紹 自転車走 行中二縁石二接触 したためバランスを崩し て

霊
- 道路局道路交通管理課
自 賠 法 」 と いう 。) 三条 によ る損害 賠
法 (
以下 「
償 請 求 権 に基 づ き 、 被 告 D 及 び 被 告 E に対 し て
般 の事 情 を 総合 考慮 し て具体 的個別的 に判断 す べ
造物 の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸
いる こと を い い、 瑕疵 があ った か否 かは、当該営
瑕疵と は、営 造物 が通常有す べき安 全性を 欠 いて
国家賠償法 二条 一項 の営 造物 の設置又 は管 理 の
て上記貨物自 動車 に衝突 したも のであ ると主張 し
て、被告 ら に対 し、運転手 C に対 し ては不法 行為
す る こと を避 け ら れず 、自 転車 ごと道路 へ転倒 し
る自 転車 の ペダ ルが被告 県 の管 理す る緑 石と接触
ンクリ ート叩き の添え 土台 があ った た め、運転す
し て いた境 界塀 及び被告 Dが所有 占有 し て いた コ
事 故 は、 Aが、そ の進行 方向 に被告 Eが所有占 有
死亡 した交 通事 故 に ついて、原告 ら が、上記交 通
に運転手 C の運転す る普 通貨物自動車 に衝突 し て
本件 は、原告 ら の子 であ るAが自 転車 で走行 中
= 本件事故の発生
1
よ る遅延 損害金 の支 払を 求 めた事 業 であ る。
日 か ら 支 払 済 みま で民法 所 定 の年 五 分 の割 合 に
行 為 の日 の後 の日 であ る平 成 一三年 一〇 月 一四
控 除 し た 二、 六 八 一万 円 及 び これ に対 す る 不 法
有 の積極損害及び慰謝料 の合計額から既払額を
し て、 A の逸 失 利 益 及 び 慰 謝 料 並 び に原 告 ら 固
求権 に基づき被告ら の共同不法行為責任を追及
被告県 に対し ては営造物責任 による損害賠償請
は 工 作 物 責 任 に よ る損 害 賠 償 請 求 権 に基 づ き 、
き も のであ る。
によ る損害賠 償請 求権 に基づき 、運 転手 C の使 用
ア
一 事案の概要等
断を 紹介す る ことと す る。
ー千葉県道自転車転倒事故損害賠償請求事件ー
二 審判決︺平成 一七年 一 一月 三 〇 日
千葉地方裁判所
被 告県 の管 理す る緑 石と接触 し、自 転車 ごと道路
者 であ り 上記貨 物自 動車 の保有 者 であ る被告 B運
確定)
管 理 瑕疵 に ついては棄 却 (
へ転 倒 し て自 動車 に衝突 したも のであ ると主張 し
一七 分 こ ろ、 千 葉 県 八 千 代 市 八千 代 台 北 方
年 一〇月 一三 日午 後 三時
Aは 、平 成 三 一
前提事実
、
て県 に対 し、損害賠 償を請 求 した事件 を 取り 上げ
送に対しては使用者責任及び自動車損害賠償保障
今 回 の事 例紹介 は、運転す る自 転車 の ペダ ルが
通常有 す べき安 全 性 に ついて の裁 判 所 におけ る判
はじめに
岡崎 之彦
自転車走行中に緑石に接触したためバランスを崩して
自動車に衝突した事故において管理瑕疵が争われた事例
‐
‐
“
を自 転車 に乗 って時速約九 蝋で走行 中 、同自
緑 石線 を含む部 分 。以 下 「
本件 通路」と いう 。)
な って いる部分] によ って区切 ら れた 、当該
から緑 石線 [
緑 石が複 数個連 ね られ て線 状と
「
本件 県道」と いう 。)沿 いの通路 (
本件 県道
面から千葉市方面 へ県道幕張八千代線 (
以下
て いた 。
め の右 側部 分 は み出 し禁 止 の交通規 制 がさ れ
高速 度時速 四 ○如、駐車 禁 止 、追 い越 し のた
の区分 がさ れ て いた。ま た、本件 県道 は、最
通行と な っており 、緑 石等 により本件 通路 と
の直線道 路 で中央線 (
黄色 実 線 ) により交 互
路 と の境 界を 約 一三 ・五 皿越境 し て いた。
た 。本件 土台 は 、被告 D共有 の土地と本件 通
と いう 。)、 本 件 土台 は 本件 塀 に接 着 し て い
ンク リート が打 ち付け ら れ (
以下 「
本件 土台」
D共有 の土地上 の全面 に高 さ約 九 ・五 皿の コ
ま本件県道 に転 倒 したと ころ、時速約 二五蹴
した た め バ ラ ンスを 崩 し、自 転車 に乗 ったま
た緑 石 (
以下 「
本 件緑 石」 と いう 。) に接触
転車 の右 ペダ ルが本件 通路 上 に設置 され て い
ら本件事 故 現場 の約 二三 m手 前付 近 ま で の間
備 され て いたが、 上記約 一〇 0 m手前付近か
付 近 ま では被告 県 により幅員 の広 い歩道 が整
台 北方面 か ら本件事故 現場 の約 一〇0 m手前
ウ 本件事故当時、本件県道 の沿道は、八千代
E及び被告 Dと の協 議 の結果 、本件 通路側 に
の位 置 にあ った 。
角 は本件 土台 の直 近 の角 と直線 距離約 五人 皿
五
オ 本件 緑 石 は、水 平 方向 か ら見 ると 台 形 で、
高 さ 一五 皿、幅 一人 伽、底 辺 の長 さ約 二 ・四
でAを追 い越 し本件県道 を 走行 中 の運転手 C
は被告 県 により買収 はさ れたも のの拡幅 はさ
せり出 し て いた本件 塀 及び 本件 土台 の幅約 二
被告 県 は 、平 成 一二年 三 月 二九 日、被 告
mの コ ン ク リ ー ト 製 のも の であ り 、 底 面 の
運転 の事業用普通貨物自動車 (
以下 「
加害車
れず に複数 の緑 石 により本件 県道 と 区切 ら れ
〇 節の部 分を削 り取 った。
③ 当事者
力
両」 と いう 。) の後 輪 により 轢 過 さ れ、 脳 損
て いた状況 であり 、ま た、上記約 二三 m手 前
付 近 から本件事 故 現場ま で の間は被告 県 によ
ア
傷 により 死亡 した。
被告 B運送 は 、そ の運送業 務 のた め に加 害
る買収も 完 了し ておらず 、本件 通路 があ った。
イ
車 両を 運行 の用 に供 し て いた。ま た 、運転手
本 件 通路 は 、 本件 事 故 現 場 付 近 にお いて、
と んど の部分 が側溝 を覆 った コンクリ ート蓋
縁 石を含 め て 0 ・八 mの幅員 であり 、 そ のほ
三 日午 後 四時 0 0分 に脳 損 傷 に よ り 死 亡 し
Aは本件事 故 日であ る平成 三 一
年 一〇月 一
当時 小学 五年 生 の男児 であ った 。
Aは平成 元年 九 月 一〇日生ま れ の本件事故
Cは被告 B運送 の被 用者 であ って、被告 B運
送 の事 業 の執行 に ついて、本件 事 故を発 生 さ
せた。
イ 被告B運送は小型貨物自動車運送業等を目
た。
エ 本件 現場付 近 の建物 の敷 地 は 、被告 E所有
的 と す る資 本 金 五 〇 〇万 円 の有 限会 社 であ
で占 めら れ て いた。
の土地 であ ると こ ろ、 こ の土地は被 告 D共有
り、運転手 Cは被告 B運送 の従業員 であ る。
② 事故現場周辺の状況
本件事故 の発生した場所 (
以下 「
本件事故
の土 地と 隣接 し て いる。 両土地 は被告 E所有
運転手 Cは 、本件事 故 に関 し、平成 一三年
ア
現 場」 と いう 。) は 、本 件 県道 と 船 橋 市 方 面
の土 地内 にあ る高 さ 三六 皿の コンクリート製
ウ 被告 Dは 、土地 の共有 者 であ り 、本件 土台
三月 三 〇日、不起 訴処 分と な った 。
か ら八千代台 南 方面 に延び る市道 と が交 差 す
る、信 号機 により交 通整 理 が され て いる十字
隔 てら れ ており 、ま た 、本件事故 当 時 、被 告
の境 界塀 (
以下 「
本 件 塀 」 と いう 。) により
本件 県道 は 、片 側 一車線 、幅 員 五 ・六 m m
路 交差点 の付 近 に位 置す る。
イ
を 所有占有 し て いる。
エ 被告 Eは 、土地 の所有者 であ り、本件塀 を
被告 県 は、本件 県道 及び通路を管 理す る地
所有占有 し て いる。
オ
方公 共団体 であ るo
二 主な争点と当事者の主張
自 転車 の通行 禁 止を解 除す る旨 の標 識 がな い
しなけ れば な らな いのであ って、本件 通路 に
困難 であ るから 、 やむを得 ず本件 通路を 通行
を自 転車 に乗 って通行 す る こと は危 険 であ り
め、本件県道 上 の白線と 本件 通路 の間 の部 分
った の に こ れ を 怠 った 。
誘導看板 を 設置 さ せ る等 の努 力 をす べき であ
で の暫 定措 置と し て、本件 現 場付近 に適当 な
し て本件 県道 の道路 状 況 の改善 が実 現す るま
る こと から、 地元 八千代市 とも協 議す るなど
件 県道 を 通 る車 両 がす ぐ 側を 通過し危険 であ
② 被告県の主張
からと い って通行 が禁 止 され る こと は不当 で
あ る。
ア 通常 の用法 に ついて
本件 通路を自 転車 により 通行 す る こと は通
最高 制 限速 度 の低 減措 置 の解怠 に ついて
被告 県 は 、本件 県道 の幅員 が狭 小なも ので
常 の用法 ではな い。すなわち 、本件 通路 は緑
イ
無 、② 被告 B運 送 の免責 の可否 、③ 被告 県 の本
あ るため、最高 制 限速 度 を時速 二 0m にす る
石線 によ って車 道 と区別 さ れ歩道 と され て い
本件 の主要 な争 点 は、① 運 転手 C の過失 の有
件県道 及び本件 通路 の管 理 の瑕疵 の有無 、④被
など の交 通規制をす べき であ った にも かかわ
る のであ るか ら、歩行者 の用 に供 さ れ るも の
1
告 D、被告 E の所有占 有す る工作 物 の設置 ・保
らず これを怠 った。
であり 、本件 県道 の側端 には走行 に支 障を 及
本件 通路 は、本件 県道 と の段 差 がな いこと
件 通路を走行 す る こと は許 されな いも のであ
県道 側端 を 走行す べき であり 、歩道 であ る本
ぼす よう な障害物 がな い以 上、自 転車 は本件
や十分 な幅員も 満 た し て いな か った ことを補
る。
最高 制 限速 度 の低減 措置 の慨怠 に ついて
う た め に緑 石線 を施 したも のであ るが、本件
け る こと )等 の必要措 置 の解怠 に ついて
ウ 緑 石 の低位化 及び R化 (
角 に緩 い丸 みを つ
存 の瑕疵 の有無、⑤過失割合、⑥本件事故と相
当 因果関係を有 す る原告 の損害 の額 であり 、 こ
のうち争点③及び争点⑤ に関する当事者 の主張
争点③ (
被告県の管理の瑕疵の有無)について
を 取り 上げ る。
ー
本件県道 の制限速度の決定権限は千葉県公
イ
A の運転す る自 転車 のペダ ルは これ に接触 し
安委 員 会 が有 し て いるも のであり 、同委 員会
緑 石を より低位 化 し、ま た は R化 し て いれば
通常 の用法 に ついて
なか ったも のであ り 、被告 県 は これら の措 置
は制限速 度を 決定す る にあ た って道路管 理者
= 原告らの主張
本件 通路を自 転車 により 通行す ることは通
を実 施す べき であ った にも か かわ らず これを
ア
常 の用法 であ る。す なわち 、本件 通路 は、多
であ る被 告県と協議す る こと なく独自 の判断
緑 石 の低 位 化 及 び R 化等 の必要措置 の慨
怠 に ついて
ウ
限速 度 の低減措 置を探 る義 務 はな い。
で決定 す るも のであ るから、被 告県 に最高 制
怠 った 。
エ 本件現場付近 への誘導看板設置等 の解怠に
く の人 が、自 転車 によ る通行 が便 利 又は必要
であ ると いう事 情 から 、自 転車 に乗 って通行
被告県は、本件県道及び本件通路は狭小で
ついて
のであ る。本 件 通路 及 び 本件 県道 の幅 員 は 、
あ るた め、本件 通路 を 通行 す る者 にと って本
し ており 、他方 で歩行 者 の数 は多 く はな いも
本件事 故 現場付 近 にお いて狭 く な って いるた
2
え 徐 行 し な け れば な ら な いにも か か わ らず 、
三 主な争点に対する裁判所の判断
への立ち 入りを 困難 にし て歩行者 の通行 の安
Aは幅員 七 五 皿しかな い本件 通路 を時速 三
理 の瑕疵 の有無 ) に ついて
イ 例外的に自転車が歩道を走行する場合でさ
全を確 保す るた め に設置 され て いるも のであ
皿以 上 の速 度 で走行 す ると いう無 謀 な運転を
①
緑 石は車道 と歩道 とを区 画 し、車 両 の歩道
るから 、 これを低位 化 すれば 本件 通路 への車
した過失 があ る。
本件 通路 には、路 上 に所在 す る バ ス停留
以 下 の事 実 が認 めら れる。
争点③ (
被告県の本件県道及び本件通路の管
両 の進 入を許 し、歩行者 の通行 の安 全を確 保
ア
所付 近 の電柱 には、千葉市 方 面 から 八千代
② 原告らの主張
Aが通行 し て いた本件 通路 は 、歩行 者自 転
台 北方 面 に向 け ては 「こ の歩道 は自 転車 も
す ること が できなく な る のであ るから、低位
車道 に準 ず る国有 の公衆 用道 路 であ って、道
と おれます
ア
路 法 及 び道 路 交 通 法 上 の歩 道 ではな いか ら 、
標識 が設 置され、同道路 標 識 の裏 面すな わ
ここか ら」 と記載 された道 路
自転車 で の走行 は許 さ れ て いる。
化 しな いこと を瑕疵 とす る原告 の主張 は失当
であ る 。
ま た、緑 石を R化 しな いことを 瑕疵と す る
原告 の主張 は、自 転車 によ る歩道 通行 を前 提
は 「こ の歩道 は自 転車も と おれま す
ここ
ち八千代台北方面から千葉市方面に向けて
の通行 を許 可す る旨 の標 識 は、 そ の南側 (
本
ま で」と 記載 され て いる。
本件 通路 上 のバ ス停 近く に所在 す る自 転車
本件緑 石 の形 状 は歩行者 の歩行 に支 障をき
件事 故 現場方向 ) に歩道 があ る ことを 予定 し
とす る点 で失 当 であ る。
たすも のでな いこと は明 らか であ るから、 そ
Aが本件緑 石 に乗 って いる自 転車 の ペダ ル
険 であ る場 所 であ ると いう住 民か ら の声 が
故 以前 か ら、本件 通路 に ついて、狭 く て危
イ 本件事故現場付近 の自治会には、本件事
て いな いも の で あ る 。
を接触 させた のは、加害 車 両 に至近距離 にお
寄 せられ て いた 。
イ
いて追 い抜 かれた こと により本件県道 側 へ蛇
ついて
そもそも誘導看板は道路工事等 の際に設置
上 記以外 の争 点 の主張 に ついては割愛 し、裁
れ て いな か った こと が 原 因 であ る の であ っ
て、A に被告 らが主張 す るよう な過失 はな い。
す よう な障 害物 がな か った以 上、本件 通路を
であり 、本件 県道 の側端 に走行 に支 障を 及ぼ
ら、 同所 は自 転車 で の通行 が禁止 された歩道
被告 県 は、上記 ①ァ のよう な道路 標 識 が本
判所 の判 断 に ついて のみ最後 に紹介 す る ことと
自 転車 で走行 す る こと は でき な いにも かかわ
件 事 故 現 場 付 近 の本 件 通 路 に は な いこと か
す る。
②
行 した こと 及び 本件 緑 石が低 位化 及び ヵ化 さ
エ 本件現場付近 への誘導看板設置等 の慨怠に
の設置 に瑕疵 はな い。
2
され るも のであ り 、道 路標 識、区 画線 及び道
路標 示 に関す る命 令 には、原告 主張 のよう な
標 識 は存 在 しな い。
争 点⑥ (
過失割 合) に ついて
の 被告県の主張
本件事故現場は自転車での走行が禁止され
らず 、 Aは本件 通路を自 転 車 で時速 九 皿以 上
ア
て いるか ら、 Aは、自転 車を 押 し て歩行 す べ
の速度 で走行 したと し て、 Aが本件 通路 の通
常 の用法 を逸脱 したも のであ る旨 主張 す る。
き であ った のにこれを怠 り 、あえ て自 転車 に
乗 って走行 した過失 があ る。
八千代台 北方面 に向 か っては自 転車 により 通
確 か に、上記 ①ア の道 路標識 の記載 から は、
件事故現場付近の本件通路をそのまま自転車
あ るも のと 認め る こと が でき る。実 際 にも 本
る措置を探 らな か った こと に ついて、被告
制 限速 度時速 四○如を 時速 二 〇如 に低 減す
ウ ② に ついては、 そも そも緑 石は車道 から
県 の本件 県道 の管 理 に瑕疵 があ ったと は認
した が って、本来 は本件事 故 現場付 近 の本
車 両 が入り込 ま な いよう にす るた め に設置
で走行 し て いる者 が少 なく な いこと が認 めら
件 通路上 にお いては、自 転車 から降 り て自 転
さ れ るも のであり 、高 さ約 一五 皿の本件緑
行 す る こと が許さ れ て いるが、千葉市方 面 に
も と より 、営 造物 の通常 の用法 に即しな い
車 を 引 いて歩行 す べき ではあ るが、当該 通路
石を さら に低位 化 し てし てしまうと そ の目
め ら れ な い。
行 動 の結 果事故 が生 じた場合 、そ の営 造物 と
の利 用状 況等 の実態 に基 づ いてそ の用法 を判
的を達成 す る こと が困難とな るも のと考え
れ る。
し て本来 具有 す べき安 全 性 に欠 け ると ころが
断す ると 、本件事 故 現場付近 の本件 通路 上 に
ら れ、ま た、本件 県道 に ついて、緑 石 の高
向 か っては自 転車 によ る通行 は禁 止 され て い
なく 、 そ の行 動が設置管 理者 にお いて通常 予
お いても自 転車 に乗 ったまま 走行す る こと が
るも のと 解 され る。
測す る こと のでき な いも のであ るとき は 、当
性 があ ったと いう よう な事 実 は認 めら れな
さ が高 すぎ た こと により本件事 故以前 に危
③ア 原告らは、被告県 の本件県道及び本件通
いか ら、被告 県 に、本件 通路 上 にあ った緑
通常 の用法 に即 しな い行 動 であ ると は い いが
しか しな がら、通常 の用法 と は、当該営造
路 の管 理等 の瑕疵 に ついて、① 最高 制 限速
該事 故 が営 造物 の設置又 は管 理 の瑕疵 によ る
物 の利 用状 況等 の実態 に基 づ いて認定 さ れ る
度 の低 減措 置 の慨怠 、② 緑 石 の低位 化 及び
石を低位 化す べき義 務 があ ったと は いえ な
い。 よ って、緑 石を低位化 しな か った こと
険 な事 故 が発 生 したあ る いは発 生す る可能
べき も のであ って、当 該営 造物 に形式 的 に予
R化等 の必要措 置 の慨怠 、③ 本件 現場付 近
に ついて、本件 通路 の管 理 に瑕疵 があ った
た い。
定 され た用法 によ って判 断 され る べき も ので
への誘導看板 設 置等 の解怠 を 主張す る。
も の で あ る と いう こ と は でき な い。
は な い。
と な る こと や、八千代台 北方 面 か ら見 ると本
ぐ そ の脇 を車 両が通 過す ると いう危 険 な状態
であ って、本件 県道を自 転車 で走行す ればす
こと なく独自 の権 限 で決定 す る のであ るか
県公安委員会は道路管理者との協議を経る
のであ り (
道 路交 通法 四条 一項 )、 都道 府
権 限は都道 府 県公安委 員会 が有 し て いるも
た 、 R化 し て いたと し ても 垂直 方向 に回転
発 生原因 であ ると認 め る こと は でき ず 、ま
本件 緑 石 が角 張 って いた こと が本件 事 故 の
ま た 、緑 石を R化 す る こと に ついては、
と は認 めら れな い。
件事 故現場 の約 一Oo m手前 にま では自 転車
ら、道 路管 理者 にお いて最高 制 限速度を低
し て いる ペダ ルが本件 緑 石 に接触 しなか っ
たと いう こと も でき な い。した が って、被
しか し、① に ついては 、制 限速度 の決定
で の走行 が許 可さ れ て いる こと か ら、特 に上
減す る措置を探 らな か ったと し ても 、 そ の
イ
記方 面か ら自 転車 で走行 し てき た者 は、本件
告 県が本件 緑 石を R化 しなか った こと に つ
いて、本件 通路 の管 理 に瑕疵 があ ったと は
そ し て、本件 県道 の車 線 の幅員 は 二 ・八 m
県道を 走行 す る こと は困難 であ り 、そ のまま
管 理を慨怠 し て いると は いう こと は でき な
い。 した が って、被告県 が本件 県道 の最高
本件 通路 上を走行 し よう と考え やす い状 況 に
20 07 ,2
道行セ
“
通路 の狭 さ のた め、そ こを 通行 す る者 のす
エ ③ に ついては 、本件事故 以前 から 、本件
いて原告 ら が非 難 す る心 情 は 理 解 でき るが 、
告 県 が何 ら の対応も 実施 しな か った こと に つ
上記 のと おり本件事 故 が発 生す るま では被
義 務を 解怠 したも のであ る。
ぐ 側を 車 両 が通 過す るよう な危 険な状 況 で
被告県 には本件 県道 及び本件 通路 に ついて の
上記 ー のと おり 、運転者 であ る運転手 C に過失
の であ る 。
あ った こと は認 められ るが、誘導 看板 の設
管 理 の瑕疵 があ るとま では認 められな いこと
が認 められ る こと から 、被 告 B運送 が主張 す る他
認 めら れな い。
置義 務 が発 生す る法 的根 拠が明 らか ではな
は前記 ③のと おり であ るか ら、被告 県 は法 的
3
争点⑤ (
過失割合 ) に ついて
任を負 う 。
の免 責 は認 められず 、被告 B運 送は連行 供 用者責
責 はとも かく 、被告 B運送 の自 賠法 三条ただ し書
した が って、民法 七 一五条 一項ただ し書き の免
さ な い。
は 、自 賠法 三条 ただ し書所定 の免 責 の要件 を 充 た
2 争 点② (
被告 B運送 の免 責 の可否) に ついて
があ ったと認 め る こと が でき る。
した が ってこ の点 に ついて、運転手 C には過失
く 、ま た、自 転車 に乗 って いる通行 者 に対
の要件 に ついて検討す るま でも なく 、被告 B運 送
結論
責任を負うも のではな い。
2
し ては本件事 故 現場 から 八千代台 北方 面 の
約 一〇 0 m先 の地点 にお いてそ の地点 ま で
しか自 転車 で通行す ること が でき な い旨 の
被 告県 に対 す る各 請求 は いずれも 理由 がな いか
ら、 これを棄却す る。
道 路 標 識 が 設置 さ れ て いた のであ るから 、
被告県が本件現場付近に誘導看板等を設置
3
参 考 と し て簡 単 に紹介 す る。
そ の他 の主要 な争点 に対 す る裁判所 の判断も
す る な ど の措 置 を し な か った こと に つい
て、本件 通路 の管 理を怠 って いたと は いえ
ず 、よ って、 そ の管 理 に瑕疵 があ ったとは
いえ な い。
い った ん落 と した後 、兄 から先 に行 けと身 振 り で
本件事故 は、 Aが運転す る自転車 のスピ ードを
運転手 C には 、別 図 の② 地点 で自 転車 を運転す
指示 され、ま っすぐ進 行方向 を向 いて前 方を 注視
争 点① (
運転手 Cの過失 の有 無 ) に つ いて
の本件 通路 の状態 は、 八千代台 北方 面 か ら本
るAを 発見 した際 に、 Aが本件 県道 に入 ってく る
しながら スピ ードを 上げ て時速約 九 蹴 で自 転車 を
1
件事故 現場 の約 一〇0 m手前 付 近ま で所在 す
等 の可能性を 考え 、 い つでも加害 車 両を 停止 でき
運転 し始 めた が、本件 緑 石 に接触 したため にそ の
④ 確かに、本件事故当時、本件事故現場付近
る歩 道 と は異 なり 整 備 が実 施 さ れ ておら ず 、
るよう な速 度 で徐 行す る義 務 があ ったと いう べき
と ころ、徐 行義務 を 果 た さず に進行 中 の運転手 C
通常 の用法 を前提 とす る限り 、狭縊 なも ので
にも かかわ らず 、運転手 Cは、 別 図 の② 地点 に
運転 の加害 車 両 の後輪 に轢 遇 され たと いう も ので
意 思 に反 し てバ ラ ンスを崩 し本件 県道 に転倒 した
から の不安 の声 があ った にも かかわ らず 、そ
お いてAを 発 見した後 、信号交 差点 があ ると いう
あ る。
であ る 。
れ が 不 可能 であ った 諸事 情 があ った にせ よ 、
理由 か ら時速 二五蹴 に減速 した にとどま り 、それ
あ った。 そ し て、本件事 故以前 か ら付 近住 民
被告 県 が何 ら の対応 も 実施 し て いな か ったと
以 上 の減速 は せず に進行 した のであり 、上記徐行
上 記 の本件事 故 に至 る経緯 及び そ の態 様 、本件
ころ、折 しも 本件 事 故 が発 生 し てしま ったも
49
道々
テセ 2007 ,2
事 故 発生 に ついて の過失割合 は、 Aが 四割 、運転
童 であ った こと など の諸事 情を考慮 す ると、本件
た こと 、並 び にAは本件事 故 当時小 学 五年 生 の児
車 から降り て押 し て歩 行す るなど の方法を とり 得
通路 は自 転車 の走行 が禁止 され ており 、 Aは自 転
ら れ な い。
た こと に ついて、そ の保存 に瑕疵があ ると は認 め
崩 し て本件 県道 に倒 れたと は認 めら れな い。
した が って、被告 Eが本件 塀 を所有 占有 し て い
であり 、本件塀 があ った こと によ ってバ ラ ンスを
が A に対 し、本件 通路 が自転車 で の走行を 禁 止 さ
な お、被 告運転手 C及び被告 B運 送 は 、原告 ら
こ と が でき る が 、 A が 約 一 ・五 m先 にあ った本件
り 、通行 にや や危険 を 感 じ る状態 であ ったと いう
よ り 本 件 現 場 付 近 の本件 通 路 が 狭 縊 にな ってお
これ に対 し、本件 土台 に ついては、 そ の存 在 に
れ て いる場 所 であ る こと 及び本件 通路 を 通行 す る
土台 を避 け よう と し て右側 に寄 った結 果、本件 緑
手 Cが六割 と認 め る のが相当 であ る。
際 には自 転車 から降 り て自 転車を押 し て歩 く べき
を所有 占有 し て いた こと に ついてそ の保存 に瑕疵
石 に接触 し バ ラ ンスを崩 した こと を認 め る に足り
き だとす るが、 こ のよう な原告 ら の指導 不足 は本
があ ると し ても 、 A の死亡 の結 果と の間 には相当
であ る ことを指導 しな か ったと いう 過失 があ る旨
件事 故 発 生 に ついて直 接 の因 果 関係 を有す るも の
る的確 な証拠 はな いから 、仮 に被告 Dが本件 土台
ではなく 、 A の過失 と 一体 のも のと みる べき であ
因 果関係 がな いも のと いう べき であ る。
した が って、原告 ら の主張 は、採 用す ること が
主張 し、 これを 過失 割合 の算 定 にお いて掛酌 す べ
るから 、過失 割合 の算 定 にお いて別途 考慮 す る こ
でき な い。
争点④ (
被 告 D、被告 Eの所有占 有す る 工作
と は相当 でな い。
4
物 の設置 ・保 存 の瑕疵 の有 無 ) に ついて
本件 塀 に ついては、被告 E の所有 す る土地内 に
設置 さ れ ており 、本件事故 以前 に本件塀 があ る こ
と によ って危険 な事 故 が発 生 し て いたと いう よう
な事 情 があ ったと は認 められず 、他 方、 Aは運転
し て いた自 転車 の右 ペダ ルを本件 緑 石 に接触 さ せ
たた め に バ ラ ンスを 崩 し て本件 県道 に倒 れたも の
Nn
メ
至千葉市方面
↓ 至 八千代市八千代台南方面
道
れ
図