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麦門冬の基原植物ジャノヒゲ(広義)の根茎の形態について
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北里大薬,2 都健安研セ)
◯福田 達男 1 ,石川 寛 1 ,荒金 真佐子(
[目的]日本薬局方では麦門冬の基原植物をジャノヒゲ Ophiopogon japonicus とし,
広 義 の 意 味 で の ジ ャ ノ ヒ ゲ に は 異 名 と し て , ナ ガ バ ジ ャ ノ ヒ ゲ O.ohwii,
O.japonicus var.umbrosus,カブダチジャノヒゲ O.japonicus var.caespitosus,
杭麦冬 O.chekiangensis などがある.近年国内に自生するジャノヒゲ(広義)には
直立根茎のみを持つ個体と,直立根茎と地下匐枝を持つ個体の 2 タイプがあるこ
が明らかになっており.本研究では,このような根茎の形態と麦門冬の基原植物
の間にどのような関係があるのかを検討した.
[方法]2008 年 9 月から本年までに,国内 22 地域からジャノヒゲ(狭義)及びナガバ
ジャノヒゲ 136 系統と,4 施設で栽培している杭麦冬 5 系統の計 141 系統を収集し,
生育型や葉の長さ及び幅,根茎の形態を調査し,
調査後直径 13cm の鉢に定植した.
また,1 部を 1/2000a ワグネルポットで同一条件で栽培し形態の違いを調査した.
[結果及び考察]ジャノヒゲは節間が密に詰まった垂直根茎の基部または節から,
長く細い横走する根茎(地下匐枝)を出し先に新シュートを形成した.ナガバジャ
ノヒゲは直立根茎が複数の塊となり,根茎から普通葉を持つシュートを腋生し,
また,垂直根茎から直立または斜上に太く短い根茎を出し,その先にシュートを
頂生した.さら,太く短い根茎の先に節間の詰まった太めの根茎を形成し,その
先にシュートを頂生した.杭麦冬は直立根茎から出た複数の地下匐枝にシュート
を形成し,中には普通葉を叢生するシュートも認めた,このような 3 タイプの根
茎は生育型に関係し,ジャノヒゲは群生,ナガバジャノヒゲは株立ち,杭麦冬は
株立ちでありながら群生もした.葉の長さと幅は,3 種ともレンジ内に収まった.
今後これら 3 種から麦門冬を作り品質評価を行う予定である.