2015年3月24日例会 週報

2014∼2015
藤沢東
ロータリー・クラブ
週報
●事務所/藤沢市朝日町 1-6
NTT 藤沢ビル 2 階
TEL 0466-25−4000 FAX 0466-26−9292
●会長/横田佳代子 幹事/山口俊明
毎週火曜日 12:30∼13:30
●例会場/グランドホテル湘南
藤沢市朝日町 11
TEL 0466-22−1311 FAX 0466-22−3013
第 1876 回例会
2015年 3 月 24 日(火)(天候) 晴れ
-本日のプログラムロータリーソング「それでこそロータリー」
-会食・懇談-会長・幹事報告-会員誕生日会員誕生日
なし
配偶者誕生日 なし
-スマイル【横田 佳代子 会長】
世界史の中で最も重要な時期、2001 年の 9.11。
2003 年のイラク攻撃の時にレバノン大使をされて
おられた天木様の卓話を楽しみにしてます。加藤一議
員、天野様、ご出席ありがとうございます。
【山口 俊明 幹事】
天木様、ようこそおいでくださいました。
卓話よろしくお願いいたします。
ピースウォークもいよいよ来週日曜日に開催です。
会員の皆様、よろしくお願い致します。
【石井
博 会員】
天木直人さん、本日の卓話よろしくお願いします。
加藤はじめ市議のご健闘をお祈りします。
【本田 昌子 会員】
天木様、天野様、ようこそお出ましくださいました。
お話を楽しみに出席させていただきました。
【小柴 智彦 会員】
天木様、本日の卓話よろしくお願い致します。
加藤一様ようこそ。
-卓話-「中東情勢と日本」天木直人様
(元レバノン大使)
出席報告
例会月日
3月 3日
3 月24日
総員(名)
出席(名)
37 (36)
28
37 (36)
27
№34
卓話「中東情勢と日本」
元レバノン駐箚日本国特命全権大使
天木直人
1.イスラム国出現の遠因は米国のイラク攻撃に遡る
私は2001年2月から2003年8月までレ
バノンという中東の小国の特命全権大使を拝命し
ていた。着任して半年後に9・11が起き、翌1
0月には米国がアフガンを攻撃し、そしてついに
2003年3月に米国はイラクを攻撃した。
当時レバノンでは皆が口をそろえて言ってい
た。米国がサダム・フセインを倒すことは一日で
できるが、その後のイラクは混乱し米国では統治
できなくなる、最悪の場合は中東全域が混乱する
と。残念ながらその予言は最悪のシナリオとなっ
て現実のものとなった。
2.中東情勢が不安定な最大の原因は
パレスチナ問題
私がレバノンに駐在していた2年半の間にパレ
スチナ問題が報じられない日はなかった。中東情
勢が不安定な理由は複数あるが、その中でも最も
大きな理由は米国・イスラエルのパレスチナ政策
の不条理にある。国連決議によって1948年に
パレスチナ地域にイスラエルという国が出来た。
その成り立ちがあまりに不平等であったため中東
戦争が起きた。
中東情勢の決定的な転換点は1978年のエジ
プトの方向転換である。以来アラブの国々は米
国・イスラエルに従属するようになりパレスチナ
が見捨てられていく。最後はアラファト議長が毒
殺されてパレスチナが分断され、米国からテロと
欠席(名)
8
9
出席率(%) メークアップ(名) 修正出席率
77.77
2
83.33
75.00
見なされるハマスのガザと米国に従属的なファタハ
のヨルダン西岸に分裂して今日に至っている。その後
アラブの春が起きた。これは中東の一大転換期になる
はずだった。しかし見事に封じ込められてしまい中東
は一層混乱するようになった。そのような中でイスラ
ム国が出現したのである。
イスラム国を名乗る過激派は怪物のようなものだが、
欧米植民地主義の価値観を否定し、アラブの「腐敗」
した非民主的政権を打倒するという点では一貫して
いる。
3.見通しの立たないパレスチナ問題
パレスチナ問題とは領土問題であり宗教問題であ
る。しかし本当の問題は政治問題である。シオニズム
というイスラエル建国者の唱えた政治的イデオロギ
ーは選民思想に基づいた排他主義、差別主義である。
こう言えば決まって反ユダヤ主義と決めつけられる
がイスラエル人の中にもそれを認めて反対している
人は多い。
イスラエルの凄いところはその優秀性と情報収集
力、情報操作力である。これに勝てる者はいない。ユ
ダヤのホロコーストばかりが喧伝されるがその犠牲
者であるユダヤ人がいまパレスチナの加害者になっ
ている。
ここまでくればイスラエルとアラブの共存は難し
いが、それでも共存しかない。「公正で永続的な平和」
を実現するには、米国がイスラエルをコントロールす
るしかないがその見通しもまた暗い。結局は国際社会
が米国とイスラエルをその気にさせるしかない。
4.日本に何ができるか
結論から言えば対米従属の外交を続けている限り日
本には何も出来ない。それでも日本はアラブからは好
意的に見られてきた。欧米と違って中東を犠牲にした
ことはなかったし、米国とカミカゼ特攻隊で戦った日
本に共感を覚えるからだ。
その日本は、しかし、小泉首相のイラク戦争支持でア
ラブを失望させ、安倍首相によってイスラム国に敵視
されるに至った。
憲法9条を掲げる日本が実現できれば日本の立場は
強くなると思うが、その憲法9条を否定しようとして
いるのが今の安倍政権であるから困る。安倍首相に欠
けているものは人間愛である。自民党政権が続いても
いいと思うがアラブ諸国の信頼を回復するような国
にならなければいけないと思う。本来の日本はそうい
う国であると信じたい。
名前 天木 直人(あまき なおと)
誕生日 1947 年 07 月 19 日
職業 元駐レバノン特命全権大使、作家
経歴
1947 年
山口県下関市生まれ
1954 年∼1959 年
尾道市士堂小学校、伊勢市明倫小学校、
松阪市第一小学校、中津川市南小学校
1960 年∼1962 年
中津川第二中学校、京都市北野中学校
1963 年∼1965 年
聖ヴィアトール学園洛星高等学校
1966 年∼
京都大学
1968 年
外務公務員上級試験合格
1969 年
京都大学法学部中退、外務省入省
1972 年米国オハイオ州オバリン大学政治学士取得
1972 年
米国コネチカット州エール大学で半年間聴講生
1972 年∼1974 年ナイジェリア日本大使館書記官
1974 年∼1976 年外務省経済局総務参事官
1976 年∼1977 年外務省在外公館課
1977 年∼1980 年
外務省経済協力局・経済協力第1課
(現・有償資金協力課)
1980 年∼1982 年
在ジュネーブ日本国政府国連代表部
1982 年∼1984 年在サウジアラビア日本大使館
1984 年∼1985 年外務省経済協力局企画官
1985 年∼1988 年
外務省中近東アフリカ局アフリカ第二課長
1988 年∼1990 年内閣安全保障室審議官
1990 年∼1993 年
malaysia 在マレーシア日本国大使館公使
1993 年∼1996 年
australia 在豪州日本国大使館公使
1996 年∼1997 年
canada 在カナダ日本国大使館公使
1997 年∼2000 年
usa 在米国ミシガン州デトロイト日本国総領事
2001 年∼2003 年
lebanon 在レバノン国特命全権大使
2003 年 8 月イラク戦争に反対し事実上の解雇処分
を受け外務省を離れる。その後自由な立場から言論
活動を続ける
(http://www.amakiblog.com/profile/引用)