H19 年度短期大学部栄養学科給食管理学外実習報告 短期大学部・栄養学科 実習先: 独立行政法人国立病院機構相模原病院。厚生省より、政策医療の免疫異常(リウマチ、アレルギー疾患) 分野における高度専門医療施設に指定されている。 実習期間: 8 月 13 日~8 月 25 日。このうち 18 日(土)、19 日(日)、25 日(土)は自宅学習となった。 実習内容: 糖尿病セミナーの資料を確認している風景 8 月 13 日(月) 国立相模原病院 栄養管理室概況 書 配布。各自熟読。配布された概況書と患者食事基 準について栄養士さんから項目ごとに説明を受けた。 栄養相談室にて糖尿病の患者さんの栄養指導見学。幼 児・学童の区分、おやつについて説明を受け、小児科 病棟におやつを持っていった。病棟見学。厨房見学。 8 月 14 日(火) 食事箋の打ち込み見学、説明を受 けた。食事箋の加算・非加算仕分け。 調理場でアレルギー食事のチェック見学。 (禁止食物が 入っていないかなど献立と照らし合わせて調理師さん と栄養士さんとで確認する作業)厨房作業。 (お皿出し、 フタ閉め、盛り付け、配膳) 8 月 15 日(水) 厨房作業。(お皿出し、フタ閉め、盛り付け、配膳)発注・衛生管理につい て栄養士さんから説明を受けた。高脂血症の患者さんの栄養指導見学。アレルギー専門の栄養士 さんから小児アレルギーについてお話を聞かせていただいた。自習。 (各自ノートまとめ) 8 月 16 日(木) 禁止食の献立作成について説明を受けた。栄養士さんからのお話。(糖尿病 教室、濃厚流動食、検食について)糖尿病教室見学、プリント配布等のお手伝い。痛風の患者さ んの栄養指導見学。厨房作業。(洗い物、全がゆのフタ閉め・配膳) 8 月 17 日(金) 厨房作業。 (盛り付け、魚ほぐし、フタ閉め、配膳、調理台などの拭き掃除、 お米運び)検食(味、量、盛り付け・配色等の見た目、切り方のチェック)自習。 8 月 20 日(月) 自習。(各自ノートまとめ、栄養指導練習)栄養士さんから疾病の治療・回 復における栄養士の役割についてのお話。 8 月 21 日(火) 自習。(各自ノートまとめ)室長さんから栄養部門と臨床検査部門の医療連 携についてのお話。病棟でカルテ見学、説明。食事箋の加算・非加算仕分け。 8 月 22 日(水) 調乳作業のお手伝い。 (ラベル貼り、調乳)自習。 (各自ノートまとめ)栄養 士さんから食事箋・献立についてのお話。 8 月 23 日(木) 調理場の食在庫でアレルギー食品の紹介・説明。アレルギー食の献立のたて 方について説明を受けた。自習。(各自ノートまとめ)胃ろうについての説明。 8 月 24 日(金) 室長さんからのお話。 (栄養指導、病院栄養士のしごとについて)自習。 (各 自ノートまとめ)食事箋の加算・非加算仕分け。 実習効果: この実習を通して、教科書や学校の授業では学ぶことのできない実践的なことが学べた。特に 栄養指導である。授業で自分に対する栄養指導や数人のグループに分かれて集団栄養指導を行っ た。当然のことであるが、やはり授業はあくまでも授業であり、現場で栄養士さんが実際に指導 する様子とは全く異なっていた。栄養指導の基本事項は、場に応じた行動・発言をすること、的 241 確に話をして患者さんにわかるように伝えること、不安を軽減させながら話すこと、細分化して 確認することである。個人と集団の指導方法の違いとしては、個人は患者さんそれぞれに対応し た指導の進め方(職業などの生活背景、こころの面も配慮する) ・話し方をして、集団では食事の 摂取の仕方などの話をしてあまり専門的な話はしない。また、実際の栄養指導では患者さんにわ かりやすいよう食事交換表や模型を使ったり、スーパーに売っているものなど日常生活で誰もが わかるようなものを例にあげて話をしていた。指導するにあたって注意すべき点として、あれも ダメ、これもダメではなく患者さん自身が数ある中から選択できるように、1つでも多くの選択 肢を与えてあげること、世の中に散乱する数多くの情報から医学的なふるいをかけ正しい知識を 与えてあげることが大切である。つまり、患者さんにいろいろな例を挙げ指導するには、栄養に ついての話だけでなく、患者さんの身近にある食品、テレビや雑誌で出回っている情報にも目を むけていく必要がある。 また、国立相模原病院は全国でも珍しいアレルギー専門の病院であったため、アレルギーに関 しても多く知識をえることができた。献立については一般職をベースに病院で定められた 13 品目 のアレルギーに対応した献立を展開し、さらに 13 品目以外のアレルギーを持つ患者さんに対して は一人ひとりに対応した献立を作成していく。これは、献立をたてる栄養士さんにとってとても 大変な作業であるとともに、食事を作る調理師さんにも負担がかかる。しかし、食物アレルギー の患者さんにとっておいしく食べられるはずの食事が生命を脅かす最大の敵であり、誤って摂取 した場合は取り返しの付かないことに成りかねない。そのため、献立作成ミス、調理ミスはあっ てはならないことである。 感 想: 今回病院実習に行って本当によかったと思った。栄養学科に入学した当初、私は病院の栄養士 になるという気持ちで授業に取り組んでいた。しかし、いつしかその夢もどこか自分で自信が持 てなくなり、これを学んで現場で役に立つのだろうか…と考えるようになり入学当初の思いが歪 んでいっていた。そのためこんな思いで実習に取り組んで大丈夫だろうかと不安があった。 しかし、実習1日目にして現場で働く栄養士さんを見て、病院の栄養士にという仕事に興味が湧 き出てきた。栄養士は教科書通りにいく職業ではなく、現場で多くのことを学び経験を積んでい く職業である。けれども、その基礎をつくるものは学校で学ぶことであるということが改めてわ かった。また、実際に栄養士さんから病院での栄養士の仕事内容や、やりがいについて話を聞き、 その栄養士さんが転勤で勤務していた病院を離れることになったとき、ある患者さんがくれたジ ュースや手先がうまく使うことのできない患者さんが一生懸命作ってくれたストラップを今でも 大事に持っているという話をきいて本当に感動した。すべての患者さんが感謝してくれるわけで はないと思う。でも、1人でも感謝してくれた患者さんがいると思うだけでその仕事のやりがい につながるのです。 この実習を通して、もう一度自分の夢を見つめなおすことができた。今回経験したことを生かし 未来の栄養士として努力していきたいと思った。 242
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