平成 27 年度 校内研究集録 よりよく生きようとする青葉っ子を育てる道徳の時間の在り方 ~児童の考えを交流する場面における手だての工夫を通して~ 福岡市立 青葉小学校 も く はじめに 1 主題設定の理由 2 主題の意味 3 研究の目標 4 研究の仮説 5 研究の内容 6 研究の計画 7 研究の組織 8 研究の実際 (1)低学年部 ア 低学年部の基本的な考え方 イ 1年生の実践 ウ 2年生の実践 (2)中学年部 ア 中学年部の基本的な考え方 イ 3年生の実践 ウ 4年生の実践 (3)高学年部 ア 高学年部の基本的な考え方 イ 5年生の実践 ウ 6年生の実践 (4)特別教育支援部 ア 特別教育支援部の基本的な考え方 イ なのはな 1 組の実践 おわりに 研究同人 じ は じ め に グローバル化がますます進展し科学技術の発展や社会・経済の変化の中で,様々な文化や価値観を 背景とする人々と相互に尊重し合いながら生きることや人間の幸福と社会の発展の調和的な実現を図 ることは,一層難しくなってきています。 教育基本法においては,教育の目的として,人格の完成を目指すことが示されています。 道徳教育は,人が一生を通じて追求すべき人格形成の根幹に関わるものであり,同時に,民主的な国 家・社会の持続的発展を根底で支えるものでもあります。道徳教育を通じて育成される道徳性は, 「豊 かな心」はもちろん,「確かな学力」や「健やかな体」の基盤ともなり,児童生徒一人一人の「生き る力」を根本で支えるものです。また,道徳教育は,個人のよりよい人生の実現はもとより, 国家・ 社会の持続的発展にとっても極めて重要な意義をもっています。したがって,道徳教育は,本来,学 校教育の中核として位置付けられるべきものです。しかし,その実態については,道徳教育の要であ る道徳の時間において,その特質を生かした授業が行われていない場合があることや,発達の段階が 上がるにつれ,授業に対する児童生徒の受け止めがよくない状況にあること,いじめ問題への対応に ついて学校や教員によって指導の格差が大きいこと等,多くの課題が指摘されています。 そこで,道徳教育の充実を図るために,道徳の時間の目標,内容,教材や評価,指導体制の在り方 等が見直され,道徳の時間を教育課程上「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに位置付けられまし た。 本校は,平成 18 年度より研究領域を道徳の時間に絞り,知・徳・体の調和のとれた,自ら考え主体 的に判断し,心身ともに健康で明るくたくましく,心豊かな人間性をもつ児童を育成するための授業研 究を継続してきました。平成26年度より,研究主題を「よりよく生きようとする青葉っ子を育てる道 徳の時間の在り方」とし,研究を進めてきました。1年次は「考えを深め合える教材選びとその活用」 に,2年次の本年度は「児童の考えを交流する場面における手だての工夫」に重点を置いて研究を深め てきました。公開を含めた授業研究を進め,話し合い活動の形態の工夫や話し合い活動に活用できる表 現活動の工夫を模索することで,児童だけでなく指導する教員も道徳の時間をもっと楽しく充実させる ための方向性を見つけたように思います。また,平成 25 年度より本年度まで継続して,学校・家庭・ 地域が一体となって子供の豊かな心を育む「心輝くまちづくり事業」を,青葉中学校保護者・青葉公民 館とともに推進していくことができました。 最後になりましたが,本校の研究について1年を通して懇切丁寧なご指導をいただきました筑紫女 学園大学 准教授 薄 千里 様,福岡市教育委員会学校指導課 指導主事 武田 綾子 様に心より感謝 申し上げます。また,日頃から子供達の健全育成に向けて,ご理解,ご支援をいただきました地域の 皆様,保護者の皆様には厚くお礼申し上げます。 そして,学年で協力しながら努力と熱意を惜しまず研究に取り組んだ本校職員に感謝と敬意を表し ます。 平成28年3月 福岡市立青葉小学校 校長 木村 真美 研究主題 よりよく生きようとする青葉っ子を育てる道徳の時間の在り方 ~児童の考えを交流する場面における手だての工夫を通して~ 1 主題設定の理由 (1)教育の今日的課題から 現代社会は,科学技術の発展と高度情報化にともない,急速に変化しており,今後もますます変化 が激しくなっていくことが予想される。 今日,道徳教育に関して,学校においては,社会全体のモラルの低下,家庭や地域の教育機能の低 下,社会体験・自然体験の不足,国際化,情報化,環境問題,福祉・健康などの社会の変化に対する 対応をいかに行うかが大きな課題となっている。 児童の道徳性は,児童を取り巻く社会の影響を大きく受けながら育まれる。そこで,これからの学 校教育における道徳教育は,家庭や地域社会の教育機能の回復を願いつつ,学校も一体となり,児童 一人一人の道徳的自覚を促し,自主性を育む中で,夢や希望を持って未来を拓き人間としてよりよく 生きてこうとする道徳的実践力が育成されるよう,一層の充実が図られなければならないとされてい る。 すなわち,社会がどのように変化しても,望ましい道徳性を身に付け,変化の激しい社会にきちん と対応できる児童たちを育成していかなければならないということである。 (2)地域および児童の実態から 本校は福岡市の東部,久山町と隣接した緑豊かな地域である。校区の中には公園も多く,児童がよ く遊んでいる姿を見かけることができる。また,野球,サッカーといったスポーツクラブや,和太鼓 などの文化サークルも盛んに行われており,多くの児童が参加し,楽しく活動している。 校区の方々の学校教育に対する関心は高く,朝の登校指導には多くのボランティアの方が,児童の安 全を見守るために交差点などで安全指導を行っていたり,子供会などの地域行事にも参加したりする など協力的である。 このような環境の中,児童の多くは,明るく素直であり,落ち着いているが,時には気持ちの行き 違いなどからトラブルを引き起こしてしまうこともある。そこで,相手の気持ちを思いやる心をもつ ことで,より楽しい学校生活を送ることができると考えられる。 (3)本校教育目標及び研究の歩みから 「人間尊重の精神を基盤として,知・徳・体の調和がとれ,たくましく生きる強い意志と実践力を もった心豊かな青葉っ子の育成」 本校教育がめざす児童像は,知・徳・体の調和のとれた児童の姿である。自ら考え主体的に判断し, 心身ともに健康で明るくたくましく,心豊かな人間性をもつ児童である。 本校では,平成 18 年度から道徳の研究に取り組んでいる。児童の実態をもとに,平成 19 年度には, 学習過程の在り方と小中連携を見据えたカリキュラム作り,平成 20 年度には,道徳的実践力を育てる ために学習過程の在り方, 平成 21, 22 年度には, 道徳的実践力を育てるためのねらいの焦点化と発問, 資料分析図を活用した授業づくり,展開後段の充実,平成 23 年度より,ねらいに迫るための表現活動 のあり方に重点を置き研究を進めてきた。また,昨年度より道徳教育推進モデル校の委託を受け,学 校と家庭,地域が一体となって心輝くまちづくりに努めようと連携を図っている。 本校教育目標の具現化を図るためにも,児童一人一人が自分の心を見つめる道徳の時間の指導を通し て, 「よりよく生きようとする道徳的実践力をもった心豊かな青葉っ子の育成」が大切であると考え, 取り組んできた 10 年目の研究である。 2 主題の意味 「よりよく生きようとする」とは,よりよい生き方を求め実践することができるよう,その基盤と なる道徳性を養い,その願いの実現を目指して生きようとすることである。 「児童の考えを交流する場面における手だての工夫」とは,資料の主人公の気持ちに共感させ,児 童の考えを交流する場面を活性化させるための手だてのことである。例えば,主人公の気持ちに共感 させるための手だてとしては,動作化や役割演技,表情図,ハート図,教師によるインタビューであ る。また,児童の考えを交流する場面を活性化させるための手だてとしてはモラルジレンマの場面を 設定することである。このような手だてを取り入れることで児童の考えを交流する場面が活性化し, よりよく生きようとする青葉っ子が育成されると考える。 3 研究の目標 道徳の時間において,児童がよりよく生きようとするため,児童の考えを交流する場面における 手だてを工夫した授業を行い,その有効性を検証する。 4 研究の仮説 道徳の時間において,児童の考えを交流する場面における手だてを工夫すれば,交流活動が活性 化し,よりよく生きようとする青葉っ子が育つだろう。 5 研究の内容 ○各学年で取り上げる内容項目 1年生 B-(6) 「主として自分自身に関すること」 (身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。 ) 2年生 2-(2) 「主として他の人とのかかわりに関すること」 (幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にする。 ) 3年生 1-(2) 「主として自分自身に関すること」 (自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げる。 ) 4年生 1-(5) 「主として自分自身に関すること」 (自分の特徴に気づき,よいところをのばす。 ) 5年生 2-(2) 「主として他の人とのかかわりに関すること」 (だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。 ) 6年生 4-(3) 「主として集団や社会とのかかわりに関すること」 (身近な集団に進んで参加し,自分の役割を自覚し,協力して主体的に責任を果たす。 ) ○表現活動の充実(話し合い活動・動作化,役割演技,心のものさし,ハート図,道徳ノート) ○話し合い活動の工夫(グルーピング,モラルジレンマ) ○家庭や地域とのかかわりを取り入れた授業の取り組み(公開学習にて) ○指導案・学習プリントなどの整理,保存 ○年間指導計画及び略案の付加修正,保存 6 研究の計画 学期 1学期 夏季休業 月 年間計画・研究主題・副主題・研究目標・仮説・内容等の設定,道徳アンケートの実施 5 各部の研究主題・研究目標・仮説・内容等の設定,指導案形式・授業づくりについて 6 指導案づくり 7 夏季休業中の研究内容についての検討 8 7 指導案づくり 学校公開日授業計画,小中連携の研修会 指導案づくり 10 高学年部全研(5年「勇太の決断」 ) 11 学校公開日 12 中学年部全研(3年「一りん車にのれた」) 1 3学期 究 内 容 4 9 2学期 研 研究集録づくりの確認 低学年部全研(1年「はしのうえのおおかみ」 ) 2 各部のまとめと研究集録づくり 3 1年間のまとめ(各部報告,意見交流,成果,課題,次年度への方向性) 研究の組織 推進委員会 推進長 (片原) 校長・教頭 低学年部(南野) 中学年部(安達) 高学年部(緒方) なのはな部(高木) 低学年部 全体会 中学年部 高学年部 8 研究の実際 (1)低学年部 ア 低学年部の基本的な考え方 ≪児童の実態から≫ 〔1年生〕 道徳アンケートの結果、 「ともだちにやさしくしていますか」という質問に「はい」 「どちらかとい えばはい」と答えた子供は95%だった。普段の生活では、友達に同調し正しい行動ができなかった り、特定の子供に固定的な感じ方や見方をもち公正・公平に判断できなかったりする子がいる。 〔2年生〕 道徳アンケートの結果, 「身の回りの人に優しくしていますか」という質問に「はい」 「どちらかと いえばはい」と答えた子供は90%だった。しかし,友達関係が少しずつ固定化してきて,気の合う 友達同士では親切な行為を自然に実践できるが,自分と関わりの少ない友達に対しては,自己中心的 に物事を進めていく姿が見られる。 ≪低学年部で取り組む内容項目≫ 〔1年生〕 B-(6) 「主として自分自身に関すること」 (身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。) 〔2年生〕 2-(2) 「主として他の人とのかかわりに関すること」 (幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にする。 ) ≪児童の考えを交流する場面における工夫≫ 〔1年生〕 ・展開前段において、自分の考えを明確にするために道徳ノートの活用をする。 ・話し合い活動の充実を図るために、動作化と役割演技を用いる。 〔2年生〕 ・道徳的価値へ迫るために,資料の続きをふせ,自分だったらどうするか考える場面を設定し、話し 合いをさせる。 ・主人公の気持ちを一人一人が共感的に捉えられるように,教師のインタビューを交えた役割演技を させた上で,話し合いをさせる。 イ 1年生の実践 第1学年4組 道徳学習指導案 指導者 本田 真里奈 1 主題名 温かい心で親切に B-(6) (温かい心で接し,親切にすること) 資料名 「はしの うえの おおかみ」 (「1ねんせいのどうとく」文溪堂) 2 主題設定の理由 〇 本学級の児童は,元気で明るい児童が多い。休み時間は,友達と仲良く遊び,学習中は,活発に発言 する姿が見られる。授業中に忘れ物をした時に,物を貸してもらったり,運動場でころんだ時に「大 丈夫」と言って慰めてもらったりして,親切にされるとうれしい気持ちになるということは理解し ている。また,親切にすることはよいことだということも分かっている。しかし,実際の生活では, まだまだ自己中心的な傾向が強く,自分の気持ちを押し通そうとするため,言い争いやけんかに発 展することが多い。そこで,グループ活動が活発になり周りの友達に目を向け始めたこの時期に本 資料を取り上げる。人に親切にすることは,相手だけでなく自分もうれしい気持ちになることに気 付かせ,友達との関わりをさらに深めていけるようにしたい。 〇 本主題は,温かい心をもって接し,親切にしようとする児童を育成するものである。温かい心と は,相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりする心である。また,親切とは温かい心で励 ましたり,援助をしたりすることである。温かい心をもって相手のことを親身になって考え,どう されたらうれしいか,自分はどうふるまうべきかについて考えることで親切な心が育まれていく。 親切にすることで,相手が助かったり自分自身もうれしい気持ちになったりしながら,信頼関係が 深まっていく心地よさを感じ取らせていくことが大切である。 本主題に関しては,これまでに「友達を思いやり,親切する」ことについての学習をしてきてい る。このことを受け,本主題では,相手に親切にされるとうれしい気持ちになることに気付かせる とともに,親切にすることのよさを感じ取らせたい。 このことは,「ジオジオのかんむり」で「誰かのために役立つ喜び,満足感」の学習につながっ ていくものであり,さらに,中学年の「相手のことを思いやり,進んで親切にする」こと,高学年の「誰 に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする」ことの大切さへと発展していく ものである。 〇 本資料「はしのうえのおおかみ」は,いじわるなおおかみが親切にすることのよさに気付き,自 分の行いを改めるという話である。おおかみの考えや気持ちに焦点をあて,いじわるをしている時 と,親切にされた後のおおかみの気持ちや言動の変化を通して,人に親切にすることは,相手だけで なく,自分もうれしい気持ちになることに気付かせたい。そして,これまでの自分を振り返らせる ことで,困っている人や自分よりも幼い人に対して温かい心をもって親切にしようとする気持ち を育てたい。 指導にあたっては,動作化や役割演技を通しておおかみの気持ちに共感させることで,温かい心 で接し,親切にしようとする道徳的心情を深めていきたい。 導入では,友達に親切にしてもらったことと,その時の気持ちについて考えさせ,本時のめあてを つかませる。 展開前段では,まず,いじわるを楽しんでいるおおかみの気持ちを捉えさせるために,「もどれ,も どれ」と言って追い返した場面を動作化させる。そして,おおかみの気持ちの変化を捉えさせるた めに,くまに抱き上げられる場面を役割演技させる。最後に,おおかみが小さくて弱い動物を渡ら せる時の気持ちを考えさせることで,温かい心をもって親切にすることは,自分もうれしい気持ち になることに気付かせる。 展開後段では,おおかみの気持ちや言動の変化から,自分の生活を振り返らせ,これから友達とど う関わっていったらよいのかを考えさせることで,温かい心をもって親切にしようとする心情を 育てたい。 終末では,温かい心をもって親切にした教師の経験を話し,今後の実践意欲を高めさせる。 3 ねらい 身近な人に親切にすると,相手だけでなく自分もうれしい気持ちになることに気付かせ,誰に 対しても温かい心で接し,親切にしようとする道徳的心情を育てる。 4 本時 平成 27 年1月 27 日(水) 5校時 1年4組教室 5 準備 資料「はしのうえのおおかみ」,場面絵,板書用短冊,道徳ノート,おおかみのお面, ペープサート,跳び箱 6 展開 主な学習活動と発問 段階 1 登場人物の紹介をする。 教師の支援 ○ 導 おおかみの気持ちになりきらせるために,全 員にお面を付けさせる。 入 (5) めあて 2 しんせつにするこころをふくらませよう。 資料「はしのうえのおおかみ」を読み,おおかみの気持 ちについて話し合う。 (1) 「もどれ,もどれ」と言って追い返したおおかみの 気持ちを考え,話し合う。 ○ いじわるを楽しんでいるおおかみの気持ち 「もどれもどれ」と言って追い返したおおかみはどんな に共感させるために,「もどれ,もどれ」と追い 気持ちだったでしょう。 返した場面を全員に動作化させる。 ・みんな弱いぞ,いばってやれ。おれは強いんだ。 ・意地悪はおもしろいな。 (2)くまの後ろ姿を見送るおおかみの気持ちを考え,話 ○ 教師がくま役になり,「こうすればいいんだ し合う。 展 よ。 」とおおかみ抱き上げる場面を,代表児童に いつまでも見送っていたおおかみはどんな気持ちだっ たでしょう。 開 前 ・びっくりしたよ。追い返さなかったなあ。 ・くまさんはいばっていなかったな。ぼくはいじわるだっ たな。 ・優しいなあ,もういじわるしないぞ。 ・うれしいな。これから優しく渡してあげよう。 役割演技させる。 ○ 抱き上げられたおおかみ役の児童や役割演 技を見ていた周りの児童に,どんな気持ちにな ったかを聞く。 ○ くまに抱き上げられたおおかみの気持ちを おさえた後に,くまの後ろ姿を見送るおおかみ の気持ちを道徳ノートに書かせる。 ○ 段 多様な考えを出すために,机間巡視をして児 童の考えを把握する。 ○ (3)橋を渡らせた時のおおかみの気持ちについて考え, 話し合う。 (25) ペアでお互いの考えを交流した後に,全体で おおかみの気持ちを発表させる。 ○ 笑顔でうさぎ達を抱えている挿絵から,おお かみの気持ちを考えさせる。 みんなを優しく橋を渡してやるおおかみはどんな気持ち だったでしょう。 ○ これまでの話し合いを通して,友達を思いや ・橋を渡してくれてとってもうれしい気持ちになったよ。 り,親切にすると自分もうれしい気持ちになる ・誰かが困っていたら,助けてあげよう。 ことを理解させる。 ・これからは,みんなに優しくしよう。 展 3 自分の生活を振り返り,親切にした経験とその時の気持 ○ 自分の生活をよく思い出して振り返りがで 開 ちを書いて発表する。 きるように,学級,家庭,社会生活の場面を具体 後 友達や周りの人が困っている時に,親切にしたことはあ 的に提示する。 段 りますか。どんな気持ちになりましたか。 ○ (10) ・友達が給食をこぼした時に,一緒に拭いてあげた。 多様な考えを出すために,机間巡視をして児 童の考えを把握する。 「ありがとう。 」と言われてうれしい気持ちになった。 ・友達がえんぴつを落とした時に拾ってあげた。 友達が笑顔になってうれしい気持ちになった。 終 末 (5) 4 教師の話を聞く。 ○ 教師の説話を聞き,親切にするとうれしい気 持ちになることをおさえ,今後の意欲を高めさ せる。 7 板書計画 8 道徳ノート 9 資料 10 成果と課題 (1)動作化について ○ キーワードに着目させて何度も動作化をさせたことで,おお かみになりきることができていて活発に意見が出た。 ○ 教師と動作化させたことで,児童がおおかみの立場になって 気持ちを考えることができた。 ○ ペープサートを使った場作りができていたことで,登場人物 を主体的に捉えることができた。 ● 児童の気持ちを高めるには,時間がかかるため短縮する工夫 動作化の様子 が必要である。 (2)役割演技について ○ 役割演技後の児童の表情から,くまに渡してもらった時のう れしい気持ちを感じていたことが見てとれた。 ○ 役割演技を見ていた周りの児童も,うれしそうな表情をして いたことから,おおかみの親切にされてうれしかった気持ちに 寄り添うことができた。 ○ 多くの児童が役割演技をしたいと意欲的に取り組むことが できた。 役割演技の様子 ● 役割演技をした児童が少なかったので,もっと多くの児童に体験させる工夫が必要があった。 ● 役割演技を見ていた児童におおかみの気持ちを尋ねることをすれば,より多くの児童の意見 を取り入れることができた。 (3)その他 ○ 全員がお面をつけるのは,1年生には学習意欲につながっており,おおかみになりきることが できていた。 ○ 大きなペープサートを使ったことで,児童が物語に入り込むことができた。 ○ 紙芝居形式で話の展開を分かりやすく伝えることができていたので,児童を話の中に引き込 むことができた。 ○ 教師の説話が実話で児童にとって身近な話題であったため,児童に親切にするとうれしいと いう気持ちを伝えることができた。 【板書】 【ワークシート】 ウ 2年生の実践 第2学年1組 道徳学習指導案 指導者 南野 1 美由紀 主題名 友達となかよく 低2-(2) (幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にする。) 資料名 「しっぽのないさる」 (日本文教出版) 2 主題設定の理由 〇 本学級の児童は,人に優しくしたり,親切にしたりしなければならないことについて理解 し,学校生活の中でも,困っている友達に声をかけたり,お手伝いをしたりする姿が見られ る。また休み時間には,友達に一緒に遊ぼうと声をかけ合う姿も見られる。アンケートの結 果でも, 「身の回りの人に優しくしていますか」という質問に,90%の児童が「はい」もし くは「どちらかといえばはい」と答えている。しかし,友達関係が少しずつ固定化してきて, 気の合う友達同士では親切な行為を自然に実践できるが,自分と関わりの少ない友達に対し ては,自分の楽しさが優先したり,友達の意見に左右されたりして,相手の気持ちを思いや って親切にすることは少ない。 そこで,集団生活にも慣れ,自分自身のことだけではなく,他へも目を向けられつつあるこの 時期に本資料を取り上げる。そして,他の人との関わりの中でも,困っている人や弱い立場の人 を思いやり,温かい心で接し,親切にすることの大切さに気づかせたい。このことは,幼い人や 高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にしようとする心情を育てる上からも意義深い と考える。 〇 本主題は,身近にいる人に温かい心で接し,親切にしようとする児童を育成しようとするもの である。親切とは,自分の利害を乗り越えて,相手の身になって考え,助け合い,喜び合うこと である。また,親切にすること,されることによって,互いに温かい気持ちになり,よりよい関 係を築くことができる。多くの人々とかかわって,よりよく生きていこうとする中で,これらの 感情や行為は不可欠なものである。低学年の児童にとって,相手の立場に立つことは容易なこと ではないが,身近な人間関係に目を向け始めたこの時期に,相手のことを考え温かく接し親切に しようとする心情を育てることは大切であると考える。 本主題に関して,一年生では「幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親切にす る」ことの大切さについての学習をしてきている。このことを受け,本主題では,相手の立場や 本当の気持ちを理解し,思いやりの心で接すれば,親切にした方もされた方も温かい気持ちにな り,よりよい人間関係が確立することに気づくことができるようにする。このことは,中学年で の「相手のことを思いやり,進んで親切にする」こと,高学年での「だれに対しても思いやりの 心をもち,相手の立場に立って親切にする」ことの大切さを考える学習へと発展していくもので ある。 〇 本資料「しっぽのないさる」は,しっぽのなくなった小猿のモンちゃんが,友達と遊ぶことを ためらい一人ぼっちのさびしい毎日を過ごしていたが,友達からの温かい言葉や気づかいにより, しっぽがないこともわすれてみんなと楽しく遊べるようになるというお話である。モンちゃんの 気持ちを共感的に捉えさせ,温かい心で接することの大切さに気づき,身近にいる人に親切にし ようとする心情を育てるために,大変有効な資料である。 指導にあたっては,モンちゃんの気持ちの変化を考えさせながら,ねらいに迫っていきたい。 導入では, 「ひとりぼっちになったことやその時の気持ち」を尋ね,モンちゃんの心情に寄り添 うきっかけを作り,学習への方向づけをする。 展開前段では,資料の前段・中段を読み,楽しそうな友達の中に入れないモンちゃんの気持ち を考えさせることで,モンちゃんがさみしくつらい思いをしていることに気づかせる。次に,資 料中段の途中までを読み,モンちゃんを遊びに誘う友達に対して, 「しっぽがないもの」とモンち ゃんが断った後,自分がモンちゃんの友達だったらどうするか話し合わせる。最後に,資料の続 きを読み,しっぽがないことを忘れるほど友達と楽しく遊んでいるモンちゃんの気持ちを考えさ せる。その際,教師のインタビューを交えた役割演技を通して,友達からの温かい言葉や心づか いによって,モンちゃんが安心して友達と遊べるようになったことや,優しく接したことでみん なが楽しい気持ちになったことに気づかせたい。 展開後段では,自分自身を見つめさせ,誰かに優しくすると,相手も自分も心が温かくなるこ とを感じさせたい。 終末では,教師が説話をし,身近な人たちに温かい心で接し,相手のことを考えて親切にして いくことのよさを感じさせ,今後の実践意欲を高めさせる。 3 ねらい モンちゃんが,友達の励ましで明るくなっていくときの気持ちを共感的に捉えることを通して, 温かい心で接すると,相手も自分も嬉しくなることに気づき,相手のことを考えて親切にしてい こうとする心情を育てる。 4 本時 平成 27 年 11 月 11 日(水) 5 準備 第2校時 2年1組教室 紙芝居,場面絵,板書用短冊,道徳ノート,お面,さるのしっぽ 6 展開 主な学習活動と発問 段階 導 1 入 学校生活で,仲間に入りたくても入れなかったときの気持 教師の支援 ○友達の中に入れないモンちゃんの心情に ち,ひとりぼっちになってしまったときの気持ちを思い出す。 寄り添うきっかけを作り,学習への方向付 けをする。 2 資料「しっぽのないさる」の前段・中段を読み,モンちゃん ○内容を分かりやすくとらえさせるため の気持ちについて話し合う。 に,紙芝居を使って読み聞かせ,挿絵や吹 〇 き出しを使ってお話を振り返る。 友達が汽車ごっこをして遊んでいるのを見たときのモン ちゃんの気持ちについて話し合う。 お友達が汽車ごっこをしているのを見たとき,モンちゃん はどんなことを思っているでしょう。 ・一緒に遊びたいな。 ・しっぽがないからできない。 ・仲間に入れてくれないだろうな。 展 3 資料中段の途中までを読み,自分が友達だったらどうするか 考え,話し合う。 自分がモンちゃんの友達だったら,どうしますか。モンち 開 ○自分の考えと友達の考えを比較し,共有 させるために,ペアや全体で交流させる。 その際,わけも言わせるようにする。 ゃんの友達になって考えてみましょう。 前 ・しっぽがないとできないから,モンちゃんは入れない。 〇話し合いを深めるために,ゆさぶりの発 ・ちがう遊びをして,みんなで遊ぶ。 問をする。 ・しっぽのかわりになるものをつけて,汽車ごっこをする。 段 ・一番後ろにモンちゃんをつけて,汽車ごっこをする。 4 資料後段を読み,モンちゃんの気持ちについて話し合う。 〇 しっぽがないことを忘れるほど,楽しく遊んでいるときの モンちゃんの気持ちについて話し合う。 モンちゃんは、みんなと楽しく遊びながらどんなことを考 えているでしょう。 ○モンちゃんの気持ちをより深くとらえさ せるために,教師のインタビューを交えた 役割演技をさせた後,道徳ノートに書かせ る。 ○児童の考えを見取り,モンちゃんが友達 から大切にされた喜びを感じていることを ・一緒に遊べて,うれしい。 押さえていく。 ・誘ってくれて,ありがとう。 ○みんなで楽しく遊ぶ挿絵の表情に注目さ ・ぼくも遊べる方法を考えてくれて,うれしい。 せ,友達のサルたちも嬉しい気持ちになっ ・しっぽがなくても友達なんだ。 ていることに気づかせる。 ○優しくすると,みんなが嬉しい気持ちに なることをおさえる。 展 3 開 自分の生活の中で,誰かに親切にしたり,されたりした経験 を振り返る。 後 ○自分の経験を想起できるようにさせるた めに,具体的な場面を提示し,道徳ノー トに書かせる。 段 終 末 4 教師の話を聞く。 ○今後の実践への意欲づけを図るために, 子供達が優しくしている姿を紹介する。 板書計画 7 「しっぽのないさる」 たのしそうに汽車ごっこを している友だちを見た時 いつもひとりぼっち しっぽがない はずかしくてあそびにいけない しっぽのないことなど、すっかりわすれて、 みんなとたのしくあそんでいる時 ・ い っ しょ にあ そ び たいな。 ・ し っ ぽが ない か ら できない。 ・ な か まに 入れ て く れないだろうな。 どうとくノート 二年 組 名前( しっぽのないさる ☆モンちゃんは、みんなとたのしくあそびながら、 どんなことを考えているでしょう。 ) 資料 だって、ぼく、 しっぽがない もの。 9 ・いっしょにあそべ て、うれしいな。 ・さそってくれて、 ありがとう。 ・ぼくもあそべるほ うほうを考えてく れて、うれしい。 ・しっぽがなくて も,友だちなんだ。 ・・・ 資料 自分の生かつをふりかえって ☆だれかにやさしくしたり、されたりしたことはありませんか。 その時、どんな気もちでしたか。 9 いちばん あとについ たらいいよ。 道徳ノート 自分がモンちゃんの友だちだったら ・ちがうあそびをして、みんなであそ ぶ。 ・ しっぽ のか わりに なるも のをつ け て、汽車ごっこをする。 ・モンちゃんを、一ばんうしろにつけ て、汽車ごっこをする。 モンちゃん、 いっしょに あそぼう。 自分の生かつをふりかえって ☆だれかにやさしくしたり、されたりしたこと。 その時の気もち。 8 9 資料 10 成果と課題 (ア)役割演技について ○ 役割演技をさせたことで,児童がモンちゃんの気持ちを実感し,見ている児童も共感するこ とができ,その後の話し合いを深めるうえで有効であった。 ○ 教師のインタビューを交えたことで,役割演技だけでは表に出ない気持ちを引き出すうえで 有効であった。 ● 取り入れ方によっては,児童がふざけたりねらいから外れたりしやすいので,日頃の指導を 重ねておく必要がある。 (イ)児童の考えを交流する場面における手だてについて ○ 場面を切って資料を提示したことで,児童一人ひとりが「自分がモンちゃんの友達だったら どうするか」ということについての意見をもち,話し合いが活性化し交流が深まった。 ○ ペア交流→全体交流にしたことで,全員が自分の考えをもつことができ,全体交流で自信を もった発言がたくさんできた。 ○ お話の続きがどうなるかを交流させ,そこで出た児童の意見を板書したことで,最後にまた その児童の意見に立ち戻り,お話の結末とは違った考えでも,それぞれの意見を価値付けする ことができた。 ● 場面を切って資料を提示するのは,資料の内容や授業の進め方によっては,児童の視点が続 きの内容の当たり外れに移ってしまう恐れがあるので,見極めが必要である。 (ウ)その他 ○ 板書の構成が、モンちゃんの気持ちの変化を比べやすくなっていた。 ○ ハートでの価値付けが視覚的にも分かりやすかった。 ○ キーワードや会話文を板書に位置付けることで、児童が資料の内容をしっかり理解すること ができていた。 ● 自分の生活を振り返るための時間をしっかり確保するために、 指導内容の精選が必要である。 ● 自分の振り返りが書けない児童への手だての工夫が必要である。 (自分の生活とつないで考え られるようにするために,教師が日頃の児童の具体的な場面での行動を記録したものを元に提 示してあげる等) (2)中学年部 ア 中学年部の基本的な考え方 ≪児童の実態から≫ 〔3年生〕 3年生の児童に道徳アンケートを実施したところ, 「自分でやろうと決めたことに諦めずに取り組 んでいますか」の項目で, 「どちらかといえばはい」が35%, 「どちらかといえばいいえ」が9%名 と答えており,自分でやろうと決めたことも諦めてしまう傾向がみられる。普段の様子を見ていても 学習や生活で困難な場面に遭遇すると, 「どうせ。」 「無理。 」などと投げやりになっている場面を見か ける。 〔4年生〕 道徳アンケートの結果, 「自分のよい所が言えますか」という質問に「はい」と答えた子供は46% と半数以下であり, 「どちらかといえばいいえ」 「いいえ」と答えた子供は23%だった。失敗したり, 友達から批判されたりすると,自分には力がないと否定的に捉えることがある。 ≪中学年部で取り組む内容項目≫ 〔3年生〕 1-(2)「主として自分自身に関すること」 (自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げる。 ) 〔4年生〕 1-(5)「主として自分自身に関すること」 (自分の特徴に気づき,よいところをのばす。) ≪児童の考えを交流する場面における工夫≫ 〔3年生〕 ・展開前段において,主人公の気持ちに共感させるために表情図を活用する。 ・話し合い活動を活性化させるため,全体交流の前にペアによる交流を取り入れる。 〔4年生〕 ・展開前段において,自分の考えを明確にするために名札の活用をする。 ・話し合い活動の充実を図るために,自分と異なる意見の人とグループによる話し合いをさせる。 イ 3年生の実践 第3学年2組 道徳学習指導案 指導者 鎌田 隆太郎 1 主題名 資料名 2 めあてに向かって 中1-(2) (自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げる) 「一りん車にのれた」 (東京書籍) 主題設定の理由 〇 本学級の児童は,今日のめあてや学級の目標に向かって頑張り,互いに声をかけ合って生活し ている。運動会では,かけっこで去年より早く走りたい,学年種目で1位を取りたいと熱心に練 習に取り組んだ。 興味のあることに対しては一生懸命に努力しようとする姿が見られる。しかし, 自分が何をやらなければならないかは理解していても,苦手なことから逃げようとしたり,失敗 するとすぐに諦めてしまったりする姿も見られる。また,アンケートの結果でも, 「自分でやろう と決めたことに諦めずに取り組んでいますか」の項目で, 「どちらかといえばはい」が12名, 「ど ちらかといえばいいえ」が3名と答えており,自分でやろうと決めたことも諦めてしまう傾向に 見られる。そこで,何でもやってみようとする意欲が高まるこの時期に本資料を取り上げる。そ して,つらい目にあったりしたときの気持ちやさほど努力せずに諦めてしまう心の弱さにも触れ た上で,自分の目標に向かって辛抱強い取り組みや,根気強く続けることの大切さに気付かせた い。このことは,自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げようとする心情を育てる上か らも意義深いと考える。 〇 本主題は,自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げようとする児童を育成しようとす るものである。人間は生きていく過程において,よりよくなろうとして,大きな人生の目標から 日々の小さな目標まで様々な目標を立てて取り組んでいく。しかし,それらの目標を何の困難も なく達成することは難しいと考える。目標を達成するためには,自分の目標に向かって粘り強く 頑張ろうという気持ちを持つことが大切である。 本主題に関しては,低学年では「自分がやらなければならない勉強や仕事は,しっかりと行う」 ことの大切さについての学習をしてきている。このことを受け,本主題では,自分がやらなけれ ばならないことだけでなく,自分でやろうと決めたことを粘り強くやり遂げることの大切さを感 じとらせる。このことは,高学年での「より高い目標を立て,希望と勇気をもってくじけないで 努力する」ことの大切さを考える学習へと発展していくものである。 〇 本資料「一りん車にのれた」は, 「わたし」が一輪車に乗る練習を毎日していたが,うまくいか ず転んで怪我をしてしまう。一度目標を投げ出すが,クラブ見学を機に再度目標に向かって練習 を続け、一輪車に乗ることができたという話である。わたしの気持ちを共感的に捉えさせ,粘り強 く頑張ることの大切さに気づき,自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げようとする実 践意欲を育てるために,大変有効な資料である。 指導にあたっては,資料「一りん車にのれた」では,わたしの気持ちを共感的に取り扱い,粘 り強く頑張ることの大切さを感じ取らせたい。 導入では,自分でやろうと決めたことを頑張った経験を発表することで,本時資料への導入を 図る。 展開前段では,まず,友達が上手に一輪車に乗っている姿を見たときのわたしの気持ちについ て考えさせる。次に,一輪車の練習中に怪我をしてしまったときのわたしの気持ちについて考え させる。その上で,一輪車クラブを見学して,上級生の技を見て,目標を立てたことを再度やり 抜こうとするわたしの気持ちを考えさせる。その際には,わたしの気持ちを共感的に捉えさせる ために気持ちを表情図で表現させ,表情図をもとにこの時のわたしの気持ちについて話し合わせ る。 そして, 一輪車に手放しで乗れるようになったわたしの気持ちについて気持ちを考えさせる。 展開後段では,自分の生活の中で,これからどのように過ごしていきたいか考えさせる。考え たことをもとに,友達と交流する。 終末では,自分の目標に向かって粘り強く頑張ろうとする大切さやよさを感じ取らせるために, 教師が説話をし,今後の実践意欲を高めさせる。 3 ねらい 諦めずに一輪車の練習を続けるわたしの気持ちを共感的に捉えることを通して,自分の目標に 向かって粘り強く頑張ろうとする実践意欲を育てる。 4 本時 平成27年12月2日(水) 5 準備 資料「一りん車にのれた」,場面絵,板書用短冊,道徳ノート,表情カード ,ペン 第5校時 3年2組教室において 6 展開 主な学習活動と発問 段階 導 1 自分でやろうと決め,頑張った経験を発表する。 教師の支援 〇 資料とつなぐために,事前に学校や日常生活 入 の中から自分で目標を決め,頑張った経験を想 (5) 起させるアンケートをとっておく。 2 資料「一りん車にのれた」を読み,わたしの気持ちに ○ 読み物資料の概要をつかませるために,教師 ついて話し合う。 (1) 友達が上手に一輪車に乗っている姿を見たときの が範読をする。 ○ 友達が上手に一輪車に乗っている姿を見て, わたしの気持ちについて話し合う。 目標を決めたときのわたしの気持ちを考えさ せるため,羨ましそうにしている表情図を提示 友達が上手に一輪車に乗っている姿を見たとき, わたし する。 はどんなことを思っていたでしょう。 ・うらやましいな。 ・わたしも上手に乗りたい。 ・転んでも頑張って練習しよう。 (2) 展 練習中に怪我をしてしまったときのわたしの気持 ちについて話し合う。 ○ 困難にぶつかり,目標に対して投げやりにな っているわたしの気持ちに共感させるために, 練習中,ひざから血が出て,あざだらけ,擦り傷だら 泣きそうになっている表情図を提示する。 けになったわたしはどんなことを思ったでしょう。 開 ・一輪車はわたしにむいてない。 ・頑張っているのに何でできないの。 前 ・上手になりたいけど,怪我をするからもうしたくない。 (3) 段 一輪車クラブを見学した次の日から,休み時間に ○ 一輪車クラブを見学した次の日から、休み時 練習をするわたしの気持ちについて話し合う。 間に練習を始めたわたしの気持ちを共感的に とらえさせるため,ペンと画用紙を配布し,わ 一輪車クラブを見学した次の日から,また練習を始め (25) たしの気持ちを表情図で描かせる。 たわたしは,どんなことを思って練習したでしょう。 ◯ 表情図をもとに,わたしの気持ちについてペ ・上級生みたいに乗れるようになりたいな。 ・友達と一緒に乗れるようになりたい。 アで話し合わせる。 ○ 目標を再度やり抜こうとするわたしの気持 ・もう一度練習を頑張って,乗れるようになろう。 ちを考えさせるために,わたしの気持ちを道徳 ノートに書かせる。 (4) 手放しで乗れるようになったわたしの気持ちにつ ○ いて話し合う。 多様な考えが出るように,机間指導で書いた 一輪車に手放しで乗れるようになったわたしはどんな 内容を見取り,意図的指名を行う。 ○ 困難を乗り越えて,目標を達成した喜びや充 実感のあるわたしの気持ちを共感的にとらせ ことを思ったでしょう。 させるために,うれしそうにしている表情図を ・目標が達成できてうれしい。 ・諦めずに練習を頑張ってよかった。 提示する。 ◯ ・もっと上手に乗れるようにまた頑張ろう。 わたしの気持ちの変化をとらえさせるため に,目標を立てたときから目標を達成するまで の板書の表情図を比較する。 展 開 後 段 (10) 3 終 4 末 (5) 今までにくじけそうになったことを乗りこえて,がん ○ これまでの経験を振り返らせるために,日常 ばって 生活や学校生活など具体的な場面を提示し,道 できるようになったこととそのときの気持ちを振り返らせ 徳ノートに書かせる。 る。 教師の話を聞く。 ○ 今後の実践の意欲づけを図るために,教師の 習い事(ラグビー)の経験について話をする。 これまでがんばったこと ・サッカー ・自転車 ・ドッジボール 「一りん車にのれた」 友だちが上手に一りん車に乗っているすがたを見たとき ・うらやましいな。 ・わたしも上手に乗りたい。 ・転んでも頑張って練習しよう 。. ひざから血が出て、あざだらけ、すりきずだらけになったとき ・頑張っているのに何でできないの。 ・上手になりたいけど,怪我をするからもうしたくな い。 ・一輪車はわたしにむいてない。 うになりたい。 ろう。 友達と一緒に乗れるよ もう一度練習を頑張っ て,乗れるようにな クラブ見学をした次の日から、また練習を始めたとき 上級生みたいに乗れる ようになりたいな。 一りん車に手ばなしで乗れるようになったとき ・目標が達成できてうれしい。 ・諦めずに練習を頑張ってよかった。 8 道徳ノート ならいごと 自分の生活をふりかえって 学習 三年 道徳ノート 道徳ノート 学校生活 組 名前( 一りん車にのれた ) ☆ 一輪車クラブを見学した次の日から、また練習を始めたわたしは どんな気持ちだったでしょう。 8 自分の生活をふりかえって ☆今までにくじけそうになったことを乗りこえて,がんばって できるようになったこととそのときの気持ち 板書計画 ・もっと上手に乗れるようにまた頑張ろう。 7 9 資料 10 成果と課題 (ア)表情図の活用 ○ 展開前段において,主人公の気持ちを表情図で表したことは,主人公の気持ちの変化をとら えさせるために有効であった。 ○ 主人公の気持ちを表情図で黒板に提示したことは,視覚的に児童に主人公の気持ちをとらえ させることができ,道徳ノートに気持ちを書かせる際に有効であった。 ○ 展開前段において,主人公の気持ちを表情図で表したことは,主人公が粘り強く練習しよう という気持ちに共感させることに有効であった。 ● 表情図を使って自分の考えを発表させる際に,なぜその表情になったのかの理由も入れて主 人公の気持ちを発表させる必要がある。 (イ)交流活動の工夫 ○ 全体交流の前に隣同士のペアで自分の考えを交流させたこと(ペア交流)は,児童が自分の 考えに自信をもたせるために有効であった。 ○ 全体交流の前にペア交流させたことは,児童が自分の考えに自信をもったので,全体交流を 活性化させるために有効であった。 ● 全体交流において,自分の考えをさらに全体に共有させるようなゆさぶる発問や話し合いの 工夫を練る必要がある。 表情図を使って発表 ウ 4年生の実践 第4学年4組 道徳学習指導案 指導者 中村 勇治 1 主題名 個性の伸長 中1-(5) (自分の特徴に気づき,よいところをのばす。) 資料名 「失敗はマイナスじゃないよ!」 (日本標準) 2 主題設定の理由 〇 本学級の児童は,自分がやらなければならない勉強や仕事に対して,目標を持って最後までし っかりとやらなければならないことについて理解している。音読や計算ドリル,漢字学習といっ た宿題や学習に進んで取り組んだり、清掃活動や係活動では,責任を持って活動しようとする意 欲的な姿が見られる。しかし,時に答えを間違えたり他人とは違う結果が出てしまったりするこ とや、やり忘れたことで友達から批判されたりすると,自分には力がないと否定的にとらえる姿 も見られる。そこで,自分の良さについて強く意識するこの時期に本資料を取り上げる。そして, 失敗すると友達よりも劣っているのではないかと考えがちになる心の弱さにも触れた上で,失敗 を生かすことの大切さに気付かせたい。このことは,自分の良さを積極的に見つけたり作ったり していこうとする心情を育てる上からも意義深いと考える。 〇 本主題は,自分の良さを積極的に見つけたり作ったりしていこうとする児童を育成しようとす るものである。自分の良さを積極的に見つけたり作ったりすることは,児童が成長していくため に大切なことである。自分ができることなはどんなことか,また何ができるようになりたいのか について考え,取り組もうとすることによって,何事にもあきらめず努力し続けることと自分の 良さを向上させる向上心とが結び付く。ひいては,良さが増えたり伸びたりした自分への気付き や,自信を持つことの喜びや充実感を感じとらせることにつながっていく。 本主題に関しては,三年生では「自分の特徴に気づき、よい所を伸ばす」ことの大切さについ ての学習をしてきている。このことを受け,本主題では,失敗から生じる劣等感にもくじけず努 力し乗り越えることの大切さを感じとらせるとともに,自信を持つことへの喜びや充実感を感じ とらせることによって,失敗を乗り越えることの大切さに気付かせる。このことは,高学年での 「自分の特徴を知って,悪いところを改め良いところを積極的に伸ばす」こと,中学校での「自 己を見つめ、自己の向上を図るとともに、個性を伸ばして充実した生き方を追求する」ことの大 切さを考える学習へと発展していくものである。 〇 本資料「失敗はマイナスじゃないよ」は,元プロテニスプレーヤーである松岡修造氏が、自ら が失敗した時の経験をもとに、失敗をプラスにとらえる考え方の良さと失敗を克服していくこと が人間を大きく成長させていくということの大切さを教えてくれる話である。松岡氏の考え方と 自分の考え方を比べることで,失敗をチャンスにすることの大切さに気づき,失敗を克服して自 信をつけていこうとする心情を育てるために,大変有効な資料である。 指導にあたっては,松岡氏の考えと自分の考えを比べさせ,失敗をプラスに捉えることの大切 さを感じ取らせたい。 導入では,自分が今までに失敗してきたことを想起させ、誰でも「失敗はいやだ。良くないこ とだ」という意識を持つことをつかませることで,本時活動への意欲付けを図る。 展開前段では,まず, 「失敗することは好きか嫌いか」について自分の考えを持たせ、討論をさ せる。次に,資料を読み、松岡氏の考え方についてわかったことを交流させる。そして,再度「失 敗することは好きか嫌いか」について自分の考えを交流させることによって、失敗することを通 して自分を成長させ、自分の良さを増やしていくことの大切さを実感させる。 展開後段では,今までの生活の中で失敗したことを生かしてプラスに変えていった経験とその 時の気持ちや行動について自分の生活を振り返らせる。 終末では,自分のよさをのばしていこうとすることの大切さを感じ取らせるために,教師が第 4学年の時の出来事について説話をし,今後の実践意欲を高めさせる。 3 ねらい 失敗を生かし乗り越えてきた松岡氏の考え方を共感的に捉えることを通して,今より良くなり たいと願い努力しようとする心情を育てる。 4 本時 平成 27 年 11 月 24 日(火) 第2校時 4年4組教室 5 準備 資料「失敗はマイナスじゃないよ!」 ,場面絵,板書用短冊,道徳ノート 6 展開 主な学習活動・内容 段階 1 主な発問・支援 ○失敗した経験について思い出させる。 ○自分に対する価値観を意識させるために失敗 導 ・リレーでバトンを落としてみんなに攻められて、悲しかった。 した経験を想起させ、話し合わせる。 入 ・給食でおかずをこぼして気まずい気持ちになってしまった。 失敗するとどんな気持ちになりますか。 失敗は嫌なこと。良くないことだ。 めあて 2 「失敗すること」について考えよう 自分の考えを出し合い,話し合う。 (5) 展 ・逆に「今度は成功してやる」とやる気 ・人に文句を言われて嫌な気持ちにな るから。 ・失敗してもあまり気にならないし平気 ・親に怒られて悲しくなるから。 では、自分の考えを発表してください。考えが 全て出されたら、相手の考えに対する疑問や反論 を出してください ○ それぞれの立場の考えを分かりやすくとら えさせるために,立場を明確にした板書を工夫 ・人に笑われたりして恥ずかしいから。 だから。 (6) 段 まず、自分の立場と理由をはっきりさせてください。 (嫌い) が出るから。 前 質問に対する自分の考えを作らせる。 ○名前カードを貼らせる。 きみは、 「失敗すること」は嫌いかな? (嫌いではない) 開 ○ 「失敗すること」について討論する。 する。 資料を読み、作者の考えについて話し合う。 ・失敗しても「よし!」と前向きに考えている。 ・失敗するからわかることがあると考えている。 ・失敗しても練習して上手になっていくと考えている。 松岡さんは、失敗することに対してどんな考えを 持っているでしょう。わかったことを書きましょう。 ○ 作者の考え方をつかませるために、本文から わかったことをもとに自分の考えをノートに ・最後に「自信」が生まれると考えている。 ・失敗は「プラス」へつながることだと考えている。 (7) 書かせる。 ○名前カードを動かさせる。 「失敗すること」に対する自分の考えを出し合う。 ○「失敗すること」に対する自分の考えを確かめ るために、話し合いをして友達の考えを聞く。 ・失敗することは自分を成長させることにつながるから。 吉岡修造さんの考えがわかりましたね。で ・失敗しても努力して自分の良さに変えていけばよいか は、質問します。皆さんは失敗することについ ら。 ・失敗することは自分を変えていくチャンスになるから。 て自分の考えが変わりましたか。変わった人も 変わらない人も、理由を出してください。 〇 多様な考えが出るように,机間指導で書いた 内容を見取り,意図的指名で発表させる。 失敗を生かすことは、自分の良さを増やすことにつながる。 展 3 自分の生活の中で,失敗を生かしてプラスに変えた経 ○ 自分の経験を想起できるようにさせるため 開 験を振り返る。 に,具体的な場面を提示し,道徳ノートに書か 後 ・学校で(学習のこと・友達とのこと) せる。そして,自分の良さが増えているという 段 ・習い事で ことに気付かせる。 終 4 教師の話を聞く。 末 ○ 今後の実践への意欲付けを図るために,教師 の子供の時の「失敗をスタートとして何度も練 私が社会科を好きになったきっかけとなった失 敗について話します。 習した結果、得意なことになった時に喜びを感 じた」話をし,自分と重ね合わせて考えさせ る。 失敗 児童から出た出来事を書く。 「失敗すること」について考えよう ・失敗することは自分を成長さ せることにつながるから。 ・失敗しても努力して自分の良 さに変えていけばよいから。 ・失敗することは自分を変えて いくチャンスになるから。 きみは「失敗すること」は嫌いかな? 嫌な気持ちになるか ・人に文句を言われて ら。 なるから。 ・親に怒られて悲しく ・人に笑われたりして 恥ずかしいから。 ・逆に「今度は成功し てやる 」とや る気が 出るから。 にならないし平気だ ・失敗してもあまり気 から。 道徳ノート 四年 組 名前( 「失敗すること」について考えよう ☆ 松岡さんは、失敗に対して、どんな考え方を持っていますか。 ☆「失敗すること」は、きらいですか、きらいではないですか。 自分の生活をふりかえって ☆ 失敗したことを生かしてプラスに変えた経験とそのときの気持ち ) 資料 失敗を生かすことは 増やすことにつながる。 9 ・失敗しても「よし!」と前向きに考えている。 習い事 資料 ・失敗するからわかることがあると考えている。 ・失敗しても練習して上手になっていくと考えている。 自分の良さを おうち 9 ・最後に「自信」が生まれると考えている。 自分の生活をふりかえって 友達 道徳ノート 名前を貼り付けるスペース 学習 8 嫌い 嫌いではない ・失敗は「プラス」へつながることだと考えている。 板書計画 7 9 成果と課題 (ア)交流活動の工夫 ○ 名札カードを使って,失敗することは「嫌い」か「嫌いではない」か自分の立場を明確にさ せたことで,誰がどの立場か視覚的にわかり,その理由を聞きたいというきっかけとなった。 ○ 名札カードを活用して異なる立場の人のところへ行き,グループをつくらせて交流させたこ とで,失敗することについて多様な考え方やとらえ方があることに気づき,自分の立場の変化 や深まりについて道徳ノートに書くことができた。 ● グループを作らせる際に,異なる立場の児童がバランスよくい意見交流できるようにする必 要がある。 ● 自分と異なる立場の人に対して,相手を納得させようということに集中する場面が見られた ので,相手の考えの根拠を聞いて自分の考えと比べるなど交流の視点を明確にする必要がある。 (イ)資料の工夫 ○ 児童にとってテレビなどで親しみのある人物(松岡修造)の実体験をもとにした自作資料を 作成したことで,資料に共感したり,主体的に考えたりすることができた。 ● 「個性の伸長」というねらいを達成するために,自作資料の内容をさらに練る必要がある。 自分の考えを発表する (3)高学年部 ア 高学年部の基本的な考え方 ≪子供の実態から≫ 〔5年生〕 道徳アンケートの結果,「誰に対しても思いやりをもって接していますか」という質問に「はい」 「どちらかといえばはい」と答えた子供は73%だった。困っている友達に優しく声をかけることが できる反面,自分の思いを優先させてしまい相手の立場に立った行動ができないこともある。 〔6年生〕 道徳アンケートの結果, 「委員会や係活動など自分の役割に責任もって取り組んでいますか」とい う質問に「はい」 「どちらかといえばはい」と答えた子供は74%だった。自分の役割の意識が狭く, ともすれば友達に無関心で,自分がよければそれでいいといった考えが垣間見られる子がいる。 ≪高学年部で取り組む内容項目≫ 〔5年生〕 2 主として他の人とのかかわりに関すること (2) だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。 〔6年生〕 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること (3) 身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し協力して主体的に責任を果たす。 ≪児童の考えを交流する場面における工夫≫ 〔5年生〕 ・自分の考えを明確にするため名札の活用をする。 ・話し合い活動の充実を図るため座席の工夫をしたり,ペアによる話し合いをしたりする。 ・道徳的価値へ迫るためモラルジレンマの場面を設定する。 〔6年生〕 ・主人公の気持ちを視覚的にとらえさせるために,ハート図を用いる。 ・自分の考えに自信をもたせ,全体交流を活性化させるため,グループによる交流を取り入れる。 イ 5年生の実践 第5学年3組 道徳学習指導案 指導者 村上 亜瑠 1 2 主題名 思いやり 高2-(2) (だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。 ) 資料名 「勇太の決断」 (自作教材) 主題設定の理由 ◯ 本学級の児童は, 「誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切ができています か」という質問に対し,86%が「できている」と答えている。実際に,落としたものを拾ってあ げる,荷物をとって渡してあげる,勉強を教えてあげるなど,相手を思いやり,親切にする姿が 見られる。しかし,親切にする相手が仲の良い友達であることが多く,必ずしも,だれに対して も同じように親切にできているわけではない。また,高学年特有の男女の関係性から,相手が同 性か異性かによっても自分の行動が左右されている。そこで,友達を思うことの大切さに触れな がら,自分の利害を超えて相手の立場を思いやることの大切さにも気付かせたい。このことは, だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする道徳的判断力を育てる上か らも意義深いと考える。 ◯ 本主題は,だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にしようとする児童 を育てようとするものである。思いやりとは,相手の立場を推し量り,自分の思いを相手に向け ることである。どのように接し,対処することが相手のためになるのかをよく考えて行動するこ とは,集団や社会の中でよい人間関係を築く上で大切なことである。また,多様な他者との助け 合いの中で,思いやりの大切さについて考えることは,人間関係の深さの違いや意見の相違など を乗り越えて,親切な行為をしようとする心情へとつながっていくと考える。 本主題に関しては,低学年において, 「幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し,親 切にする」ことの大切さについて学習している。また,中学年においては, 「相手のことを思いや り,進んで親切にする」ことの大切さについて学習している。そこで,本主題では,約束に込め られた友達の気持ちに応えようとする心と,困っている人を助けようとする心を感じ取らせ,自 分の利害を超えて相手の立場を思いやることの大切さに気付かせたい。 ◯ 本資料「勇太の決断」は,海の学習の活動班のメンバーを決める際,勇太が, 「同じ活動班にな るという健一との約束を守るために移動しない」か「おとなしいメンバーが集まった5人組の方 へリーダー役として移動する」かで,迷うという話である。勇太の葛藤を捉えさせた上で,自分 の利害を超えて相手の立場を思いやることの大切さに気付かせ,相手の立場に立って親切にする 道徳的判断力を育てるために,有効な資料であると考える。 指導にあたっては,勇太はどうすべきか考えさせ,交流を通して,班を移動することは,勇太 と健一にとっての利を捨て,5人組の立場を思いやっている点で優れていることに気付かせたい。 導入では,ゆびきりの写真から自分が過去にした約束について想起させ,約束は守るべきもの であることを確認させる。 展開前段では,まず,資料「勇太の決断」を読ませ,板書を使って整理しながら勇太が置かれ ている状況を理解させる。次に,勇太はどうすべきかを判断させ,その考えを書かせる。そして, 名札を黒板に貼らせ,自分の立場を明確にさせて意見を交流させる。このとき,必要に応じて問 い返したり,発問をしたりして考えをゆさぶり,健一の約束を破って5人組の方へ移動する考え の価値に気付かせたい。 展開後段では,交流を踏まえて,もう一度勇太はどうすべきかを判断させ,その考えを書かせ て発表させる。このとき,考えが変わった児童は名札を黒板に貼らせる。 最後に, 「勇太の決断」の続きを読ませ,自分(勇太と健一)の利を捨て,相手(5人組・全体) の立場を思いやり,親切にすることの大切さを感じさせたい。 3 ねらい 自分の利害を超えて相手の立場を思いやることの大切さに気付かせ,だれに対しても思いやりの心 をもち,相手の立場に立って親切にする道徳的判断力を育てる。 4 本 時 平成 27 年 10 月 30 日(金) 第5校時 5年3組教室 5 準 備 資料プリント,ワークシート,挿絵,名札 6 展 開 段 主な学習活動と発問 教師の支援 階 導 1 自分が約束したことを想起する。 ◯ 資料への関心を高めるために,ゆびき りの写真を見せ,約束したことを想起さ 入 せる。 2 資料「勇太の決断」を読み,勇太はどうすべき か話し合う。 (1)教師の範読を聞きながら資料を黙読する。 ◯ 内容を捉えやすくさせるために,資料 を配付し,範読する。 (2)勇太が置かれている状況について理解する。 ◯ 勇太が置かれている状況をつかませ るために,状況を整理しながら板書す 勇太は何を迷っていますか。 る。 ・班を変わるか,約束を守るか。 ◯ 迷っている理由を考えさせるために, どうして勇太は迷っているのですか。 展 ・健一と約束をしているから。 ・健一と同じ班になりたいから。 隣同士で話合いをさせる。 ◯ 交流をしやすくするために,座席を工 夫する。 ・5人組の班の活動がうまくいくか心配だから。 開 (3) 自分が勇太だったらどうするか考える。 ① 交流をコントロールするために机間 自分が勇太だったらどうするか判断し, その考えを書く。 前 ◯ 指導をして,児童の考えを把握する。 ◯ 自分の立場を明確にさせるために,黒 板に名札を貼らせる。 勇太はどうすべきですか ◯ 自由に考えさせるために,交流の途中 〔移動する〕 。 段 ・5人組の班の活動がうまくいくか心配だから。 で考えが変わってもよいことを伝える。 ◯ 考えを揺さぶるために,必要に応じて ・健一ならわかってくれると思うから。 ・自分が行かなきゃ誰もいかないから。 以下の発問をする。 ● どうして勇太はガッツポーズをしたの 〔移動しない〕 ですか。 ・健一と同じ班になりたいから。 ● 「でも」に続く言葉はなんですか。 ・健一との約束を守りたいから。 ● ・健一に嫌われたくないから。 なぜ健一は,勇太を見つめていたの ② 考えを交流する。 ですか。 ● どうして約束は守らなければいけな いのですか。 4 展 開 勇太はどうすべきか判断し,その考えを書いて 終 末 交流による考えの変化に気付かせる 発表する。 ために,考えを変えた児童は黄色の名札 をはる。 勇太はどうすべきですか。 後 段 ◯ ◯ どちらの考えも認めるために,発表し 〔移動する〕 ・リーダー役として5人組のために移動する。健 一にはあとで謝る。わかってくれると思う。 5 「勇太の決断」の続きの話を聞く。 た児童が「健一」あるいは「5人組」を 大切にしていることを確認する。 ◯ 5人組へ移動する良さを感じさせる ために,余韻を残して終わる。 7 道徳ノート ・ 移動しない 勇太はどうすべきですか。 勇太の決断 ◯ 移動する クラスで交流しよう。 理由 ◯ ・ 移動しない 組( 交流をふまえてもう一度考えてみよう。勇太はどうすべきですか。 メモ( 心に残った意見や考えを書こう → 考える材料) ◯ 移動する 理由 ) 8 資料 勇太の決断 勇太の通う学校では、五年生になると海の学習があります。海の学習とは、二泊三日でカッターをこ いだり、キャンプファイヤーをしたりする一大イベントです。勇太はもちろん,クラスの誰もが楽しみ にしていました。 ある日、帰りの会で先生から、明日、海の学習の活動班を決めるという話がありました。 帰りのあいさつをして教室を出ると、健一がかけよってきました。 「勇太、あの約束覚えてるか。 」 「もちろんだよ。健一と活動班が一緒なら楽しいだろうな。 」 「でも、どうやって決めるんだろう。 」 「自分たちで決められたらいいんだけど。 」 「そのときは、絶対同じ班になろうな。約束だぞ。じゃあ、また明日。 」 「わかってるって。じゃあね。 」 勇太と健一は同じサッカーチームに入っていて、一年生のときから大の仲良しです。五年生で同じク ラスになったときから、海の学習の活動班は、一緒になろうと約束していたのでした。 次の日、いよいよ活動班を決める時間がやってきました。 「活動班はみなさんに決めてもらいます。一班男女三人ずつです。ひとりぼっちをつくらないこと。そ して、みんなが納得して決めること。もし、この時間内に自分たちで決めることができなければ、活動 班はわたしが決めます。 」 と、先生が言いました。 勇太は、心の中でガッツポーズをしました。まわりも、自分たちで活動班を決められることに喜んで いるようでした。 先生の合図で、みんないっせいに動き出しました。定員の六人になった班から次々に座っていきまし た。勇太も、すぐに健一を見つけて、一緒に他のグループと合流していきました。 ところが、気がつくと勇太の班は七人になっていました。周りを見渡すと、五人組の班が一つ立って いるだけで、他の班は六人組になって座っていました。 勇太の班には、健一のほかに、太郎と信夫がいました。男子が四人いたので、誰か一人移動しなけれ ばなりません。四人はお互いに顔を見合わせましたが、そのまま考え込んでしまいました。 その後、四人はしばらく話合いましたが、みんなが納得する方法は見つかりませんでした。 勇太は、ふと五人組の方に目をやりました。 五人は,どうしたらよいのかわからない様子で,下を向いていました。 「こっちには班長の経験がある太郎やよし子もいる。むこうの五人は みんなおとなしいメンバーばかりだな。このままで活動がうまくいく だろうか。ぼくなら何とかできるかもしれないな。でも ・・・・・・ 。 」 そう考えていた勇太は、こちらをじっと見つめている健一に気がつ きました。 あと五分でチャイムが鳴ろうとしています。 「ぼくが行くよ。 」 勇太は、思い切って言いました。そして、五人組の方へ行き一緒に座りました。 活動班が無事に決まり、まわりで見守っていた人たちも、ほっとした様子でした。 チャイムが鳴りました。 勇太は、すぐに健一のもとへ行きました。 「健一、ごめん。約束守れなくて ・・・・・・ 。 」 「いいよ。それより、早く外で遊ぼうぜ。 」 二人は元気よく、外へ駆けだしていきました。 校庭には、雲ひとつない青空が広がっていました。 9 板書計画 10 成果と課題 (ア)モラルジレンマ資料について 〇 身近に起こり得る場面を想定し資料を自作したので,児童はその内容に関心をもち,主人公の 葛藤場面でどのような行動をとるべきか主体的に考えることができた。 〇 異なる立場の意見やその理由を聞き合うことで,様々な見方や考え方があることに気づき,自 分の意見の変化や深まりについて道徳ノートに書くことができた。 〇 登場人物の心情理解を指導の中心とする「読み物道徳」だけでなく,モラルジレンマのような 問題解決型の学習を取り入れることで,児童の考える力を育てることができた。 ● 本時で取り扱ったような場面に遭遇したときに授業で学んだことを生かせるよう,機会をとら え,継続的に指導する必要がある。 ● 年間を通して,モラルジレンマとそれ以外の資料のバランスを考えて指導計画を立てる必要が ある。 (イ) 交流活動の工夫について 〇 本時の前に,同じような交流活動を繰り返し経験させたので,少しずつ発言する児童が増えて きた。また,交流を通して相手の考えや立場を尊重する発言も見られるようになった。 〇 全体交流の前に少人数の話し合い活動をとり入れることで,自分の考えを発表し相手の意見と 比べたいという児童の欲求が高まり,全体交流が活性化した。 〇 交流前と後に名札を黒板に貼らせることで,互いの立場や話し合い後の変化を視覚的にとらえ ながら話し合いを進めることができた。 ● 児童の発言から価値を引き出したり,さらに深めたりするためには教師がしっかり道徳的価値 をとらえ,主人公以外の人物の視点から考えさせたり,補助発問を用意したりしておくことが必 要である。 ● 相手を説得することに意識が行き過ぎ,頑固に自分の考えを変えない児童が多くなる傾向が見 られたので,受容的に相手の考えを受け入れ,認め合えるように指導することが必要である。 ● 今回は自分の考えを作るところから全体交流まで1時間で行ったが,2時間構成で授業を組み 立てるとより交流内容が深まると考えられる。 授業の様子 自分の立場を黒板に貼る様子 ウ 6年生の実践 第6学年4組 道徳学習指導案 指導者 竹下 1 主題名 役割・責任 賢 高4―(3) (身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。 ) 資料名 「班長になったら」 (文溪堂) 2 主題設定の理由 ○ 本学級の児童は、1学期当初から、様々な行事や活動を通して責任者を中心にクラス全体協力し て取り組んでいる。運動会の組体操では、技を成功させるため責任者を中心に児童だけで話し合い をしたり声を掛け合ったりしながら練習を何度も重ね、 友だちと協力して技を仕上げてきた。 また、 音楽発表会にむけて責任者の指示のもと、 演奏や合唱の練習をほぼ毎日行っている。 修学旅行では、 平和集会実行委員や部屋長、活動班長など様々なリーダーのもと、多くの児童が協力して活動を行 った。しかし、責任者の多くは女子であり、男子は女子任せにしているところが多々見られる。ま た、 男女ともにリーダーに立候補する児童が限られており,人任せにして主体的に責任を果たしきれ ていない児童もいる。このことから、最高学年として自分の役割や責任を確実に果たし、率先して クラスや学年、学校のことを考える心情を育てる上からも意義深いと考える。 ○ 本主題は、 「身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。 」 と示されている。人間は社会的な存在であり、たった一人で生きていくことはできない。誕生した 瞬間から何らかの集団に属している。そして、発達の段階に応じて家族という小さな集団から、学 校や地域などの大きな集団へと広がっていく。 本主題に関しては、6年生の児童は、最高学年として委員会活動やクラブ活動、運動会や修学旅 行、音楽発表会など様々な行事や活動のなかで、リーダーとしてそれぞれの役割を担い取り組んで いる。しかし、集団をまとめ、自分の役割を果たすことは容易ではなく、思い通りにならなかった り、困難なことに出会ったりすることも多い。だからこそ、成し遂げたあとには達成感や成就感が 生まれることに気づき、主体的に責任を果たそうとする心情を育てたいと考え、 本主題を設定した。 ○ 本資料「班長になったら」では、張り切って班長に立候補した「ぼく」が、思うようにいかず班 長としてよりも自分の思いを優先しそうになる。しかし、自分の役割に気づき行動することで、班 長としての責任を果たす。 「ぼく」の気持ちに共感しながら、自分の役割を自覚し主体的に責任を果 たそうとする心情を育てるために、大変有効な資料である。 指導にあたっては、導入で事前アンケートの結果を示し、リーダーとしての意識がどうであるか を示す。 展開前段では、まず意欲満々で班長に立候補したぼくの思いをつかむ。しかし、その思いが、た め息をつくぼくの思いに変わっていることに気づかせる。そのために、まとまらない班員の言動や 班長だからというぼくの意識に着目させる。 中心発問では、 「どうしてこんな目に合わなければいけないんだ。一番に頂上に着くのは、班長の ぼくでなければ。 」と思っていたぼくの、岩にこしかけながら待つ気持ちや、その後の行動について 考えさせる。次に、どうして七海さんたちを待ったのか問いかけ、気持ちが変わっていくところに 焦点をあてる。 展開後段では、生活をふり返り、自分たちの体験を出し合う中で、その時の気持ちやがんばっ てよかったことなどを考えさせる。 終末では、 今後も最高学年としての自覚を持ってリーダーとしての役割を果たしていこうとする 気持ちを高める。 3 ねらい 岩にこしかけながら待っている「ぼく」の心の葛藤や、待っているうちに心配になってきて「七 海さんたちを探してくる。 」と言ったぼくの気持ちを考えることを通して、自分の役割を自覚し、 主体的に責任を果たそうとする心情を育てる。 そのために ① 教材選びの視点 移動教室の班長を引き受けた「ぼく」は、一生懸命に仕事に取り組む。しかし、みんなに文句を言 われてしまい、不満が募って、好きなように行動してしまう。その結果、同じグループの二人を見失 ってしまうという困難な状況がある本資料を選ぶことによって,一生懸命頑張っているにもかかわら ず,みんながついてこないときの①心の葛藤を考える。その上で,②どんな状況でも自分の仕事を頑張 り,困難にもくじけず努力し乗り越えることの大切さを感じとらせるとともに,③やり遂げたときの喜 びや達成感を感じとらせることによって,④がんばることの大切さやよさに気付かせる。 岩にこしかけながら待つ「ぼく」の気持ち 後悔 不満 ・みんな勝手だ 頂上から見た景色が最高に きれいだったときの気持ち 班長として 責任 ・班長のせいにされた ・ぼくは、はげましている のに ・班長だから責任がある ・自分で班長になったから 心配 ・心配だ ・何かあったのかな 何とかしなくては ・探しに行こう ・どうしたのかな 達成感 ・班全員でゴールできて よかった ・最後はまとまって協力する ことができた。 ・班長として責任が果たせた。 ② 交流活動の工夫 〇話し合い活動の形態の工夫 ・展開前段において,岩にこしかけながら七海さんたちを待つぼくの気持ちを考えた後,道徳ノー トを通してグループ同士交流し、その後、全体で交流する。 〇表現活動の工夫 ・展開前段で3つの場面に分けて, 「ぼく」の気持ちの変化を視覚的に捉えさせるために、 【喜び】 【責任】 【心配】【後悔・不満】に分けて道徳ノートに色を塗らせる。 4 本時【達成感】 平成27年 10月23日(金) 第2校時 6年4組教室において ・黒板のハート図に【達成感】 【喜び】 【責任】 【心配】 【後悔・不満】に分けて色カードを貼らせる。 4 本時 平成 27 年 10 月 16 日(金) 第2校時 6年4組教室 5 準備 資料「班長になったら」 、道徳ノート、場面絵、ハート図、色鉛筆、色カード アンケート結果拡大用紙 6 展開 段階 導 主な学習活動・内容 1 アンケートの結果を知り、学習への関心をもつ。 主な発問・支援 ○ 資料とつなぐために、事前に 入 とったアンケートの結果を紹 介し、資料への導入を図る。 ぼくの気持ちを通して、自分の役割について考えよう。 展 開 前 段 2 資料「班長になったら」の前半を読み、ぼくの気持ちに ついて話し合う。 (1) 「ぼくはわくわくしていた」この時、ぼくはどんなこと ○ を考えていたのか話し合う。 班長に立候補した理由をお さえ、やる気満々のぼくの気持 ・これから頑張るぞ。 ちをつかませる。 ・ようやく班長になれてうれしい。 ・かっこいい (2)大きな岩にこしかけながら、七海さんたちを待つぼく ○ それぞれ勝手な言動をして、 の気持ちについて考える。 まとまらない状況をつかませ ○ ①心の葛藤を考えること ・みんな勝手だ。 る。 ・心配だ ・これからどうすれば良いんだ。 ・大丈夫かなぁ 大きな岩にこしかけながら待 ・ぼくは頑張っているのに。 つぼくは、どんなことを考え ・どうしたんだろう ていたのでしょう。 (3)ぼくは、この後どう行動したのかを考える。 ・もう知らない。先に行こう。 ・やっぱり心配だ。探しに行こう。 大きな岩にこしかけながら待 つぼくは、この後どう行動し たのでしょう。 (4)どうして待ったのか、ぼくの気持ちについて考える。 ○ ②どんな状況でも、自分の仕事を頑張り困難を乗り越 ○ どうして待ったのか、どんな えることの大切さを感じとらせること ことを心配したのかを切り返 ・班長だから責任がある。 して深める。 ・何とかしなくては。 ・このまま放っておけない。探しに行こう。 3 資料「班長になったら」の後半を読み、ぼくの気持ちに ○ ついて話し合う。 責任を果たせた達成感を感 じ取らせる。 (1) 頂上から見た景色が最高にきれいに感じた、ぼくの気 持ちについて話し合う。 ○ ③やり遂げたときの喜びや達成感を感じとらせること ・みんなでゴールできてよかった。 ・班長の仕事をやり遂げられて、気持ちがよい。 展 4 自分の生活をふり返る。 開 (1) 今まで、がんばったことやその時の気持ち、がんばり 後 段 終 末 続けてよかったことを話し合う。 ○ ④がんばることの大切さやよさに気付かせること 5 「今日の学習で」を書く。 ○ 児童から発言が出にくい場 合は、日頃の観察から意図的に 指名して経験に基づいた多様 な意見を引き出す。 班長になったら ・活やくするぞ ・やったー ・がんばるぞ ・かっこいい ぼくの気持ちを通して、自分の役割について考えよう。 登山 …どんどん先に 七海・葉月 …遅れる 健太 ・何とかしなくては ・放っておけない ・僕には責任がある 行こう ・班長だから助けに 大きな岩にこしかけて待つ、 ぼくの気持ち みんな勝手だ どうすれば… 心配だ 大丈夫かな どうしたのかな 頂上から見た景色は最高にきれい ・みんな でゴー ルでき てよかった。 ・班長として頑張った 7 板書計画 8 道徳ノート 9 資料 10 成果と課題 (ア)児童の考えを交流する場面における手だてについて ○ 5つの感情を色分けして黒板のハート図に貼らせたことに より、子供たちにとってクラス全体の考えがより視覚的に 分かりやすくなった点において有効であった。 ○ 展開前段を3つの場面に分けて、5つの感情を色分けして 黒板のハート図に貼らせることにより、気持ちの変化をより 視覚的に捉えることができた。 ○ 全体で交流する前に班で話し合わせたことで、一人一人の 考えが明確になり活発な意見交換ができた点において有効で あった。 ● 3つの場面に分けてハート図に貼らせる活動で時間がかか ってしまい、交流活動に十分な時間を確保することが出来な かった。 ● 児童の様々な考えを引き出すために、 (なぜその色にしたの か、他の色ではだめだったのか)等、補助発問をもっと用意 しておく必要があった。 (イ)交流活動の工夫 ○ 道徳ノートを活用することにより、落ち着いて自分の考えを 道徳ノート記述の様子 整理することができ、考えが確かなものになった点において有 効であった。 ○ 5つの感情を色分けしてハート図に塗らせることにより,段階的に変容していく子供もいて自 分の考えの変化に気づくことができた点において有効であった。 ○ 色分けすることで友達の考えが視覚的に分かり自分の考えと比べることができ、活発な交流活動 につながった。 ● 道徳ノートに記述する量が多く、書くことに多くの時間を使ってしまった。 ● 道徳ノートの3つの質問に対して、それぞれ班で話し合わせてもよかった。 (4)特別支援教育部 ア 特別教育支援部の基本的な考え方 1 部テーマ 体験活動の中で「ひと・もの・こと」に関わり、見通しをもって活動することができ る児童の育成 2 手だて ○ 興味・関心のあるものを知る ・どのような体験活動をしたらいいのか ・イメージの持たせ方 ○ 見通しの持たせ方 ・学習の流れが分かる計画表 ・既習学習を思い起こすことができる活動 ・個に応じた課題設定 ・学習の足跡がはっきり分かるようなノートの工夫 ・繰り返しの活動 ○ 対象への働きかけ ・ 「ひと・もの・こと」へのかかわらせ方 事前学習・・・何を調べに行って、どんな活動をするのか 事後学習・・・活動のまとめ(国語・図工・生単の時間を使って) ○ 交流の場の設定 ・互いに思ったことを交流する活動 9 7 6 5 4 月 10 学校行事 運動会 11 修学旅行 12 自然教室 1 縄跳び大会 2 お別れ集会 卒業式 3 各学年との 交流 一年生と なかよし集会 二年生と なかよし集会 なのはな学級で 対面式 こいのぼりをつくろう 青葉小学校の先生を紹介しよう じゃがいもをそだてよう 七夕をしよう 買い物に行こう ベイサイド ナップザックを作ろう 雑巾を作ろう 福岡のおすすめの場所を発表しよう 海の中道 三校交流会をしよう 野菜を育てよう 福岡タワー ヤフードーム エプロンを作ろう カレンダーを作ろう たこあげをしよう ボウリングに行こう お別れ会をしよう イ なのはな1組の実践 なのはな1組 生活単元学習指導案 指導者 木村 秀城 1 単元名 福岡市のおすすめの場所をしょうかいしよう 2 単元設定の理由 本学級の児童は,5年生3名,6年生2名の5名で構成されており,うち6年生の1名は通常学級 で全面交流している。校外学習が大好きで,昨年度は「海の中道海浜公園」や「平尾台自然の郷」「ス ポガ香椎」等に出かける経験をしてきている。交通機関を使う際は,バスの整理券の取り方,運賃表 の見方,運賃の支払い方,また,JR の切符の買い方,改札口の通り方等を学習してきている。ただ, 校外学習に行った場所については,それが福岡市のどこに位置しているのかについては理解しておら ず,それぞれが点と点で存在しているという認識である。1学期は「青葉小の先生をしょうかいしよ う」の単元で,先生たちがどこに住んでいるのかをインタビューしており,調べ学習に興味・関心を もってきている。 本単元は,次の3点を主なねらいとしている。すなわち, ① 福岡市の中に「おすすめの場所」を見つけ,保護者に伝えたいという意欲をもつこと ② 見たこと,聞いたこと,感じたことを発表の資料にまとめ,相手に分かりやすく伝えること ③ 自分が住んでいる福岡市のよさに気付き,親しみをもつこと の3つである。本単元は,自分が住んでいる福岡市の「おすすめの場所」を見つけ,校外学習で福岡 市探検を行って調べ,保護者にそれを紹介するという内容である。福岡市探検は,地図を見て,どの 交通機関を使って,どこに行くのか自分で位置関係をはっきり理解するという点においては,目的地 だけの理解ではなく,行程においても楽しめる活動と言える。また,バスや電車など乗り物が大好き な児童にとって,それらを使って実際にその場所に行って自分の目や耳で見たり聞いたりして調べる 活動は,自分たちの住んでいる福岡市のよさに気付き,親しみをもたせる上で大変有効であると考え る。「おすすめの場所」を保護者に紹介していく活動も発表の資料づくりの技能を高め,分かりやす く伝える表現力を培うことができることから,本単元の価値は高いと考える。 指導にあたっては,まず「福岡市のおすすめの場所ベスト4について話し合おう」というめあてで 導入し,福岡市のおすすめの場所ついて考える意欲を喚起する。その際,福岡市の白地図を準備し, おすすめの場所の位置を確認していくことで,おすすめの場所の福岡市における位置関係を視覚的に とらえさせていく。 次に,実際にその場所に行ってみようということで福岡市探検の学習計画を立てる。学習の流れは, ベスト4の場所について,「計画」→「探検」→「資料づくり」→「発表の練習」→「発表」という 行程を「海の中道海浜公園」「ベイサイドプレイス博多」「福岡タワー」「ヤフオクドーム」の4つ の場所について,4回行う。同じ行程を場所を変えて繰り返し行うことで,児童の技能がステップア ップしていくとともに,見通しをもって活動することが期待できる。この学習の流れをつかませるた めに,「学習の手順」を作成し,教室に掲示しておくことで,常に今自分が学習のどの段階にあるの かを確認できるようにしておく。 最後に,「福岡市のおすすめの場所ベスト4発表会」を開き保護者に参観してもらう。その際, これまで発表してきた4つの場所について,4人で担当を分担して「海の中道海浜公園」「ベイサイ ドプレイス博多」「福岡タワー」「ヤフオクドーム」についてそれぞれ発表をしていくようにする。 3 単元の目標 〇福岡市の中に自分の興味・関心の対象である「おすすめの場所」を見つけ,保護者に知らせたいと いう意欲をもって活動することができる。 【関心・意欲・態度】 〇見たこと,聞いたこと,感じたことを発表の資料にまとめ,それをもとに相手に分かりやすく伝え ることができる。 【技能・表現】 〇「おすすめの場所」に探検に行ったり,発表会を開いたりすることを通して,自分が住んでいる福 岡市のよさに気付き,親しみをもつことができる。 4 本単元における児童の実態及び個別目標 児童 単元に関する実態 ○ A 【知識・理解】 児 (男・5年) デジタルカメラを使って,必要な写 真を撮ることができる。 ○ 単元の個別目標 ○ いところを選んで写真を撮ることができる○ 出来事の中で自分が一番大切だと思 う内容に絞って話すことができる。 デジタルカメラを使って,自分が伝えた 相手に体を向けて,大きな声で,ゆっく り ,はっきり,指示棒で指しながら発表す るこ とができる。 ○ 自分が思ったことを短い文章に書く ことができる。 ○ 教師と話す中で,自分が思ったことや感 じたことを整理し,発表原稿に書いたり, 発 表資料にまとめたりすることができる。 ○ B 児 デジタルカメラを使って,自分が撮 りたい写真を撮ることができる。 (男・5年) ○ 教師と話す中で,自分が伝えたいところ の写真をデジタルカメラを使って撮ること ができる。 ○ 出来事を時系列で順番に話すことが できる。 ○ 教師と話す中で,自分が思ったこと ○ 相手に体を向けて,大きな声で,ゆっく り発表することができる。 ○ 教師と話す中で,自分が思ったことや感 や出来事を時系列で短い文章に書くこ じたことを時系列で思い出し,発表原稿に 書 とができる。 いたり,発表資料にまとめたりすること がで きる。 ○ C 児 デジタルカメラを使って,自分が撮 りたい写真を撮ることができる。 (男・5年) 自分が興味をもっている分野を中心 に話すことはできる。 ○ 教師と話す中で自分が書きたいこと を明確にして,短い文章に書くことが 児 教師と話す中で,自分が伝えたいところ を選んで,デジタルカメラを使って写真を 撮 ることができる。 ○ D ○ ○ 相手に体を向けて,大きな声で,はっき り,発表することができる。 ○ 教師と話す中で,自分が思ったことや感 じたことを思い出し,発表原稿に書いたり 発 できる。 表資料にまとめたりすることができる ○ ○ デジタルカメラを使って,必要な写 真を工夫して撮ることができる。 (男・6年) デジタルカメラを使って,自分が伝えた いところを選んで,工夫して写真を撮ることが できる。 ○ 自分が興味をもっている分野に関し ては,自分の記憶を駆使し詳しく話す ○ 相手に体を向けて,大きな声で,ゆっくり ,スムーズに,指示棒で指しながら発表するこ ことができる。 とができる。 ○ ○ 教師と話す中で,構成を考えて,短 い文章を書くことができる。 教師と話す中で,自分が思ったことや感 じたことを整理し,構成を考えながら発表 原 稿に書いたり,発表資料にまとめたりすること ができる。 5.指導計画(全56時間) 段 配 学 習 活 動 と 内 容 階 時 3 つ 福岡市のおすすめの場所ベスト4について話し合お か う。 む ① 1.福岡市で行ったことのある場所について,発表し合 う。 ① 2.それぞれの場所の中から,おすすめの場所ベスト4 を決める。 ・ 海の中道海浜公園 ・ ベイサイドプレイス博多 ・ 福岡タワー ・ ヤフオクドーム ① 3.おすすめの場所ベスト4マップをつくる。 15 海の中道海浜公園に行こう。 つ ③ 1.海の中道海浜公園に行く計画を立てる。 く ⑤ 2.海の中道海浜公園に探検に行く。 る 教 師 の 支 援 〇 思い出せない場合は,代表的な場所の写 真を提示して,行ったことがあるかを尋ね る。 〇 校外学習で実際に行くことを伝え,絞り 込みやすいようにする。 〇 福岡市の白地図を用意し,ベスト4の場 所の写真を児童と貼るようにする。 ○ 写真を撮って記録に残すためにデジタル カメラを携行するようにする。 ○ 思ったことや感じたこと気づいたことを 記録できるように記録ノートを準備する。 ④ 3.海の中道海浜公園の発表原稿や発表資料をつくる。 ② 4.発表の練習をする。 ① 5.海の中道海浜公園発表会をする。 15 ベイサイドプレイス博多に行こう。 ③ 1.ベイサイドプレイス博多に行く計画を立てる。 ⑤ 2.ベイサイドプレイス博多に探検に行く。 ○ 自分の発表のよさに気づけるように, 「よかったよカード」を準備する。 ○ 写真を撮って記録に残すためにデジタル カメラを携行するようにする。 ○ 思ったことや感じたこと気づいたことを 記録できるように記録ノートを準備する。 ④ 3.ベイサイドプレイス博多の発表原稿や発表資料をつ くる。 ② 4.発表の練習をする。 ① 5.ベイサイドプレイス博多発表会をする。 20 福岡タワー・ヤフオクドームに行こう。 ③ 1.福岡タワー・ヤフオクドームに行く計画を立てる。 ⑤ 2.福岡タワー・ヤフオクドームに探検に行く。 ⑥ 3.福岡タワー・ヤフオクドームの発表原稿や発表資料 をつくる。 ② 4.発表の練習をする。 ① 5.福岡タワー発表会をする。 ② 6.発表の練習をする。 ① 7.ヤフオクドーム発表会をする。 ひ 3 福岡市のおすすめの場所ベスト4発表会をしよう。 ろ ① 1.発表する場所を決め,練習をする。 げ ① 2.発表の練習をして,本番でがんばることを発表する る 本時 ① 3.福岡市のおすすめの場所ベスト4発表会をする。 ○ 自分の発表のよさに気づけるように, 「よかったよカード」を準備する。 ○ 写真を撮って記録に残すためにデジタル カメラを携行するようにする。 ○ 思ったことや感じたこと気づいたことを 記録できるように記録ノートを準備する。 ○ 十分にできていないときや困っていると きに指示を出す絵カードを準備する。 ○ 自分の発表のよさに気づけるように, 「よかったよカード」を準備する。 ○ 十分にできていないときや困っていると きに指示を出す絵カードを準備する。 ○ 自分の発表のよさに気づけるように, 「よかったよカード」を準備する。 6 成果と課題 1 発表の技能を高めるための絵カードの工夫 児童が発表の際,自分のめあてに沿って気をつけるべきこと(声の大きさ・体の向き・指示棒の使 い方等)を絵カードにしておき,十分にできていないときや困っているときに絵カードで指示を出し, よりよい発表ができるようにした。 【成果】 絵カードを見て,確かにその場で発表の仕方を 修正する姿が見られた。児 童 は そ の こ と に よ り,自分のめあてに沿った発表の仕方で話 すことができていた。 【課題】 児童が資料に目を通しながらの発表だったた め,視野に入りやすいように横の方に立って絵カ ードを出したが,児童が,より正面を向いて発表 するには,児童が資料をある程度覚えて発表す 本時で用いた6枚の絵カード るようにすることで,児童の正面に立つことがで きたと感じる。 2.自分の発表のよさに気づき,自信を持たせるための「よかったよカード」の工夫 自分の発表のよかったところを発表中に「よかったよカード」(色分けした付箋紙)に書いてもら い,発表終了後に教えてもらい「よかったよボード」にたくさん貼ってもらうことで,自分の発表に 自信をもたせ,次時にがんばることを発表できるようにした。 【成果】 よかったよカードを貼ってもらうときにうれしそうな表情を見せ,意欲の高まりが見 られた。次時の保護者への発表も自信をもって行っていた。 【課題】 よかったよカードの内容を実際に相手に言ってもらえる時間が限られていた。導入説明の 時 間 を 短くするなど時間配分の工夫が課題である。 板書 中央の下の部分に「よかったよカード」が貼られている お わ り に 「よりよく生きようとする青葉っ子を育てる道徳の時間の在り方」をテーマとして研究推進に取り組 んで今年度は2年次にあたります。特に今年度は,「児童の考えを交流する場面における手だての工夫」 に絞って各学年授業検証を行ってまいりました。ご承知のように,道徳教育の実質化及び質的転換を図 るため,文科省においては平成27年3月にこれまでの「道徳の時間」を「特別の教科道徳」と位置づけ 学習指導要領等の一部改正が行われました。今の子供たちが生きる社会は益々変化が激しく,将来の変 化を予測することが困難な時代となっていきます。そのような時代にあっては,よりよい社会と幸福な 人生を自ら創り出していく資質・能力がこれまで以上に重要になります。 今回の「特別な教科道徳」への改正は,そのような社会や時代背景を受け「読み物道徳」から一人一 人の児童生徒が答えが一つではない課題に道徳的に向き合う「考える道徳」「議論する道徳」へと質的 な転換を図るものといえます。今年度の本校の取組の中でも,それぞれの考えや意見,立場を明確に持 たせるためのネームカードや色カード(ハートマーク)の工夫,交流活動を活発にするためのペアや小 グループでの話し合いなどの学習形態の工夫,道徳的価値に迫るためのモラルジレンマの場面設定など 問題解決的な学習を意識したいくつかの指導方法の工夫が見られたのは成果であったと思います。 今後も,テーマ研究推進部や各学年部を中心に,心豊かな青葉っ子の育成に全職員協働体制のもと真 摯に授業研究に取り組んでまいりたいと思います。最後になりましたが,本校のテーマ研究推進にあた り,貴重なご意見ご指導を賜りました 筑紫女学園大学 准教授 薄 千里 様,福岡市教育委員会 指導主事 武田 綾子 様には厚くお礼申し上げます。また,温かいご支援ご協力をいただきました本 校PTA 並びに地域の皆様に心より感謝申し上げます。 平成28年3月 福岡市立青葉小学校 教頭 白濱雅道 ご指導いただいた先生 【講師】 筑紫女学園大学 准教授 薄 千里 様 研究同人 校 長 教 頭 主幹教諭 なのはな1組 なのはな2組 1年1組 1年2組 1年3組 1年4組 2年1組 2年2組 2年3組 2年4組 3年1組 3年2組 3年3組 3年4組 木 村 白 濱 増 田 木 村 髙 木 紫 垣 西 村 森 山 本 田 南 野 福 地 内 藤 藤 松 下 大 道 永 山 六反穂 初 村 鎌 田 片 原 渡 邊 真 美 雅 道 和 幸 秀 城 久美子 吉代栄 革 音 夢 真里奈 美由紀 由 花 睦 美 英 恵 誠 子 妙 子 幸 子 美恵子 朋 子 隆太郎 将 平 彰 子 平成27年度 4年1組 4年2組 4年3組 4年4組 5年1組 5年2組 5年3組 5年4組 6年1組 6年2組 6年3組 6年4組 理科専科 指導方法工夫改善 栄養教諭 養護教諭 事務主査 学校事務補助 場 安 吉 小 中 平 有 村 山 佐 緒 倉 竹 佐 佐 平 松 笠 田 熊 中 先 綾 祐 達 友 美 澤 雅 春 嶋 真 美 村 勇 治 田 善 児 馬 尚 美 上 亜 瑠 川 裕美子 藤 誠 司 方 真 理 岡 真 美 下 賢 藤 貢 藤 泉 田 利恵子 尾 理 恵 井 世志子 中 梓 紗 本 万里子 光 史
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