新ワザ発表!冷凍で肉も野菜も美味に変える!

NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
新ワザ発表!冷凍で肉も野菜も美味に変える!
2008年10月1日放送
今回の番組について
今や何でも冷凍できる時代になりました。でも家庭では上手に冷凍できない……なんて思っていません
か?
そこでガッテンが大調査! 今まで冷凍できないと思われていたモノが意外にも冷凍できたり、さらには
美味しくなったり! 常識をぶっ飛ばす、新ワザ発表の冷凍ランキングベスト7!
「冷凍ランキング第7位 小松菜」
生野菜は冷凍できないというイメージがありませんか? ところが、冷凍して解凍しただけの小松菜を街
頭で試食してもらうと、そのままゆでた小松菜よりも美味しいと大評判。しかも、ビタミンCは冷凍した
ほうが高くなっていたのです。
※冷凍小松菜の解凍は、冷蔵庫で自然解凍するか、常温で解凍してください。お湯や流水を使うと水っ
ぽくなってしまいます。
ほかにも、水菜、ニラ、大葉はそのまま冷凍できます。ただし、ホウレンソウなどはえぐみが出てしま
うので、おすすめできません。
「冷凍ランキング第6位 しじみ」
しじみの名産地、青森県北津軽郡十三湖で、「生のしじみを使ったしじみ汁」と「冷凍したしじみを
使ったしじみ汁」を、しじみを食べ慣れた地元の皆さん30人に食べ比べていただきました。
その結果は、全員が「冷凍しじみ」で作ったほうが味が濃く、しじみの味がよく出ていると答えまし
た。成分分析の結果でも、アミノ酸の一種「オルニチン」が生の4倍に増えていたのです。
※冷凍すると細胞が壊されるので身は若干柔らかくなります。味に問題はありません。
「冷凍ランキング第5位きゅうり、第4位大根」
きゅうりをそのまま冷凍するとグチャグチャになってしまいます。ところが、“あること”をするだけ
で、冷凍できるようになります。……それは、スライスして、酢と砂糖を加えて冷凍することです。
ためしに街頭で一般の方に試食してもらうと、皆さん「シャキシャキして美味しい」という答えでし
た。実は、きゅうりを冷凍できたのは、酢と砂糖が持つある作用のおかげでした。
なぜ調味料があると冷凍できるのか?
きゅうりの細胞の中や外にある水分が、細胞の中に入り込んだ酢や砂糖の分子とくっつき、水は凍りに
くい分子になります。そのおかげで、氷による細胞へのダメージが少なくて済みます。
これを応用すると、他の食材も冷凍が可能になりました。冷凍ランキング第4位「大根」では、味がしっ
かり染みた大根の煮物が簡単にできるようになったのです。
以前ガッテンでは、「大根を煮込んだら、なるべくゆっくり2時間以上かけて冷ますと、味がよく染み
る」とお伝えしました。しかし今回は大根を直接調味料に漬けて、保存袋に入れて冷凍するだけです。
そして、食べるときに凍ったまま軽く煮込むと、いつでも美味しい煮物ができるのです。
特殊な薬品を使って、生の大根と冷凍の大根で、どれくらい染みこみが違うのかを調べてみました。す
ると、生のものでは、表面には染みこむものの、中までは染みこんでいませんでした。一方冷凍大根
は、中までしっかりと染みこんでいました。細胞の壊れ方を上手くコントロールすることで、味が染み
こんだ大根を作れるようになったのです。
なお、原則から言えば、調味料につけ込んで冷凍すれば、どんな煮物でも同じ結果になると考えられま
す。ただし、今回の番組ですべての煮物を調べたわけではありません。また、冷凍により細胞が破壊さ
れるため、食材によっては食感が損なわれることがあるかもしれません。
「冷凍ランキング第3位 豚のしょうが焼き」
肉をゆっくり冷凍した場合と、急速に冷凍した場合で、肉の内部で氷がどのようになるかを観察しまし
た。すると、急速冷凍した場合は、氷の粒が小さく、肉の細胞にあまりダメージを与えずに済んでいま
した。しかしゆっくり冷凍した場合は、氷が大きな塊となり、肉の細胞を押しつぶして大きなダメージ
を与えていました。
冷凍を活用しているという主婦Aさんの自宅を訪ね、2人のお子さんに、調味料に漬け込んだ冷凍肉と、
生肉で作る「豚のしょうが焼き」を食べ比べてもらいました。その結果、2人とも冷凍した肉のほうがや
わらかいと絶賛。実際に、肉の噛み切るときにかかる力を測定すると、冷凍肉のほうが力をかけずに切
れることが証明されたのです。
※どんな肉でも調味料に漬け込んで冷凍すると、同様の効果が期待できます。ただし、環境にもよりま
すが、だいたい1か月以内で食べきることをおすすめします。
なぜ調味料に漬け込んでから冷凍すると肉がやわらかくなるのか?
何もしないで肉を冷凍すると、肉の内部で氷が大きくなり、細胞がダメージを受けます。そこからタン
パク質分解酵素プロテアーゼが出てきますが、その効果はあまり期待できません。
しかし、しょうゆや砂糖などの調味料につけ込んで冷凍すると、きゅうりのときと同様、しょうゆや砂
糖の分子が水分子を捕まえて離しません。よって、氷は大きくならず、細胞のダメージが少なくて済み
ます。
しかも、つけ込んだ調味液の中のショウガに含まれるショウガプロテアーゼの効果も加わって、さらに
肉が柔らかくなるのです。
「冷凍ランキング第2位タマネギ、第1位トマト」
タマネギはそのままでは冷凍できませんが、スライスするとそのまま冷凍できます。そして、冷凍のま
ま炒めると、簡単にいためタマネギができます。冷凍で細胞が壊されているので、水分の飛びが早くな
るのです。たとえばオニオンスープを作ると、タマネギの甘みがよく出た美味しいスープができます。
冷凍ランキング第1位は「トマト」。たしかにトマトは、解凍するとグチャグチャになってしまいます。
でも、生のまま食べることにこだわらず、調理法と考えて利用してはいかがでしょうか?
ガッテンがおすすめするのは、冷凍トマトをすり下ろして作るトマトソースです。これなら、湯むきや
種取りもいりませんし、皮も種もすり下ろせるので、うまみも豊富な、なめらかなソースができます。
実習コーナー「冷凍食材を使った料理」
味つき豚肉とかぼちゃのつまみ揚げ(4人分)
材料
豚こま切れ肉 300グラム
かぼちゃ(いちょう切りにして冷凍) 150グラム
合わせ調味料
酒、しょうゆ、砂糖 各大さじ1
にんにく(すりおろし) 少々
衣
卵 1個
水 2分の1カップ
薄力粉 1カップ
塩 小さじ4分の1
揚げ油
サラダ油 適量
作り方
. 保存用袋に合わせ調味料を入れ、肉を加え、袋の空気を抜いて冷凍する。
2. 揚げる前に解凍しておく。
3. ボウルに卵を割り、ほぐし水、塩を加えてよく混ぜ粉を加えてよく混ぜる。
4. [3]に解凍したお肉と凍ったままのかぼちゃを加え全体をよく混ぜる。
※生のものでももちろん大丈夫。かぼちゃ以外の野菜でも美味しい。
5. 油を180度に熱し[4]を手でつまんで落としいれ7~8分ゆっくりカラッと揚げる。
トマトのみそパスタスープ(4人分)
材料
トマト 大1個(200グラム)
※完熟したものをへたをとってそのまま冷凍する。
しめじ 1パック(100グラム)
※石づきをとり長さ半分に切って冷凍する。
にんにく 1片
※皮をむいてそのまま冷凍する。
水 400ミリリットル
みそ 大さじ1強
パスタ(一口大に手で折る) 30グラム
バター 大さじ1強
作り方
. にんにくは冷凍したまま薄切りにする。
2. トマトはふきんでおさえながらすりおろす。
3. 鍋にバターを入れ熱し[1]を入れて、炒めしめじを冷凍のまま加え、ひと炒めする。
4. [2]を加え少し炒めたら水を加えてパスタを入れて3~4分煮る。
※パスタが柔らかくなったらOK
5. みそで味を調えてできあがり。
味出し野菜の炊き込みご飯(4人分)
材料
マイタケ(細かく手で裂く) 100グラム
にんじん(3ミリのいちょう切り) 100グラム
ごぼう(縦半分に切って斜め薄切り) 2分の1本(100グラム)
油揚げ(5ミリ角に切る) 1枚
お米 3合
合わせ調味料
かつおぶし 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
砂糖 小さじ1
酒、みりん 各大さじ1
作り方
. 保存袋に合わせ調味料を全て入れてなじませる。
2. マイタケ、ごぼう、にんじん、油揚げを入れて、空気を抜いて口を閉じ、全体に調味料をな
じませて冷凍する。
3. 米は洗い、水加減は大さじ4すくいとって減らす。凍ったままの[2]を入れて普通に炊く。
※最近のほとんどの炊飯器では、炊飯時間の中に浸水時間(米に水を染ませる時間)が含まれています
ので、[2]を入れてすぐにスイッチを押してもかまいません。浸水時間が含まれていない場合は、[2]を入
れて30分ほど浸水させてから炊いて下さい。
※炊飯器の機種によっては炊きムラが出ることもあります。
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