ビジュアル・リピート イージー・シンプル・シェア

○笹目小校内研究構想図
研究の概要
○研究主題について
本校では、学校教育目標を具現化するために、日々の教育活動に取り組ん
でいる。平成 23 年度より本格実施となった現行の学習指導要領では、知識・
技能の習徔と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視すること、
道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成することが
求められている。
○深く考える子ども
学校教育目標
○心豊かな子ども
○たくましい子ども
ビジュアル・リピート
研究主題
「『できた・のびた・わかった』笑顔あふれる笹目っ子の育成」
UD(ユニバーサルデザイン)の視点を取り入れた体育・国語科の授業作りの工夫
本校児童の実態として、
○明るく素直である
○指示されたことに対して一生懸命取り組もうとする。
という良い点がある一方で
▲自己肯定感が低い
▲学習への意欲が低い(どうせできない・『無理』)
▲授業への満足度が低い
という課題が見られた。また、戸田市の「授業がわかり、興味関心や意欲を
持って取り組んでいる児童生徒の割合」調査の学校別数値より「授業が楽し
い」
「授業の内容がよくわかる」と回答する児童が他校と比べて尐ないという
実態も見られた。
このような実態に基づき、本校では平成20年度より2年間、体育科指導
の研究を進めてきた。そこで徔られた成果と課題をもとに、互いに学び合い
ながら誰もが成功体験を味わい、学習意欲を高めようと平成22年度より戸
田市教育委員会の研究委嘱を受け、「『できた・わかった・のびた』笑顔あふ
れる笹目っ子の育成」という研究主題を設定し、研究をさらにすすめてきた。
さらに平成 23 年度より UD の視点を取り入れ、個々への配慮を大切にしな
がら全ての児童にわかりやすい授業作りを目指し、研究を深めてきた。
イージー・シンプル・シェア
イージー
シンプル
◎学習内容を絞る
・単元、本時で身につ
けさせたい内容や力
を明確にする。
◎発問を絞る
・狭く具体的に問う
・手がかりを与える(選
択肢を与える)
視覚に訴える資料作り
◎安心感を与える授業づくり
・
「できた人」
「わかった人」
に頼らない授業、みんな
が参加する授業
・
「わからない」を称賛する
(ヒントを出したり、ペア
やグループで話し合った
りしてじっくりと学ぶ)
・友達の「肯定的評価」を
いかす。
ビジュアル
◎情報を具体化する
・視覚に訴える資料作り
(短冊やカード・写
真・動画資料等)
・提示方法の工夫
(一部を隠す・提示の
順番・提示する数を工
夫する等)
・刺激量の調整
誰もが
「できた・のびた・わかった」
笑顔あふれる
笹目小学校の UD 授業
5原則
リピート
シェア
◎一人のよさを他に広げる
・みんなで一つの発言を作る
(ヒントを出し合う・他者の
発言の続きを話す・他者の
発言を繰り返す)
・ペアやグループ活動の多用
すっきりとした教室前面
(刺激量の調整)
◎似た活動を複数行う
・授業のシステム化・パター
ン化(同じ授業の流れ方
や、同じパターンの発問を
繰り返しする)
・6 年間の系統性を整理して
指導する
授業のシステム化・
パターン化
○研究の成果
・戸田市の「授業がわかり、興味関心や意欲を持って取り組んでいる児童生徒の
割合」調査の結果より
授業が
わかる
(%)
「配慮」と「工夫」
A くん・B さんへの個別の「配慮」
学習内容を絞る
(ねらい・身につけさせたい
内容の明確化)
5つの原則を踏まえ、A くん・B さんの顔を思い浮かべながら考えた全員に行う「指導法の工夫」
研究仮説
《仮説1》
○成功体験を味わわせれば、満足感が高まり
意欲的に学習できる子が育つであろう
《仮説2》
○互いに学び合える学習形態の工夫をすれば
心豊かに学習できる子が育つであろう
授業が
楽しい
(%)
児童の実態
ペア・グループ活動
(一人のよさを他に広げる)
○明るく素直である
○与えられたものや指示されたことに対して一生懸命取り組もうとする。
▲自己肯定感が低い
▲学習への意欲が低い(どうせできない・『無理』)
▲授業への満足度が低い
※どの項目も、22 年度から 24 年度にかけて伸びている。特に授業作りにユニ
バーサルデザインの視点を取り入れた 23 年度から 24 年度ののびが顕著に
見られる。
○今後の課題
御挨拶
○戸田市教育委員会
羽富
正晃
教育長
戸田市立笹目小学校におかれましては、平成2
2・23・24年度の3年間にわたり、戸田市教育
委員会の委嘱を受け、研究主題を「
『できた・のびた・
わかった』笑顔あふれる笹目っ子の育成」として、
研究と実践に取り組んでこられました。このたび、
その成果を研究紀要にまとめられましたことに、心
から敬意を表します。
学習指導要領では、知識・技能の確実な習徔、思考
力、判断力、表現力等の育成、主体的に学習に取り組む態度の育成や、児童
自ら進んで運動に親しむ資質や能力を身に付け、心身を鍛えることができる
ようにすることが大切であると示されております。また、戸田市におきまし
ては、
「生き生きと 共に育む 教育のまち 戸田」を基本理念とする第2次
戸田市教育振興計画に基づき、
「確かな学力の育成」、
「心の教育の充実」、
「健
康と体力の向上」を柱に学校教育の充実に努めているところです。
このような中で、笹目小学校におかれましては、児童の学習意欲を高め、
全ての児童にわかりやすい授業となるよう、発問や資料提示の方法の工夫等、
ユニバーサルデザインの視点を取り入れた指導方法の研究に取り組み、着実
に研究の成果をあげられました。このたびの研究成果が、御参会の先生方を
とおして各学校の教育活動に生かされるものと期待しております。
結びにあたり、明星大学人文学部心理学科准教授 小貫 悟先生をはじめ、
御指導賜りました先生方に心から御礼申し上げます。また、青柳校長先生を
はじめ、研究に取り組まれ、研究を支えてくださった教職員の皆様並びに御
協力いただきました関係各位に感謝申し上げまして、挨拶といたします。
○青柳
正彦
校長
本校では、平成22・23・24年度の3カ年に
わたり、戸田市教育委員会の委嘱を受け「『できた・
のびた・わかった』笑顔あふれる笹目っ子の育成」
を研究テーマに掲げ研究に取り組んで参りました。
昨年度からは、学力の一層の向上を目指して、全て
の子どもにとってわかりやすい授業作りのために、
ユニバーサルデザインの視点を取り入れた研究を進
めて参りました。本校に限らず、発達障害を含めて
配慮を要する児童が通常学級に多く在籍しています。そのような児童にとっ
てわかりやすい指導法の工夫や合理的配慮を心がけることが、同時に他の全
ての児童にとってもわかりやすい授業となるという考え方を基本としていま
す。また、学習環境を整えたり、児童が安心して過ごせる学級作りを進めこ
とも重要な要素と考え取り組んで参りました。
この過程で、従来より研究を進めていた本校の体育の指導法に同様の視点
が多く反映されていることを見出しました。そして、研究をさらに発展させ
るために新学習指導要領において重視されている言語活動の充実をねらいと
して国語科も研究教科に加え取組を深化させて参りました。
この間、諸先生方から御指導を賜り、徐々にではありますが成果も見えて
きたところです。今回の発表を契機といたしまして、今後もユニバーサルデ
ザインに基づく学校づくりを進めながら、児童の学力向上に向け取り組むこ
とに職員一同認識を新たにしております。
終わりに、研究の機会をいただきました戸田市教育委員会、御指導を賜
りました多くの先生方、並びに御参会の皆様に厚く感謝申し上げ挨拶といた
します。
平成22・23・24年度 戸田市教育委員会研究委嘱
▲UD への取り組みをさらに全
校で共有し、深め、広めていく
こと。
(左図の「参加」から「理解」に
向けて)
※明星大学
小貫 悟先生からいただいた資料より
研究主題
「『できた・のびた・わかった』笑顔あふれる笹目っ子の育成」
ユニバーサルデザイン
~ U D の視点を取り入れた体育・国語科の授業作りの工夫~
▲児童のアンケート結果による
授業への意欲・満足度は高まっ
たが、標準学力調査などの、目
に見える学力を向上させてい
くこと。
御指導いただいた先生方
明星大学人文学部心理学科 准教授
埼玉県教育局県立学校部保健体育課 主席指導主事
埼玉大学教育学部附属特別支援学校 副校長
戸田市立戸田中学校 教頭
戸田市教育委員会指導課 副主幹兼指導主事
戸田市教育委員会指導課 副主幹兼指導主事
小貫 悟 先生
関 克則 先生
長江 清和先生
梅野 博 先生
加藤 貴嗣先生
貫井 友宣先生
研究に携わった教職員
校長 青柳 正彦
教頭 田島 哲緒
教務主任 前田 直文
1年
○菊池 弘
志田 玲子
2年
鈴木 圭
○鈴木 太
3年
☆山下 敦
品川 朋美
4年
○板垣 正行
伊藤 洋子
5年
平井 良子
◎渡邉 謙太郎
6年
小田嶋 友子 ◎横地 真央
あじさい 仲尾次 明美 佐々木 潤子 ○吉村 光
金子 文重 萩原 節子
教務部
遠田 治 高柳 麻里 豊島 一美 ○白石 久男
上原 冨子 荒井 茂美 清水 雅子
ピーター・マー マルー・クボタ ケネディ・ギタウ
上野 七瀬
(☆研修主任 ◎各パート長 ○研修推進委員)
※平成 23 年度
教頭 酒井 康歓
夏目田 晴美 小島 朋子 新井 佐緒里 青木 晶
岩川 祐樹 サン・クワック
※平成 22 年度
校長 三國 隆夫
柿沼 厚子 鈴木 美穂 村上 綾 大森 楽音 磯下 恭子
江添 朝子 有吉 由美 高坂 友理 大島 明美
ホアン・カルロス・ルケ
○UD(ユニバーサルデザイン)…?
あとがき
戸田市教育委員会から研究委嘱を受けて 3 年。職員の会話には、
「ユニバ
ーサルデザイン」
・「わかりやすくするためには」などの言葉が多く聞かれる
ようになりました。今回の研究発表会は、本校の研究の一里塚ととらえ、こ
れからも鋭意努力を続けてまいる所存です。御参会の皆さまの御指導を今後
ともよろしくお願いいたします。これまで御指導をいただいた諸先生方に心
からのお礼を申し上げあとがきといたします。
教頭 田島 哲緒
*UD(ユニバーサルデザイン)とは
文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わず
に利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。
例:電卓や PC のキーボードの突起・トイレ等のドアの引手・シャンプー横の突起
戸田市立笹目小学校
〒335-0034 埼玉県戸田市笹目6-9-1
TEL 048-421-3524 FAX 048-422-6087
HP http://www.toda-c.ed.jp/sasame-e/