導と しては毎日朝・夕のショートカンファレンス、朝の全体回診と、週1回の多職種合同術前カン ファレンス、週1回の循環器科との合同カンファレンスを行っている。 学会・研究活動としては日本血管外科学会総会、日本冠動脈外科学会、関西胸部外科学会など の全国学会レベルの学術集会に演者として発表を行い、心臓血管外科に関する論文2編以上、そ のうち筆頭論文1編以上を発表する。日本胸部外科学会総会、日本心臓血管外科学会総会または 日本血管外科学会総会のうち、2学術集会以上に参加することを必須とし、更に地方会や研究会 への発表・参加を積極的にさせている。 その他 心臓血管外科としては週に数例の主治医としての手術参加(執刀を含む)および週に数回のオ ンコールによる当科救急対応出番がある。 4年次・5年次には週1回程度の外来担当を行う。更に月に2回程度の病院救急当直がある。
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