スポーツ生理学Ⅰ

スポーツ生理学Ⅰ
スポーツ行動学科
開講学科
井上 芳光
配当年次・開講期別
2年次・前期
必修選択の別
単位数
選択・2単位
授業概要
授業の到達目標
身体活動時には安静時より多くのエネルギーが消費されるため,生体内では直接あるいは間接的にさまざまな変化がおこる
.スポーツ生理学Ⅰでは,運動に伴い筋・神経系,循環系・呼吸系などで起こる生理的な変化や適応の基本的事象について理
解させる.さらに,これらの生理的変化・適応やその機序が発育・老化により修飾されることも理解させる.また,身体活動
時のそれらの変化を測定する方法,さらにスポーツをおこなうために要求される生理的機能の向上法とその効果などについて
も学習させる.このスポーツ生理学Iでは基本的な事項を学習させる.
運動やスポーツなどの身体活動に伴い,筋・神経
系、循環系・呼吸系などで起こる生理的な変化や適
応の基本的事象について,仲間に口頭でわかりやす
く説明できる力を身につけることが到達目標である.
授業計画 1 オリエンテーションとエネルギー発生のしくみ: 15回の講義内容の概略と講義の進め
方などを説明する.さらに,エネルギー発生の基本的なしくみを概説する.
2 有酸素能力と無酸素性作業閾値:有酸素能力の捉え方を最大酸素摂取量と無酸素性作
業閾値から解説し,それらと運動パフォーマンスの関連性を説明する.
3 酸素負債と無酸素性能力:酸素不足と酸素債の関係およびそれらと運動パフォーマン
スの関連性を説明する.
4 運動と呼吸:呼吸の基礎を復習し,運動時の換気や拡散調節および呼吸機能の評価法
について説明する.
5 運動と循環(1):循環の基礎を復習し,運動時の心循環調節を心拍数・一回拍出量
・心拍出量から理解させる.
6 運動と循環(2):運動時における筋のポンプ作用,血流再分配について説明する.
運動トレーニングが循環機能に及ぼす影響も解説する.
7 運動と筋:筋収縮のメカニズムを復習するとともに,筋線維タイプ,筋の収縮要式を
説明する.さらに,筋のトレーニングによる効果について解説する.
8 運動と神経系:神経系の基礎を復習し,運動神経と運動単位,反射や運動学習につい
て説明する.
9 運動と自律神経・ホルモン系:自律神経・ホルモン系の基礎を復習し,これらが運動
時の呼吸・循環系の促進や血糖値の調節にどのように関与しているのか説明する.
10 女性と運動:運動が女性の生殖機能に及ぼす影響を概説し,女性の体力,性周期,妊
娠とスポーツ活動についてスポーツ生理学的視点から説明する.
11 運動と環境:運動時の体温調節,高温下・低温下・高地での運動時の生体反応および
それらによる適応を解説する.
12 運動と発育:こどもの運動時の反応特性を解説し,子どもの運動時の安全性確保のた
めに留意すべきことを理解させる.
13 運動と老化:高齢者の運動時の反応特性を解説し,高齢者における運動時の安全性確
保のために留意すべきことを理解させる.
14 運動の強度・量の表し方:運動強度・運動量を表す方法を解説する.
15 ウォーミングアップとクーリングダウンとまとめ:ウォーミングアップとクーリング
ダウンの生理学的効用を解説するとともに,15回の講義内容の概略をまとめる.
テキスト
成績評価の方法
『運動生理学』池上晴夫(朝倉書店)¥3360,[ISBN978-4-254-61618-7]
平常点:25% レポート課題:15% 授業内試験:10% 定期試験:50%
参考書
他科目との関連、
受講に際しての注意等
参考書 : 『目でみるからだのメカニズム』,堺 章,医学書院,3,000円
人体の機能と構造I・IIが基礎となるので,これらを理解した上で講義に出席いただきたい
.ビデオ・パワーポイント教材やプリントも併用しながら講義を進める.