平 成 27 年 度 第 20 号 秋田県立男鹿工業高等学校

平 成 27 年 度
研究紀要
第 20 号
秋田県立男鹿工業高等学校
発行によせて
校
長
有
坂
俊
吉
学校教育の指針、平成27年度高校教育課の重点として、
①組織的・継続的な授業改善と学力向上の推進
②社会的・職業的自立を目指したキャリア教育の充実
の2点が示されております。
これを受けて、本年度の本校の重点目標の中にも、
・学力向上につながる学習指導の工夫を図る。
・キャリア教育の充実と進路希望の実現を図る。
との項目を掲げ、指導してきました。
今 年 度 は 、 指 導 主 事 学 校 訪 問 に お け る 1 ヶ 月 前 課 題 を 「学 習 の ね ら い を 明 確 に し 、 言 語
活 動 を 通 し て わ か る 授 業 を 展 開 す る 。 」と し て 、 全 職 員 で 取 り 組 ん で き ま し た 。 職 員 一 人
一人の授業改善への意識を高めることで、指導主事学校訪問での授業研究会、校内研究授
業 で の 研 究 協 議 会 と も に 、非 常 に 内 容 の 濃 い 、充 実 し た 協 議 会 に な っ た と 思 い ま す 。職 員 、
生徒への授業アンケートの結果からも授業改善の成果が表れています。それは指導主事学
校 訪 問 の 前 後 で 、 質 問 項 目 ① 「授 業 の 目 標 を 明 確 に 提 示 し て い る 。 」、 ② 「生 徒 が 自 分 の 考
え を ま と め て 発 表 す る 時 間 を 取 っ て い る 。 」、 ③ 「授 業 の 最 後 に 到 達 目 標 に 対 し て の 理 解 度
を 確 認 し て い る 。 」の い ず れ に お い て も 、 「実 施 で き て い る 」「お お む ね 実 施 で き て い る 」と
の評価の割合が訪問後に着実に上昇していたことが示しています。授業改善については当
然ですが今年度だけでなく、継続した取り組みが必要ですので来年度以降も常に授業改善
に心がけていただきたいと思います。
キャリア教育関係では、今年度の新たな取り組みとして先輩講話を2回実施しました。
1回目は卒業したての若手の先輩、2回目は卒業後二十数年を経過し、勤務先で管理職と
し て 活 躍 し て い る 先 輩 (生 徒 の 保 護 者 と 同 年 配 )か ら の 講 話 で 、2 ,3 年 生 が 聴 講 し ま し た 。
講話の内容も充実しており、生徒達からの質問も多く出て、有意義な時間であったと思い
ます。このような取り組みの他、全職員による面接指導などを実施し、おかげさまで6年
連続進路決定100%を達成することができました。先生方の御指導、御協力に感謝いた
します。進路指導部においては、キャリア教育の全体計画をより良いものとするための見
直しを計画しています。更なるキャリア教育のレベルアップのため引き続き、先生方の御
支援をよろしくお願いします。
授業改善、キャリア教育については着実に実践されております。しかし、学力向上につ
いてはこれまで具体的な検証があまり成されてきておりません。是非、来年度以降の課題
として全職員が協力して取り組んでいただきたいと思っています。教育実践を記録に残す
こ と は 、 非 常 に 意 義 深 い も の で あ り ま す 。 今 年 度 の 「研 究 紀 要 」に 寄 稿 し て く だ さ っ た 先 生
方 に 感 謝 い た し ま す 。 「研 究 紀 要 」が 今 後 の 実 践 に つ な が る こ と を 期 待 し て お り ま す 。
平成 27 年度
研究紀要
目
◆巻頭言
〈 発行によせて 〉
第 20 号
次
………………………………
校長
有坂
俊吉
◆各科から
・平成 27 年度キャリア教育推進事業における
ものづくり教育の取り組みについて
…………… 機械科
山﨑晶司
1
・高校生未来創造支援事業
「地域との連携強化プロジェクト」に参加して… 電気電子科
・平成 27 年度
内海
求
6
第 22 回秋田県高等学校
工業クラブ研究発表大会
………………………… 設備システム科
小玉雅之 8
◆教育センター研修
・高等学校授業力向上研修講座(3年経験)………… 数学科
川田
亮
・高等学校授業力向上研修講座(8年経験)………… 保健体育科 土居耕太郎
◆指導主事学校訪問
16
20
研究授業
・実施について
………………………………………………………………………
・公民科
授業者
菅原
・英語科
授業者
・電気電子科
授業者
徹
24
……………………………………………
25
齊藤さつき
……………………………………………
29
虻川慶春
……………………………………………
32
………………………………………………………………………
34
◆校内研究授業
・実施について
・理科
授業者
工藤大智
………………………………………
35
・家庭科
授業者
楢岡明日美
………………………………………
38
・設備システム科
授業者
小玉雅之
………………………………………
45
平成27年度キャリア教育推進事業におけるものづくり教育の取り組みについて
機械科
1
山﨑
晶司
はじめに
平成25年度よりキャリア教育の一環として、ものづくり教育を専門高校において一
層推進することにより、生徒のものづくりへの興味・関心・意欲を高め、専門的な知識
や技術・技能を身に付けさせるとともに、職業人として求められる姿勢と態度を育むこ
とを目的とし、この事業が実施されている。そこで本校における平成27年度のものづ
くり教育の計画および結果について簡単に紹介する。
2
今年度の計画について
今年 度の 本 校の 計画 は 以下 の とお りで あ る。
大
会
名
期
日
会
1 ワールドエコノムーブ
2015年 5月 4~ 5日
高校生エコカーレース
2015年 8月 2~ 3日
場
分
類
各 種 競 技 大会 参 加
大潟村
2 課題ロボット県大会
2015年 9月 27日
横手清陵学院高校
3 工業クラブ研究発表大会
2015年 9月 27日
横手清陵学院高校
技術研修・
研究 活 動
4 旋盤作業部門
2015年 6月 21日
大曲工業高校
5 電気工事部門
2016年 1月 23日
大曲技術専門校
6 電子回路組立部門
2016年 2月 19日
男鹿工業高校
7 自動車整備部門
2015年 7月 30~
弘前高等技術
31日
専門校
ものづくり
コンテスト
秋田県大会
ものづくり
コンテスト
東 北大 会
8 マイコンカーラリー
2015年 11月 15日
湯沢翔北高校
北 東 北 大 会、
全国予選
3
大会の概要と結果について
(1)
ワールドエコノムーブ
概要・・・主催側から支給される同一コンデションのバッテリーあるいは水素ボン
ベを用いて、2時間のレース時間内に走る距離を競う、省エネルギーレ
ースである。
結 果 ・ ・ ・ 鉛 電 池 部 門 ジ ュ ニ ア ク ラ ス 1 5 位 本 戦 周 回 数 8 .5 ( 出 場 台 数 2 0 台 )
-1-
(2)
秋田県高校生エコカーレース競技大会
概要・・・秋田県高等学校教育研究会工業部会が主催し、エコカーレースを通じ、エネルギ
ーの有効活用と創作の可能性を広く情報発信し、参加チームの技術的交流の場と
し、ものづくりのレベルを向上させるとともに、環境保護の大切さや共通の目的
に 取 り 組 む 仲 間 の 輪 を さ ら に 大 き く す る 場 と した 大 会 で あ る 。
結 果 ・・ ・本 戦 10 位
(3)
周 回数 2 .0
秋田県高等学校工業クラブ
( 7 校参 加、 出 場台 数 12 台)
ロボット競技大会
概要・・・競技概要は、競技時間3分間。リアス式海岸で有名な英虞湾を船に見立てた
自立型ロボット(港エリア)とリモコン型ロボットで三重県の特産品である真
珠を取りに行き、その得点を競う。
結果・・・メカトロクラブ部員5名が参加
(4)
秋田県高等学校工業クラブ
予選敗退(9 校 14台出場)
研究発表大会
概要・・・秋田県高等学校工業クラブに所属する生徒の日頃の研究成果の発表を通し、
技術向上および人的交流の場とし、秋田県における工業教育の実践的発展・活
性化を目指す。
結 果 ・ ・ ・「 校 内 工 業 技 術 ボ ラ ン テ ィ ア 」 と 題 し て 発 表 し 、 優 良 賞 を 受 賞 。
発表者:設備システム科
加賀谷走汰
-2-
小玉大地
福原永巳皇
(5)
ものづくりコンテスト旋盤作業部門
概要・・・競技課題(部品図)に示す部品を作業時間2時間で製作し、その精度を競う。
2年間参加していなかったが、今年度から参加し復帰した。
結果・・・参加者
(6)
機械科2年
小野
冬輝
ものづくりコンテスト電気工事部門
概 要 ・ ・ ・ 概 ね 、 縦 1,800mm × 横 1,800mm の 垂 直 パ ネ ル に 、 競 技 規 則 に 従 い 、「 施 工 図 」、
「施工条件」に示す電気設備の施工を想定した配線工事を行う。
結果・・・電気電子科1年
三浦柚太
準優勝(8校参加)
-3-
(7)
ものづくりコンテスト電子回路組立部門
概要・・・設計仕様に基づいた「入力回路」を競技時間内に設計・製作し「入力回路」
と 「 出 力 回 路 」 を 制 御 用 コ ン ピ ュ ー タ に ケ ー ブ ル で 接 続 す る 。「 制 御 用 プ ロ
グラム」を作成し、目的の動作を行うシステムを完成させる。
結果・・・電気電子科2年
西村
風咲
第2位
(8)も の づ く り コ ン テ ス ト 自 動 車 整 備 部 門 東 北 大 会
概要・・・課題Ⅰ
Ⅳ
学科、課題Ⅱ
測定作業、課題Ⅲ
定期点検・車両取扱作業、課題
エンジン故障探求を「作業条件」および「注意事項」に従って、競技
時間25分以内に完成させる。
結果・・・機械科3年
(9)
伊藤
正太
東北大会
第3位
ジ ャ パ ン マ イ コ ン カ ー ラ リ ー 2 0 1 5 北 東 北 地 区 大 会 (兼
全国大会予選)
概要・・・マイコンボードを搭載し、独自に製作、プログラミングした手作りのマシン
で 規 定 の コ ー ス を 完 走 し ス ピ ー ド を 競 う 競 技 。 Advanced Classと Basic Class
( Advancedに 比 べ 使 用 で き る 部 品 な ど に 制 限 あ り )
結果・・・設備システム科3年
佐々木裕省
-4-
Basic 5 位 (学 校 順 位 2 位 )全 国 大 会 出 場
(10)
ジャパンマイコンカーラリー2015全国大会
概要・・・全国大会は平成28年1月10日に日本工学院専門学校八王子キャンパスで行
われた。
結果・・・設備システム科3年
佐 々 木 裕 省 が 出 場 し 、 Basic ク ラ ス 予 選 は 全 国 か ら 4 7
台 参 加 、 完 走 2 5 台 の な か 、 26.39 秒 で 予 選 2 位 と な り 、 上 位 4 台 で の 決 勝 ト
ーナメントで、第 3 位という結果となった。
4
おわりに
今年度も先生方の熱心なご指導と生徒の積極的な活動により成果を上げることができ
た。来年度以降も一段と飛躍できるよう頑張って欲しい。
-5-
高校生未来創造支援事業「地域との連携強化プロジェクト」に参加して
電気電子科
1
内海
求
夏休み小学生ものづくり教室
8月1日(土)本校を会場に開催した。船越小学校6年生16名、5年生8名の計24
名の参加であった。本校電気電子科職員6名と補助生徒電気電子科3年生4名、2年生2
名が指導にあたった。
製作する教材を何点か候補にあげ、実際に電気電子科3年の生徒に製作してもらった。
部 品 点 数 が 多 く て 時 間 が 掛 か り 過 ぎ る も の や 、逆 に 部 品 点 数 が 少 な く 時 間 を 要 し な い も の 、
構造的に無理があり完成したとしても動作が不安定なものが対象から外されていった。最
終的に『4つのLEDが光るオルゴールごま』を採用することとした。こまが回転するこ
と で 、 遠 心 力 に よ っ て ス イ ッ チ が 入 り 、 回 転 し な が ら 4 つ の LED の 残 光 が 色 と り ど り の
輪をつくりメロディを奏でながら回るものである。
ハンダ付け作業に苦労している中、難なくこなす小学生もいた。本校生徒が試作段階で
2時間近く掛かった作業を1時間程度で済ませてしまうほどであった。試作を経験した本
校生徒達の懇切丁寧な指導も見られ、参加生徒全員が完成することができた。LEDが点
灯しながら回転し綺麗な光の輪が見られ感動している様子が伺えた。小学生と高校生が触
れ合う何とも微笑ましい光景が見られ、この事業の意図するところが見て取れた瞬間であ
った。
終 了 後 、 指 導 し た 補 助 生 徒 の 感 想 は 、「 自 分 の 思 っ て い る こ と や 自 分 の 指 示 し た 内 容 が
小 学 生 に う ま く 伝 わ ら ず 苦 労 し た 。」「 言 っ た だ け で は 理 解 し て も ら え な い 。」 等 の 感 想 が
寄せられ、コミュニケーション能力の大切さを知るよい機会になった。今後もこのような
取り組みを通じて小中高の連携を図る必要があると思われた。
-6-
2
天王みどり学園との交流会
1 1 月 2 6 日 (木 )天 王 み ど り 学 園 を 会 場 に 開 催 し た 。 天 王 み ど り 学 園 高 等 部 2 年 生 1 7
名、本校電気電子科職員1名と補助生徒電気電子科3年生4名が指導にあたった。この事
業 の た め に も 数 多 く の 試 作 を 経 て 、『 プ ロ グ ラ ミ ン グ ロ ボ 』 が 採 用 さ れ た 。
当日は、みどり学園の先生から知的障害、肢体不自由、病弱等の種類についての説明を
受け、天王みどり学園の児童生徒は、その中でも知的障害、自閉症、肢体不自由の障害を
抱えていることを教わった。様々な障害をもちながらも、多方面で活躍している著名な人
たちの紹介があり、栗原類、ビルゲイツ、エジソン、アインシュタイン、トムクルーズ、
スピルバーグの名前を耳にした本校生徒は、驚きを隠せない様子であった。障害に関する
説明を受けたあとの本校生徒の戸惑いは明らかに見て取れる。緊張そのものである。いよ
いよご対面。自己紹介のあと、プログラミングロボ製作が開始された。
プログラミングロボは押しボタン押すことで、直進、右折、左折の命令入力が可能なロ
ボットである。みどり学園の生徒たちには、ハンダ付け作業を伴う困難な作業と思われた
が、普段から作業学習を体験している生徒達のため、スムーズに作業を進めることができ
た。ハンダ付け作業の後、ボタンによる直進、右折、左折の命令入力方法も、本校生徒の
説明で十分に理解してもらえることができた。時間が過ぎるに従い、みどり学園と本校生
徒の距離感はどんどん近づいていった。そして、思い通りにロボットが動作したときの互
いの生徒たちの感動した姿が印象的であった。
今回の事業で、知的障害のある生徒達に接する機会を得ることができたことは貴重な体
験であった。
-7-
平成27年度 第22回 秋田県高等学校工業クラブ研究発表大会
期日:平成27年9月27日(日)
会場:秋田県立横手清陵学院高等学校
設備システム科
小玉雅之
1.はじめに
今年度,工業クラブ研究発表大会が本科担当ということで,課題研究における生徒の取
り組みの様子等の発表を行った。
本来,工業クラブの研究発表は,各校に所属する「工業クラブ」が主となり,継続した
調査及び研究の結果を分析し,考察した事を発表するわけであるが,本校の場合は,各科
で行っている「課題研究」も併せて工業クラブとして位置付けているので,今回の発表に
至った。
今年度のメンバー8人による「母校に対する思い」の様子を,加賀谷走汰,小玉大地,
福原永巳皇の3名が,多くの聴衆と同年代の生徒たちを前に堂々と発表をしてくれた。
-8-
2.当日発表したプレゼンテーションの原稿
-9-
- 10 -
- 11 -
- 12 -
- 13 -
※発表時間:1組10分以内
9分でベル1回,10分で2回
※全発表終了後に、質疑応答
- 14 -
3.発表を終えて
昨 年 度 ,初 開 催 と な っ た「 工 業 系 生 徒 に よ る 課 題 研 究 発 表 大 会 」に 本 校 代 表 と し て 発 表 ,
参加させていただき,各校の取り組みの状況や効果的なプレゼンテーションの方法など,
多くの事を学ぶことができた。
今 年 度 は そ れ を 3 年 生 の 授 業 の 場 に 取 り 入 れ ,基 本 操 作 の 他 に も 活 字 を 並 べ る よ り は「 図
や 写 真 」を 中 心 と し ,ア ニ メ ー シ ョ ン 効 果 は「 必 要 最 低 限 の 使 用 」に 抑 え ,「 視 覚 で 話 し ,
発表者のことばで述べる」手法を念頭に置きながら今回の発表の準備にあたった。
メンバー全員の協力の下で発表する原稿ができあがり,9月下旬の開催ということから
代表として発表する生徒たちにとっては自己の進路活動とも重なり,また曜日の関係上,
5 連 休 と な っ た シ ル バ ー ウ ィ ー ク 中 も 毎 日 学 校 に 来 て は「 練 習 ,訂 正 ,練 習 」に 明 け 暮 れ ,
本当に一生懸命頑張ってくれた。
当日は午前のリハーサルを終え,最終組での発表という緊張が続く中,日頃の活動の様
子 や こ の 活 動 を 通 じ ,「 奉 仕 活 動 や 働 く こ と に つ い て の 動 機 付 け や 意 識 改 革 に も つ な が っ
た こ と 」,「 約 半 年 後 に は 社 会 人 と し て の 序 章 を 経 験 で き た こ と 」, さ ら に は 「 将 来 を 見 据
え た 雰 囲 気 も 掴 め た こ と 」,「 全 員 が 一 つ の こ と に 対 し て 汗 を 流 し , 作 業 す る こ と で 完 成
した喜びや達成感などを味わえた経験を,別な角度からこの後も母校のために貢献してい
きたい」とまとめ,肝の据わった堂々とした態度にて発表を締めくくってくれた。
4.結びに
毎年のことではあるが,この課題研究を通じ,職業人として「仕事に就くこと・働くこ
と 」 を 大 前 提 と し , そ の 中 で ,「 班 員 同 士 で の 人 間 関 係 の 形 成 や 社 会 に 出 て か ら も 積 極 的
に 参 加 す る 力 を 身 に 付 け て も ら い た い 」,「 今 後 , 仕 事 を す る 上 で 様 々 な 課 題 に 直 面 し た
ときに,自らで処理し,自らで解決する力を培ってもらいたい」等,職業人として必要最
低限社会に出てからも生きて行ける力を育ませてやりたいという思いから,テーマを生徒
と共に考案し,取り組ませている。今年度のメンバーも,少しはこちらの思惑通りに成長
してくれたと感じている。
最後に,今発表大会に参加するにあたり,校長先生や教頭先生をはじめ,事務の方々,
科の先生方より多くのご指導やご協力を賜りました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
- 15 -
高等学校授業力向上研修講座を受講して
数学科 川
1
田
亮
はじめに
「高等学校授業力向上研修講座」とは、同じ年齢層の教員で構成する教科別のグループ
で授業分析などの実践的な研修を行い、若手教員の授業力向上を目的として行われる講座
である。対象は採用3年目及び8年目の高等学校に在籍する教員。
以下、今年度実施された本講座の内容と自分自身が得た成果についてまとめてみたい。
2
日程と内容
10月15日(木)
10:00~10:10
開講式
総合教育センター 主幹 近藤
正実先生
10:25~12:00 <演習・協議> グループ別授業分析①
13:00~16:15 <演習・協議> グループ別授業分析②
10月16日(木)
10:00~12:00 <演習・協議> グループ別授業分析③
13:00~15:30 <演習・協議> グループ別授業分析④
15:30~16:20 教科毎のまとめ・研修の振り返り
3
授業の感想
・「たすのか、かけるのか」「互いに排反である」といったところを生徒に確認しながら、
授業を進めていくことができた。
・誤答を利用しながら、他のパターンへもっていった。nCr を使って求めるというのが生
徒たちに残ったはずである。
・自力思考の時間と考えを共有する時間の設定。
・手がとまってしまう生徒がでてしまった。(特に女子)
・生徒が活躍する場面をうまく設定できなかった。もっと生徒をうまく使えたはずである。
・評価問題の出来は良かった。本時の目標はある程度達成されたように思う。nCr も使え
ていた。
4
授業研究会
成果(+)
成果が見られる点、学んだことや感心させられたこと、工夫していることなど、
プラスの面の事項
課題(-) 改善を要すると思われる点、課題として挙げられる点、気になることなどマイナ
ス面の事項
- 16 -
協議の視点1
生徒の思考を促す授業展開
導入部分の問いかけ
+
・最初に誤答を示した解説。 ・丁寧な導入であった。課題の意味が理解しやすい。
・排反で求めると「面倒」だから、もっと楽な方法がないかという問いかけ。
時間配分
+
・一人で考えてから隣同士で考えさせる。
・ルールが決められていて、メリハリがある。
自力解決
-
・誤答の理由を生徒に考えさせても良かった。
・はじめの自力解決。手がとまってしまっていた生徒が何人かいた。
↓
改善策
協議の視点2
生徒のつまずきを生かす授業展開
到達目標を意識した授業構成
丁寧な説明
+
・なぜ C なのか、nCr を用いる理由の説明。 ・ヒント、語りかけ、発問。
・隠れている情報の補足説明。
立式
+
・公式化せずに具体的な例で説明。
本時の目標
-
・文章で書いた方がわかりやすい。
展開の仕方
-
・1 つの例から一般化は厳しい。
・もう1つ問題をやっても良かった。
比較のためにも。
・○×の図をもっと強調した方がよい。
↓
改善策
5
特殊化から一般化への持って行き方
おわりに
他の先生の「授業の構成力」には驚かされた。生徒の実態に応じて、様々な工夫をして
いた。それに対して、私は初任者研修のときからの課題を改善できていないように感じる。
様々な視点からアドバイスをしていただいたので、これからの自分の授業に取り入れ、教
員としての「技」を磨き、私自身の成長に繋がるものにしたい。
「授業は1日1日の積み重
ねが財産」ということを忘れずに日々の授業改善に努めていきたい。また、教師としての
力量を高めていけるように、今後も一層研修に励んでいきたい。
- 17 -
数 学 科 ( 数 学 A) 学 習 指 導 案
実
施
日 : 平 成 27 年 9 月 10 日 (木 ) 2 校 時
対象クラス:2 年進学コース
指
導
者:川田
使用教科書:新編
亮
数 学 A(啓 林 館 )
1.単 元 名
第1章
場合の数と確率
第4節 独立な試行の確率
2.単元目標
独立な試行の意味を理解し、独立な試行の確率を求められるようになる。また、それらを事
象の考察に活用できるようにする。
3.単元と生徒
前時まで、独立な試行の求め方について学習をしている。本時は、反復試行の意味と確率を
求 め る 考 え 方 を 具 体 的 な 例 を 用 い て 、 説 明 す る 。 nCr を 生 徒 に 気 づ か せ ら れ る よ う 、 う ま く 問
いかけ、考えさせたい。一般式を導く過程を理解し、確率を求めることができるようになるこ
とがねらいである。
2年進学コース16名(男11名、女5名)のクラスである。全体的に数学に対する関心が
高く、授業にも意欲的に取り組んでいる。問題演習にも積極的に取り組む姿勢が見られる。し
かし、おとなしい生徒が多く、自分の考えを発表することに抵抗感を持っていたり、うまく言
葉で表現できない生徒も数名いる。間違ってもいいので、自分の考え・意見を主張できる雰囲
気作りに努めたい。
4.指導と評価の計画
第 1~
2時
(本時
3/5)
授業内容
学習活動における具体の評価規準
評価方法
独立な
・2 つの試行における 2 つの事象が同時に起こる確率は、事象の確
机 間 指 導 (ノート)
試行
率の積となる。これを導く過程を考察することができる。
(数 学 的 な 見 方・考 え 方 )
観察
発言・発表
・2 つの独立な試行における 2 つの事象が同時に起こる確率を求め
(数 学 的 な 技 能 )
ることができる。
・ 具 体 的 な 試 行 に お い て 独 立 な 試 行 で あ る こ と を 見 抜 き 、そ の 事 象
(数 学 的 な 技 能 )
の確率を求めることができる。
第 3~
5時
反復試行
・独 立 な 試 行 を 繰 り 返 す 反 復 試 行 が 身 近 な 試 行 と し て あ る こ と に 気
づき、これらを活用して確率を求めようとする。
(本 時 )
観察
(関 心・意 欲・態 度 )
・反復試行の確率の公式を導く過程を考察することができる。
(数 学 的 な 見 方・考 え 方 )
・ 反 復 試 行 の 確 率 の 公 式 を 用 い て 、具 体 的 な 反 復 試 行 に お け る 確 率
(数 学 的 な 技 能 )
を求めることができる。
・独 立 な 試 行 と 反 復 試 行 に つ い て 理 解 し 、基 礎 的 な 知 識 を 身 に つ け
(知 識 ・ 理 解 )
ている。
- 18 -
机 間 指 導 (ノート)
発言・発表
小テスト
5.本時の計画
(1)本時のねらい
・反復試行の確率の一般式を導く過程を理解し、確率を求めることができる。
(2)学習過程
評 価 の観 点 :①関 心 ・意 欲 ・態 度 ②数 学 的 な見 方 や考 え方 ③数 学 的 な技 能 ④知 識 ・理 解
学習活動
指導上の留意点
1個 の さ い こ ろ を 3回 投 げ る と き 、
1の 目 が 1回 出 る 確 率 を 求 め よ 。
評価
・ 1の 目 が 出 る 確 率 、 1以 外 の 目 が 出 る 確 率 に つ い て 、 生 徒 を
指名し、口頭で答えさせる。
・必要な場合、補足説明をし、前時までに学習した事項の確
認を行う。
導入(
ଵ
・誤答を示す。
଺
ହ
ହ
× × =
଺
଺
ଶହ
ଶଵ଺
こ れ は 、「 最 初 に ૚の 目 が ૚回 出 て 、 ૛, ૜回 目 に ૚以 外
の目が連続で出た確率」であることを説明する。
分)
10
[発 問 ]
他にはどのような確率が考えられるか。
生徒に問いかけ、考えさせる。
・ 本時の目標の提示
・「 目 の 出 方 」に つ い て も 考 え て い か な け れ ば な ら な い こ と に
気付かせ、その求め方が今日のテーマであることを告げる。
・ 1の 目 が 出 る こ と を ○ 、 1以 外 の 目 が
出 る こ と を ×で 表 す と
①
○
×
×
②
③
・生徒を指名し、口頭で答えさせる。
他のパターンについて同様に表す。
・ ① ~③ 全 て
展開(
・②、③について確率を求める。
[発 問 ]
ଶହ
ଶଵ଺
3通 り の 出 方 が あ る の で 3 ×
3 パターンをどうやって求めればいいか?
35
であることを確認し、
ଶହ
ଶଵ଺
=
ଶହ
଻ଶ
と示す。
分)
・「 回 数 が 増 え た と き 、 ○ ×で パ タ ー ン を 求 め て い く の は 困
難 で あ る 。 も っ と 簡 単 に 求 め る 方 法 は な い だ ろ う か 。」
「 例 え ば 、4回 中 2回 と な っ た と き 、今 ま で 学 習 し た こ と を 用
い て 求 め る こ と は で き な い か 。」
生徒に投げかけ、考えさせる。
・ (自 力 思 考 )→ (周 り と 考 え を 共 有 )
→ (発 表 )
整理(
分)
5
・ 問 ૞૚を 解 く 。
(5 分 )→ 答 え 合 わ せ
・評価問題を解く。
・机間指導し、適宜助言する。
②
・必要な場合、補足説明する。
観察
・生徒を指名して、説明させる。
③
・生徒を指名して、黒板に解答させ、説明させる。
発表
(5 分 )→ 回 収
・学習内容を再確認する。
③
・次回の学習内容を予告する。
6.協議の視点
(1)自 力 試 行 の 時 間 と 考 え を 共 有 す る 時 間 の 設 定 。
(2)手 が と ま っ て し ま う 生 徒 が 出 て し ま っ た 。 ど う す れ ば 良 か っ た の か 。 (反 省 点 と し て )
- 19 -
平 成 2 7 年 度 高 等 学 校 授 業 力 向 上 研 修 (教 職 8 年 経 験 者 )
研修教員
土居
耕太郎(保健体育科)
講座の目標
・若手教員同士による授業分析や採用3年目の教員への助言などの実践的な研修を通し
て、採用8年目の教員の授業力向上を図る。
対象
・小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の教諭として採用されて8年目で、今年度
高等学校に所属する下記教科の教諭
数学、保健体育、芸術、英語、農業、水産
・過年度の該当者で未受講者
研修内容(総合教育センター研修講座)
日時
研修内容
1 0 /1 5
(木)
○グループ別授業分析①(演習・協議:A-7と合同)
10:00~16:15
1 0 /1 6
(金)
○グループ別授業分析②(演習・協議:A-7と合同)
10:00~16:15
・担当教科の「高等学校学習指導要領解説」
・5~9月に実施した授業関わる次の①~③のもの
携
行
品
①学習指導案(略案可)
②授業のDVDビデオ(数機種のDVDプレーヤーで再生可能
な事を確認すること)
③教材,教具,教科書等(必要に応じて)
・ 事 前 に 送 付 さ れ る 受 講 者 ア ン ケ ー ト 、 学 習 指 導 案 ( 略 案 可 )、
授業のDVDビデオを、9月25日(金)までに総合教育セン
備
考
ターへ送付すること。詳細については、担当から受講者に連絡
する。
・ 宿 泊 を 希 望 す る 場 合 は 、「 総 合 教 育 セ ン タ ー 宿 泊 申 込 書 」( 様
式5)を提出する。
- 20 -
- 21 -
保健体育科「体育」学習指導案
9月1日(火曜日)2校時
指導者
土
場
対
男鹿工業高等学校第1体育館
第 1 学 年 F 科 35 名 ( 内 女 子 5 名 )
所
象
居
耕太郎
1
2
単元名 選択球技 ゴール型(バスケットボール)
目 標
・グループでの練習を通じて個々の課題を発見し、状況に応じたボール操作と空間を埋
めるなどの連携した動きを理解し、勝敗を競う楽しさや喜びを味わい、作戦や状況に応
じた技能や仲間と連携した動きを高めてゲームが展開できる。
・勝敗を競う楽しさや喜びを深く味わい、作戦や状況に応じた技能や仲間との連携した
動きを高め、ゲームが展開できるようにすることに主体的に取り組むことができる。
・体力の高め方、課題解決の方法、競技会の仕方などを理解し、チームや自己の課題に
応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できる。
3 単元と生徒
(1)単元観
バスケットボールはゴール型に分類され、ドリブルやパスなどのボー
ル操作で相手コートに侵入し、シュートをして相手チームより多くの得
点を競い合うゲームである。入学年次では「安定したボール操作と空間
を作り出すなどの連携した動きによってゴール前へ侵入などから攻防を
展開すること」を、その次の年次以降では「状況に応じたボール操作と
空間を埋めるなどの動きによって空間への侵入などから攻防を展開する
こと」をねらいとしている。
(2)生徒観
本学級は活発な生徒が多く、和気あいあいとした雰囲気のクラスであ
る。体育の授業に対してはとても真面目に取り組む。しかし、個々にさ
まざまな問題を抱える生徒も多く、意欲・関心にも個人差があり、生徒
それぞれに応じた指導が必要である。
(3)指導観
チーム内での分析や練習を考える活動を通して、個人的な技能だけで
なく仲間と連携した動きでゲームが展開できるようにしたい。毎時間学
習シートを活用し、個々の課題解決に活用できるようにする。また、仲
間と協力しながら行う活動を通して、練習やゲームの楽しさや勝敗を競
うことの喜びを深く味わわせ、生涯スポーツにつなげたい。
4
指導と評価の計画
・指導計画
球 技 「 ゴ ー ル 型 」 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル ( 3 /1 2 時 間 )
・評価規準
関心・意欲・態度
・チームにおける自
分の役割を果たし、
協力して教えあった
りしようとする。
・作戦を立てて勝敗
を競い合う球技の楽
しさや喜びを味わお
思考・判断
技能
・チームや自分の能
力に応じた適切な課
題を設定し、その解
決を目指して練習の
仕方やゲームの仕方
を工夫している。
・相手との攻防に合
った作戦でゲームや
練習をすることがで
きる。
うとする。
- 22 -
知識・理解
・集団的技術や個人
的技術の構造や技能
を高めるための合理
的な練習計画の立て
方を知っている。
5
本時の計画
(1)ねらい
バスケット-ボールの特性に関心を持ち、練習やゲームで自分の役割を果たし協
力して楽しさや喜びを味わうことができる。
(2)展開(50分)A関心・意欲・態度
学習活動
導 ・挨拶をする。
入 ・本時の活動内容を聞く。
5
分 ・準備運動をする。
B思考・判断
C技能
指導上の留意点
D知識・理解
評
価
・本時のねらいを簡潔にわかり
やすく説明する。
展 ・チーム練習をする。
・本時のリーダーが的確に指示
開 [5分×2]
を出し、練習を展開できるよう
・ A B C D の 4 班 に 別 れ 、 に促す。
試合を見据えた練習を行う。
・前回のゲームを振り返らせ、
練習からゲーム形式につなげら
れるように指示をする。
35
分 ・ゲーム
[7分×2]
バスケ部
1点
一 般 生
2点
女
子
3点
・メンバーを入れ替えなが
らゲームを行う。
ま ・反省と課題を学習シート
と にまとめる。
め
・次時の説明をする。
10
分 ・挨拶をする。
6
・男女隔てなく練習に参加さ
せ、公正・協力・責任などに対
する意欲を高められるように促
す。
【B】
・練習ノート
・チームの特性を踏ま
え、適切な練習やゲー
ムが展開できている。
・ゲーム展開やポイントなどに
(観察)
ついて助言し、勝敗を競い合う
ことで楽しさや喜びが体感でき
るようにする。
・良かった点や上手くいかなか 【B】
った点について考えさせ、次時 ・学習シート
の練習へとつながるようにす
る。
協議の視点
(1)バスケットボールの導入部分ということで、主体的な活動を目的に中学校での練習
を 生 か し な が ら の「 練 習 ノ ー ト 」を 活 用 し て い る が 、効 果 的 な も の に な っ て い る か 。
(2)練習やゲームの中で楽しさや喜びを体感し、一生懸命な様子につなげることができ
る授業であったか。
- 23 -
平成27年度指導主事学校訪問
1
期
日
平成27年9月25日(金)
6校時 研究授業
放課後 研究協議会・全体会
2
教
科
公民
3
重点指導事項
英語
研究授業
工業電気電子
(1) 組織で取り組む授業づくりの推進
・学習のねらいに基づいた授業構成
・生徒の思考を促す授業展開
・評価と検証に基づいた授業改善
(2)「こころ 姿 振る舞い
・さわやかな整容
・さわやかな生活態度
・さわやかな学習環境
4
さわやか高校生運動」の推進による生徒指導の充実
1ヶ月前課題(本校が重点的に取り組む課題)
◎課題
「学習のねらいを明確にし、言語活動を通してわかる授業を展開する」
◎課題達成のための手立て
1 発問に対して考える場面を設定し、自分の考えを発表するための助言を与える。
2 発表を生徒同士が聞き合い、発表者の発言と自分の考えを比較する場面を設定する。
3 授業の理解度を確認する。
◎1ヶ月後の生徒の目指す姿
1 先生の話を、しっかり聞けるようになる。
2 指名されたら単語や一言だけでなく、自分の考えや意見をまとめて述べることができる。
- 24 -
公民科(現代社会)学習指導案
日
時 平成27年9月25日(金)6校時
クラス 設備システム科1年(使用教室:F1)
教科書 現代社会(東京書籍)
指導者 菅原 徹
1
単 元 名
第2章
日本国憲法と民主政治
2 日本国憲法の基本原理
2
単元の目標
日本国憲法の条文を読み、その内容を理解することができる。
3
生徒の状況
基礎的な学力は低いが、積極的に発言する姿勢もあり、知識を得ようとする態度が
みられる。ただ、互いの発言を聞こうとする姿勢には欠ける部分もあるので、不規則
的な発言を減少させ、聞く姿勢も身につけさせたい。
4
指導計画と評価
1)指導計画
2 日本国憲法の基本原理
1 日本国憲法と三つの原理
… 1時間
2 基本的人権の保障(1)
… 1時間(本時)
3 基本的人権の保障(2)
… 1時間
2)評価規準
5
A 関心・意欲・態度
… 自己の生活に関連して考えることができる。
B 思考・判断・表現
… 憲法の条文を具体的に理解することができる。
C 資料活用の技能
… 資料の文言を正確に読み取ることができる。
D 知識・理解
…
それぞれの条文が基本的人権の何を示すか、理解することができる。
本時の計画
1)本時の目標 日本国憲法第3章を読み、権利や基本的人権とは何かを理解し、となり同士話し合
うことで、お互いの権利についても理解することができる。
2)授業展開計画
学習内容・活動
指導上の留意点
導入
・日本国憲法の三つの原理を確認し、 ・三つの原理を確認させ、権利や基
(10)
本時の目標を理解する。
発問
展開
(35)
評価の観点
本的人権を考えさせる。
権利とはどういうことか、となり同士で話し合ってみよう
・第3章第10条から第14条の重
・読めない字にはルビをふらせ、正
・正しく読むこと
要な文言をアンダーラインしながら
確に音読させる。
ができるか。(C)
・「公共の福祉」に注目させる。
・お互い話し合う
読む。
・条文の文言をとなり同士で話し合
い考えさせ発表する。
ことができるか。
(A)
発問
整理
(5)
第14条の内容は現実社会で実現しているか考えてみよう
・各条文から考えられる現代の問題
・なぜその条文が必要だったのかを
・条文の背景を考
を理解する。
考え、現在の問題に気付かせ発表さ
え、発表できるか。
せる。
(B)
・本時の学習内容を確認し、次時の
・となりの生徒の発言を尊重できた
予告をする。
か、確認する。
- 25 -
指導主事学校訪問
研究授業
研究協議会記録(公民科)
○科目・クラス
現代社会
設備システム科1年
○授業者
菅原徹
司会者:腰山みゆき
○参観者
林克至指導主事
川田勝也
鎌田直彦
近藤周平
菅原徹
腰山みゆき
三浦弓子
石山伸介
土居耕太郎
熊谷有紀子
須藤誠
小玉雅之
林克至指導主事
川田勝也
鎌田直彦
近藤周平
菅原徹
腰山みゆき
三浦弓子
石山伸介
土居耕太郎
熊谷有紀子
須藤誠
小玉雅之
記録者:天野良智
楢岡明日美
○協議会
楢岡明日美
1
授業者の感想
・このクラスは、発問すると指名する前にすぐ答えが返ってくるクラスなので、出来るだけ全員に発問を投
げかけて声を拾うようにしている。今日もいつもと同じような発問の形と受け答えであった。このことに
ついて色々なお考えがあると思うのでご意見をお願いします。
また、いつも授業途中で生徒の理解度を確認しているが、結構素直に解らない顔をする。そのような時は
出来るだけ詳しく説明をする。憲法の用語を平易な言葉に直して解説するのは、難しい部分もある。しか
し、一生涯のうち一度は憲法の第三章までは読ませたいと思っている。生徒は比較的興味を持っている様
子である。
2
協議内容
・生徒は知識の羅列と音声情報だけだと、聞けないわけではないがあまり身につかない様子だ。いま私が工
夫していることは、例えば検索させたり、視聴覚教材の絵やスライドなどを見せながらやっている。今日
の授業でも、例えばテレビ番組の法律相談所から、憲法につながる具体例を取り上げるなど、憲法を身近
に感じられる例があればもっと解りやすかったと思う。ご苦労様でした。
・今日の授業で一生懸命に発言してくれた生徒が、うまく授業を動かしてくれたと感じた。
・最初は、話のテンポが速く感じたが、途中からは逆にそのテンポの良さのおかげで生徒は集中を切らさず、
授業にメリハリがあった。
・考える、ノートをとる、友達の意見を聞く、とメリハリがあり、いま何をすべきなのかということが生徒
にとって解りやすい授業展開だった。時間配分をきちんと確認して展開することで、本時のねらいを理解
しながら学習を進めることが出来ていたのではないか。
- 26 -
・生徒一人ひとりに話しかける場面が多く、また、要所要所で話し合いを入れており、生徒たちも集中力を
切らさずに授業を受けていた姿を見ることができ、クラス担任としてうれしく思った。
今回は生徒にとって難しい単元だが、視覚的な映像や絵などで刺激を与えると、もっと発言・言語活動が
活発になり、そこから拾い集めてうまく進めていくことができるのではと感じた。
・一つの場面を設定して生徒同士で考えさせるというやり方はどうだろうか。例えば「Aさんにこんなこと
が起きました。さてこれはどうでしょうか」と問いかける。そこで生徒は、「これは第何条からいけばダ
メ」とか「第 14 条でもダメ」などいろんな意見が出て、それを発表しあうことでさらにいろいろな考え
が出てくるのでは。
・憲法の条文が書かれているシートを使って授業をしていたが、空欄補充もさまざまなやり方がある。例え
ば、今日のキーワードの「公共の福祉」を、12 条と 13 条で空欄にする。最初は答えられない生徒がいる
かもしれないが、12 条を勉強したときに「公共の福祉」と教える。次に 13 条で再度空欄補充に取り組む
ことで「公共の福祉」の知識の定着を図る。
・また、”享有”と”濫用”をひらがなでルビを振って空欄にする。生徒はおそらく、”共有”、”乱用”を
書くかと思われる。そのときに正しい字を教えることで、言葉や条文への理解が深まるのでは。
・生徒は、苦手部分もよく聞いてついて行っている。
・生徒自らが答えを導き出すためのやりとりをみて、教師側が言い過ぎない我慢が大切だと思った。
・保健室では個別対応が多く、集団を相手に先生方が普段の授業でいかに工夫されているか知ることができ、
また、生徒の別の一面も見ることができたよい機会だった。
・生徒たちの発言を引き出すという点では、本校生徒には今日のようなスタイルがあっているのでは。なぜ
なら、自分が言いたいことをぐっと我慢して、挙手→指名→発言するという一連の流れが苦手と思われる
ので、自分の思ったことをすぐに言ってしまう生徒もいると思う。それがかえって他の生徒たちの意見を
引き出したりもするのではと思う。答えを導き出す、そこにたどり着くように発問をする菅原先生の言葉
かけを受けて生徒たち一人ひとりが考えている様子であった。
司
会 :話し合いのルールについてはどうか。
授業者:1グループ4名でメンバーはいつも同じ。まとめ役と発表者を決めておくこと。また、話し合いで
解らなかったら解らない素振りをすること。その際はすぐに説明に行くからと話しており、ルール
は簡単にしている。
指導案にも書いたが、「互いの発言」をお互いの権利を認め合ってしっかり聞くことができるよう
にと目配せをしている。
- 27 -
指導主事:
・今日は本当にどうもありがとうございました。今日は学校訪問と言うことで、先生の方には指導案の段階
から、本当にご苦労をおかけしました。
・冒頭の「権利」の意味について、空欄をつくって予想させており、生徒に考えさせる場としては有効であ
った。「自由」「平等」という言葉が、やりとりの中で生徒の方から出てきたことに驚き、表現力の高い
生徒がいるなと感じた。
・答えを考えさせたいところで即答してしまうことへの対応として、小中学校の取り組みを紹介したい。
生徒にまず書かせてから発表させるということである。小中学校ではいろいろな生徒がいるため指示が細
かくなるが、間を取って、「まず自分の考え」、「他人に説明するように表現してごらん」、「先生に当てら
れた時にこれとこれだけは言う言葉だけを書いてごらん」など。書いた後で、「誰々さんのを聞きましょ
う」、「書いたものを隣同士で見合って」と。このような形で意見を交換する手法をとっていた。
しかし授業の進度も考慮しなければならない。だから、50 分後の生徒のあるべき姿を思って、その為に
はこの問いを時間を取って考えさせるという、逆算した考え方が必要になるかと思う。
・今日の授業で、「なぜ 14 条だけ 10 条から 13 条比べてこんなに具体的なのか」などと授業者が一番考えさ
せたいことへの手立てはいろいろあるが、時には、いったんノートに書かせてから発表する手法もあるの
で先生方の引き出しに入れていただければと思う。
・今後 18 歳選挙に向けた副教材が配布される。おそらくこういう事をやると公職選挙法に引っかかるよと
言うような内容などもあるかと思うが、逆にいうとそこから授業のアイデアが生まれるのでは。そこで小
学校6年生の面白と思った授業の事例を簡単に紹介する。「選挙に行かないお父さんをどう説得するか」
という問いに、生徒がいろいろな案を出すというものである。
小中高それぞれに 18 歳選挙に向けて、政治の中立性を守り工夫した授業を実践されると思うので、参考
にしていただければと思う。
- 28 -
英語科(コミュニケーション英語Ⅰ)学習指導案
日
時:平成27年9月25日(金)6校時
ク ラ ス:電気電子科 1 年(使用教室:E1)
使用教科書:VISTA Englsih Communication Ⅰ(三省堂)
指 導 者:齊藤 さつき
1
2
単
元
名
単元の指導目標
Lesson 6 Toothbrushing in Edo
(1)江戸時代の生活習慣(歯磨き)について理解させる。
(2)動名詞の用法を理解させる。
3 単 元 と 生 徒 男子30名 、女子1名のクラスである。コミュニケーション活動には、性格的に消極
的な生徒が数名いるものの、全体として落ち着いて前向きに学習に取り組む姿勢がある。
4 指導の計画と評価
(1)指導計画
Lesson 6
・・・6時間(本時2/6)
Lesson 6 Part 1
(2)評価規準
イ 関心・意欲・態度 ・・・ 本課の目標を理解し、授業に積極的に取り組んでいる。
ロ 思考・判断
・・・ 英語の質問を理解したり、英語で答えたり、得た情報を分析できる。
ハ 技能・表現
・・・ 本課の題材や、言語材料について、自己表現ができる。
ニ 知識・理解
・・・ 身の回りのものの歴史について理解する。
5 本時の計画
(1)本時の目標
①本文をダイアログにしたものを通して、内容について理解を深め定着を図る。
②動名詞の用法を理解し、自分の身の回りのものについて表現することができる。
③ Class Survey (クラス調査)を通して、集団の一員としてコミュニケーション活動を楽しむ。
(2)授業展開計画
学習内容・活動
指導上の留意点
評価規準
観点
導入
(5) ・英語の質問に答えながら、単元 ・身近な話題から本時への話題へ ・主体的に取り組んでい イ
の題材、身の回りのもの(歯ブラ
と導入し、本時の課題を提示す
るか。
シ)について関心を深める。
る。
・質問に答えることがで ロ
きるか。
展開
(43)
・語句の復習
・例を示しながら確認させる。
・英文の意味と音が結び
・ダイアログ(配付プリント)を ・ 場 面 等 に つ い て 言 及 し な が ら
ついているか。
通して、内容を理解する。
Active listening を意識させる。 ・主体的にペアワークに
取り組んでいるか。
言語活動
What do you use a smartphone for? ・活動について説明する。
・動名詞を用いて、身の回りのも
の(携帯電話等)について、Class
・全員が情報を的確に伝
Survey (クラス調査)を行う。
えているか。
①第一グループで自分の考えを ・動名詞を使って正しい文を作ら
表現する。
せる。
②先のグループで得た情報を第
二グループで伝える。
③得た情報をもとに、結果を分 ・机間巡視により、分析のヒントを
析し、新たな情報を発信する。 与える。
整理
(2)
・本時の学習内容を整理して、プ ・本時の振り返りと 次時への指示
リントをファイルする。
をする。
- 29 -
ニ
ロ
ハ
ロ
指導主事学校訪問
研究授業
研究協議会記録(英語科)
○日
時
平成27年9月25日(金)6校時
○科
目
コミュニケーション英語Ⅰ・電気電子科1年
○授業者
齊藤さつき
○授業参観者
佐藤和実(教育専門監)
1
記録者:小田島仁志
佐藤幸一
半澤一哉
浅原信
川田亮
佐藤和実(教育専門監)
佐藤幸一
半澤一哉
浅原信
川田亮
北島義大
小田島仁志
北島義大
○協議会出席者
司会者:佐藤幸一
小田島仁志
齊藤さつき
授業者から
・1 ヶ月前課題を含めて試行錯誤中である。授業のねらいを明確にするのを目標にしている。
・今日の授業では、第1→第2グループの活動を通し、協力して一つの答えを導き出すことを試して
みた。最後のグラフまで到達して、よかった。
・文法がコミュニケーション活動を支えていることを常に留意している。教室英語については、徐々
に増やしていきたい。
・連休明けで心配だったが、生徒たちはとてもよくやってくれた。
2
参観者の意見
・生徒が楽しそうに活動していた。グループ活動がスムーズでなれている印象。グループ内での英語
の会話が増えるとよいと思った。
・これまで英語の授業参観の機会がなく、新鮮だった。教師の英語による指示に少し驚いたが、生徒
がそれにちゃんと反応しているのに感心した。
・ファイルにプリントを閉じさせているのはよいことだと思う。
・生徒同士の会話練習はとてもよくやっていたが、もっと会話して円グラフを完成させていった方が
よかったように思う。生徒たちがやり方をあまりよくわかっていなかったように思う。
・情報基礎の授業と状況がだいぶ違っており、活動的で驚いた。参考になった。
・教科書本文からの自主教材の作り方がすばらしく、参考になった。
・数学の時間と様相がだいぶ異なっていた。
・動名詞の指導は事前にどのように行っていたのか。
→(授業者回答)事前の指導は特に行っていなかった。
・携帯を何に使うのか、もっとフリーディスカッションをさせて例を出させてもよかったのではない
か。
・教師側の仕掛けが成功して、生徒の食いつきがとてもよかった。
・黒板の絵など、授業に笑いが必要なことを再認識した。
・教師の教室英語に、最初は不安に思った。が徐々に日本語が入り、少し安心した。生徒たちも同じ
気持ちだったと思う。
・机の移動など、スムーズで普段から行われているのがわかる。また、生徒の英語の反応に慣れを感
じる。
- 30 -
・導入に時間がかかりすぎて、後半のまとめに時間が不足したのは残念だった。
・英語の授業を通して、文化的な新発見ができた。
・導入の部分(日付→10月→学校祭→ステンドグラス→なまはげ→歯→房楊枝)がとてもスムー
ズで計算されていた。
・活動内でアイコンタクトに留意させていた点、一段上の活動だったと感じた。
・グループ内でのリスニング、スピーキングの場面がやや不足していたように思う。指示を繰り返す
など徹底の必要性があったと思う。
・円グラフの工夫、生徒にはとてもおもしろかったと思う。
・英語は他教科に比べ、「本時の目標」の提示がしづらいと思っているが、皆さんはどう思うか?
→(教育専門監回答)その通りである。短い場面を繰り返すので、設定は難しい。
・普段の E1 の様子はどうなのか?
→(授業者回答)一部の生徒は活発だが、全般的にはおとなしい。グループ活動、ペアワーク
ができるか心配していたが、今日は元気よくできた。
3
佐藤和実教育専門監より指導・助言
・生徒たち、大変よくやってくれたのがよくわかる授業だった。
・齊藤先生はビジュアル的にもっていくのがとても上手。円グラフにまとめるという発想はなかなか
できないことである。
・導入部分の流れ、最後まで計算された仕掛けがある。
・指名された生徒の英語の流暢さにとても驚いた。
・動名詞を定着させる活動という理解をしたが、定着度については検証の必要がある。
・今回の授業の場合、生徒に英語を発話させる工夫として、どんなことが考えられるか?
①活動をさせる的確な指示とは難しいものである。デモンストレーションなどを行い、例を示
してやるのもひとつのアイデア。
②前もって全員に必要表現などを音読させてもよい。
・グループワーク、ペアワークは難しい。司会者や発表者を指名して責任を持たせることで活動が活
性化する。
・グループ活動は難しい。失敗してもあきらめず、繰り返して行う。
・大まかな指示で生徒が動けるのは授業規律がある証拠である。
・アクティブラーニングの観点から、賑やかにやっている方がよい。メリハリがついていれば効果
大である。
・起立させて音読など、「形」を変え、教室の雰囲気を変えていく。
・「アクティブラーニング」のすすめ
・ねらいを達成できたか、何が身についたのか評価されるようになってきている。
・問題解決に向けて、グループで話し合って答えを出させたり、お互いに考える時間を生み出すのが
これから求められる形態。
・静かにしていても生徒の頭の中で思考が行われていれば「アクティブラーニング」、音読しても機械
的であれば「アクティブラーニング」とはいえない。
・「アクティブラーニング」については花輪高校での実践報告がある。
・授業展開が根幹から変わる可能性がある。今後是非参考にしてほしい。
- 31 -
工業(電力技術)学習指導案
日
時:平成27年9月25日(金)6校時
ク ラ ス:電気電子科2年(使用教室:E2)
使用教科書:電力技術1(実教出版)
指 導 者:虻川慶春
1
2
3
単
元
名 第1章 発電 4.原子力発電
単元の指導目標 原子力発電の原理を理解させる。
単 元 と 生 徒 男子24名、女子2名の選択授業である。落ち着いて学習に取り組む雰囲気である。
計算が苦手なようだが、よく努力して取り組んでいる。
4 指導の計画と評価
(1)指導計画
第1章 発電 4.原子力発電
1 原子力発電の概要
・・・1時間
2 エネルギー発生
・・・3時間(本時1/3)
3 発電のしくみ
・・・2時間
(2)評価規準
イ関心・意欲・態度 ・・・ 原子エネルギーについて関心を持って考えられる。
ロ思考・判断・表現 ・・・ エネルギー発生のしくみを的確に表現できる。
ハ技能
・・・ 各種の原子の質量を計算で求めることができる。
ニ知識・理解
・・・ 質量欠損の関係からエネルギーを計算で求めることができる。
5 本時の計画
(1)本時の目標
①各種の原子核の質量を求めることができる。②質量欠損を求めることができる。
③結合エネルギー[J]を求めることができる。
(2)授業展開計画
学習内容・活動
指導上の留意点
評価規準および評価方法 観点
導入
前時までの復習等
(5)
原子炉のようすを考える。
原子炉の内部を予想、発表させ、本 主体的に考えて予想でき イ
エネルギーの大きさを予想後、 時のねらい「結合エネルギーを求め るか。
本時の目標を確認する。
る」ことを確認させる。
展開
①原子核について
1u= 1.6605 × 10-27 の新しい
(40)
H(水素)とHe(ヘリウム) 単位を説明する。
正しく計算できるか。
ハ
とLi(リチウム)の質量を
机間指導で助言を与える。
求める。
[代表生徒に板書、過程を説明させ
[演習・・・質量の計算]
る。互いに聞き合わせる]
②質量欠損について
質量とエネルギーが等価であるこ 質量欠損とエネルギーの ロ
・質量欠損についてまとめる。 とや同じ数の核子でも質量が違う 等 価 を イ メ ー ジ で き る
・質量とエネルギーの等価に
ことを図示または模型で説明する。か。
ついてまとめる。
机間指導で助言を与える。
・結合エネルギーについて
[代表生徒に答えさせる。互いに聞
まとめる。
き合わせ、自分の結果と比較させ
[演習・・・質量欠損の計算]
る]
整理
(5)
③結合エネルギーの計算
[eV]と[J]の関係を説明する。 順序よく正確に計算がで ハ
・U=931a[MeV]
机間指導を行い助言を与える。
きるか。
ニ
[演習・・・Uの計算(例題1)]
[2問のどちらか代表生徒に板書
[演習・・・Uの計算(問1)]
させ、説明させる]
本時のまとめ。
結合エネルギー等を説明できるか、要点を自分で的確に表現 ロ
次時の予告(核分裂エネルギーに 計算できたか確認する。
できるか。
ついて)
もし、原子がたくさんあったらどう
なるかを予想させる。
- 32 -
指導主事学校訪問
研究授業
○日
時
平成27年9月25日(金)6校時
○科
目
電力技術・電気電子科2年
○授業者
虻川
○参観者
鈴木鉄美(指導主事)
山﨑晶司
三浦寿哉
永田司
藤原宗一
内海求
猿田英幸
畠山武見
保坂悟
天野良智
工藤大智
三浦寿哉
永田司
藤原宗一
内海求
猿田英幸
畠山武見
保坂悟
工藤大智
○協議会
1
慶春
司会:内海
研究協議会記録(電気電子科)
求
記録:猿田
英幸
参観者の意見
・板書の字が小さいかもしれない。
・机間指導がなされていたのでよい。
・声が一本調子であり流れにめりはりがなかった。
・生徒の発言の声が小さいので注意すべきである。
・最後のまとめのとき、スタートに戻って説明をしたことがよかった。
・ポイントを明確にするべきである。
・本時の目標の提示のタイミングがよかった。
・本時の目標の必要性を説明すべきである。
・本時の目標の出所や結論があいまいだった。
・用語の使用や説明が統一すべきである。例:ケと個、求めよと求める、陽子の図記号。
・メカニズムの説明がほしかった。
・原子炉の図示があれば生徒は想像しやすかった。
・簡単な計算は電卓なしで、また、答えの指数表示や桁表示を指示した方がよい。
・新しい単位の導き方の根拠があいまいだった。
・発問が多かったが、もっと多くてもよかった。1時間の授業の中で盛り上がりをつくる。
・答えの説明や導き出し方を丁寧にかみくだいて教えるべきである。
・丁寧な説明が長所であり、短所でもあった。
・前置きが長い説明は不要である。
・理科での指導の苦労と共有する部分があった。
・教科書の読み合わせの機会があればよい。
・生徒のノートの取り方を定期的に見た方がよい。
2
指導主事より
・助言を与えすぎると、生徒の回答が一言になってしまうので注意すること。
・生徒の発言に対して、ほめるなど声かけをしてほしい。有用感を持たせるとよい。
・考える時間の設定は時々でよい。1時間の授業で1回でも十分である。
・指導案で計画していた模型での説明がなく教材の工夫が必要である。
・一ヶ月前課題のねらいであるお互いが聞き合う機会がなかった。発言した生徒以外が傍観者になっ
てしまう。
- 33 -
H27校内研究授業について
1
実施教科・学科
理科
家庭科
設備システム科
2
実施期間
:
3
テーマ
:「学習のねらいを明確にし、言語活動を通してわかる授業を展開する」
11/9(月)~27(金)
実施日
1 1月 1 1日 (水 ) 6 校 時
授 業 者・ 授業 ク ラス
工藤
科 目 ・単 元
科 学と 人 間生 活
本 時 の目 標
エ ネル ギ ーを 知ろ う
テ ー マに 向け た 具体 的 な取 り組 み
色 々な エ ネル ギー と その 変換 さ れる 様 子を 学ぶ
実施日
11
月
授 業 者・ 授業 ク ラス
楢岡
明 日美
科 目 ・単 元
家 庭総 合
本 時 の目 標
若 者の 果 実離 れの 原 因と 解決 策 を考 え よう 。
テ ー マに 向け た 具体 的 な取 り組 み
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 基 本 と な る 、「 聞 く ・ 話 す ・
大智
電 気 電子 科1 年
17
「 熱と 光の 科 学」
日 (火 ) 4 校 時
設 備シ ステ ム 科2 年
食 生活 を つく る「 食 事と 栄 養・ 食品 」
読 む・ 書 く」 を学 習 活動 に習 慣 付け る 。
実施 日
1 1月 1 9日 (木 ) 1 校 時
授業 者・ 授 業ク ラ ス
小玉 雅 之
科目 ・単 元
衛 生・ 防 災設 備
本時 の目 標
給 水量 の 算定 方法 を 理解 する 。
テー マに 向 けた 具 体的 な取 り 組み
算 定方 法 には 何が あ るか 。
- 34 -
設 備 シス テム 科 2年
、 給水 ・給 湯 設備
科学と人間生活
学習指導案
日
時:平成27年11月11日(水) 6校時
対
象:電気 電 子科 1年 3 1名 (使 用 教室 :E1)
指 導 者:工藤 大智
使用教科書:科学と人間生活 くらしの中のサイエンス
(数研出版)
1 単元名
2 単元と生徒
3
単元の目標
評価規準
4
熱と光の科学 熱の性質とその利用
男子30名、女子1名のクラスである。工業高校生なので、理科の内容についての興味は
全体的に高い。発問に関しての反応は比較的良い。興味から知識や理解というところにつ
ながりにくい部分もあるのでしっかりと定着させるところに重点を置いている。
単元の目標と評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
○色々な形のエネルギ ○エネルギーの移り変 ○どのように移り変わ ○様々なエネルギーの
ーがあることを知る。
わ りとその 方法の 特
るの かを自分の 言葉
知識を理解し、その利
性を考える。
で表現できる。
用 について 知るこ と
ができる。
○自分の生活を基準に ○性質と利用法につい ○どのエネルギーがど ○単元の内容を理解し、
し、どのくらい関わっ
て考え、判断できる。
のよ うな方法で 変換
エ ネルギー の基本 的
てい るかを考え られ
され るのかを表 現す
な 内容を理 解して い
る。
ることができる。
る。
本時の計画
『3 エネルギーの移り変わり 』
本時 1/4・・・A エネルギー B 運動エネルギー
C 位置エネルギー D 力学的エネルギー
(1)本時のねらい
① エネルギーを通して、生活の中にある技術に興味・関心を持ってもらう。
② エネルギーの基本概念を知り、色々なエネルギーを考えられるきっかけとする。
(2)展開
段階
(分)
導入
(5)
展開
(40)
整理
(5)
【 】は評価方法
学習活動
指導上の留意点
評
価
①前時の振り返りか ●発問を通して、熱エネルギーの既習内容の確認をす 《関心・意欲・態度》
ら、エネルギーに
る。(発問1)
発 問 に 対 し て 主体
ついて触れる。
的 に 発 言 を す るこ
とができているか。
【発問】
②①からの流れから ●エネルギーとはどのようなものなのかを理解させ 《技能・表現》
運動・位置エネル
る。
発 問 に 自 分 の 言葉
ギ ー の 紹 介 を す ●運動エネルギーや位置エネルギーについてトピッ で答えられるか。
る。
ク的な話を交えながら紹介していく。(発問2)
【発問】
③力学的エネルギー ●力学的エネルギーの保存について、その中身を説明
の保存の説明す
していく。
る。
●生徒の様子を見ながら適宜、助言を与える。
④本時の学習内容を ●本時の内容の確認から次回の内容へと繋げていく。
整理する。
(発問1)「学習したエネルギーとして熱エネルギーがあります。これは物質の粒子に対してどのような変化があ
りますか?」
(発問2)
「教科書には野球の投手が描かれています。速い球を投げるにはどうすればよいのかな?」
- 35 -
校内研究授業
研究協議会記録(理科)
○科目・クラス
科学と人間生活
○授業者
工藤大智
司会者:長谷部正則
記録者:腰山みゆき
○授業参観者
有坂俊吉校長
山﨑晶司
吉原東吾
長谷部正則
半澤一哉
小田島仁志
腰山みゆき
齊藤さつき
三浦弓子
石山伸介
木曽晃大
川田亮
有坂俊吉校長
長谷部正則
小田島仁志
腰山みゆき
齊藤さつき
三浦弓子
木曽晃大
工藤大智
○協議会出席者
1
電気電子科1年
授業者の感想
共通テーマの「~言語活動を通して」は、指名した生徒との「発問に対するやりとり」
という形で行った。指名した生徒とのやりとりではあるが、他の生徒もよく聞いており、
授業の内容を共有できた様子である。ただし、生徒の小さなサインを見逃さない、指名し
た生徒の反応に頼らなければならないということが今後の課題である。
2
参観者の意見
・設定した発問以外にも生徒と対話を通して授業を展開し、テンポがよく、おもしろい授
業であった。一方で、そのテンポについてこれない生徒もいたのではないか。
・普段の授業も生徒と対話を積み重ねながら授業をしているのだろうと推測された。板書
は文字の大きさ、1枚で完結しており工夫が見られた。
・板書が見やすい。説明など授業を進めるスピードが、生徒に無理のないテンポで進んで
いるようで、安心して授業を受けている様子だ。野球・ラグビー・ジェットコースター
など生徒の身近な例を取り上げてわかりやすい。時間内に指導予定の内容を終わらせて
おり、時間配分も適切であった。赤チョークの文字は見づらいのではないか。
質問だが、授業で配慮が必要な生徒に対しては、どのように対応しているか。
授 業 者 : と に か く 常 に 声 か け を す る よ う 心 が け て い る 。 ク ラ ス 全 体 に は 、「 授 業 は 間 違 え
る場所」であることを徹底させており、会話を通して生徒の定着状況を把握して
いる。時間はかかるが、よい点がいくつもある。配慮が必要な生徒にとっては、
自身の理解が深まる点。そのやりとりを聞いている周りの生徒にとっては復習に
つながっている点。そして、その生徒が周囲に受け入れられる雰囲気ができた点
などである。
・ 本 時 の ね ら い に あ る よ う に 、「 生 活 の 中 に あ る 技 術 」 を 野 球 部 や ラ グ ビ ー 部 な ど の 生 徒
にあてて説明しているため、興味・関心を引き起こさせ、実生活に結びつけて思考させ
ているよい授業であったと思う。
私も気をつけていることだが、教師が板書と説明を同時にすると、黒板のほうを見て説
明してしまう場合もあるので、今後気をつけた方がよい。
- 36 -
・私は主に2年生の授業を受け持っているので、1年生への言葉の遣い方に注目した。生
徒にとってわかりやすい言葉で接しており、教師と生徒の双方向のやりとりで授業が展
開されて参考になった。
一方、学習内容は、運動エネルギー・位置エネルギー・力学的エネルギーなど盛りだく
さんなので、どれかに絞ったほうがよかったのではと感じた。
・最後まで授業に集中していた。発問が野球やラグビーと自分が取り組んでいる競技であ
るため、普段はおとなしく控えめな生徒たちの活発な面がみられ、担任としてとても新
鮮 で あ っ た 。ま た 、英 語 科 と し て も 、英 語 を 多 く 授 業 に 取 り 入 れ て く れ て 有 り 難 か っ た 。
・アクティブラーニングはどのように取り入れているのか。
授業者:生徒は、友人の話はよく聞くので助教法を取り入れている。例えば、導入部分で
生 徒 が 主 体 と な っ て「 前 時 の 振 り 返 り 」を 行 う な ど で あ る 。事 前 に 生 徒 を 指 名 し 、
キーワードを与えて発表させている。
また、演習問題の際は、グループをつくり、教師側が指名したリーダーが班員を
指導するというやり方をとっている。
3
校長より
1年生全員と面接をしたが、その際、生徒は「理科がおもしろい」と話していた。確か
に、テンポのよい授業で、ラグビーなどの例を挙げ話題が豊富で、生徒は楽しく授業を受
け て い る 様 子 で あ っ た 。そ の 一 方 で 、生 徒 は「 大 事 な 発 問 」に 対 し て 答 え て い る の か 、「 会
話のやりとり」に対して答えているのか、その境界がわかりにくかったのではないか。
板書と説明は同時進行ではなく、わけて授業を展開した方がよい。説明をきちんと聞く
ことで、理解が深まる。
授業最後で取り上げたエネルギーの図は、運動エネルギーKがMAXのとき、位置エネ
ルギーUが0(ゼロ)等を黒板に書き入れて、生徒に考えさせてはどうか。運動エネルギ
ーなどは、複数教科で何度も学習しているが、なかなか知識の定着や関連づけが難しいと
ころが課題である。
- 37 -
家庭(家庭総合)
学習指導案
日
時 :平成27年11月17日(火)4校時
対
象:2年生 設備システム科 33名
場
所:被服実習室
指
導 者:楢岡明日美
使用教科書:家庭総合 自立・共生・創造(東京書籍)
1 題 材 名
2
題材の目標
生活の自立 第6章 食生活をつくる
食生活に関する情報をもとに、自分や家族の食生活の課題を把握し、適切な食習慣
を形成することができるようにする。
3
題材と生徒
男子30名、女子3名のクラスで、ほとんどの生徒が部活動や生徒会活動に所属し
ている。授業では、発問に対する活発な意見や、反応が見られる。しかし、自分の考え
を持ちながらも一斉授業の中で発表することが苦手な生徒もいる。
本題材では、多くの意見交換を行い、主体的に適切な食習慣を形成することの重要性
に気付かせたい。
4 指導計画
第6章 食生活をつくる
①食生活について考える
・・・ 3 時間
②食事と栄養・食品
・・・12 時間(11/12 本時)
③食生活の安全と衛生
・・・ 2 時間
④生涯の健康を見通した食事計画・・・ 2 時間
⑤調理の基礎
・・・ 6 時間
⑥食生活と文化
・・・ 2 時間
⑦これからの食生活
・・・ 3 時間
5 評価計画
A 関心・意欲・態度
B 思考・判断・表現
C 技能
D 知識・理解
自分や家族の食生活に関 青年期の食生活の傾向と 主体的に適切な食習慣を 毎日の食習慣が、生涯に渡
心を持ち、適切な食習慣 課題について考え、まとめ 形成するために必要な情 る健康の維持・増進と深く
の形成について考えよう たり、発表したりしてい 報を収集、読み取り、活用 関わっていることを理解
としている。
る。
することができる。
- 38 -
している。
6
本時の目標
青年期の食生活の課題と解決策を考えることができる。
(
7 指 導 過 程( A:関心・意欲・態度
B:思考・判断・表現
学習活動
思考・判断・表現 )
C:技能
D:知識・理解)
指導上の留意点
評価の観点
導入(10分)
・食生活アンケートの集計結果 ・食生活アンケートから、どんなことが読み
を読み取る。
取れるか考えさせる。
・本時の目標を確認する。
・果実不足が体に与える影響に気付かせる。
本時の目標: 若者の果実離れの原因と解決策を考えよう。
1
果実離れの原因と解決策を ・ワールドカフェの学習形態とルールを確認
考える。
発問:
する。
果実離れの背景には、日本人のどのような生活の変化があるか考えてみよう。
展開(30分)
・テーブルごとに模造紙を準備し、意見やア
イデアを、まとめやすいようにする。
果実離れの原因と
解決策を、自分の
言葉で記述するこ
・7分×3セットの話し合いとし、7分経過
後、合図を出す。
とができる。
(B)
・ワークシートの
記入内容
発問:
2
自分の言葉で、果実離れの原因と解決策をまとめてみよう。
果実離れの原因と解決策を ・果実離れの原因と解決策をワークシートに
まとめる。
・まとめ
まとめさせる。
・数名の生徒を指名し、原因と解決策を発表
させる。
まとめ(10分)
果実離れの原因と
・発表内容から、様々な視点や考えがあるこ
とに気付かせる。
解決策をまとめ、
自己の食生活のあ
り方を記述するこ
・今後、自分の食生活をどのように設計して
いきたいと考えるかまとめさせる。
とができる。
(B)
・ワークシートの
記入内容
・次時の学習内容を知る。
・次時の学習内容を伝える。
- 39 -
家庭総合 第6章 食生活をつくる (教科書P138)
(
目標
11月17日 (火)
)若者の果実離れの原因と解決策を考えよう。
年
科
番 名前
情報を読み取ろう!
1
F2の食生活アンケートの集計結果から、どんなことが読み取れるか考えてみよう。
①今日は朝食を食べましたか?
はい(31人)
いいえ(2人)
はい
いいえ
0%
20%
40%
60%
80%
100%
②朝食を食べなかった理由は?
・朝、食べる気がしないから(1)
③1日に何本くらい清涼飲料水を飲みますか?
50500×1本(16人)
500×1本(16人)
300×1本(1人)
300×1本(1人)
500×2本(5人)
500×2本(5人)
コップ5杯(1人)
コップ5杯(1人)
300×1本(1人)
200×1本(1人)
500×3本(3人)
500×3本(3人)
200×1本(1人)
・好きな清涼飲料水は?
ミルクティー(6人) コーラ(3人) 紅茶(2人) レモンティー(2人) いろはす(みかん)
(2人)
Qoo(オレンジ) カルピス
アップルティー
ヨーグリナ
ネクターピーチ
④牛乳は毎日飲みますか?
コーヒー飲料
オレンジジュース
メッツ
ブルガリアヨーグルト・・・
(1人)
はい(16人) いいえ(15人)1週間以上飲んでいない(2人)
はい
いいえ
0%
20%
40%
60%
80%
- 40 -
100%
1週間以上飲んでいない
⑤果物は毎日食べますか?
はい(12人) いいえ(20人)1週間以上食べていない(1人)
はい
いいえ
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1週間以上食べていない
考えてみよう!
2
ワールドカフェの学習形態で、
「若者の果実離れの
原因と解決策」
を考えてみよう。
♫ ワールドカフェのルール
♪♪
①
テーマに集中する。
②
話は短く、簡潔に!
③
相手の話に耳を傾ける。
④
模造紙に意見・アイデア・イラストなど
思いついたことを自由に記入する。
解決の為に、具体的にど
んな行動をとればいい
のかな・・・
表現してみよう!
3
果実離れの原因と解決策(具体的な行動)を書いてみよう。
私が考える原因は、_________________________________
_______________________________________です。
解決策として___________________________________
__________________________________があげられます。
まとめてみよう!
4
これからどのように自分の食生活を設計していきたいかまとめてみよう。
_________________________________________
_________________________________________
_________________________________________
_________________________________________
- 41 -
校内研究授業
研究協議会記録(家庭科)
○科目・クラス
家庭総合
設備システム科2年
○授業者
楢岡明日美
司会者:三浦弓子
○授業参観者
有坂俊吉校長
鍛治実教頭
川田勝也
永田
吉原東吾
浅原
信
近藤周平
半澤一哉
三浦弓子
腰山みゆき
虻川慶春
石山伸介
木曽晃大
小玉雅之
記録者:腰山みゆき
司
保坂
悟
北島義大
○協議会出席者
1
吉原東吾
腰山みゆき
三浦弓子
小玉雅之
楢岡明日美
授業者の感想
今回の授業形態は、以前講演会で紹介されたものを参考にして、実験的に取り組んだ。
講 演 者 は 牧 野 カ ツ コ 氏 ( 教 科 書 の 監 修 者 )「 ワ ー ル ド カ フ ェ 」 で あ る 。
本校生徒は、自分の考えを文章に書くことはできても発表が苦手な生徒、思いつきはす
ぐ言葉にする生徒などさまな生徒が1つのクラスに混在している。授業を通して身につけ
させたい力は、思考力・課題解決能力やコミュニケーション能力である。社会人になって
か ら も 必 要 だ か ら で あ る 。「 読 む 」「 書 く 」「 聞 く 」「 話 す 」 な ど を 授 業 を 通 し て ト レ ー ニ
ングしている。
今回「ワールドカフェ」の形態をするにあたり、事前に栄養学的知識を学習する前にグ
ル ー プ 討 議 を 実 践 し た 。 そ の ほ う が 、 生 徒 の 中 に 生 じ る で あ ろ う 疑 問 (「 な ぜ 、 果 実 が 必
要 な の か 」) に つ い て 、 次 時 (「 ど の よ う な 食 生 活 し て い く べ き か 」) で 栄 養 学 的 に 学 ぶ こ
とにつながると考えたからである。
2
参観者の意見
・他教科だけにとても新鮮であった。今回の研究授業は、アクティブラーニングの実践例
として参考になった。
アクティブラーニングは、討議するなど表に見えるもの以外に、外からは見えないが、
頭のなかでいろいろ思考していることもさすと考えている。今回の授業では、どのグル
ープ討議も最初は同じような意見しかでてこなかった。楢岡先生のアドバイスで、さま
ざまな考えがでてきた。これは、我々には見えなかったが生徒の思考が活発化したから
だ。
グループリーダー(ホスト役)を決めてのアクティブラーニングは、私としても課題で
もあるので参考にしたい。
・初めての学習形態で、新鮮であった。今回は、生徒の数が足りなく、私自身ホスト役を
したが、生徒の考えを引き出す形でホスト役をした。
今回の学習形態を自分の教科ではどうできるか参考にしていきたい。
( 発 表 の 時 間 が 足 り な か っ た の か 、) 2 人 だ け で な く も っ と 発 表 さ せ た ほ う が よ か っ た
と思う。おとなしい生徒も意見をだし、生き生きと授業に取り組んでいた。
・模造紙に寄せ書きのように各自思い思いに考えを書いていた。これは、メンバーが入れ
替わっても、生徒の考えが一目でわかるのでよい方法と思った。
- 42 -
・私はメンバーを固定してグループワークをしているので、今回のように入れ替えがある
形態は興味深い。メンバーが替わることで、人間関係も変わり、新しい意見が出てくる
ことにもつながると思われた。
司
会:生徒が入れ替わるときの「無言の挙手」の意図とは。
授 業 者 :「 ワ ー ル ド カ フ ェ 」 の 学 習 形 態 は 、 時 間 を 意 識 せ ず 、「 カ フ ェ 」 の よ う な 場 で 自
然に話し合いをするなかで、自由な発想が生まれると考えられている。従って、
チャイムやベルで時間を知らせることはしない。話し合いの時間は自由設定であ
る 。 本 当 は 20 分 く ら い 必 要 だ と 思 う が 、 授 業 展 開 を 考 慮 し て 7 分 3 セ ッ ト に 設
定した。
司
会:いろいろな考えがでたが、的外れの意見がでた場合の対応は?
授業者:家庭科は、基本的に「正解はない」教科である。従って、柔軟に対応ができる。
例えば、果実離れの解決策で「ポイント制にすればよい」と考えた生徒がいる。
これは自由な発想から生まれたアイデアである。これを生かして、例えば「ハピ
ネッツ応援バナナ」などを挙げて、ポイントを「何に還元する」かという考えに
つなげていくことができる。
自 由 な 発 想 を 促 す た め に も 、「 情 報 」 や 「 デ ー タ 」 の 提 示 に 注 意 し て い る 。
司
会:自由なアイデアに対する評価をどのようにしているのか。
授 業 者 :「 思 考 ・ 判 断 ・ 表 現 」 で は 、 自 分 の 考 え を 科 学 的 ・ 論 理 的 に ま と め て い る か と い
う 点 で 評 価 す る 。今 回 の 学 習 内 容 は 、ビ タ ミ ン の 事 前 知 識 が な い と は い う も の の 、
既習事項の栄養素を踏まえてまとめているかという点にも注目して評価する。
・ホスト役については、事前指導も検討してはどうか。
授業者:今回の学習内容は、身近なものを教材にしたので事前指導なしでも大丈夫だと思
われる。しかし、確かに打ち合わせが必要なテーマもあるだろう。
3
授業参観カードより
・導入における生徒の発言、展開におけるグループ活動中の生徒の話し合い、まとめにお
ける生徒の発表など今回のテーマである言語活動が活発に行われていたと思う。
まとめで発表した内容に対する生徒の意見交換があれば、個々の考えをより深めること
が で き た と 思 う 。( 時 間 が 不 足 し て い か も し れ な い ? )
・楽しい授業でした。皆、真剣に考えて答えようとしていたので、脳が活性化したと思い
ます。テーブルが替わるときの「無言の挙手」の意図は気づくことですか?おとなしい
生徒も周囲に聞こえる声で発表していたのでホッとしました。以前のグルテンの実験も
ためになりました。また、参観させてください。
・ねらいが明確で生徒の発言も文章になっており、本年の研修目標に合致した授業展開だ
った。アクティブラーニング的な要素が取り入れられており、教員の発言は少なく、生
- 43 -
徒の動きが十分にある授業であった。
導入部分の質問のテンポがよく、生徒を飽きさせず、質問内容も生活に密着した内容で
よかった。先生の言葉がちょっと早口で焦っている感が感じられた。
7分3セットであったが、最後のセットは考えが出尽くした感じがあった。2セット終
了後に先生から全体に若干のアプローチがあれば生徒は考えやすかったかもしれない?
楢岡先生らしい、緻密に計算された授業でとても感心し、自分の授業の参考になった。
お疲れ様でした。
・若者の食生活を題材にした興味あるテーマの設定だと思います。生徒たちも興味を持っ
て授業に臨んでいる様子でした。
グループ討議を中心とした授業展開で、生徒たちも積極的に発言し、思考していたと思
います。
ただし、グループ討議を進めていく中で、何度か先生がヒントを与える場面がありまし
たが、生徒たちが熱心に討議するあまり聞こえなかった生徒もいたようです。ヒントを
与える前に一時話を中断させてから全員に説明して欲しかったです。全体的に活発で楽
しい雰囲気の中で授業されてよかったと思います。
- 44 -
設備システム科(衛生・防災設備)学習指導案
日
時:平成27年11月19日(木)1校時
ク ラ ス:設備システム科2年 33名
使 用 教 室:F2教室
使用教科書:衛生・防災設備(文部科学省)
指 導 者:小玉雅之
1
単
元 名
第1章 給水・給湯設備
第2節 給水・給湯設備と配管機器の設計
第1
給水設備の設計
2
単元の目標
3
生徒の状況
4
指導の計画と評価
給水設備の設計には欠かせない給水量の算定方法について理解させる。
個々の基礎的な学力は低いものの、一人一人が真剣に取り組み、メリハリのある良い雰囲気
の中で授業展開ができている。身近なテーマや設備屋として現場で活かせる内容が沢山盛り込
まれているため、しっかりと覚え、身に付けようとする意欲が多く見られる。
(1)指導計画
第1
給水設備の設計
1
2
3
4
5
6
給水量の計算
給水管径の決定
管均等表による管径
平屋建て小住宅の給水設備の設計
水槽容量の設計
ポンプの設計
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
5時間(本時
5時間
3時間
3時間
4時間
3時間
2/5)
(2)評価規準
イ
ロ
ハ
ニ
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
・・・
・・・
・・・
・・・
給水量の計算の必要性について、関心を持って考える。
給水設備の設計には欠かせないことを具体的に理解することができる。
必要性について、自己表現ができる。
給水量の算定を使い分け、求めることができる。
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5
本時の計画
(1)本時の目標
①
②
③
④
⑤
本時の授業の目標は何であるか。
なぜ、給水量を算定しなければならないのか。
給水量は何を決めるための基礎となるのか。
どのように判断し、使用状況を求めていけばよいのか。
算定方法(算定式)について。
(2)授業展開計画
学習内容・活動
指導上の留意点
評価基準
観点
・前時のおさらい
・水使用量は様々な条件等々から変動 ・主体的に考え、取り組
導入
水使用量について確認する。 すること、また、飲料水と雑用水の
んでいるか。
(5)
違いについてプリントで確認させ
・質問に答えることがで
る。
きるか。
発問
教科書を黙読し、本時の目標と②~④を考えてみよう。
Ⅰ:本時の目標を理解する。
Ⅱ:具体的に②~④について
の内容を考える。
・机間巡視をしながら、生徒の状況を ・的確に答えを探し求め
確認し、アドバイスを与える。
ることができるか。
・Ⅰ,Ⅱについて、プリントに
まとめ、発表する。
・生徒に答えさせ、全体と確認を取り ・内容を理解できている
ながら理解させる。
か。
展開
(40)
発問
給水量の算定方法には何があるか。
・給水人員による算定方法を ・給水人員について理解させる。
・この算定方法を理解で
取り上げ、考える。
きているか。
併せて、表の見方を確認し、 ・1日当たりの給水量を求めるための
理解する。
公式を明示し、式の中身を解説する。
・建物種類別単位給水量を示す表の見 ・表の見方が理解できて
方を理解させる。
いるか。
整理
(5)
イ
ロ
ハ
・本時の学習内容の確認及び
自己評価をする。
・きちんと本時の内容を理解できたか
確認する。
・次時の予告
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・自己評価シートの
記入内容
イ
ハ
ニ
校内研究授業
研究協議会記録(設備システム科)
○科目・クラス
衛生・防災設備
設備システム科2年
○授業者
小玉雅之
○授業参観者
鍛治 実
半澤一哉
佐藤幸一
鎌田直彦
腰山みゆき 天野良智
○協議会出席者
小玉雅之
佐藤幸一
司会者:半澤一哉
鎌田直彦
記録者:保坂 悟
保坂 悟
北島義大
半澤一哉
菅原徹 楢岡明日美
長谷部正則
保坂 悟
1
授業者の感想
週2時間の授業であるが、生徒は普段の雰囲気と違って緊張していた。そのため自発的
な発言が少なく、反応も静かで指名が増えてしまったが、言語活動を通してわかる授業展
開、アクティブラーニングを心がけた。
給水量の算定は初めてであるため、この単元より「教科書黙読、考える、答えを出す」
という手法で展開をし、普段、生徒自身「自ら読み、考え、答えを出す」ということを苦
手としているため、このような力を身につける意味でも実践に至った。
導入に時間を要したため自己評価までにはいかなかったが、同日の3校時にも授業があ
り、記憶が新鮮な状態でこのテーマをまとめることが出来た。
2 協議内容
・設備システム科に異動して2年目であるが、専門科目の授業を参観できる良い機会であ
った。公式を使った計算問題に対する生徒の興味の度合いを見ることが出来た。また、
素直に発言している授業の雰囲気が参考になった。
・生徒はもっと騒がしいと思ったが、落ち着いていた。掲示物、プリント、資料などの教
材 に 手 間 を か け て い る と 思 っ た 。教 科 書 に 英 文 が 載 っ て い る が テ ス ト 問 題 に な る も の か 。
「給水量を算定しなければいけないの?」と「給水量は何を決めるための基礎となる
の?」という問いの違いが分かりづらかったように思う。
・あえて、本時の目標を導入段階で示さず、展開の段階で「目標は何か」と発問し生徒に
考えさせたり、気づかさせるという方法が参考になった。
・学級担任をしているクラスであるが、授業が面白く50分があっという間であった。生
徒に黙読させ、何の勉強かを気づかせたり、自作教材が丁寧ですばらしい。
・教科書を誰かに読ませずに、黙読させたのはなぜか。
授業者:指名して読ませた場合、他の生徒が教科書を見ているか疑問がある。プリントで
問題を提示し、解くためには自分で黙読しなければならないことを自覚させた。
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3 授業参観カードより
・プリントや掲示物を効果的に使用し、わかり易い授業でした。生徒達に次々と問いかけ
な が ら 授 業 を 展 開 し て 、生 徒 を 引 き つ け つ つ 考 え を 引 き 出 し て お り 良 か っ た と 思 い ま す 。
最後の方、少し時間不足で自己評価できなかったのが残念ですが、重点を繰り返し生徒
に説明し、確認させており、丁寧でわかり易い授業でした。
・授業のねらいを発問ごとに確認しており、私も取り入れたいと思った。特に算定方法の
学習に移るさい、指名された生徒が「~計算するやつ」と自分の言葉で算定を理解して
いること、そして次の学習に入るのだよと意識づけの意味もあったのかなぁと思った。
毎 時 間 、 規 律 あ る 授 業 で あ る と 推 測 さ れ る 先 生 の 授 業 で し た 。「 設 備 屋 さ ん に な っ た と
き~」と話されて学習に入っており、この学習が将来の自分のためになるのだとキャリ
ア 教 育 を さ れ て い る 一 言 で し た 。研 究 授 業 お 疲 れ さ ま で し た 。あ り が と う ご ざ い ま し た 。
・本時の学習のポイントが、プリントに簡潔にまとめられており、振り返り学習やテスト
勉 強 に も 活 用 で き る よ う な 工 夫 が さ れ て い る と 思 い ま し た 。問 い の 1「 な ぜ 給 水 量 を ~ 」
のところで、考えをまとめられない生徒もいたようなので、プリントに、この言葉を使
っ て ま と め る or ま と め て み よ う !!な ど キ ー ワ ー ド や 状 況 を 見 て 少 し ア ド バ イ ス や ヒ ン ト
があると、生徒の理解も深まり、自信をもって発表できたかなと感じました。ありがと
うございました。
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平成27年度
研
究
紀
要
第20号
発行日
平成28年3月31日
発行者
秋田県立男鹿工業高等学校
〒 010 - 0341
男鹿市船越字内子1-1
℡
0185-35-3111
Fax 0185-35-3113
http://www.ogakogyou-h.akita-pref.ed.jp/