月報 2016/9 CONTENTS 巻頭言 長崎とスコットランドの縁 (一社)九州経済連合会 副会長・長崎地域委員長 森 拓二郎〔㈱十八銀行 頭取〕… 1 九経連活動紹介 身近に迫る情報セキュリティの脅威 ……………………………………………………… 2 東アジアの経済発展に向け意見交換 第15回環黄海経済・技術交流会議 … 6 〈委員会紹介〉資源エネルギー・環境委員会 ……………………………………………… 10 日誌(7月) 4日㈪ 第1回IoTビジネス研究会 …………………………………………………………… 12 7日㈭ 九州経済を考える懇談会 ……………………………………………………………… 12 7日㈭ 第1回地中熱・九州モデル研究会 …………………………………………………… 12 8日㈮ 第3回福岡空港等の運営及び地方創生に関する研究会 ……………………………… 13 8日㈮ 九州・山口UIJターン就職応援フェア ………………………………………………… 13 11日㈪∼14日㈭ 第15回環黄海経済・技術交流会議 ………………………………………… 13 20日㈬ 第1回長崎地域委員会 ………………………………………………………………… 13 21日㈭ 第1回宮崎地域委員会 ………………………………………………………………… 14 …………………………………………………………………… 14 22日㈮ 第1回観光委員会 22日㈮ 第3回九航協エアロスペース・ネットワーク(QAN)定例会議 ……………………… 14 25日㈪ 行財政委員会第1回企画部会 ………………………………………………………… 15 26日㈫ 東九州軸推進機構第26回総会 ………………………………………………………… 15 27日㈬ 九州航空宇宙開発推進協議会総会 …………………………………………………… 15 ……………………………………………… 16 27日㈬ 一億総活躍・地方創生全国大会in九州 ……………………………………………………………… 16 28日㈭ 第4回アセアン懇談会 29日㈮ 第10回外国人介護士受入れ検討WG ………………………………………………… 16 講演要旨 「九州が日本の課題を解決するフロントランナーに」 新浪 剛史(サントリーホールディングス㈱ 代表取締役社長)… 17 「鮮度保持機能付き20フィートリーファーコンテナ『fresh bank』の開発について」 石井 誠(日通商事㈱ 営業企画部 課長)… 18 「地方の生きる道…木工の街 大川の挑戦」 松尾 武(大川木材事業協同組合理事)… 19 会員紹介 『佐伯型循環林業』を確立し、木材生産と公益機能の両面から持続可能な森づくりを目指して 佐伯広域森林組合 … 20 企業使命観「郷土が誇る企業をつくる」を果たすために 山佐木材株式会社 … 22 「おいしさは安心から、安心は自然から」 有限会社藤野屋商店 … 24 九州観光推進機構ニュース 感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅⑥ 九州の小京都めぐり その[2] (南九州編) ∼南九州小京都、三都物語∼ ………………………………………………………… 26 九州・山口地域動向 … 28 表紙説明・スケジュール(9月) … 31 長崎とスコットランドの縁 (一社)九州経済連合会 副会長・長崎地域委員長 森 拓二郎 〔㈱十八銀行 頭取〕 英国のEU離脱のニュースは想定外の驚きで あったが、個人的には2014年に独立を問う住民 投票まで実施したスコットランドの今後の動向 に関心が高い。何故なら、長崎にとってスコッ トランドは縁浅からぬ国だからである。 スコットランドのアバディーン出身のトーマ ス・ブレーク・グラバーは、1859年(21歳の時)、 長崎に来日し、2年後にグラバー商会を設立し た。グラバーは、薩摩、長州、土佐などの俊英 達を支援し、明治維新に大きく関わっただけで なく、造船、炭鉱、水産、鉄道、造幣など様々 な事業を手掛け、日本の近代化への歩みをリー ドした。1865年(元治2年)我が国の鉄道開通の 7年も前に大浦海岸(長崎市)に蒸気機関車を走 らせ、1868年(明治元年)長崎港外の高島に炭鉱 を開発し、小菅(こすげ-長崎市)に近代的修船 場を作った。 また、1885年にはキリンビールの前身である 「ジャパン・ブルワリーカンパニー」の設立にも 携わっている。グラバーが居住した旧グラバー 住宅や、高島炭坑跡、小菅修船場跡は「明治日 本の産業革命遺産」として2015年世界遺産に登 録された。 「明治日本の産業革命遺産」を構成する資産 に、三菱重工長崎造船所内で今も現役で稼働し ている「ジャイアント・カンチレバークレーン」 が あ る。 高 さ62 m、 ア ー ム 部 分 の 長 さ75 m の 「ハンマーヘッド型」巨大クレーンは、スコット ランドから1909年(明治42年)に長崎造船所が輸 入した。現存しているものは非常に少なく、輸 出したスコットランドが称賛する歴史的に貴重 な存在である。 時は移り2014年、長崎県内の3海域が国から 「海洋再生可能エネルギー実証フィールド」に指 定され、現在「産・学・官」挙げて海洋再生可 能エネルギーの産業集積(クラスター)形成に向 けた取り組みが行われている。この分野の先進 地はスコットランドのオークニー諸島であり、当 地では「欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)」 を中心に、先端的な技術や知見を有する企業、 研究機関が集積しており、長崎県では2015年度 よりスコットランドとのビジネス交流を深めて いる。最近も、オープンハイドロ社(アイルラン ド)やアクアテラ社(スコットランド)といった 関連企業が九州に進出し、長崎・五島列島沖な どの海洋再生可能エネルギーの実用化を後押し するという報道がなされた。長崎にとって、将 来の地域活性化の大きな期待を担うプロジェク トであるが、これがスコットランドと大いに関 わっているのである。五島列島が東アジアの 「オークニー諸島」になり、海洋再生可能エネル ギーのメッカになることを期待している。 最後に、2019年にラグビーのW杯が日本で開 催されるが、長崎市は、グラバーの出身地で長 崎に縁のあるスコットランドに的を絞ってキャ ンプ地招致に取り組み、実現の運びとなった。 ビジネスでも交流の深い、強豪スコットラン ド代表の日本での活躍を後押ししたい。 201 6/9 九経連月報 1 九経連活動紹介 身近に迫る情報セキュリティの脅威 経済活動活性化に向けて重要な役割を果たすICTですが、一方では個人情報流出等のセキュ リティ事故が後を絶ちません。一度個人情報流出等の事故が発生してしまうと、お客様からの 信用失墜等企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があることから、九州経済連合会情報通信委 員会では情報セキュリティの普及啓発活動を積極的に行っています。 本稿では、警察庁や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、経済産業省から発表されている 事例や防止対策等についてご紹介します。 1.はじめに 個人情報流出等のニュースは今年に入って も後を絶たず、最近では「約678万件の顧客情 化しています。事例や犯行手口等の情報を収 集し、被害に遭わないように心掛けることが 重要です。 報流出の可能性があると公表された標的型攻 撃」や「不正アクセスによる約1万人の教職 2.各脅威の概要と対策 員や生徒、保護者の個人情報流出」が記憶に ⑴イ ンターネットバンキングやクレジット 新しいところです。 警察庁から発表された「平成27年における 平成27年のインターネットバンキングにか サイバー空間をめぐる脅威の情勢について」 かわる不正送金の被害額は約30億7,300万円と によると、日本年金機構をはじめとする我が なり、平成26年の29億1,000万円を超え、被害 国の多数の機関、事業者等でサイバー攻撃に 額が過去最悪となったことが明らかとなりま よる情報窃取等の被害が発生しています。そ した。被害の特徴としては被害金融機関数が の情報窃取を企図したとみられる平成27年の標 倍増し、特に信用金庫、信用組合に被害が拡 的型攻撃件数は3,828件と、平成26年の1,723件 大したことや農業協同組合と労働金庫で被害 の2倍以上で過去最多を記録しました。 が発生したことがあげられます。 また、IPAから発表された「情報セキュリ ティ10大脅威2016」によると、総合順位第1 位がインターネットバンキングやクレジット カード情報の不正利用、第2位が標的型攻撃 による情報流出、第3位がランサムウェアを 被害に遭わないための対策としては、 ・ウ ィ ル ス 対 策 ソ フ ト の 導 入 と 最 新 の パ ターンファイルへ更新する。 ・基本ソフト(OS)、ウェブブラウザ等各ソ フトウェアを最新状態へ更新する。 使った詐欺・恐喝とのことです。第3位のラ ・イ ンターネットバンキングにアクセスし ンサムウェアは平成27年から顕在化し始めた た際に不審な入力画面等が表示された場 脅威です。 合、ID、パスワードを入力せずに金融機 このように情報セキュリティについての被 2 カード情報の不正利用 関等へ通報する。 害やそれを企図したとみられる攻撃は年々増 ・可 変式パスワード生成機(ハードウェア 加傾向であり、且つ手口についても年々巧妙 トークン)等によるワンタイムパスワード 九経連月報 201 6/9 報流出が大きな話題となりましたが、今年も 標的型メール攻撃により大手企業から約678万 件の個人情報流出が発生しています。 日本年金機構の個人情報流出により、国の 行政機関の情報連携が平成29年1月から7月 以降に延期される等の影響も出ています。 平成27年の標的型メールの特徴としては、 ~拡大する攻撃対象、様々な手段で金銭取引の重要な情報を収集~ 出典:「情報セキュリティ10大脅威 2016 ~総合編~」(IPA) を利用する。 Wordファイル添付型が全体の53%と平成26年 の2%から大幅に増加しており、その多くは 複合機のスキャナ機能により読み込んだ文書 ・メ ールで受信する形式のワンタイムパス ワードを利用する際、パソコンの不正プ ログラム感染等により情報が流出する恐 の添付や品物の発送代金請求等の業務上の連 絡を装ったものです。 標的型メール攻撃に遭わないための対策と れがあるため、メールの受信先に携帯電 しては、 話のメールアドレス等を登録する。 ・不審なメールを安易に開封しない。 ・金 融機関が二経路認証やトランザクショ ・端 末やサーバに導入している各種ソフト ン認証など高度なセキュリティ対策を導 ウェア(基本ソフト(OS)、サーバ構築用 入している場合は、これらを利用する。 ソフト、文書作成ソフト、ウィルス対策 ・不 審なログイン履歴や、自己口座の送金 状況等が無いか、頻繁に確認する。 ソフト等)を最新の状態に維持する。 ・送 信元メールアドレスを詐称する手口へ の対策として、SPF 等の送信ドメイン認 等があげられます。 ※ 証 技 術 を 導 入 し、 電 子 メ ー ル の 受 信 側 ⑵標的型攻撃による情報流出 標的型攻撃は、昨年日本年金機構の個人情 【標的型メール攻撃の概要】 メールサーバにおいて送信元メールアド レスの正当性を確認する。 【標的型メールに添付されたファイル形式の割合】 出典:「平成27年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」(警察庁) 201 6/9 九経連月報 3 ※S PF:電子メールの送信元メールアドレスのドメイ ンの正当性を確認することができる仕組み。 等があげられます。 ス発表を行いました。 ランサムウェアの特徴としては身代金を ビットコインで請求するケースが多いことや、 身代金を支払ってもデータの回復は保証され ⑶ランサムウェアを使った詐欺・恐喝 ないことがあげられます。 「ランサムウェア感染被害に備えて定期的な バックアップを」 被害に遭わないための対策としては、 ・ウ ィ ル ス 対 策 ソ フ ト の 導 入 と 最 新 の パ ターンファイルへ更新する。 これは平成28年1月5日にIPAから呼びか けられた内容です。 ランサムウェアとは、マルウェアの一種で ・不審なメールを安易に開封しない。 ・重 要なファイルは定期的にバックアップ を取得する。 ユーザのデータを「人質に取り(暗号化し)」、 「データ回復(暗号解除)」のために「身代金」 ・バックアップを取得する装置・媒体はバッ クアップ時のみパソコンと接続する。 を要求する不正プログラムです。 会社でパソコンを立ち上げると全てのファ ・基本ソフト(OS)、ウェブブラウザ等各ソ フトウェアを最新状態へ更新する。 イルが暗号化され、全く閲覧できないことを 想像して下さい。その暗号を解くために身代 等があげられます。 金を要求してくるのがランサムウェアです。 IPAによると、平成27年4月に日本語で表 3.サイバーセキュリティ経営ガイドライン 示されるランサムウェアの相談が増えたこと いくつかの事例と対策を示してきましたが、 から同年6月に注意喚起の呼びかけを行った 企業において最も重要なことは、経営トップ ところ暫くして沈静化に向かっていましたが、 が脅威を認識し、対策を行うことです。 年末に入って相談が増えたため、平成28年1 月5日に呼びかけを行ったとのことです。 それを踏まえ、経済産業省では平成27年12 月に経営者のリーダーシップの下で、サイ しかし、それでも相談件数は増え続け、平 バーセキュリティ対策を推進するため、 「サイ 成28年4月には「【注意喚起】ランサムウェア バーセキュリティ経営ガイドライン」を策定 感染を狙った攻撃に注意」としてIPAはプレ しました。 サイバー攻撃から企業を守る観 点で、経営者が認識する必要があ る「3原則」、及び経営者が情報セ キュリティ対策を実施する上での 責任者となる担当幹部(CISO:最 高情報セキュリティ責任者等)に指 示すべき「重要10項目」をまとめ ています。 出展:コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況および相談状況(IPA) 4 九経連月報 201 6/9 ここでは、 「3原則」の紹介を行 います。「重要10項目」等につきましては経済 州 in 福岡2016」の後援や情報セキュリティセ 産業省のホームページで確認することができ ミナー等を開催し、セキュリティ被害防止に ます。 向けて取り組んでいきます。 《経営者が認識する必要がある「3原則」》 ①セ キュリティ投資に対するリターンの算出 「セキュリティ・キャンプ九州 in 福岡 2016」 ・日時:2016年9月16日(金) はほぼ不可能であり、セキュリティ投資を 13時30分~17時40分 しようという話は積極的に上がりにくい。 ・場所:JR博多シティ会議室 10F大会議室 このため、サイバー攻撃のリスクをどの程 ・申込締切:9月14日(水) 度受容するのか、セキュリティ投資をどこ ・定員:150名(先着順) までやるのか、経営者がリーダーシップを ・費用:無料 とって対策を推進しなければ、企業に影響 ・主催:セ キュリティ・キャンプ九州実施 を与えるリスクが見過ごされてしまう。 協議会、国立大学法人九州大学 サイ ②子 会社で発生した問題はもちろんのこと、 バーセキュリティセンター、セキュ 自社から生産の委託先などの外部に提供し リティ・キャンプ実施協議会、独立 た情報がサイバー攻撃により流出してしま 行政法人情報処理推進機構(IPA) うことも大きなリスク要因となる。このた め、自社のみならず、系列企業やサプライ ・後援: (一社)九州経済連合会、九州経済 産業局、福岡県 チェーンのビジネスパートナー等を含めた ・公式ページ: セキュリティ対策が必要である。 http://www.security-camp. ③ステークホルダー(顧客や株主等)の信頼感 org/minicamp/kyushu2016.html を高めるとともに、サイバー攻撃を受けた 場合の不信感を抑えるため、平時からのセ キュリティ対策に関する情報開示など、関 係者との適切なコミュニケーションが必要 である。 【参考文献】 ・平成27年におけるサイバー空間をめぐる脅 威の情勢について -警察庁- https://www.npa.go.jp/kanbou/ cybersecurity/H27_jousei.pdf 4. 九州経済連合会におけるセキュリティ対策 に向けた取組み 九州経済連合会情報通信委員会では、平成 ・情報セキュリティ10大脅威2016 -独立行 政法人情報処理推進機構(IPA)- https://www.ipa.go.jp/security/ 27年度は情報セキュリティ対策に伴う講演を vuln/10threats2016.html 6本開催するとともに、 「セキュリティ・キャ ・サイバーセキュリティ経営ガイドライン ンプ九州 in 福岡2015」の後援として、会員企 -経済産業省- 業へ参加の呼びかけを行ってきました。 http://www.meti.go.jp/press/2015/12/ 平成28年度も「セキュリティ・キャンプ九 20151228002/20151228002-2.pdf 201 6/9 九経連月報 5 東アジアの経済発展に向け意見交換 と き 7月1 1日(月)〜14日(木) ところ 中国・江蘇省塩城市 参加者 2 94名(日本54名、中国156名、韓国84名) 第15回環黄海経済・技術交流会議 1.環黄海経済・技術交流会議の概要 本会議は2001年3月より中国、韓国の中央 政府や経済団体とのパートナーシップのもと、 環黄海圏の経済交流の深化を図るため九州・ 韓国・中国の持ち回りで毎年開催している。 <訪問団日程> 月日 内 容 7/11(月) 移動(九州→南京市) 産業視察(南京キャナル) 移動(九州:南京市→塩城市、韓国: 韓国→塩城市) 7/12(火) 産業視察(塩城市政務サービスセン タ ー、 塩 城 ビ ッ グ デ ー タ 産 業 団 地、 江苏龙净科杰催化剂再生有限公司) ビジネスフォーラム 産業パーク・特区協力フォーラム 学(総)長フォーラム 7/13(水) 三国局長会議 本会議 レセプション 7/14(木) 移動(塩城市→九州・韓国) ※九州は南京市経由 2.環黄海ビジネスフォーラム 今回のフォーラムでは、今後とも発展が期 待されるエネルギー・環境、スマート・プロ ダクション、越境ECと流通・物流の分野につ いて、お互いに情報を共有するとともに、ビ ジネス交流を推進するための戦略、産学官協 力及び人材交流方案等について議論した。内 容は以下のとおり。 6 九経連月報 201 6/9 1.開会 2.主催者代表挨拶 遼寧省商務庁 副庁長 唐審非 九州経済連合会(九州経済国際化推進機構) 会長 麻生 泰 韓日経済協会 副会長 李鐘允 3.議事 ⑴セ ッ シ ョ ン Ⅰ「 エ ネ ル ギ ー・ 環 境、 ス マート・プロダクション」 中国 ①河北省沧州市商務局 孫西譲 副局長 「日韓経済と貿易協力の促進と滄州市の自 動車産業の発展」 ②天津航空物流発展有限公司 赵胜跃 総経理 「クロスボーダー電子商取引の特色と発展 の加速」 ③韓国土地住宅公社中国プロジェクト所 黄裕淳 所長 「青島中韓協力エコ・スマート都市の建設」 日本 ①楽しい株式会社 松尾康志 代表取締役 「資源循環社会と共生した低炭素地域づく り—食品廃棄物の地域循環圏形成」 ②東陶(上海)有限公司 石澤元基 製造部長 「ウォシュレットのプラットフォーム化に よる生産プロセスの改革」 韓国 韓国中央大学 尹晟薰 教授 「環境親和型Smart Car蓄電池の動向と韓 中日協力」 ⑵セッションⅡ「越境ECと流通・物流」 中国 ①大連市対外貿易経済合作局 王丽英 局長 「中国(大連)越境EC総合試験区建設状況 及び支援政策」 ②敦煌ネット 王頴 政府事務総監 「越 境ECプラットフォーム大型外国貿易 時代」 ③天津子牙経済技術開発区 魏建軍 主任 「革新駆動発展の堅持グリーンスマート団 地の構築」 日本 ①福岡貿易会 小林修 国際アドバイザー 「越境ECの現状と課題」 ②熊本県上海事務所 垣下美那子 首席代表 「熊本県の観光素材」 韓国 KOTRA 金相默 Global Partnering室長 「韓 中日デジタルシングル・マーケット 必要性と協力方案」 4.ビジネスフォーラム総括 5.閉会 プロセスの改革」と題し、プラットフォーム 化に取組むにあたってのポイントやその効果 について紹介して頂き、プラットフォーム化 の推進による生産性の向上について提案した。 セッションⅡでは、 「越境EC(イーコマー ス)」をテーマに、福岡貿易会の小林 修・国 際アドバイザーより「越境ECの現状と課題」 と題し、越境ECの今後の展望と九州の機能性 食品の展開の可能性について紹介して頂き、 機能性食品を介したビジネスの協力について 提案した。 また、震災の際に中国・韓国の皆様から頂 いたお気持ちへのお礼とともに熊本の温泉を 中心とした観光素材についてのPRを、熊本県 上海事務所の垣下美那子・首席代表から紹介 して頂いた。 環黄海ビジネスフォーラム 麻生会長 代表挨拶 九州側から各セッションで講演して頂いた 内容は以下のとおり。 セッションⅠでは、 「エネルギー・環境」を テーマに、楽しい㈱の松尾康志代表取締役よ 環黄海ビジネスフォーラムの様子① り「資源循環社会と共生した低炭素地域づく り―食品廃棄物の地域循環圏形成―」と題し、 食品廃棄物のリサイクルについて、そのプロ セスから現在の取組について紹介して頂き、 増加する食品廃棄物の減量・リサイクルによ る循環型社会の構築について提案した。次に 「スマート・プロダクション」をテーマに、 TOTO(上海)㈱石澤元基製造部長より「ウォ シュレットのプラットフォーム化による生産 環黄海ビジネスフォーラムの様子② 201 6/9 九経連月報 7 3.環黄海経済・技術交流会議 本会議 本会議では「環境に配慮したイノベーショ ンと開放的な融合」をテーマに、3国環黄海 地 域 の「 貿 易・ 投 資 」「 科 学 技 術 交 流 」「 教 育・人材協力」の促進のための協力提案を行 い、ビジョンの共有、その具体化のための方 策等について議論した。内容は以下のとおり。 1.開会 2.3国代表挨拶 中国商務部亞洲司 宋耀明 商務参事 日本経済産業省九州経済産業局 岸本吉生 局長 韓国産業通商資源部 曺永泰 貿易調査室長 3.開催地挨拶:中共塩城市委 朱克江 書記挨拶 4.並行開催事業の総括 ・ビジネスフォーラム総括 遼寧省商務庁 王力威 庁長 ・産業団地・特区協力フォーラム総括 江蘇省商務庁 孫津 副庁長 ・中韓ビジネス相談会総括 塩城市人民政府 周紹泉 副市長 ・大学学長フォーラム総括 塩城師範学院 芮鴻岩 書記 5.3国協力提案 ・江蘇省無錫市人民政府 王進健 副市長 「科 技金融サービスへの協力を強化して、 互恵の新しい情勢を開く」 ・河北省商務庁投資招商促進局 安静 局長 「京津冀共同発展のもと、河北省との共同 発展の新機会」 ・九州旅客鉄道株式会社上海事務所 恋塚秀和 所長 (一般社団法人九州観光推進機構 推薦) 「九州観光・インバウンドの推進」 ・公益財団法人九州経済調査協会 田代雅彦 常務理事・調査研究部長 「都市・農村交流ビジネスについて」 ・韓国済州大学 朴景麟 教授 「電気車産業の現状および発展見込み」 ・韓国スマート製造イノベーション協会 金在紋 会長 「スマート製造イノベーションと韓中日協力」 6.3国共同研究調査報告 8 九経連月報 201 6/9 対外経済政策研究院 東亜経済室長 林虎烈 7.次期開催地紹介 鹿児島県観光交流局 8.環黄海経済・技術交流大賞表彰式 ①江蘇省商務庁 馬明竜 庁長 ②青島国際経済協力区管理委員会 張建国 副主任 ③公 益財団法人西日本産業貿易コンベン ション協会 中溝明弘 専務理事 ④清本鐵工株式会社 清本邦夫 代表取締役専務執行役員 ⑤韓国産官学協会 徐同錫 会長 ⑥韓国北東アジア共同体研究財団 李承律 理事長 9.全体総括、閉会 環黄海会議・技術交流会議 本会議 岸本局長 代表挨拶 3国協力提案では、九州からは、九州旅客 鉄道㈱上海事務所の恋塚秀和所長より「九州 観光・インバウンドの推進」と題し、熊本地 震後のインフラ・観光施設の復旧状況や九州 の観光スポット、食、ショッピングなど九州 の魅力について紹介して頂いた。 また、 (公財)九州経済調査協会の田代雅彦 常務理事・調査研究部長より「都市・農村交 流ビジネスについて」と題し、都市部の企業 が九州の農村部の魅力を発見し、それらを活 用若しくはさらに事業を拡大しながらビジネ スを展開している事例を紹介し、都市部と農 村部がコラボしてビジネスチャンスを掴むこ 務サービスセンター(ワンストップ行政セン とを提案した。 ター)、今後ビジネスを生み出し様々な可能性 3国共同研究調査報告では、韓国代表者が 3国を代表して各国が得意とする分野での研 をもつ塩城ビッグデータ産業団地、江苏龙净 科杰催化剂再生有限公司を視察した。 究結果と3国の協力提案を報告した。日中韓 の経済協力は新たな段階に入ってきており、 新産業分野での協力の強化、東アジア地域経 済統合による関税等の規制の緩和など今後必 要な協力について報告がなされた。 次に昨年に引き続き「環黄海地域の発展と 経済交流の深化・拡大に貢献した団体・個人 を表彰する」環黄海経済・技術交流大賞表彰 が行われた。九州からは、企業等法人・個人 部門では清本鐵工㈱、地方公共団体・経済団 産業視察(江苏龙净科杰催化剂再生有限公司) 体部門では(公財)西日本産業貿易コンベン ション協会が受賞した。 5.おわりに 例年秋に会議が開催されるが、今年はホス ト国である中国の諸事情により7月に開催され た。中国からは各省・市から多くの高官や企 業が出席し、中国側のビジネス交流に対する 意気込みを強く感じた。次回は九州・鹿児島 県にて開催される予定で、3地域間における 安心・安全の向上の観点から「食・観光ビジ ネス」等をテーマとして検討することとなった。 また、今回訪問団は南京市経由で塩城市に 環黄海経済・技術交流大賞 表彰式 入ったことから、福岡市のキャナルシティの 施設をそのまま南京に持ってきた南京キャナ 最後に、今回の会議は産官学から多くの企 ルの視察を行った。そこでは南京キャナルの 業・団体が参加した有意義な会議であり、3 運営会社であるCCDの中川副総裁から南京 国の協力を深め東アジアの経済発展に寄与し キャナルの生い立ちや現在中国で急速に発展 ていることを確認し閉会となった。 している通信販売に対処するための取組みに ついて紹介して頂き、常にチャレンジしてい 4.産業視察 塩城市に企業進出する際に必要な手続きが 1つの建物の中で行うことができる塩城市政 かなければ取り残される状況を現場の方から 直接聞くことができ大変勉強になった。 【国際部 吉川】 201 6/9 九経連月報 9 委員会 紹介 資源エネルギー・環境委員会 九経連では、事業推進機関として11の委員会を設けています。今月から、各委員会の役割 や活動等について紹介します。今回は、 「資源エネルギー・環境委員会」を紹介します。 1.委員会の概要・役割 資源エネルギー・環境委員会は、低炭素社 会および循環型社会の実現のため、九州の地 域ポテンシャルの高さや環境関連産業および 研究機関が集積している強みを活かし、再生 可能エネルギーの産業化や環境関連産業の振 興等に取り組むとともにエネルギー問題・環 境政策等について、要望、支援活動を行います。 また、委員会を補佐・支援する機能として 企画部会を設置し、委員会活動の戦略立案や 進捗管理等を行っています。 委員長:貫正義 (副会長、九州電力㈱ 会長) 企画部会長:戸上信一 (㈱戸上電機製作所 社長) 委員数(7月28日現在) 委員会委員:319名 企画部会委員:45名 2.今年度の主な活動内容 2015年6月に策定された「再生可能エネル ギーの産業化を目指すアクションプラン」の 推進のため、会員企業間の情報共有を図ると ともに、具体的活動として本年6月29日から 7月1日に横浜にて開催された「再生可能エ ネルギー世界展示会」に、九州のポテンシャ ルやアクションプラン及び関連企業を紹介す るパネル等を出展し、九州の魅力をPRしまし た。また、地中熱利用拡大による省エネ対策 の推進を図るため、九州の関係企業で構成す る研究会を立ち上げ、課題や対応策等、九州 地域にあった地中熱・九州モデルを検討して います。 さらに、今後、市場での導入が期待される 10 九経連月報 201 6/9 再生可能エネルギー世界展示会への出展 産業用・系統用蓄電池電力貯蔵装置の情報を 整理し、課題対応策や活用事例集を作成する ことで九州でのビジネス活用を支援してまい ります。 要望活動として、安全性の確保を前提とし た原子力発電所の早期再稼働や安定供給と経 済性及び環境適合性に重点を置いた中長期的 なエネルギー・環境政策を国・自治体に要望 します。また、再生可能エネルギーの産業拠 点化に向け、必要となる規制緩和・財政支援 策等を国・自治体に要望します。 その他、 「環境ビジネス交流会」や「環境イ ノベーションフォーラム」を、九州環境エネル ギー産業推進機構(K-RIP)等と共催したり、 新エネルギーの先進的取り組み事例の見学会 や自治体と連携した「グリーンアジア国際戦 略総合特区」に関する講演会の実施など情報 提供を行い、企業マッチングや進出等を支援 します。 3.関連する活動 また、当委員会に関連する活動として、九 州地域戦略会議にて設置された以下の委員会、 推進活動をご紹介します。 ⑴再生可能エネルギー産業化推進委員会 (委員長:安浦寛人(九州大学理事・副学長)) 2012年11月に開催された「第21回九州地域 戦略会議」において、半導体・自動車産業に 次ぐ九州経済を牽引する産業として「再生可 能エネルギー」が今後の検討テーマとして位 置づけられました。 検討にあたっては、 「再生可能エネルギーの 産業化に向けた検討委員会」を立上げるとと もに、産業化が有望なエネルギー分野として 「地熱・温泉熱」「海洋」「水素」の3分野に絞 り込み、産学官の有識者からなるワーキング グループをそれぞれについて立上げ、アク ションプラン策定の作業を開始しました。 2015年6月開催の「第27回九州地域戦略会 議」において「再生可能エネルギーの産業化 を目指すアクションプラン(九州モデル)」が 決定され、 「再生可能エネルギー産業化に向け た検討委員会」を「再生可能エネルギー産業 化推進委員会」に、また、3つのワーキング グループをそれぞれ「実務者会議」に改組し、 本アクションプランを推進すべく、体制を整 備しました。 再生可能エネルギー産業化推進委員会では、 ①地熱・温泉熱、海洋、水素エネルギー産業 化実務者会議からの報告内容の検討並びに指 導・助言、②国の施策、補助金など情報共有 と国への要望活動、③国内外ビジネス情報共 有及びマッチング機会創出支援、④九州地域 戦略会議への報告、⑤講演会等の開催を行っ ています。 地熱・温泉熱産業化実務者会議による視察の様子 ⑵低 炭素社会・九州モデルのアクションプラ ン推進活動 国の温室効果ガス排出量の中期目標の設定 (ターゲットは2020年)を踏まえ、今後、温暖 化対策への取り組みが一段と求められること となりました。 九州は、太陽電池等の環境関連産業が盛ん であると同時に、豊かな森林資源等も有する など、高いポテンシャルを有しています。温 暖化対策に官民一体で取り組み、この環境関 連産業等の振興を図るとともに、環境トップ ランナーとしての地位を確立するなど、豊か な低炭素社会の実現と経済成長の両立を目指 すため、2009年6月開催の「第13回九州地域 戦略会議」において、低炭素社会実現のため のアクションプランの策定が決定されました。 その後「低炭素社会・九州モデル検討委員 会」で検討の後、2011年6月開催の「第18回 九州地域戦略会議」において「低炭素社会を 目指す九州モデル」の最終アクションプラン が承認され、現在、以下の検討体制のもと、 アクションプランに基づく活動を継続してい ます。 ①低炭素社会・九州モデルワーキング 九州7県の地球温暖化防止活動推進部門と 九経連他5経済団体、九州電力他5企業によ り構成され、 「低炭素社会を目指す九州モデ ル」のアクションプランの進捗状況を確認・ 管理するとともに次年度に実施する重点戦略 を選定しています。 ②九州版低炭素マイレージ制度推進協議会 (会長:広瀬勝貞(九州地方知事会会長)) 九 州 の 官 民( 九 州 各 県 や 企 業、 経 済 団 体、 NPO等で構成)が一体になって持続可能なシ ステムに取り組むこととし、九州における CO2の削減に取り組んでいます。具体的には 家庭における電気の使用量削減活動への参加 や省エネ商品の購入、また森林の育成や保全 など環境保全活動の参加に経済的インセン ティブ(ポイント券)を付与する「炭素マイ レージ制度」(九州エコライフポイント:ポイ ント券は道の駅やスーパー、コンビニなどで商 品やサービスと交換可。)の利用を促進するこ とにより、家庭や地域でのCO2の排出削減を 図りつつ、地域活性化に取り組んでいます。 201 6/9 九経連月報 11 日 誌 7月 July 4日(月) 7日(木) 第1回IoTビジネス研究会 九州経済を考える懇談会 福岡市・九経連会議室 福岡市・九経連会議室 出席者:31名 開催した。本研究会は、東北や北海道 出席者:7名 熱の利用拡大や産業化をめざし、地域 の省エネやCO2 削減に大きく貢献させ る目的で設立され、九州地域に最も適 さまざまなものをインターネットで 本懇談会は、九州経済の現状や将来 した「地中熱の九州モデル」を検討す つなぎデータの収集・分析・フィード の重要課題を共有し、課題解決の方向 る。更に普及のため、事例集や提案書 バックを行う「IoT」技術は今後ますま 性について議論するために年4回開催 の作成、国への支援要望、海外展開モ す重要となるが、本会も、その活用に している。 デル構築などの幅広い取り組みを行う よる、新たなビジネスの可能性を研究 今回は、通常のメンバーである本会 するために「IoTビジネス研究会」を設 の麻生泰会長(座長) 、九州地域産業活 第1回研究会では、産総研再生可能 立し、第1回の会合を開催した。研究 性化センターの麻生渡会長、九州経済 エネルギー研究センター地中熱研究 会の座長には日本経済研究所の鍋山徹 同友会の貫正義代表委員、九州商工会 チーム長の内田洋平氏より「地中熱に 専務理事が就任し、製造業や情報通信 議所連合会の礒山誠二会長、九州経営 関する最新の技術および研究紹介」 、掘 業、金融業、商社など幅広い分野から 者協会の竹島和幸会長、九州経済調査 削技術の観点から㈱ワイビーエムの大 22社の会員が参加した。 協会の髙木直人理事長に加え九州経済 久保博晃主査より「地中熱利用の普及 会合では、鍋山徹氏から「本研究会 産業局の岸本吉生局長が参加し、平成 促進における現状の課題」 、ヒートポン は、新しい事業を創造する視点でさま 28年熊本地震からの復旧・復興に向け プの観点からサンポット㈱の佐藤隆次 ざまなビジネスを探すことが目的」と た九州経済界の取組みを議論した。 部長とゼネラルヒートポンプ工業㈱の ものである。 主旨を説明。委員からは、 「IoTを利用 議論の結果、創造的復興に向け九州 駒庭義人所長より「ヒートポンプに関 して九州初のビジネスモデルを築けない 一体となって取組むことを確認し、具 する技術と事例紹介」 、九州経済産業局 か期待している」等の意見が出された。 体的には、海外に向けた九州の安全と魅 の和田伸夫課長補佐より「地中熱利用 力の情報発信や震災復興につながる外 に関する国の支援策・補助金」の報告 国人材の活用促進に取組むこととした。 や説明が行われた。その後、フリー また、鍋山徹氏による「国内外のIoT ビジネスの動向」 、九州経済調査協会の 中川敬基氏による「IoT/Industrie4.0と 地域経済」と題した講演も行われ、参 また、今後の懇談会の議題について 意見交換を行った。 加者には地域を含む国内外の最新の状 〔企画調査部 大内田〕 況を理解していただいた。 目的や成果物、参加メンバー、地中熱 導入施設の見学先などについて、活発 は2年間継続、年4回開催予定で、第 している。今後は、活動報告書をまと 2回は10月に開催を計画している。 めるとともに、IoTベンチャー企業との 〔産業振興部 室屋〕 ビジネスマッチング等を計画している。 〔産業振興部 古谷〕 7日(木) 第1回地中熱・九州モデル研 究会 福岡市・電気ビル共創館 出席者:21名 第1回地中熱・九州モデル研究会(座 長:西日本工業大学 成田樹昭教授)を 九経連月報 201 6/9 ディスカッションが行われ、研究会の なアイデアや意見が出された。研究会 本研究会は今年度6回の開催を予定 1 2 と比べて導入が遅れている九州の地中 7月 July 8日(金) 8日(金) 11日(月)〜14日(木) 東京・新宿NSビル 中国江蘇省塩城市・塩城迎賓館 第3回福岡空港等の運営及び 地方創生に関する研究会 九州・山口UIJターン就職応 援フェア 出席者:165名 出席者:179名 福岡市・エルガーラホール 第15回環黄海経済・技術交流 会議 出席者:294名(日本54名、中国156名、韓国84名) 福岡空港については、平成31年度の 昨年度に引き続き、九州・山口の8 中国、韓国の中央政府や経済団体と 空港運営民間委託開始に向け国が検討 県と経済界の共催により、 「九州・山口 のパートナーシップのもと、環黄海圏 を進めているが、このような中、九経 UIJターン就職応援フェア(合同会社面 の経済交流の深化を図るため、九州・ 連では、 「福岡空港等の運営及び地方創 談会) 」が東京・新宿で開催された。 韓国・中国の持ち回りで毎年開催して 生に関する研究会」を設置し、九州の フェアに先立つ開会式では、小川洋 将来を展望した福岡空港のあり方や運 福岡県知事から「九州・山口は都市機 営等について検討を進めており、この 能と自然環境の調和など魅力が多い」 、 度、第3回目となる研究会を開催した。 麻生泰九経連会長からは「地方創生に 研究会の座長である慶應義塾大学商学 は若者の力が必要、企業から発信を」な 部の加藤一誠教授の挨拶の後、スタン ど、九州・山口の魅力発信と参加企業に ダード&プアーズ・レーティング・ よる積極的な若者へのPRが行われた。 ジャパン㈱事業法人格付部主席アナリ フェアでは、東京圏在住の大学生や ストの柴田宏樹氏より「海外視点をふ 転職希望者を対象に、2日間で延べ117 まえた空港の格付けアプローチ〜金融 社の地元企業がUターン(故郷に戻る) 、 郎委員長(本会副会長・㈱十八銀行頭 市場からみた魅力ある空港とは〜」と Iターン(九州・山口以外から移住) 、 取)からの挨拶、中川正裕専務理事の挨 いうテーマで、魅力ある空港に向けた Jターン(他の地域から移住)での就職 拶の後、総務広報部の荒木三喜部長よ 空港民営化のカギとなる具体策や集客 をアピールした。 り平成28年度事業計画についての説明 おり、今年は中国にて開催された。 ⇒本誌6〜9ページに詳細を掲載 20日(水) 第1回長崎地域委員会 長崎市・ANA クラウンプラザホテル長崎グラバーヒル 出席者:43名 今回より新たに就任された、森拓二 力が高い海外の空港との比較も交えな 会社面談会と並行して就活応援講座 と、昨年12月に開催した本委員会にて がら、金融市場からの視点に立った空 や各県による移住相談が開催され、2 出された意見や要望に対する九経連と 港の格付け分析の手法について講演が 日間で合計179名の大学生や社会人が しての対応状況を報告した。 行われた。講演終了後、座長及び会員 フェアに参加。求職者のアンケートに 報告の後、九州観光推進機構の髙橋 との活発な質疑応答を行った後、事務 よれば満足度は高く、実績につながる 誠専務理事より「熊本地震を踏まえた 局より、今後の開催予定について説明 ことが期待される。 〔産業振興部 古谷〕 今後の九州(長崎)の観光発展につい を行い閉会した。〔社会基盤部 西岡〕 て」と題し、熊本地震発生後の九州観 光に対する被害や対策、緊急要望活動、 観光復興のための実施事業についての 報告と安全・安心な観光地づくりに向 けた制度や体制の整備についてお話し いただいた。 その後、長崎大学経済学部の山口純 哉准教授より「長崎県の人口減少の現 状と課題」と題した講演が行われた。 長崎県の人口動向、人口減少が地域経 済に与える影響、人口減少に伴い発生 する社会問題とその解決のための1つ 201 6/9 九経連月報 1 3 7月 July の方法として、ソーシャルビジネスの バス運転士がトラック運転士に移出す みの重点戦略を継承しつつ、新たに 促進が提案された。 〔総務広報部 立石〕 る現象が起きている」 「宮崎の旅行者の 2017年からの3年間で行う観光戦略の 単価は平均の半分程度しかない。真剣 実施目標を定め、関係機関が責任を に考えないといけない」 「農業に新規に 持った役割を果たせるよう具体的内容 就く若者が増える傾向がでてきている」 を作成しているが、今回は中間報告と など多岐にわたる意見が出された。 なり、10月開催の第30回九州地域戦略 〔総務広報部 立石〕 会議での承認に向け、準備ワーキング と委員会を重ねている。 最後に「欧州からのお客様を迎える にあたって」と題して、フィンエアー 西日本統括支店長の堀田博之氏による フィンランドの観光紹介を絡めて、他 の欧州諸国との特性比較や、国民性等 について興味深い講演をいただき委員 会を終了した。 〔産業振興部 立崎〕 21日(木) 第1回宮崎地域委員会 宮崎市・シーガイアコンベンションセンター 出席者:25名 14 22日(金) 第1回観光委員会 福岡市・タカクラホテル福岡 出席者:60名 2016年度第1回目の観光委員会は、 小池光一委員長の挨拶の後、豊嶋直 「観光振興に関する要望(案) 」と「九州 幸幹事より宮崎地域委員会の平成27年 観光戦略・第二次アクションプラン策 度活動報告と平成28年度活動計画につ 定」の2つの議題に絞り説明を行い、 いての説明があり、ともに了承された。 前者については承認を得た。 また、新しい役員として副委員長に宮 今年度から「観光振興に関する要望 崎ガス㈱の塩月光夫会長、幹事にJR九 (案) 」は、新しい試みとして広く観光 22日(金) 第3回九航協エアロスペース・ ネットワーク(QAN)定例会議 福岡市・九経連会議室 出席者:29名 州宮崎総合鉄道事業部の宮野原佳部長 に関わる事業者(宿泊、運輸、物販等) が就任したことが報告された。 から事業者が抱える問題や業界の構造 今年度第3回目となるQAN定例会議 その後、総務広報部の荒木三喜部長 的な問題、九州独自の問題等につきご では、今年10月に開催される「2016年 より「九経連平成28年度事業計画」に 意見をいただき、その後事業者会議で 国際航空宇宙展(東京ビッグサイト) 」 ついて、企画調査部の角聡課長より の意見交換を経て、企画部会と緊急的 に向けての“販売作戦会議”に多くの 「平成28年熊本地震からの復旧・復興に なプロジェクト委員会による要望内容 時間を費やした。我々の展示スペース 向けた九州経済界の取り組み」につい の精査をして、要望事項12項目を観光 のディスプレイは特注で壁面・展示台 て、農林水産部の小田保部長より「九 委員会に諮った。国や関係省庁への要 を大きくとれるようにし、 「チームで多 州農水産物直販㈱輸出の取り組み」に 望、提言は8月末から9月に実施を予 工程一貫受注」のキャッチコピーを大 ついての報告があった。 定している。 きく掲示する予定である。また出展企 これら報告の後、麻生泰会長から挨 「九州観光戦略・第二次アクションプ 業の特典であるWebカタログへの登録、 拶があり、意見交換を行った。意見交 ラン策定」については、今年度で終了 BtoBミーティングへの登録もQAN参加 換では、 「地震からの復旧作業に伴い、 する第一次アクションプランの取り組 企業が全員行い、ビジネスチャンスを 九経連月報 201 6/9 7月 July 掴むようにしていく。展示物に関して また、下関市立大学の難波利光教授 の加藤一誠氏より「高速道路のストッ は各企業から意見・要望が出るなど熱 に「自治体境界による民間企業への阻 ク効果と地域の活性化について」と題 のこもった議論を行った。議題はこの 害要因〜製造業・福祉・観光に対する してご講演いただき、盛況のうちに終 他、QAN会員企業の㈱ウラノの惣津啓 影響〜」をテーマにご講演いただき、 了した。 太氏から同社が参加した6月のドイツ 上記①〜③の実状と課題について学ん ベルリンエアショーでの商談実践の報 だ上で、意見交換を行った。 告、新規参加の㈱ピーエヌ機電の橋本 〔企画調査部 角〕 進社長の自社PRプレゼンを実施。そし 〔社会基盤部 関〕 27日(水) 九州航空宇宙開発推進協議会 総会 福岡市・九経連会議室 て前月に引き続き㈱ピンポイント・ 出席者:36名 マーケティング・ジャパン代表の大澤 裕氏に国際取引に関する知識とコツの 今年で24年を迎える九州航空宇宙開 講演をいただいた。九航協は九州企業 発推進協議会は、平成28年度定時総会 の航空機産業への参入に向けていよい 並びに記念講演会を開催した。 よ本格的な活動時期に入ってきた。 〔産業振興部 文野〕 25日(月) 行財政委員会第1回企画部会 福岡市・九経連会議室 総会においては前年度の宇宙・航空 26日(火) 東九州軸推進機構第26回総会 大分市・大分オアシスタワーホテル 出席者:140名 産業関連の事業報告と決算報告、それ を踏まえた28年度の事業計画・予算案 が提示され、参加者全員の同意を得て 承認となった。参加会員企業の航空機 部品産業参入を目指す「九航協エアロ 東九州地域における産業・経済の活 スペース・ネットワーク(QAN) 」に 性化を図ることにより、各地域の特性 よって参加企業が昨年10社増え会費収 本企画部会では、企業の競争力強化 を活かした魅力ある東九州経済圏の形 入が増加することから、今年度は海外 と九州の地域活性化に繋がる行財政の 成に資することを目的に設立された の航空機製造市場を視野に入れた営業 基盤づくりを推進するための取組みに 「東九州軸推進機構」の第26回総会が開 活動の強化など活動範囲を広げる。ま 出席者:14名 関する協議を行っている。 催された。 た、QAN参加企業がチームとして多工 当日は5〜6月に委員会全委員(175 総会では、平成27年度事業報告及び 程一貫で受注できる体制を対外アピー 社)を対象に実施した「行財政への取組 収支決算報告、平成28年度事業計画 ルし、Tier1・Tier2企業に売り込みを み実態・考え方に関するアンケート」 (案)及び収支予算(案) 、実務者会議の の結果に基づき、今後の課題について 設置及び規約の改定について(案) 、並 記念講演では、 (一財)リモート・セ 協議を行った。 びに東九州地域の活性化推進に関する ンシング技術センターの古田竜一マ 要望(案)について審議し、全て原案ど ネージャーより「衛星リモートセンシ おり承認された。 ングによるソリューション提供サービ その結果、①会員企業が本業を通じ て 地 域 活 性 化 に 貢 献 し て い く た め、 CSV(Creating Shared Value/共通価 値の創造)の取組み事例を会員企業へ展 引き続き、慶應義塾大学商学部教授 かける計画である。 ス」についてお話しいただき、衛星か らの情報を産業振興、防災に有効に利 開、②官民一体となって社会課題を解 決するため、官民連携の重要性とその やり方についての調査・研究、③「道 州制」 「広域連携」の実現に向けた問題 提起の3点を中心に今後取組むことで 合意した。 201 6/9 九経連月報 1 5 7月 July 用する事例を紹介、同センターの利活 用の仕方についてご説明いただいた。 28日(木) 講演後時間をオーバーするほどの質問 第4回アセアン懇談会 が出され、同事業に対する期待がうか 福岡市・九経連会議室 がえた。 〔産業振興部 文野〕 出席者:22名 国際委員会では、 「第4回アセアン懇 談会(座長:龍造寺健介・国際委員会副 27日(水) 一億総活躍・地方創生全国大 会in九州 福岡市・ホテルニューオータニ博多 出席者:約2,000名 れまでは、タイ、インドネシア、ベト ナムと1カ国ずつの議論を行ってきた 姿勢、TPPの負の側面、企業サイドか らのAECのリスクなどについて意見が 交わされた。 〔国際部 米田〕 29日(金) 第10回外国人介護士受入れ検 討WG 福岡市・九経連会議室 出席者:19名 が、今回は、2015年12月のASEAN経 昨年からスタートした本WGも第10 7月27~28日に開催された「一億総 済共同体(AEC)の発足によって人口 回を迎え、分科会ごとに各テーマを掘 活躍・地方創生全国大会 in 九州 ~震 6億人、GDP300兆円の統一市場となっ り下げて具体的なアクションに着手し たASEAN全体を対象とした。 ている。 こ 災を克 えて~」の27日のプログラム 「KYUSHU PRESENCE -アジアの世 まず、㈱三菱東京UFJ銀行国際業務 留学生分科会では、現場の生の声を 紀と九州-」に、九州地方知事会の広 部部長の森下善雄氏より「日系企業が 集約するため、福岡市内の介護施設・ 瀬勝貞会長(大分県知事) 、九州大学の ASEANに注目するこれだけの理由〜 日本語学校・介護福祉士養成校など約 久保千春総長と本会麻生泰会長が登壇 AEC、TPPでさらに高まる魅力〜」と 1,300件に対し、アンケートを実施し し、九州の産官学それぞれの立場から、 題して、ASEANの概観、AECの目指 た。また、在留分科会では、アジア全 九州が抱える課題や、これまでの取り すもの、TPPの概要とその経済効果、 体の介護技術向上を見据え、介護教育 組み実績、今後の取り組みの方向性等 個別企業の展開事例、ASEAN進出の10 から就労までをワンストップで行う人 について紹介した。 の魅力などの紹介があり、続いて日本 財育成センター設立の提案があげられ 麻生会長は「少子高齢化、人口減少 通運㈱福岡海運支店課長の井上智晶氏 た。ともに、特区申請を視野に入れ、 社会が進む中、九州の強み・恵みを生 より「アセアン・陸路クロスボーダー 今後の議論にて詳細を詰めていく予定 かし、成長するアジア等の外需取り込 輸送の現状と課題」と題して、AEC発 である。その他の分科会でも、着実に みが経済発展のポイントである」とし 足に伴う物流面の変化、越境交通の進 歩みを進めている。 て、第一次産業の輸出拡大やインバウ 捗状況、陸路輸送における現在の課題 今秋の国会で、在留資格や技能実習 ンド拡大をはじめとした観光産業の取 などについてビジネス事例の報告がな 制度の見直しが検討されることを見据 り組み、留学生の活用の必要性、熊本 された。そして、九経連国際部の菊池 えつつ、更に先進的な取り組みを九州 地震からの「創造的復興」に向けた取 大介課長より、ホーチミンからプノン から始められるよう、今後のWGもス り組みへのオール九州での支援等につ ペンまでの南部経済回廊を実走した報 ピード感を持って進めていく。 いて述べ、 「 『九州から日本を動かす』と 告を行った。これらを踏まえ、流通を いう気概をもって、九州から尖った成 支える道路インフラの実情、中国の影 功事例を発信していきたい」と述べた。 響度合い、AECの抱える問題、特に非 〔企画調査部 内場〕 1 6 委員長・企画部会長) 」を開催した。こ 関税障壁解決に向けた各国の取り組み 九経連月報 201 6/9 〔産業振興部 高野〕 講演要旨 「九州が日本の課題を解決する フロントランナーに」 サントリーホールディングス㈱ 代表取締役社長 (平成28年6月6日(月)第56回定時総会での特別講演) 新浪 剛史 1.日本経済の現状=消費の現状 アベノミクスでデフレからの完全脱却を目 指しているところであるが、問題は個人消費。 消費税8%への増税前の水準まで個人消費 は回復していない。 消費や輸出など先行きは不透明で、現役世 代は将来の社会保障負担増大に備えて消費に は向かわず、節約している。 投資についても、全国平均と比べて九州は 伸び悩んでおり、人口減少社会で企業も将来 の消費が伸び悩むと予測している。 民間企業が国内投資を積極的にするような 社会保障改革、働き方改革、労働力不足など の課題解決が重要であり、引き続き、安倍政 権の経済財政諮問会議の民間議員として取り 組んでいきたい。 2.健康長寿社会の実現 社会的課題の解決は、持続的経済成長には 欠かせないものである。 例えば、治療から予防へのシフトで健康寿 命が延び、QOL(生活の質)も向上する。社会 保障費の伸びをコントロールすることによっ て若い現役世代の活力向上にもつながる。健 診受診率を上げてデータを集積できれば、そ こにビッグデータとしての価値が生まれる。 結果、健康や運動、食生活への指導につなが り、健康食品などへの民間投資が増大。さら に、公的サービスの分野を民間に開放するこ とで、裾野の広い新産業を育成できる。 このような新たな社会システムを構築する ことで、健康長寿、健康立国が実現する。さ らに、この新しい社会システムを、これから 高齢化社会を迎える国に輸出してはどうだろ うか。 3.社会的課題の見える化 ただ歳出を削減するのではなく、成長が見 込める分野にはどんどん投資していく。 今般、安倍総理の指示により、基礎自治体 別・都道府県別に、社会的課題の取組状況を データで“見える化”した。 結果、どの地域が積極的に挑戦し、効果を 出しているかが見えてきた。 【九州の課題の“見える化”】 ○社会保障関係 ・健康寿命:福岡、佐賀、長崎は、全国平均(男 性71.2才、女性74.2才)を下回る。 ・一人当り医療費:上記3県が全国ワースト9に 入っている。(全国平均487.2千円) ・特定健診受診率:大分以外の九州各県が全国 平均(47.1%)を下回る。 ○ITリテラシー ・PC1台当たり児童・生徒数:全国1位の佐賀 2.6人に対し、福岡7.8人。(全国平均6.4人) ・家庭へのインターネット普及率:福岡を除い て総じて低い水準。(全国平均82.8%) ○その他 ・担い手への農地集約:佐賀(68.8%)以外の九 州各県が全国平均(52.3%)を下回る。 ・県別PFI実施市町村の割合:福岡(17件)以外 は1〜4件でバラつきが大きい。 (民間活力を得て、生産性向上へ) 一 方 で、 九 州 に も 素 晴 ら し い ト ッ プ ラ ン ナー事例がある。例えば、福岡の企業が開発 した糖質を抑えたパンが糖尿病の人たちに大 変喜ばれている。今後は医療と連携した付加 価値の高い食品が増えていくだろう。 こうした成功事例を九州内で共有、横展開 していくことで、九州にはトップランナーと して、何事にも最先端の地域となっていただ きたい。 201 6/9 九経連月報 1 7 講演要旨 「鮮度保持機能付き20フィートリーファー コンテナ『fresh bank』の開発について」 (平成28年6月14日(火)農林水産委員会での講演) 【日通商事とは】 日通商事㈱は、東京都港区海岸に本社を構 え、全国に197カ所の事業所を有する日本通運 ㈱のグループ会社であり、会社創立は、昭和 39年、売上高は2014年度で約4,110億円、従業 員数約2,400人の輸送関連企業である。 主な事業は、物流商品・機器の開発・販売 及び石油、LPガスの販売そして物流事業者の サポート・支援事業などである。 【商品コンセプト】 生鮮品のコールドチェーンに変革をもたら すべく「生鮮品をゆっくり運びながら鮮度を 保つ」「生鮮品を在庫し食生活を変革する」を コンセプトに開発を進めてきた。 【「fresh bank」について】 日通商事㈱では、今回開発したコンテナを 「fresh bank」と命名している。 「fresh bank」とは、簡単に説明すると既に 普及しているリーファーコンテナに電場技術 を組み合わせてこれまで以上の長時間鮮度保 持を可能にしたものである。 ちなみにリーファーコンテナとは、冷蔵、 冷凍機能を有する輸送用コンテナの総称である。 「fresh bank」の基本スペックは、外形寸法 で奥行20フィート(約6m)、高さ約2.6m、間 口幅約2.4m。 鮮 度 保 持 の た め の 主 要 装 置 の 構 成 は、 冷 凍・冷蔵装置と庫内温度最適化制御システム 「TRimax」そして「fresh bank」の特徴である 「電場発生」装置となっている。(図−1参照) 「fresh bank」の最大の特徴である電場発生 装置で生鮮食品の腐敗物質の発生を抑制する ことにより従来の冷気制御だけではできな かった長時間の鮮度保持が可能になった。 「fresh bank」の付加価値機能として、GPS 機能を搭載し、温度管理や事故診断を遠隔で 常時監視・操作できるようにしている。 18 九経連月報 201 6/9 日通商事㈱ 営業企画部 課長 石井 誠 電場発生装置 図−1庫内装置配置図 【性能評価と今後について】 現在の開発進捗状況は、1号試作機による 実証試験が完了した段階でイチゴ、さくらん ぼ、キャベツ等での3~4週間保管試験では 殆ど劣化がみられず非常に良好な結果が得ら れている。 また、市場投入用の量産型コンテナの製作 にも着手しており、実証試験を経た後、今年 度内の市場投入を目指している。 今後のビジネスモデルとしては、輸送分野 と保管分野での拡大を目指している。 輸送分野では、長期間鮮度保持の利点を活 かして海上輸送への活用を図っていく。 「fresh bank」と海上輸送を組み合わせるこ とにより、より遠くへ、より鮮度の高い生鮮 食品を安価に届けることができるようになる ため、国内輸送のみならず、輸出においても 貢献できるものと考えている。 保管分野では、特に需給バランスの変動が 激しい青果物の保管庫として利用する傍ら、 輸送においてはこのコンテナごと車載或いは 船積みする形態の「移動式保管庫」としての 活用を考えている。 講演要旨 「地方の生きる道 …木工の街 大川の挑戦」 (平成28年6月14日(火)農林水産委員会での講演) 【木工の街 大川の歴史】 大川家具は、室町時代・天文5年(1536年)が 起源とされ、船大工の技術を活かした指物家具 を生産していた。 原材料の木材は、筑後川河口部の地の利を活 かして、日田地方から豊富に供給を受けること ができており、明治になってからは、大型木造 船の建造も行うようになった。 大川家具 が全国に知 られるよう に な る の は、昭和30 年 開 催 の 「第1回全 国優良家具 明治から大正期に栄えた深川造船所 展」に出展 したのがきっかけである。 この頃から「婚礼家具・食器棚の大川」とし てその地位を確立していった。 順調に伸びていた大川家具の需要は、平成2 年頃に始まったバブル経済崩壊により出荷額が 急落し、現在でも倒産・廃業に追い込まれる事 業者が後を絶たない状況となっている。 【木工の街 大川の挑戦】 このような状況を打破すべく福岡県中小企業 振興課の音頭取りで、平成23年6月に家具・建 具・木材・ツキ板の4業種青年部組織が結集し 約30社で「大川維新の会」を発足させた。 「大川維新の会」の活動方針は、先人が培って きた大川木工技術は伝承しつつ伝統のデザイン と和家具や家庭向き志向から脱却し近代的なデ ザインの家具や建具、照明、インテリアそして 非住宅分野の製品を開発・提案していくことと した。 福岡県から3年計画で補助を受け、平成24年 2月に九州国立博物館において「大川匠の世界 コ レ ク シ ョ ンin 九州国立博物 館」を開催し多 くのマスコミか ら注目を集め た。翌年も九州 国立博物館で展 示会を開催、メ 九州国立博物館での展示風景 ンバーからは費 大川木材事業協同組合理事 (松尾樫工場 代表) 松尾 武 用対効果の面で不満が出始めた。 3年目は新宿パークタワーにおいて「大川匠 の世界コレクションin東京」を開催、数件の商 談が成立し一定の成果を得た。 3年間で県からの補助事業は終了となりこの 事業自体も一区切りとなった。参加メンバー間 で取り組みに対する温度差が顕著となり離脱す るメンバーも出たが、残ったメンバーで続ける こととなった。 4年目は、対 象を「ホテル・ レストラン」に 絞って開催する こ と に な り、 「 国 際 ホ テ ル・ レ ス ト ラ ン ショー」に出展 国際ホテル・レストランショー 展示風景 し非住宅分野へ の挑戦を試みた。結果、NHKの「Great Gear」 で放送され世界に発信されることになった。 5年目は、 「大 川維新の会」改 め「 大 川 社 中 」 と し て、IFFT 国際家具見本市 2015(東京国際 家具見本市)に 出展し、屋外向 け木製家具の新 IFFT国際家具見本市2015 展示風景 素 材「 サ ー モ ウッド」を目玉展示すると共に世界のバイヤー に「大川」をアピールできた。 【挑戦によって得たものと今後について】 5年間仲間と一緒に活動して得たことは 「個々の企業が頑張り且つ団結すること」「本物 は時代を超えて通用すること」「大川家具・木工 を世界へ普及させるという強い信念を持つこと」 これらのことを信じて活動することが大事であ ること。 自分自身の事業(松尾樫工場)では、現在、非 住宅系建物の内装や作り付け家具・什器の受 注・施工に取り組んでいる。 この分野で、大川家具の伝統技術を活かした 本物志向の木工製品の普及を図っていき、世の 中で一定の地位を占めるまでに発展させていく のが今現在の目標である。 201 6/9 九経連月報 1 9 Member introduction 会員紹介 佐伯広域森林組合 <2015年6月1日入会> 『佐伯型循環林業』を確立し、木材生産と公益機能の 両面から持続可能な森づくりを目指して 沿革・理念 昭和30年代~ 昭和40年代 戦後の造林ブーム の中、圏域旧6森林組合が主導のも と広葉樹林から人工林(杉中心)へ の拡大造林が飛躍的に進展する。 昭和62年 間 伐期(初期)を迎え、6森林組合 が連携し小径木加工場を開設する。 代表理事組合長 戸髙 壽生 平成2年 6森林組合が合併して佐伯広域森林 組合が誕生、以来森林整備を中心 の共販所(木材市場) 、杭工場、製材 工場(3万㎥規模) 、同工場用地・修 組 織 名 佐伯広域森林組合 創 業( 設 立 ) 平成2年3月31日 代 代表理事組合長 戸髙 壽生 表 者 事 業 内 容 林業(森林整備、林産、共販(木材 市場) 、木材加工販売など) 工場さらに木材集積施設を開設・整 従 業 員 数 1 43名 備するなど、地域の森林・林業とと 所 〒879-3302 大分県佐伯市宇目大字南田原283番地2 正挽き施設・乾燥施設、プレカット 在 地 もに歩んできた。 平成21年 大型製材工場の稼働により、伐採量 電 話 番 号 0972-54-3326 の大幅増⇒再造林・森林整備が飛躍 ホームページ http://www.saikiforest.or.jp 組織概要 に、新拠点(事務所)建設、2カ所 的に拡大し、森の循環が始まった。 平成24年 Mスター・コンテナ苗生産に向けて の取り組み開始 平成27年~平 成28年 未利用材搬出・木質バ イオマスチップ製造の開始 組合概要・事業紹介 私ども佐伯広域森林組合は、九州一広い佐伯 市の森林を管轄し、森林整備・林産・共販・木 材加工販売・プレカット・未利用材搬出・木質 バイオマスチップ製造など幅広く事業を展開 し、木材生産と公益機能保全の両面から持続可 能な森林管理を目指しております。 当地域は戦後の造林ブームの時代に、国の政 策と化石燃料の台頭による薪炭生産の衰退によ り飛躍的に拡大造林が進められ、当組合の前身 である6つの森林組合が連携してその主導的役 20 九経連月報 201 6/9 「Mスター・コンテナ苗」生産の取り組みは、 苗木不足対策にとどまらず生産者の副収入にも つながっており、現在の苗木必要量70万本、数 年後には100万本の需要も見込まれ、もし全量 地元生産となると生産者価格は1億数千万円に も上りこれによる地域貢献も生まれます。ま た、国の公共造林予算の大幅減は、大面積の再 事業所全景 造林を目指す当方にとっては非常に厳しいもの 割を果たして以来、今日まで佐伯の森林・林業 がありますが、再生可能エネルギー特別措置法 とともに歩み成長してきました。時代の流れの の大きな流れの中で、未利用材を搬出しチップ 中で、折々の適切な事業を積極的に展開しなが 化することで、造林(地拵え)コストの削減と らすでに半世紀以上が経過し森林(人工林)は 森への収益還元に繋がります。 熟成してきました。先人が額に汗し、大切に育 てた森林から伐出された木材に付加価値をつけ 課題もまたチャンスとしてとらえ『佐伯型循 環林業』の完成に向け前進していきます。 出来るだけ有利に販売し、さらに次代を担う豊 今後の取り組み・展望 かな森を育むため、平成21年には国内でも最大 木材生産と公益機能の両面から持続可能な森 級の能力を持つ大型国産材製材工場「宇目工 づくりを目指す『佐伯型循環林業』が確立でき 場」を開設しました。これによる効果は大き れば当組合は大きく地域に貢献できます。大型 く、工場での丸太の大量需要により直営林産事 製材工場を有しての他に先駆けた取り組みでも 業での木材の生産量は9万㎥、共販事業の丸太 あり、様々な課題に直面していますが正面から 取扱量も20万㎥を超え、伐採跡地の再造林も年 立ち向かい挑戦し逆転の発想でさらに前進いた 間300ha以上となり、森林整備(育林)事業な します。 ども含めて佐伯の森林は持続可能なサイクルで 確実に循環を始めました。 そのためには、大きな目で社会経済情勢や世 の中の流れをしっかり見据えた上での新たな取 この一連の流れを『佐伯型循環林業』と称し 組が必須となります。社会事情から住宅着工数 て、伐期を50年(木材生産と公益性の両面から の激減が予想され、木材需要の低迷対策が喫緊 最適と推定される)と定め、苗木生産から植林、 の課題となっており、安定価格による販売先の 造林地の保育管理、間伐、主伐、共販、加工販 確保と製品開拓が重要です。大手商社とコラボ 売までの多彩な事業を「宇目工場」を軸にして してのマーケットイン手法による情報取得や商 短期間のうちに飛躍的に拡大してきました。そ 品開発などの新たな建築分野への事業展開も視 れに伴い、当然の如く多くの課題も出てきまし 野に入れ、循環林業の核となる「宇目工場」を たが、これもまた新たなチャレンジであり乗り 中心に対応を強化します。1次産業から3次産 越えることで必ず何かが生まれます。その取り 業までの幅広い事業のそれぞれに、新しい流れ 組みの一端を紹介しますと、再造林の増大に伴 を先取りして英知を結集し、果敢にチャレンジ う苗木不足に対応し、新たな技術を導入した して『佐伯型循環林業』の確立を目指します。 201 6/9 九経連月報 21 Member introduction 会員紹介 <2015年7月21日入会> 企業使命観「郷土が誇る企業をつくる」 を果たすために 当社の沿革 戦前戦中「九州樫材工業高山工場」として大 隅半島の広葉樹を、鉄砲の台尻、円匙(えんぴ =ショベル)の柄木、荷車の車軸などの原料と して、近くの国鉄大隅高山駅から出荷していま した。 創業社長佐々木亀蔵は師範学校卒の小学校訓 代表取締役社長 佐々木 幸久 導であったが、昭和21年3月末を以て退職。 縁あってこの会社解散に際し年賦で買収、その 買収後暫く続いた従来の顧客との取引は、社 会構造の変化もあり、次第に旺盛な地元需要に 名 称 山佐木材株式会社 創 業 昭和23年6月23日 者 代表取締役社長 佐々木 幸久 代 表 会社概要 後、山佐産業として法人化しました。 事 業 内 容 製材および集成材の製造加工、大 型木造建築の設計施工 業、住宅、家具製造などへも進出、長く続いた 従 業 員 数 1 03名 高度成長のおかげでこれら事業は順調に売上を 会社所在地 鹿児島県肝属郡肝付町前田2090 伸ばしました。 電 話 番 号 0994-31-4141 ホームページ http://woodist.jimd.com 応えるようになり、そして木材専業から建設 事業転換のきっかけ 山佐木材㈱はグループ各社の木材需要に応え ていましたが、現社長が承継する頃から建築土 木での木材の使用率が年々低下、何らかの突破 口を模索していました。 少し前のTPP騒動に匹敵するMOSS協議、 日米林産物協議が行われていて、連日その賛否 にマスコミが賑わっていました。 アメリカの声高な主張を要約すれば、 「日本 の建築基準法が木造建築を過度に制限している のは、日本が木材輸入を制限しようとしている 22 工場全景 策略でこれは非関税障壁に当たる」ということ 宅地域への無差別爆撃により、木造であるが故 でした。 の甚大な被害が出たことへの反省によるもので これは言い掛かりで、日本政府が木造建築を す。加えて木質資源が戦後復興により枯渇に近 戦後制約したのは、米軍による犯罪的な各地住 い状態で、我が国なりの真剣な政策だったろう 九経連月報 201 6/9 と思われます。当事者・政府職員にはアメリカ を超える実績ができました。売上も製材事業の 政府の言い分はさぞ「理不尽」に思われたこと みの時に比べて概ね5倍くらいで均衡、収益も でしょう。 安定化してきています。 ただ新たな事業、木材需要に突破口を模索し 当社の現在の課題は次世代への承継と今後の ていた当社には、 「敵国」アメリカの言い分は 事業展開ですが、新しい物作りテーマとしてC 勿怪の幸いに思えました。 LT(直交集成板)と、SAMURAI集成材との 事業転換の実行 事業化に取り組んでいます。 平成元年から1年有余をコンセプト作りに費 前者は政府が成長戦略の一項に付けているも やしました。幸い宮崎大学名誉教授中村徳孫氏 のです。当然政府肝いりで一定の需要が創出さ (故人)と知り合うことができ、毎月1回数日に れるでしょうが、同時に各地に供給工場も出来 渡り木材加工などに関する濃密な指導を受ける ことができました。 て暫く需給バランスが混乱するでしょう。 後者は鹿児島大学工学部塩屋晋一教授が永年 社内でのコンセプトも次第に形を整え、安易 研究した画期的な技術であり、その優れた性能 に製品輸入に頼らず、国産材を用い自分たちで から建築の性能向上とコストダウンの可能性が 物作りをし、安定した需要確保のために、製造 高く、実用化後(2年後を想定)は一定の需要 に並行して設計、構造計算と現場施工も事業化 を確保できると見ています。まさに産学連携の しました。 お手本になる取り組みと自負しています。 当時鹿児島県内で「盛和塾」の勉強会が始ま 大隅半島という典型的な過疎地域で地方中堅 り、例会でこの取り組みを発表したところ、城 企業として、更なる事業安定と地元雇用の創出 山観光ホテルの上原専務(当時)のご紹介で同 に努めて行きたいと考えています。 ホテルのレストラン「ホルト」の受注が叶い完 成後幸い好評を得ました。 CLT(直交集成板) 城山観光ホテル・レストラン「ホルト」 今後の取り組み 「非住宅木造建築」事業開始から25年を経過 しました。主として関東以西沖縄まで10 , 00件 SAMURAI集成材 201 6/9 九経連月報 23 Member introduction 会員紹介 有限会社藤野屋商店 <2015年9月1日入会> 「おいしさは安心から、安心は自然から」 ―久住高原の大自然で育った美味しさをそのままに届けること、それが私たちの使命です。― 沿 革 文禄3年 岡藩の御用商人「藤野屋」として竹 田町にて創業。ローソクの製造と商 いを行う。 明治15年 精米業を開業 大正13年 窯煎り緑茶の販売に着手。 昭和24年 家畜飼料の取り扱いを始める。 昭和33年 大分県竹田市大字竹田町112番地に 代表取締役社長 甲斐 正章 「有限会社藤野屋商店」法人化。 , 00万円に増資。 開設。資本金15 昭和52年 資 本金を30 , 00万円に増資し、菅生 会 社 名 有限会社藤野屋商店 創 業 年 1 594年(文禄3年) 代 表 者 代表取締役社長 甲斐 正章 支店を本店に移行。運送部門を独立 事 業 内 容 鶏卵事業、ブロイラー事業、養豚事業 させ、 「有限会社藤野屋運送」設立。 従 業 員 数 53名 本社所在地 〒879-6 1 84 大分県竹田市大字菅生953番地 電 話 番 号 0974-65-2321 (代表) 関連会社等 有限会社藤野屋運送、有限会社竹 田食鳥、有限会社大地農場 ホームページ http://www.fujinoyaweb.co.jp 昭和56年 資本金48 , 00万円に増資。 「有限会社大地 昭和58年 直 入郡荻町に養豚場、 農場」を設立。母豚200頭の一貫経営。 昭和60年 直 入郡久住町に平飼い養鶏の「藤野屋 久住農場」を設立。採卵鶏240 , 00羽。 昭和62年 竹 田市大字戸上に直営養鶏場(高床 会社概要 昭和48年 竹田市大字菅生953番地に菅生支店 式) 「藤野屋ポートリー」を設立。採 卵鶏700 , 00羽。 平成4年 大地農場を規模拡大し、久住分場及 び清川分場を開設。 平成9年 大 地農場3農場において、 「ハーブ 豚」の生産開始。資本金30 ,00万円。 平成16年 新 社屋及び鶏卵のGP工場を増改 築。HACCP対応の最新設備完成。 平成21年 有限会社大地農場にて衛生と環境対 策を兼ねて新システム農場建設(母 農場に含める。ウインドレス鶏舎と 豚630頭規模) 。繁殖部門と肥育部門 なる。採卵鶏1800 , 00羽飼養。 の2サイト化を完了させる。 平成26年 「藤野屋ポートリー」の農場を大地 24 九経連月報 201 6/9 平成28年 シンガポールに平飼い鶏舎で生産す る生卵を輸出・初出荷。 経営理念 前提条件とし、 「人間の身体に本当にいい食肉 1.当たり前のことを当たり前に行う を…」という思想から「ハーブ豚」の展開をし 1.相手との約束は必ず守れ ています。 1.環境への柔軟な対応 1.身の丈経営と人材の育成 事業内容 鶏卵事業 平成の御世となり28年、藤野屋商店はお陰様 で次期社長(昇一郎)の時代が目の前となりま した。新しい発想、若者らしいチャレンジで、 現在は養鶏場、養豚場に近代的な設備の直営農 久住町、竹田市の高原地帯(標高600~800 m)を中心に養鶏事業を展開。周囲の養鶏農家 へ飼料を供給する一方、その生産物(鶏卵)を 処理・販売しています。 場を建設し、安全安心な畜産物の安定供給を展 開しています。 初期のローソクからは離れたかもしれません が、これも環境に適合していく知恵であり、取 特に弊社直営農場にて生産される「ハーブ り扱う商品を徐々に変えて、400年の歴史を刻 卵」と「久住高原の平飼い卵」は、大自然の土 むことができたのは、まさに先祖のお蔭であり の上で育雛・育成された健康的な親鶏達に、安 ます。 全な飼料とBMW 技術により活性化された飲 実は3年目から鶏卵の海外輸出に関心があり 用水を与えていますので、こんもりと盛り上 まして、農林水産省に何回もお伺いし、指導を * がった活力ある卵黄・卵白が特徴です。 受けてその申請書を提出しておりました。この *BMW:B(バクテリア) 、M(ミネラル) 、W(ウォーター (水) )のそれぞれの頭文字を引用したもので、バクテリアと ミネラルにより活性化させた水を飲料水等に使用する有機技術 度、農場の衛生対策とその環境がきちんと整備 ブロイラー事業 の疾病対策において、すべてのチェック項目で されていること、そして鶏のサルモネラ検査等 エサ、ヒナ、器材をセットで供給。徹底した 陰性が確認、評価されました。その後、シンガ 技術指導と経営診断で生産農場に確実な収入を ポール政府のAVAより正式に鶏卵輸出の認可 保証しています。 が届きました。九州で初めての農場です。その 契約生産者に対し、ヒナ、エサ及び生産資 初出荷式が平成28年6月27日にあり、事業の 材・技術を全目的に供給し、できた生産物(肉 成功を祈願しました。これからシンガポールの 用鶏ブロイラー)を引き取り、食肉業者様に販 人々や日本人レストラン等で生卵を使った料理 売をしております。生産者様には藤野屋独自の を提案・紹介し、さらなる販路拡大につなげて 共済制度もありますので、安心して経営に取り 参ります。 組んでいただけます。 養豚事業 母豚1頭の養豚家から企業経営の養豚家の 方々まで、すべての経営に最も適したエサを常 に安定してお届けします。また、種豚のあっせ ん・輸送等も行っています。 「ハーブ豚」とは衛生的で安全・安心ととも に、おいしく、ヘルシーな豚肉です。 弊社直営農場においては、健康性と安全性を 201 6/9 九経連月報 25 kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu kyushu 九州観光推進機構 ニュース 福岡県商工会議所連合会、ぐるなびとの包括連 携協定に基づく、飲食店向け外国人受入環境整 備セミナーの実施(7/25:久留米市) 福岡県商工会議所連合会、株式会社ぐるなびとの「地 域共同事業に関する包括連携協定」に基づき、久留米商 工会議所において飲食店向け外国人受入環境整備セミ ナーを実施しました。 当日は、久留米市周辺から飲食店経営者等約30名の参 加をいただきました。冒頭で当機構髙橋事業本部長から インバウンドの動向を説明した後、久留米市から外国人 旅行客受入れ観光整備補助金について説明があり、その 後、ぐるなびによるインバウンド対策の成功例や飲食店 向けサイトの紹介がありました。 参加者はインバウンド対策の 新しい方法に触れ、改めてその 重要性を感じているようでした。 九州ふっこう割プロモーション(7/16、17:名古 屋、17、18:大阪、22、23:福岡、23、24:東京) JR4社(東海、西日本、四国、九州)とタイアップし、 7月1日より実施している九州観光復興キャンペーンに 合わせたイベントを開催しました。 7月1 6、17日にJR名古屋駅、17日、1 8日にJR大阪 駅、22日、23日にJR博多駅、23日、24日にJR東京駅 で「九州ふっこう割」の告知を行うとともに、九州の観 光パンフレットや九州ふっこう割利用の旅行商品のサン プリングを行いました。 また、会場によってはステージイベントや物販等を行 い、多くの方への告知を行いま した。 その他、駅や車内等のJR各 社の媒体を使用した「九州ふっ こう割」の告知は、現在も各都 市圏で展開しています。 韓国ソウル・釜山における九州観光説明会・商 談会(7/6:韓国・ソウル、8:韓国・釜山) 韓国の旅行会社、マスコミ等に対し、熊本地震後の九 州観光の現状を伝え、九州の魅力ある観光素材のPRを 行うとともに、九州の自治体、宿泊施設、観光施設等と、 韓国側の旅行会社、ランド会社等と現地旅行会社等の商 談会を開催しました。 「Vi s i t Kyushu Spec ialCampa i gn」を順次販売して いるタイミングでの開催となっ たため、韓国側の旅行関係者か ら各県や各県観光連盟等への問 い合わせも多く、活発な商談が できる場となりました。 ●参加者(速報値) ソウル会場:日本側48団体 韓国側1 07社1 80名 釜山会場:日本側45団体 韓国側64社1 06名 感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅 6 九 州 の 小 京 都 め ぐ り そ の[ 2 ] (南九州編) 〜南九州小京都、三都物語〜 −宮崎県(日南市)、熊本県(人吉市)、鹿児島県(南九州市知覧町)− 九州の南半分、宮崎県、熊本県、鹿児島県。それぞれの地に「小京都」があるのをご存知か。飫肥藩 5万1千石の城下町・飫肥、NHK連続テレビ小説「わかば」で、放映されたのでご記憶の方も多いだろう。 飫肥城跡、古い町並み、焼酎作りの苦労、温かい人情の交わり…がたっぷり描かれていた。 これらは、城下町に共通した風情である。その面影を残す城下町は、そのまま「小京都」といって差し 支えない。 大藩であれ、小藩であれ、どこの殿様も、京の文化に憧れ、京の文化を取り入れた。京の美人どころ を、たくさんわが藩に連れてきた殿様もいる。だから、おしなべて城下町には美人が多い。なるほどと合 点されるだろう。 余談はさておいて、南の小京都を誇る飫肥、相良700年を誇る人吉(司馬遼太郎氏は青井阿蘇神社の楼 門を桃山文化の粋と評した) 、薩摩藩の外城の役目を果たしていたので武家屋敷が多い知覧の石垣に囲ま れた庭づくりの雅趣。三つの小京都を「三都物語」として売り出してはどうか。どのまちも、決して大き くはなかった。だから、変に近代都市化のもと乱開発されずに、かつての面影をしかと残している。 そこには、文化を愛する人が根付いている証しでもある。 26 九経連月報 201 6/9 福岡県 大分県 佐賀県 1日目 各地→宮崎空港(宮崎駅)→飫肥(日南市)[大手門、商家資料館、松尾 長崎県 2泊3日コース の丸、歴史資料館、振徳堂、豫章館、四半的射場、小村記念館、旧山本 猪平家、小村寿太郎墓所、旧伊東伝左衛門家、鯉の遊泳]→日南市(泊) 熊本県 宮崎県 2日目 日南市→人吉市[人吉城跡、青井阿蘇神社、焼酎蔵、味噌蔵などの蔵 人吉市 人吉温泉 めぐり、鍛冶屋町通り]→人吉温泉(泊) 鹿児島県 宮崎空港 3 日目 人吉市→南九州市知覧町[魔除けの石碑、矢櫃橋(やびつばし)、知覧 型二ツ家]→鹿児島空港(鹿児島駅)→各地 鹿児島空港 日南市 南九州市知覧町 武家屋敷通(日南市) 飫肥の昔をそのままに今に伝える「武家屋敷通」 。石垣 北九州 や生け垣も昔のままに保存され、江戸時代の風致を味わ (戸畑・門 うことが出来る。地元の観光ボランティアにより人力車 上椎 が走りぬけることもある。 飫肥城・大手門(日南市) 武家屋敷通(日南市) 飫肥城の玄関として勇壮な門構えが迎 える。釘を使用せず、樹齢百年の飫肥杉を「組み式」で復元したもの。飫肥のシン ボル的存在。NHKの「わかば」や韓国ドラマ「ウェディング」など数々の映 画・ドラマのシーンとしても活用されている。 人吉城跡(人吉市) 球磨川、胸川を自然の堀とした天然の要 塞で、相良氏の居城。別名、繊月城。多門 櫓と長塀、角櫓が復元され、かつての人吉 飫肥城・大手門(日南市) 城のたたずまいを偲ばせる。城内に人吉城 歴史館。 人吉城跡(人吉市) 青井阿蘇神社(人吉市) 人吉球磨地方最大の神社で、大同元年(806)創建。豪壮な桃山風建築様 式。相良氏の信仰も厚く栄える。 知覧武家屋敷群(南九州市知覧町) 整然と並ぶ石垣や厳かな腕木門を配し 青井阿蘇神社(人吉市) た武家屋敷群。島津藩政時代に、藩内に 113築いた外城ともいわれるもの。また、 国の名勝に指定された7つの庭園は母ヶ岳を借景にするなど古の文化を今に 伝える。 知覧武家屋敷群(南九州市知覧町) 九州観光推進機構のホームページ http://www.welcomekyushu.jp「九州旅ネット」 も併せてご覧ください。 《問い合わせ先》一般社団法人 九州観光推進機構 TEL:092−751−2943 201 6/9 九経連月報 27 山口 Yamaguchi サテライトオフィス第1号が営業開始 ~日本一のサポート体制で応援~ 山口県は、県外の企業が本拠とは別に開設するサテ ライトオフィスの誘致を進めている。 今年の7月には、誘致第1号となった株式会社ビジ コム(本社:東京都文京区)が、周防大島町和田地区 の廃校を活用して「周防大島サテライトオフィス」を 開設した。 この会社では、インターネットを活用してPOSシ ステム(商品の販売情報管理システム)の開発・販売 をしており、サテライトオフィスではその業務の一 部、通販業務などを行っている。 進出する企業にとっては、都市部と比べてオフィス の賃貸料金は格段に安く、山や海、温泉なども近くにあ るので、従業員のワークライフバランスにも理想的だ。 また、山口県は地震や台風などの災害が比較的少な いため、リスク分散先としても優れている。 一方で、サテライトオフィスの開設は、地元の雇用 の場づくりや移住者の流入に直結する。 さらに、多様な人材の交流を通じて新たな機能や サービスが創出されるなど、集落活性化の新たなモデ ルとなることも期待される。 このため、県と地元市町では、社員の住居探しから オフィスの開設支援まで、きめ細かなサポートを行っ て、積極的に誘致を進めている。 ぜ ひ、 山 口 県 で サ テ ラ イ ト オ フィスの開設を検討いただきたい。 《問い合わせ先》 山口県中山間地域づくり推進課 TEL:083-933-2553 福岡 Fukuoka 救急車?病院?迷ったら#7119 救急電話相談を開始! 福岡県では、急な病気やケガの際に、医療機関受診 の緊急度や救急車の要請の要否についてアドバイスを 行う電話相談窓口を、福岡県救急医療情報センター内 28 九経連月報 201 6/9 に開設した。 福岡県内から、短縮ダイヤル「#7119」に電話 すると、救急病院等での勤務経験を有する看護師が、 24時間・365日、 「すぐに医療機関で受診した方がよい か?」 「どういった病院で受診したらいいのか?」な ど、県民からの救急の相談に対応してくれる。 同センターでは、電話やFAXによって、その時間 に受診できる医療機関の案内も行っている。 高齢化の進展とともに、救急医療の需要がさらに高 まることが予想される中、救 急電話相談の実施が、救急医 療機関や救急車の適正利用に 繋がることが期待される。 《問い合わせ先》 福岡県医療指導課 TEL:092-643-3273 福岡県救急医療情報センター TEL:092-471-8599 ( (公財)福岡県メディカルセンター) 佐賀 Saga 九州初、夜景とプロジェクションマッピングの 融合!アート・アフター・ダークin SAGA 九州初となる夜景とプロジェクションマッピングが 融合した作品の上映を行っている佐賀県。 「夜の佐賀 県もおもしろい!」と話題になっている。 今回の作品を手掛けたのは、話題のクリエイティブ 集団「NAKED」 。東京駅やあべのハルカスなどで行 われた数々のプロジェクションマッピング作品を成功 させているNAKEDが佐賀県の夜景と歴史・文化が 融合した作品を手掛けた。 作品のコンセプトは『佐賀の灯り』 。県内で一番高 い県庁の展望ホールから見渡せる佐賀平野の夜景に佐 賀城天守が復元したり、バルーンが飛行したりと約10 分間の作品を楽しみながら、佐賀県の魅力を知ること ができる。また数回に1度の割合で、隠れキャラク ターが映像の中に登場する設定で、こちらの仕掛けも 楽しんでいただきたい。 期間中は毎日上映され、無料で観覧できる。しか も、来場者にはそこでしか手に入らないお得な飲食店 のクーポンが配布される。ぜひ、プロジェクション マ ッ ピ ン グ を ご 覧 に な っ た 後 は、 クーポンを利用して佐賀の街歩きを 楽しみつつ、美味しいお酒や食事を 楽しんでいただきたい。 【開催期間】 2017年3月31日まで 9月 20時~22時 10月~3月 18時30分~22時 (注意:日・祝は21時まで上映。またご来庁の際は、 公共交通機関をご利用ください。 ) 《問い合わせ先》 佐賀県 観光課 TEL:0952-25-7386 (土日祝)0952-24-2111 FAX:0952-25-7304 Mail:[email protected] ネ イ キ ッ ド 長崎 Nagasaki いよいよ開催!ねんりんピック 長崎2016 「ねんりんピック」の愛称で親しまれている「全国 健康福祉祭」は、60歳以上の高齢者を中心として、あ 火」 「里の火」 「患者遺族の火」の4つの祈りの火を集 め、大たいまつ(もやいの火)を作る。そして、参加 者一人ひとりが祈りの火を供えた後、祈りと誓いのこ とば、太鼓の奉納演奏を行い、海に向かっての合唱で 締めくくる。 らゆる世代の方々が楽しみ、交流を深めることができ 参加は無料で、手作りの る健康と福祉、スポーツと文化の総合的な祭典である。 お団子と塩がふるまわれる。 ながさき大会は全国から約1万人の選手団をお迎え また、会場設営や、菜の し、 「長崎で ひらけ長寿の 夢・みらい」をテーマ 花あかり作り等にご協力い に、10月15日(土)から18日(火)まで開催。県内15市 ただくボランティアも、あ 町でスポーツと文化、合わせて26種目の交流大会を実 わせて募集している。 施する。ぜひ会場へ足を運び、選手たちの熱いプレー や熟練の技を間近でご覧いただきたい。 また、長崎県立総合体育館などでは10月15日(土) から17日(月)にかけて、 「わくわく健康・元気フェス ※雨天の場合は、国立水俣病情報センター講堂において開催。 《問い合わせ先》 火のまつり実行委員会事務局(水俣市環境課内) TEL:0966-61-1647 FAX:0966-63-9044 ティバル」を開催し、高齢者による地域文化・伝統芸 能等の実演や誰もが気軽に楽しめるニュースポーツの 体験コーナー、ご当地グルメが味わえるコーナーな ど、世代を超えて楽し める様々なイベントを 大分 Oita おおいた暮らし倶楽部の会員募 集中 予定している。さらに 大会期間中、長崎県美 術館で全国から選ばれ 大分県では、人口減少に歯止めをかけるための取組 た高齢者の美術作品の を進めており、市町村と一体となって、首都圏をはじめ 展示も行われる。これ とする都市部からの移住定住の促進に取り組んでいる。 らの会場にもぜひお越 しいただきたい。 《問い合わせ先》 その取組の1つとして、大分県への移住を希望する ねんりんピック長崎2016 ロゴデザイン 方を応援するため、会員制度「おおいた暮らし倶楽 部」を作った。申込みいただいた方には、おおいた暮 長崎県福祉保健部ねんりんピック推進課 らし倶楽部会員証カードを一人ひとりに送る。また、 TEL:095-895-2485 会員の皆様には、毎月の移住相談会の開催予定など、 定期的に移住に関する情報をメールマガジンでお伝え する。 熊本 さらに、このカードを提示すれば様々な会員特典が Kumamoto 水俣市において「第21回火のま つり」を開催 受けられる。レンタカー料金、引越料金、リフォーム ローンが割引になる。移住には物心ともに大変な負担 が伴うため、移住した方の声を伺うなかで、移住検討 期から移住後まで一貫した支援を行い、移住を希望する 水俣病の経験と環境の大切さを広く内外に伝えるた 方の経済的な負担を少し め、平成28年9月24日(土)午後6時30分より、水俣 でも軽くしたいと考えて 市のエコパーク水俣親水護岸(※)において『第21回 いる。 火のまつり』が開催される。 『火のまつり』とは、水俣病で犠牲になった全ての 生命に祈りを捧げ、併せて地域の再生を願い、その思 いを炎に託す市民手づくりの行事。菜種油とガラス瓶 今後も、この特典につ い て は、 宿 泊 施 設 な ど、 順次、拡大できればと考えている。 《問い合わせ先》 を再利用して作られる「菜の花あかり」が灯された会 まち・ひと・しごと創生推進室 場で、水俣病慰霊の碑から出発した「海の火」 「山の TEL:097-506-2037 201 6/9 九経連月報 29 宮崎 Miyazaki 宮崎キャビア、生産拡大本格化! 飼育尾数日本一を誇る宮崎県産チョウザメから生産 される『宮崎キャビア1983』 。 生産・販売を手がけるジャパンキャビア株式会社 (宮崎市、坂元基雄代表取締役社長)は、現在、今年 11月の稼働を目指して新たな加工場を宮崎市に建設中 である。新加工場は、 「IoT技術」を活用して製造 を管理する最新設備を備えており、キャビア消費量の 多い欧州や米国への輸出に不可欠なHACCPに対応 した施設となる予定である。また、年間生産能力は最 大約1. 5トンと、これまで利用していた加工場(宮崎県 水産試験場内水面支場内)と比べて、大幅な生産量の 増加が期待できる。 30年以上かけて育てあげてきた『宮崎キャビア 1983』は、岩塩のみで極薄く味付けしたものを本格 熟成させており、キャビア本来の奥深い味を堪能する ことができる。5月に三重県で開催された主要国首脳 会議(伊勢志摩サミット)において、首脳ワーキング ランチなどの食材に使用され、高い評価を得たところ である。また、今年3月からの3ヶ月間、ANA国際 線ファーストクラスの機内食に使用されるなど、国内 において確固たるブランドの地位を築きつつある。 今年度中には海外への販売に向けて、県事務所を開 設している香港を中心に輸出を 計画しており、今後も官民一体 となって県産キャビアのPRを 図っていく。 《問い合わせ先》 水産政策課 企画流通担当 TEL:0985-26-7145 鹿児島 Kagoshima 香港エクスプレス航空、鹿児島 ~香港線就航 7月11日、鹿児島空港に香港の格安航空会社「香 港エクスプレス航空」が就航した。鹿児島と香港を結 ぶ航空会社は、平成26年3月から運航している香港航 空に続き2社目となる。 既存の香港航空の週5便に加え、香港エクスプレス 航空が週4便で運航を開始したことで、鹿児島と香港 が毎日繋がることとなった。 県内の観光業に対する直行便の恩恵は大きい。観光 庁の宿泊旅行統計によると、本県における香港人延べ 宿泊者数は、平成25年が11, 810人だったのに対し、 直行便が就航した平成26年が286 ,60人、週2便から週 3便に増便した平成27年は643 ,00人と、2年連続で倍 増している。 今回の香港エクスプレス就航は、それまで香港航空 を利用した団体ツアーの増加で成長してきた本県の香 港人観光客市場に、大きな変化をもたらすと見られて いる。 30 九経連月報 201 6/9 香港エクスプレスの主な客層は個人客。それも年代 の比較的若い層が、インターネットを通じて申し込む 割合が高いという。機内ではJR九州の乗り放題パス であるレールパスも購入できるため、鹿児島から日本 へ入った旅行客が、同じ香港エクスプレスが就航する 福岡から帰国するというプランも可能だ。 訪日外国人消費動向調査(観光庁)によれば、香港 人観光客の8割以上が個人客であり、これまで団体客 が多かった鹿児島の前に更に大きなマーケットが開け たことになる。 老若男女に団体客と個人客。香港人観光客の様々な ニーズや属性を見極めた方策を 施し、鹿児島と香港の人的・経 済的な交流を促進したい。 《問い合わせ先》 鹿児島県観光課 TEL:099-286-2997 沖縄 Okinawa 「第4回しまくとぅば県民大会」開催! ~今年は「しまくとぅばの日に関する条例」制定10周年~ 沖縄県の各地で受け継がれてきた「しまくとぅば」 (方言)は、地域の伝統行事等で使用される大切な言葉 であるとともに、組踊や琉球舞踊、沖縄芝居等の、沖 縄文化の基層をなしている。 しかし、平成21年に、ユネスコにおいて消滅の危 機に瀕する言語として指定され、平成25年度に行われ た県民意識調査では、8割の県民が「しまくとぅば」 に親しみを持っている反面、 「しまくとぅば」を主に 使う人は1割という実態が示された。 大切な「しまくとぅば」を次世代へ継承するため、 沖縄県では、9月18日を「しまくとぅばの日」と条例 で定め、様々な活動を通して「しまくとぅば」の普及 継承に取り組んでいる。 その一環として、9月18日に「第4回しまくとぅ ば県民大会」を開催する。今年は、 「しまくとぅばの 日に関する条例」の制定から10周年を迎えることか ら、県民大会前日の9月17日に、条例制定10周年記 念イベントも開催する。各地域の幅広い年齢層の方々 が「しまくとぅば」に親しむことができ、 「しまく とぅば」の普及に繋がるイベントなので、ぜひ多くの 方にご来場いただきたい。 ◯「しまくとぅばの日に関する条例」制定10周年記念イベント 日時:平成28年9月17日(土) 14時~17時 場所:沖縄コンベンションセンター劇場棟 ◯第4回しまくとぅば県民大会 日時:平成28年9月18日(日) 10時~12時 場所:沖縄コンベンションセンター 劇場棟 《問い合わせ先》 沖縄県文化観光スポーツ部 文化振興課 TEL:098-866-2768 表紙説明 黎明の二見「豊後二見ヶ浦」(撮影者:池田 茂 氏) (大分県佐伯市) 九州最東端に位置する大分県佐伯市のシンボルのひとつ「豊後二見ヶ浦」は、初日の出スポット などとして人気の場所となっています。 夫婦岩を結ぶ大しめ縄は、全長約65m、最大直径約75cm、重さ約2トンで、ギネスブックにも 掲載されるほど巨大なものであり、毎年、地元有志の手で張り替えられ、新年を迎えます。 雄岩と雌岩を固く結び、1年間厳しい風雨や台風などにも耐え続け、 「きれず、落ちず、強く結 ぶ」ことから、縁結び、恋愛成就、家庭円満、合格祈願、大願成就など御利益があると言われてい ます。 初日の出以外にも、3月または10月の夫婦岩の間から昇る日の出や、年末年始のライトアップさ れた姿も印象的です。 〈交通アクセス〉 鉄道 — JR九州日豊本線 浅海井駅から徒歩10分 車 — 東九州自動車道 津久見ICから国道217号経由で20分 スケジュール(9月) 日(曜) 会合名等 9日(金) 資源エネルギー・環境委員会 企画部会(福岡市・九経連) 1 2日(月) 行財政委員会・講演会(福岡市・電気ビル共創館) 14日(水) 少子高齢化・雇用委員会 企画部会(福岡市・九経連) 23日(金) 九航協エアロスペース・ネットワーク定例会議(福岡市・九経連) 23日(金) 第5回福岡空港等の運営及び地方創生研究会(福岡市・電気ビル共創館) 29日(木) 再生可能エネルギー産業化推進委員会(福岡市・九経連) お知らせ:本誌裏表紙に広告を掲載できます。詳しくは、本会総務広報部(Tel:092-761-4261) までお問い合わせください。 ◆九経連ホームページ http://www.kyukeiren.or.jp ◆九経連メールアドレス [email protected] 月報・ホームページをご覧になったご感想やご意見をお寄せください。 201 6/9 九経連月報 31
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