『地域文化の保存・継承プラン』 ∼神秘の史跡「神籠石」が生み出す連携と交流のまちづくり∼ 山口県光市 ◎「神籠石」とは 神籠石と呼ばれている遺跡は、主に九州地方に存在しています。国の史跡として指定されているも のは、光市の「石城山神籠石」を含め次のとおり9ヶ所存在します。構造の歴史や目的が今もなお明 古くから守り伝えられてきた文化財・伝統芸能などの周知を図り、地域文化の保存と継承に努めます らかにされておらず、日本書紀等の古代の文献にも記載がないなど、謎が多いことでも知られていま す。古代において最も壮大かつ重要な遺跡である。 成 果 指 標 目標年次:平成 23 年度 【文化財の保存】 神籠石分布図 文化財の保存・活用に関する満足度:17.5%→20.0% 【地域文化の継承】 地域の行事や祭りに参加している人の割合:42.8%→50.0% (順不同) 名 ⑨ 主要なプラン ①神籠石サミットの開催 国指定文化財(史跡)の「神籠石」は光市のほか、福岡県に 6 箇所、佐賀県に 2 箇所あります。 この神籠石が所在する自治体が集まり、保存や活用について協議を進め、今後のまちづくりや自治体 間の交流にも繋がるサミットを開催していきます。 ⑥ ⑦ ⑧ ⑤ ④ ② ③ ① ・神籠石サミットの開催 ・神籠石所在自治体との交流 ・共同研究 ・パンフレット、冊子の作成 など ②「石城山神籠石」や石城山の文化財の保存活用事業 称 所 在 地 ① おつぼ山神籠石 佐賀県武雄市 ② 帯隈山神籠石(おぶくまやま) 佐賀県佐賀市 ③ 女山神籠石(ぞやま) 福岡県みやま市 ④ 高良山神籠石(こうらさん) 福岡県久留米市 ⑤ 雷山神籠石(らいざん) 福岡県前原市 ⑥ 鹿毛馬神籠石(かけのうま) 福岡県飯塚市 ⑦ 御所ヶ谷神籠石(ごしょがだに) 福岡県行橋市 ⑧ 杷木神籠石(はき) 福岡県朝倉市 ⑨ 石城山神籠石(いわきさん) 山口県光市 石城山は県立自然公園であり、国指定文化財の「石城山神籠石」や「石城神社」などがあります。 この貴重な歴史的遺産を後世に残すとともに、多くの人に知ってもらい、周辺環境の整備を行うこと により、市民のくつろげるエリアにします。 ・保存管理及び整備計画の策定 ・講演、現地見学会の開催 ・小中学校における総合学習での取組 ※ 「日本書紀」 「続日本紀」に記載がなく、遺構でしか存在の確認できないものを指す。古代山城(朝 など 鮮式山城)の比定地にされることもあるが、築造主体など建設の経緯は不明である。特色は、標高 200∼400 メートルの山頂から中腹にかけて数キロメートルにわたって一辺が 70 センチメートル ③伝統芸能の保存・継承の推進 私たちの住む光市は、多くの伝統芸能や地域の祭りが先人から守り伝えられています。島田人形浄 瑠璃芝居、早長八幡宮秋祭り、各地に伝わる柱松 など。こうした地域に根ざした素晴しい伝統芸能 や地域の祭りを後世に引き継ぐとともに、祭りや文化を通じた郷土愛を育成していきます。 ・伝統芸能などの積極的な参加の推進 ・後継者の育成支援 ・団体への活動補助 など 位の切石(きりいし=岩を割って作った石)による石積みを配列し、谷を通過するときには水門を設 けていること。 ◎「石城山神籠石」とは 「石城山神籠石」は、石城山中腹八合目あたりを、鉢巻 状に取り囲んだ巨石の帯列であり、列石が谷間を横切る場 第1回「神籠石サミット」光宣言 所には、水門を設けている。列石の総延長は、約2.6km にもおよぶ大規模なものである。また、遺構が発見され、 「神籠石」は、九州北部から瀬戸内海沿岸にかけて分布し、このうち、9か 第一門跡には、 「沓石」と呼ばれる2個の柱礎石が遺ってい 所が国の文化財として史跡に指定されていますが、築造の歴史や目的が、今な る。 お明らかにされておらず、日本書紀等の古代の文献にも記載がないなど、多く 築造の歴史や目的については不明な点も多く、神域説と の謎に包まれています。謎や歴史ロマンが溢れる「神籠石」は、文化創造のま 山城説とで論争された時期もあったが、昭和38年・39 年の調査(国・県・当時の村)により、空濛、柱穴、土塁が発見され、神籠石式古代山城の一つであ ちづくりを進める上で、大きな魅力を秘めています。 愛するふるさとの遺産「神籠石」を縁として、ここ石城の里に結ばれた私 るといわれるようになった。 たちは、文化財保護意識の高揚、「神籠石」を活用した地域づくり、文化財の 保存・整備と活用を図り、「神籠石」所在自治体の連携のもと、市民相互の交 ◎第1回「神籠石サミット」の開催 流を願い、ここに、第1回「神籠石サミット」を開催する運びとなりました。 全国に誇れる貴重な文化遺産、歴史資源の「神籠石」を活用し、全国の歴史ファンに神籠石の魅力 を伝えるとともに、多くの謎に包まれた神籠石の調査・研究を進めることを目的に、平成 19 年 2 月 引き継いでいくことを宣言します。 2 月 16 日(金)】会場:ホテル松原屋、石城山 ①「石城山神籠石」の現地見学 【2日目 ②「自治体サミット」 ③交流会 平成19年2月17日 2 月 17 日(土)】会場:大和スポーツセンター ●開会前 石サミット」の開催を機会に、ふるさとのかけがえのない文化遺産であり、歴 史的資源である「神籠石」を保存・継承、活用し、まちの輝きとして、未来へ 16 日と 17 日の両日、光市において、「第 1 回神籠石サミット」を開催しました。 【1日目 私たちは、「人と自然がきらめく生活創造都市」光市に集い、第1回「神籠 第1回「神籠石サミット」参加者一同 =「光紙芝居」による紙芝居「山姥の涙」の上演 ①オープニングアトラクション 石城太鼓保存会 ②開会行事 ③記念講演 演題 「神籠石の解明と活用」 講師 山口大学名誉教授 八木 充 先生 ④事例紹介 ◎テーマ 「日本の古代山城」 ◎講師 ⑤事例報告 九州国立博物館展示課長 ― 『神籠石資料館』が開設 ― 赤司 善彦 ◎史跡「石城山神籠石」保存修理事業を実施して ⑥事例発表 ◎テーマ 「石城山探訪∼古代のロマン にふれよう」 ◎発表 光市立大和中学校1年生代表 ⑦第 1 回「神籠石サミット」光宣言・閉会行事 先生 第1回「神籠石サミット」以降、石城山神籠石 を訪れる人が多くなっています。三国志城では、 こうした人々に現地見学や説明等をボランティア で実施しており、石城山神籠石の窓口として知ら れています。 光市では、 「共創と協働で育む まちづくり」の理 念のもと、民間のサテライトセンターとして、石城 ■主催 光市・光市教育委員会、「神籠石」所在自治体 山の麓に位置する三国志城の協力により『神籠石資料館』 ■後援 文化庁、山口県教育委員会、各報道機関ほか を開設しました。(観覧無料)
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