科目名 担当教員 (研究室番号) 履修 年次 1年次 後期 選択 区分 選択

科目名
看護倫理
Nursing Ethics
科目
区分
担当教員
岡本 恵里(201)
(研究室番号)
科目
目的
看護実践における看護倫理の重要性を認識し、臨床現場における 倫理的問題(ジレンマ)の分析とその対処行動を探求す
る。
事例分析を通し、倫理的問題に対する感受性を高め、関係者間での倫理的調整を行うための能力を養う。
到達
目標
1.看護実践における倫理の重要性について考えることができる。
2.倫理原則、看護倫理に関する重要概念、倫理的感受性について説明できる。
3.看護者の倫理的責任について説明できる。
4.看護における倫理綱領の必要性とその活用方法について説明できる。
5.医療・看護倫理の歴史や現状をふまえ、看護倫理教育における課題について考えが持てる。
6.経験事例を通し、倫理的問題(ジレンマ)の分析とその対処行動が探求できる。
7.それぞれの専門分野において,倫理的な問題を解決・調整するための方法が説明できる。
成績評価方法
(基準)
選択
単位数
(時間)
科目等
履修生
1年次
後期
共通科目
選択
区分
授業
形態
履修
年次
2(30)
講義
可
クラスへの参加状況(10%)・プレゼンテーション(30%)・課題レポート(60%)による総合評価。
教科書
1) サラT.フライ,メガン-ジェーン・ジョンストン著,片田範子,山本あい子訳:看護実践の倫理【第3版】
倫理的意思決定のためのガイド,日本看護協会出版会,2010.
2) Joyce E.Thompsonほか著,ケイコ・イマイ・キシほか日本語版監修:看護倫理のための意思決定10のステップ,
日本看護協会出版会,2004.
2) 日本看護協会監修:新版 看護者の基本的責務-定義・概念/基本法/倫理,日本看護協会出版会,2006.
参考書等
1)ドローレス・ドゥーリーほか著,坂川雅子訳:看護倫理1~3巻,みすず書房,2006.
2)宮坂道夫著:医療倫理学の方法 原則・手順・ナラティヴ,医学書院,2006.
3)マーティン・ベンジャミンほか著,矢次正利ほか訳:臨床看護のディレンマⅠ・Ⅱ,時空出版,1997.
4)アン・H.ビショップほか著,田中美恵子監訳:全人的ケアのための看護倫理,丸善株式会社,2005.
5)アン・J.デービスほか著,小西恵美子監訳:看護倫理を教える・学ぶ 倫理教育の視点と方法,日本看護協会
出版会,2008.
6)ダニエルF.チャンブリス著,浅野祐子訳:ケアの向こう側 看護職は直面する道徳的・倫理的矛盾,日本看護協
会出版会,2002.
そのほか、授業の中で適宜紹介します。
受講者への
メッセージ
倫理的問題の認識がなくては倫理的決断はなしえません。「看護者は倫理的問題に気づいた後、そこに生じてい
る価値の対立を明確にしていき、何をなすことが効果的であるか検討して行動に移していく。」大きな課題です
が、共に考えてみましょう。
備考
学 習 内 容
【1~5回】
1.看護倫理の概要:医療・看護倫理の歴史と基本的な考え方
2.生命倫理・臨床倫理・医療倫理:自己決定、インフォームドコンセント、自律、パターナリズム
3.医療人に求められる倫理観:倫理意識、倫理原則、倫理的感受性
4.看護における倫理綱領:
1) 国際看護師協会(ICN);看護師の倫理綱領、活用方法
2) 日本看護協会(JNA) ;看護者の倫理綱領、自己学習テキスト
5.看護情報の倫理:保健医療分野のIT化に伴うセキュリティ、個人情報、守秘義務
【6~9回】
6.看護倫理に関係する重要な概念:アドボカシー、責務と責任、協力、ケアリング
7.看護者の倫理的責任:健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和
8.倫理的分析と意思決定モデル:
1) サラT.フライ;意思決定モデル
2) トンプソン;意思決定のための10ステップモデル
3) 臨床倫理の4分割表
【10~15回】
9.提示事例の分析:プレンゼンテーション
共通事例(提示事例)について各自で意思決定モデルを活用して問題・課題を明確にし、分析の視点や問題の捉え方について討議す
る。
10.経験事例の分析:プレンゼンテーション
これまでの臨床経験から倫理的問題が内在すると思われる事例を取り上げ、各自で意思決定モデルを活用して問題・課題を明確にす
る。
分析の視点や問題の捉え方、対策や今後の課題について討議する。
11.関係者間の倫理調整のための方法
※「看護研究のための倫理」については、看護研究概論(1年次前期:必修科目)で学習する。