ファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価急落と ファンドの

平成 26 年 10 月 16 日
ファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価急落と
ファンドの運用状況に関して」のお知らせについて
記
当社が運用を行うファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価
急落とファンドの運用状況に関して」の臨時レポートをお知らせいたします。
出所:チャータード・インベストメント・マネジャーズ・ピーティーイー・エルティーディー
(Chartered Investment Managers Pte Ltd)
直近の世界の株価急落とファンドの運用状況に関して
日米欧の株価が下落しています。例えばアメリカの S&P500 指数は、先月の
18 日に史上最高値の 2011.36 を記録して以来昨日の終値の 1877.70 まで、
6.6%の下落です。この下落に関しては、いくつかの原因が指摘されてはいます
が、いずれも急落を十分説明するものではないと考えています。
原因として指摘されているのは、まず世界景気の減速です。この世界景気の減
速懸念から株価のみならず原油価格も大幅に下落しています。中でもヨーロッ
パの景気の悪化は認識されており、例えば IMF が経済成長率見通しを引き下げ
たり、直近でもドイツが今来年の経済成長率見通しを引き下げています。その様
な環境下にあって、前回の欧州中央銀行(ECB)理事会では追加の緩和策が打た
れなかった事に対しての失望感が広がりました。
一方、世界景気に最も重要なアメリカの経済はゆっくりながら順調な回復を
示しており、直近の失業率は 5.9%まで改善しています。失業率が 5%台になっ
たのはリーマン・ショック直前の 2008 年 7 月以来の事です。また、中国の先
月の輸入は前年比で7%の増加となり、世界景気にとっての一つの安心材料と
なりました。
株価急落の 2 番目の原因として指摘されているのは、アフリカで大流行して
いるエボラ出血熱です。欧米にも感染者や犠牲者が出ています。しかし、今のと
ころ人数は限定的であり、株価が急落するほどの経済的ダメージを想定するに
は、時期尚早ではないかと考えます。
3 番目の原因として指摘されるのは、米国の中央銀行である FRB の超緩和
的金融政策からの出口戦略とそれが米国及び世界経済に与える影響です。FRB
の第 3 次量的緩和政策(QE3)は今月末に開かれる FOMC で終了する見込み
です。しかしこの QE3 の終了は以前から市場が予想していたスケジュール通り
ですから、今回の突然の株価下落の原因とは思えません。また、QE3 に関して
は、正確に言うならば終了するわけではなく、これ以上金融市場に出回るベース
マネーの量を増やさないという事であって、今までに大量に供給したベースマ
ネーは依然として金融市場に存在するわけですから、金融政策が超緩和的であ
る状態は今後も”相当な期間“続く事になります。
こうしてみると、直近の株価急落の原因を一つに絞る事は難しく、米国株が史
上最高値に到達した事で投資家が警戒感を強くしていたところに、上述の様な
いくつかのニュースが流れ、その相乗効果で株価急落が起こったものと考えま
す。従って、今回の株価急落は金融危機を原因とする長期の株価下落に繋がるも
のではなく、一時的な価格調整ではないかと考えます。
ファンドの運用は、過去のモメンタムに基づき資産配分を行う事を基本とし
ており、過去数ヶ月上昇してきた世界の株式にロングの分散投資を行うと共に、
ファンドの一部は価格下落のモメンタムが強いコモディティのショートを行っ
ています。従って、直近の世界的な株価下落によって、基準価格の下落を招いて
おります。しかし、上述したように、今回の下落は長期の株価下落局面、いわゆ
るベアマーケット、に繋がるものではないものと考えております。また、今回の
株価下落の結果各資産の価格モメンタムの変化が起こり、ファンドの資産配分
を変化させる必要が有るか否かは、今後の金融市場の動向を注視しながら判断
して行きます。
引き続き慎重に世界の金融市場に目を配りつつ、一定以下のリスクのもとで
運用成績の最大化を目指して努力を積み重ねてまいります。
以上