専門演習 西山 賢一 授業概要 本演習のテーマは「ゲーム理論の経済と経営への応用」であり、ゲーム理論を基礎から学んで、経済 や経営のさまざまな問題に応用できる力量を身につけます。経済学と経営学はいま「静かな革命」を 迎え、ゲーム理論により大きく書き換えられています。私たちはそれぞれ、自らの利益や満足感を 大事にしながら行動します。そしておたがいに利益になるときに合意が成立し、契約が成り立ちます。 これは市場だけでなく、組織においても同じことです。こうした状況を統一的に表現できるのが ゲーム理論です。90 年代に入ってゲーム理論の応用がどんどん進んできて、経済学と経営学との境目 もなくなってきました。ゲーム理論は人事、交渉、契約、所有、業績、雇用、リスク、資金、投資、 金融など、どんな分野にも首を突っ込むので、具体的な事例をふんだんに取り入れながら基礎から 理解していきます。 授業計画 ワークショップ方式で、ゲーム理論を基礎から学んで、経済や経営のさまざまな問題に応用できる 力量を身につけます。春期では、全員でケインズの美人投票ゲームや繰り返し囚人のジレンマなどの ゲームを実験して、ゲーム理論に慣れていきます。またゲーム理論の基礎になる数学を演習形式で身 に付けます。秋期では、小グループに分かれてグループ単位でワークショップをくり返して、ゲーム 理論の経済や経営への応用を楽しみます。ゲーム理論の4つの解(均衡)についても理解を深めます。 第 1 回:ゲーム理論へのお誘い 第 2〜 5回:ケインズの美人投票。株式投資から資本主義社会のとらえ直しへ。 第 6〜 9回:戦略型のゲームと展開型のゲーム。 第10〜13回:繰り返し囚人のジレンマ。しっぺ返し戦略から互酬制へ。 第14〜15回:ゲーム理論の経済と経営への応用例。 第16〜19回:ワークショップでナッシュ均衡を理解しよう。 第20〜23回:ワーウショップで部分ゲーム完全ナッシュ均衡を理解しよう。 第24〜26回:ワークショップでベイジアンナッシュ均衡を理解しよう。 第27〜29回:ワークショップで完全ベイジアン均衡を理解しよう。 第30 回:まとめ 履修上の注意 ゲーム理論は経済と経営の多分野に応用されているので、好奇心が旺盛であることがなによりも 不可欠です。行列や確率など簡単な数学を用いますが、高校レベルの数学の補習をするので、意欲が あれば大丈夫です。 評価方法 ワークショップへの参加(50%) 、ゲーム理論の理解を確かめるための演習問題への解答(50%)。 テキスト テキストは使いません。毎回、私が資料を作成して、それに沿って進めていきます。参考文献として 西山賢一『勝つためのゲームの理論』(講談社、1986) 。品切れなので必要な部分をコピーして利用。 渡辺隆裕『ゼミナール・ゲーム理論入門』(日本経済新聞社、2008) 。
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