授業科目名 : 単位/時間 : 看護と関係法規 2単位/30時間 Ⅰ 授業要旨または授業概要 【授業の目的】 人間が社会生活を送るためには、社会的ルール(しきたりや法的規範)が必要です。医療が社会 から求められている役割が大きいことはすでに学んだとおりです。 この科目では、人々の健康を護るためのサービス提供機関とそれに従事する職種の役割・機能に 関する基本的な規定について法律をとおして学習する。また、看護職が免許を有することで担わな ければならない義務と責任について考える機会とする。中でも患者の権利と医療過誤については、 事例をもとに討議をとおして法的責任の理解を深める。さらに予防衛生法や環境衛生法規など看護 実践においてどのように関連するかなども学習する。 【授業の目標】 1.現代社会における人権思想の歴史と憲法上の人権保障について世界の人権保障基準に照らして 理解し、医療と人権、特に患者と人権について理解する。 2.法の世界における基本的な概念と用語・論理の進め方について理解する。 3.医療に関する法の基本原理としくみを理解する。 4.看護職の法的根拠である保健師助産師看護師法について理解する。 5.看護業務と医療事故を事例を通して確認し、看護の法的責任を理解する。 6.労働者としての権利と患者の安全を護るため関連する法律について理解する。 7.看護学生の法的責任(義務と権利)を理解し、臨地実習を安全に実行するために秩序ある行動・ 倫理観を培う姿勢が持てる。 Ⅱ 成績評価の方法 定期試験80%、課題への取り組みや出席および受講態度、受講カードの内容20% Ⅲ 教科書 専門基礎講座 よくわかる関係法規 春日 斉編 金原出版 日本看護協会編 看護者の基本的責務-基本法と倫理- 日本看護協会出版会 Ⅳ 参考文献その他の教材 医療法制研究会監修「医療政策六法」平成21年度版 中央法規 看護行政研究会監修「看護六法」平成21年度版 新日本法規 蒔田 覚ほか編著 看護師の注意義務と責任―Q&Aと事故事例の解説― 新日本法規 2007 日本看護協会編 看護業務基準集2003年 日本看護協会出版会 日本看護協会編 看護職の社会経済福祉に関する指針―看護の職場における労働安全衛生ガイド ライン― 日本看護協会出版会 河野竜太郎著 医療におけるヒューマンエラー 医学書院 その他文献は、講義の都度、紹介しますのでできるだけ目を通してください。また法律は変更さ れますので、新聞やテレビのニュース、インターネットなどで随時新しい情報を得るように心 がけてください。 Ⅴ その他 法律は相手を護ると同時に自分をも護るものです。言葉の難しさに惑わされず、社会人・専門職 を目指すものとして意識して行動することが大切です。 看護と関係法規 Ⅵ 学習内容と配分: 回 内 容 科目ガイダンス 人権の基礎概念 憲法における人権保障 1 医療と人権 患者の人権 2 法の基礎的知識と法制度の基本的しくみ 法と規範、法と道徳、法の分類(形、役割からの分類) 生活者の健康に関わる法規の分類 3 保健医療行政機関の概要 医療と福祉に関する法令 4 保健師助産師看護師法の理解① 目的・定義・免許・試験、養成機関、業務など 授業 形態 講義 講義 講義 講義 看護職と保健師助産師看護師法の理解② 看護学生の臨地実習と法的倫理的責任 5 医療情報と臨地実習中の倫理 臨地実習中の記録 講義 看護活動に直接・間接的に関わる法とその理解① 医療関係者にかかわる法規(医師法・歯科医師法、薬剤師 6 法、コメディカルに関する法律など) 医療を行う機関に関する法規(医療法、臓器の移植に関する 法律など) 講義 看護活動に直接・間接的に関わる法とその理解② 7 薬事法規(あへん法、大麻取締法、覚せい剤・麻薬及び向精 神薬取締り法、毒物・劇物取締り法など) 講義 看護活動に直接・間接的に関わる法とその理解③ 8 予防衛生法規(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療 に関する法律、予防接種法、検疫法など) 講義 看護職と労働に関する法とその理解① 9 労働基準法・労働安全衛生法、看護職と就業規則 看護師などの人材確保の促進に関する法律など 講義 法律家からみる看護業務の法的位置づけと看護職の責任 医療裁判の現状 10 看護業務上の事故と法的責任①(民事、刑事、行政責任と道 義的・社会的責任) 講義 看護業務上の事故と法的責任②(民事、刑事、行政責任と道 11 義的・社会的責任) 事例にみる看護師の注意義務と責任 講義 12 医療に関する裁判事例からの学び 看護師が知っておきたい重要判例(最高裁判所判例) 講義 医療と個人情報保護法 13 看護師の守秘義務と個人情報保護法 個人情報保護と看護学生の義務と責任 講義 14 まとめ 講義評価 講義
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