平成28年度・後学期 8930

平成28年度 学習支援計画書(大学院用)
臨床心理学専攻
再生紙を使用しています。
対象課程
修士課程
科 目 名
臨床心理査定演習Ⅱ
Psychological Assessment II
担当教員名
研究室
単 位
科目コード
2
8930-01
開講時期
授業科目区分
後学期
内線電話番号
関係科目
電子メールID
キーワード
オフィスアワー
授業科目の学習目標
1
投映法
心理検査の中の投映法について学習するとともに、心理検査の基本的な知識やテストバッ
2
ロールシャッハ・テスト
テリーの考え方を身につける。代表的な投映法の一つであるロールシャッハ・テストについ
3
テスト・バッテリー
ては実施から結果の整理、解釈、報告書の作成までができるようになることを目指す。
授業の概要および学習上の助言
授業が開始される時期までに、受講生はロールシャッハ・テストを自ら受検しておくこと。
投映法の概説およびロールシャッハ・テストの歴史等の講義で基本的な知識を身につける(小テスト①)。この後、ロール
シャッハ・テストの演習を開始する。
実施については解説の後、ロールプレイ形式で検査者を経験し、検査時に注意すべき点や適切な教示の仕方、被検査者の観
察などについて指導する。教示の仕方、検査の進め方、質問の適否などを逐語記録などによって評価する(小テスト②)。
得られた反応を適切に記号化することは、解釈の大前提となるため重要である。授業での解説の他、実際のプロトコルの記
号化、練習問題を繰り返し行い、様々なケースにあたることが必要である。また構造一覧表の作成を通して、解釈に必要な多
くの指標とその内容・構成について学ぶ。
次に構造一覧表をもとにして解釈していく手順を指導する。各指標とその数値のもつ意味を、おもに実際の事例を通して理
解していく。自分のプロトコルの他、テキストや論文の事例、担当者が提示する事例、自分が施行した事例などできるだけ多
くの事例検討を取り入れていく。
検査の解釈は目的に応じた表現や形式で報告されなければならない。報告書に記述すべき内容を適宜選択して構成できるこ
とが望ましい。レポートでは、自分自身が受けたロールシャッハ・テスト結果もしくは指定の事例の結果を解釈し、報告書ま
で作成して提出する。これにはプロトコルの逐語記録、構造一覧表、解釈結果、まとめの報告書などが含まれる。
テストバッテリーについて解説する講義を行う。スケジュールは演習の進捗状況で調整する。
教科書および参考書
教科書① 中村紀子 2010 ロールシャッハ・テスト講義Ⅰ基礎篇 金剛出版 教科書② 中村紀子 2016 ロールシャッハ・テスト講義Ⅱ解釈篇 金剛出版
参考書① ジョン・E・エクスナー(中村紀子他監訳) 2003 ロールシャッハ・テスト ワークブック(第5版)金子書房
参考書② ジョン・E・エクスナー(中村紀子、野田昌道監訳)2009 ロールシャッハ・テスト 金剛出版
履修に必要な予備知識や技能、および一般的注意
臨床心理査定演習Ⅰを履修していること
№
学生が達成すべき行動目標
① 投映法の検査には何があるか複数の名称を挙げることができ、かつ簡潔に特徴を説明できる。
② ロールシャッハ・テストの概要を説明できる。
③ ロールシャッハ・テストの実施を正しく行うことができる。
④ 反応の記号化を正確に行うことができ、構造一覧表を作成することができる。
⑤ ひとつのプロトコルを解釈し、パーソナリティの特徴について報告書を作成できる。
⑥ テストバッテリーについて説明できる。
達 成 度 評 価 方 法(総合評価割合)
試 験
配点
0
小テスト
30
レポート
70
成果発表
(口頭・実技)
0
1
作 品
0
ポートフォリオ
0
その他
0
合 計
100
8930-01
授 業 計 画
【学習の内容】
第0週 ロールシャッハ・テストを受検する (宿題:逐語記録の作成)
第1週 心理検査・投映法の概説
第2週 ロールシャッハテストの概説 (小テスト①:講義のまとめを作成)
第3週 実施方法の解説とロールプレイ
第4週 記号化の方法①
第5週 記号化の方法②
第6週 実施方法の演習
演習の振り返り(小テスト②:逐語記録の作成)
第7週 構造一覧表の作成 第8週 解釈の手順の解説
第9週 事例検討(テキストの事例)
第10週 事例検討(テキストの事例)
第11週 事例検討
第12週 事例検討
第13週 テストバッテリーの解説 第14週 事例検討
第15週 事例検討
第16週 自己点検授業
【評価の要点】
小テスト:①はロールシャッハ・テストの概要を簡潔にまとめたものを作成する。
②は授業中に実施したロールシャッハ・テストのプロトコルを提出する。
レポート:自身のプロトコルもしくは指定の事例についての解釈を報告書にしてまとめたものを提出する。
【その他】
達成レベルの目安
理想的な達成レベルの目安
標準的な達成レベルよりも、検査の進め方が洗練されており
解釈においても、より詳細な人物描写やパーソナリティの特徴
を報告できる。また目的に応じた報告の書き方ができる。
標準的な達成レベルの目安
決められた手順や教示を守って検査を実施することができ、
得られた結果の整理に間違いがない。またステップにしたがっ
て積み上げた解釈仮説の内容をまとめた人物像を記述できる。
2