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9
5
プレス工場の騒音が生体機能に及ぼす影響
寺本和幸@藤田
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正。工藤市兵衛
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緒言
1-2測定条件
騒音に関する種類には工場騒音,航空機騒音,
自動車
i
g
.
1のように,スピーカに向って座らせ,予
被験者を F
騒音,鉄道騒音,建設騒音などがある。また,騒音は各
5dBG
必で再
め工場で録音したプレス音を現場と同じ約 9
種公害のなかで、もきわめて苦情件数が多く,工場騒音図
事業場騒音が最も多くを占めている。そんななかで,騒
音が生体機能に及ぼす影響に関しては幾多の研究報告が
とりあげられている。
工場騒音のなかでも,プレス
1
)
2
)
3
)
4
)
工場における作業者は,常に激しい騒音を伴なう環境に
おいて作業を行っている。そのため,聴力はもとより生
理的な諸機能にも影響を及ぼしているものと思われる。
生した。別室て、は音圧の監視と被験者の生理的影響をテ
レメータによりモニタしながら,必要な部分はデータレ
コ
ダとレクチグラフに記録した。
測定時期は無負荷(音を聞かせる前〕の状態と,露聴
開始後 3分ごとの状態をその都度測定した。
1-3測定項目
(1)聴力
我々は今までに,工場騒音の大きさが作業者の年令,
1分間露聴させた直後の聴力をオ
無負荷(露聴前〉と 2
露穂、年数により聴力障害に如可に影響するかを調査して
2
5
.2
5
0• 5
0
0・1K・2K.4K・
ージオメータにより, 1
きた。
そこで今回は,プレス工場の騒音が生体機能に
5
)
6
)
及ぼす影響について研究を進めてきた。
プレス音は予め工場でテ←フ。に収録した音をオーバオ
ー
ノ
レ9
5dBG
刈で、再生した。周波数特性は 1KHzをピーク
とした特性の騒音であった。生体機能は心電図,呼吸波
形,血圧,脈拍,脳波について測定し,露聴前と露聴後
の影響について比較実験したのでここに報告する。
1.実験方法
8KHzについて左右とも測定した。
(2)心電図,呼吸曲線,脳波
測定部位に電極を装着し(脳波の場合はカップ状の銀
板を使用),誘発信号をモニタしながら必要な部分をデー
タレコーダとレクチグラフに記録した。
(3)血圧,脈拍
自動血圧計により,最高と最低血圧を測定し合せて脈
拍も測定した。
1-4使用機器
1-1被験者
健康な男子学生 20~23 才を対象に,班、カが正常である
(1)騒音と聴力関係
SPEAKERCS-880PIONEER
かどうかを調べ,異常がない者を 2
7名選んだ.測定方法
AMPLIFIERCA-2000YAMAHA
は日本オージオロジ学会提唱による断続上昇法によった。
TAPEDECKA-6100M KI
ITEAC
MICROPHONEl
V
IS-9 JEIC
9
6
寺本和幸・藤阻
正・工藤市兵衛
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OSCILLOSCOPE
RECTIGRAPH
OATA RECORDER
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TRANSMITTER MEDICAL TELEMTER
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SOUNDLEVELMETERSLM-12]EIC
AUDIOMETERAA-62RION
100
〈
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面的
コ
可
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80
5
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(2) 生体特性関係
MONITOROSCILLOSCOPE 2G4
6 SANEI
RECTIGRAPH 8S SANEI
70
~ 60
0
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UNIVERSALHIGHSPEEDRECORDERORL-20
ONSOKU
OA
63 125 250 500 I
K 21< 4K BK
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CASSETTEDATARECORDER-80 TEAC
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SPHYGMOMANOMETERBP-103NIPPONCOLIN
2-2聴力への影響
RECEIVER SANEI
短かい時間ではあるが,プレス音による聴力への影響
TRANSMITTER MEDICAL TELEMETER 270SERIES
SANEI
について測定した。露聴前と露聴 2
1分後の聴力損失値を
オージオグラムに記入し比較したが,ほとんど差が現わ
れなかった。
2_実験成績と考察
2-3生理的特性
プレス音が被験者に与える生理的影響について,血圧,
2-1プレス音の周波数特性
脈拍,呼吸数,心電図,脳波を測定した。 F
i
g
.
3,F
i
g.
4
は
i
g
.
2に示すごと
プレス工場における実際の騒音特性は F
横軸に 3分ごとの時聞をとり,測定項目別に平均値と標
を最高とする周波数特性であり,オーパオー
く
, 1KHz
準偏差をプロットしたグラフである。 (
F
i
g
.
3は血圧が下降
レ
ノ 99dBω の衝撃音の混じる不規則な断続音であった。
するタイプである〕
実験室における再生音は,最低 82dBω より最高 95dB
ωになるように監視しながら再生して実験に使用した。
以下の考察は露聴前と露聴 3分後のデータについて比
較検討したものであるむ
9
7
プレス工場の騒音が生体機能に及ぼす影響
140
140
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120
130
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110
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120
90
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(同国5
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(岡田E
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(1)血圧
被験者 2
7名の実験結果から血圧についてみると,血圧
が上昇するタイプと下降するタイプに分けられ,前者が
1
8名 (66.7%) 後者が 9名 (33.7%) であった。
血圧が上昇するタイフ。について露聴前と露聴後の比較
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1
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(回出己目)
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gType)
(2) 脈圧
露聴開始前後の値を上昇タイプについて比較すると,
平均 4
6
.
7
2mmHg (SD1
1
.
5
4
)から平均 5
6
.
6
7mmHg
(SD1
5
.
8
4
) に増加の傾向があった。検定結果は,
t(
17,0
.01)=2.878<to=3.2
3
1
9
.
6mmHg(SD1
1
.0
2
)から平
を行うと,血圧は平均 1
となり,有意水準 1%で高度に有意であることが認めら
2
5
.
6
7mmHg(SD1
1
.
4
7
)に上昇した。次にこのデー
均1
れた。つまり騒音の影響によって脈圧は増加傾向にある
タを基に露聴前後の血圧変動が,はたして統計的に差が
ことが判明できた。
あるといえるかどうかを検定した。 t検定の結果,有意水
準 1%で高度に有意のため,血圧は露聴前に比べて変化
が有るといえる。
t(
17
,
0.01)=2.878<to=5.16
下降タイプについても同様の検定を行ったが有意とは
いえなかった。
(3) 脈拍
同様に露聴前と露聴 3分後の脈拍数を血圧が上昇する
また相関係数は r=0.89 回帰式は y=15.72十 0
.
9
2xで
6
.
6回/分 (SD1
1
.
6
8
)
タイ7'について比較すると,平均 7
あった。
から平均 8
2
.
0回/分 (SD1
3
.
2
6
)にやや増加する傾向に
血圧が下降するタイプ。について同様の比較を行うと,
血圧はやや減少傾向であるが検定の結果 5 %でも有意に
ならず,露聴前に比べ変化が有るとはし、えなかった。
あった。 t検定の結果でも
t(
17,
0
.
0
5
)
=
2
.
1
0
1
<I
tol=-2.57
となり,有意水準 5%で有意であった。よって脈拍数は
露聴前に比べて,騒音による影響があると認められた。
9
8
寺本和幸・藤田
下降タイプは少し上昇傾向を示したが,検定の結果有
e
工藤市兵衛
乱れたり,
f
やや呼吸が浅くなる傾向が出てき t
c
;
o
下降タイプも検定の結果は有意にならなかったが,波
意にはならなかった。
形の変化は認められた。
(4)呼吸数
8
.
7
8回/分 (SD5
.
9
4
)から
上昇タイプは露聴前平均 1
6
.
4
4回/分 (SD6
.
3
5
)にやや減少の傾
露聴 3分後平均 1
(5) 心電図
前胸部に 2個の電極を装着し電位を導出しテレメータ
により測定した結果は心拍数の変化を読む程度で
向にあるが,検定結果によると
9
特別
な傾向は両タイプともみられなかった。
t07,
0.05)=2.101>to=2.09
となり,有意水準
正
5%では有意差なしと判明した。ただ
i
g
.
5,F
i
g
この場合は呼吸数の変化は認められなくとも, F
6を比較すると判るように,呼吸波形が露聴前に比べて
(6) 脳波
後頭部からの導出による波形で, β波から a波と一部
F
i
g
.
5,F
i
g
.
6
)さらに
。波がみられる傾向が認められた。 (
詳しくパワースベクトノレによる分析を検討中であるが,
次の機会に結果を報告する予定である。
2-4生理的特性の相関分析
実験により得られた個々の値が,相互にどれだけ関係
があるかを検討し合せて検定も試みた。以下に相関分析
の結果をまてめてみる。
血圧脈拍
ψ
r=0.51
同
L
ェ
i
yニ 34.00+0.38x
.
0
5
) 2.447<to=2.7
6
t(
6,0
二
5%で有意
血圧ー呼吸
r=-0.10
y=21
.15-0.04x
t(
6,0.05)=2
.4
4
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脈圧一脈拍
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)=2.447<t
o=3.62
t0 ,0
5%で有意
脈圧呼吸
r=-0.71
y=27.24-0.20x
.
0
1
)ニ 3
.7
0
7く I
t0I
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6,0
二
4
.
0
0 1%で有意
脈拍呼吸
同
。υ
r=-0.54
y=41
.10-0.31x
0.05)=2.447<lto
l=-2.5
7 5%で有意
t(
6,
この結果から,血圧ー呼吸を除いて
1%から 5%の水
準で有意の相関が認められた。なかでも脈圧と脈拍は寄
.
4
4
2で相互に影響が現われている。また脈圧と呼
与率 0
.
5
0
4となり相互の逆の影響が現
吸は負の相関で寄与率 0
OMHM嗣
われることが認められた。
以上上昇タイプについて相関分析を行ったが,下降タ
イプはそれぞれ
5%でも有意の相関が認められなかった。
ハ同の MH
出
て作業者に与える生理的影響は,通常の作業者に比べて
υ
同﹀出門戸
3
. 結論
騒音レベノレ 8
2dB(
A
)から 9
5dB(Nとし、う騒音下におい
どの程度受けているかを健康な男子学生 2
7名を用い実験
_L
してきた c
その影響をみると,血圧では上昇タイプと下降タイプ
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F
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.
6
. P
の者に分類できることが判明した。何故この差が出るの
9
9
プレス工場の騒音が生体機能に及ぼす影響
か現在のところ不明だが,これは個人差の一因といえる
析を実施中であるが,さらに音圧と露聴時間との関係と
のではない虫、上昇タイプの者の生理的特性を全般的に
合せて今後も実験を進めていくつもりである。
みると,上昇タイプは騒音の影響を受けやすいが,
1
煩応
性も早いことが認められた。また,下降タイプの者は全
体に影響を受けにくいようにみられた。
次に上昇タイプの生理的反応のそれぞれについて影響
をみると血圧,脈圧,脈拍,呼吸波形,脳波が,露聴 3
分後には明らかに騒音による影響が出てくることを統計
的に確認できた。呼吸については,呼吸数だけではその
差を判定できなかったが,呼吸波形の変化については明
らかに目で見て乱れが確認でき,騒音による影響を確認
参考文献
1
. 六鹿鶴雄,伊東弘他長期間騒音曝露の生体機能に
及ぼす影響,名市大医誌, 1
3 (4), 226-237, 1
9
6
1
2
. 科学技術庁研究調整局
騒音の人体影響に関する研
究,騒音防止に関する総合研究報告書, 67-114,1
9
7
1
3
. 長田泰公他 航空機騒音とくにそのレヘルと頻度の
生理的影響について,公衆衛生院研究報告, 2
1 (2,
)
できた。
相関分析では,下降タイプは有意な差は示さなかった
ものの,上昇タイプの者は特に,脈圧一脈拍,脈圧
なお,木研究のため研究設備の一部は私学研究助成に
よったものである。
呼
吸は高度に有意の相関があり,影響を受けていることが
確認できた。
これによって,騒音曝露中の作業者は通常の作業潔境
に比べ,かなり生理的負担を受けており聴カの問題から
の作業者の保護だけでなく,生理的負担の評価による保
51-59, 1
9
7
2
4
. 日本公衆衛生協会 新幹線騒音の人体影響に関する
9
7
4
研究,環境庁委託事業報告書, 1
5
. 工藤市兵衛,藤田正,寺本和幸一プレス工場の騒音
レベノレと作業者の聴力損失,愛知工業大学研究報告,
1
3B, 109-115, 1
9
7
8
6
. 工藤市兵衛,藤田正,寺本和幸
プレス工場の騒音
護規準の設定も望まれるO ただ現在までの実験でも出て来
と作業者の聴力損失 I
I,愛知工業大学研究報告, 1
4B,
たように,個人差の問題もさらに検討しなければならな
135-144,1
9
7
9
L、。また脳波についても現在パワースベクトノレによる分
( 受 理 昭 和5
5年 1月 1
6日)