30秒スキンシップ 愚者にならないようにしよう

平成28年度 登米市立石森小学校
校長室だより NO,12
平成28年7月12日(火)
30秒スキンシップ
先日,ある研修会で,東京都渋谷区子ども総合支援センター・チーフア
ドバイザー:阿久津 栄(あくつ さかえ)先生の講演がありました。
落ち着きがない。じっとしていられない。集中力がない。いつもイライ
ラしていて,時に暴力を振るうこともある。すぐ人のせいにする。など,
発達障害か・・・と思われる子どもの中に,母子関係の悪さが原因となってい
る子が,相当数いるということでした。どうして父子関係ではなく母子関
係なのかというと,子ども(特に幼少期の子ども)にとって,愛着の対象
者は母親だからだそうです。出産・授乳など生物学的にも最も近しい存在だからとういうこと
でした。母子関係の悪さというと何かお母さんが悪いような気がしますが,そうではなく「す
れ違い」やコミュニケーションのまずさが原因のようです。
「すれ違い」については別の機会
にお伝えします。
それらをリセットしたり改善したりするのに有効な方法として,阿久津先生が子育て相談で
アドバイスしていることが,
「30秒スキンシップ」なのだそうです。
『○○ちゃん。1日24
時間のうち23時間59分30秒は○○ちゃんの自由にしていいから,毎日30秒だけお母さ
んにちょうだい。
』そう言って近くに呼び寄せて(ひざの上に乗せて)ぎゅっとハグするのだ
そうです。10秒ぐらいしたら耳元で『きょう幼稚園(学校)どうだったの』とか『○○頑張
っていたんだってね』とささやきます。子どもが応えなくてもいいのだそうです。20秒ほど
したらハグを解いて,向かい合って『お母さんは,○○ちゃんのこと大好きだからね。
』と言
って,頭を撫でて,できれば,おでことおでこをこっつんこして終わり。この30秒を1ヶ月
継続すると,子どもは激変するそうです。30秒スキンシップは,3歳児から小学校低学年に
はかなり有効なのだそうですが,これまでには,中学校2年生の男子生徒にも有効であったと
いう記録もあるそうです。
愚者にならないようにしよう
『こういうことをすれば,こういう結果になる,ということを
自分の身で実体験してみないと分からない人』
を愚者というそう
です。つまり愚か者のことです。また,自分が失敗して,初めて
身にしみて分かる』というのは普通の人です。しかし,それはあ
まり賢い人とは言えません。
賢い人とは,
自分が実体験する前に,
すでに他の人に起きていることをよく観察して,
それを見分ける
ことができる人のことです。つまり,他人の失敗から学ぶことが
できる人です。別の言い方をすれば,
『歴史から学ぶ』ということでしょうか。
家族でも友達でもいいのですが,失敗を目にしたことはありませんか。
「あの人は,あのよ
うな考え方で,あのような行動をとり,あのような結果になった。自分の中にも同じような考
え方をする部分があるようだから,自分も同じような行動をしたら,同じような結果になるに
違いない」と,そう考えるのです。これこそ賢い人の考え方です。もちろん,
「失敗しそうだ
とは思ったのだけれど,同じようになっちゃった」というのでは,何のために考えたのか分か
りません。そうではなくて,
「失敗をあらかじめ予見して,失敗しないためにはどうしたらい
いのか」
,
「望ましい結果を得るためには,どのように行動したらいいのか」そうしたことを考
えるのです。
他人の人生から何一つ学ぶことのできない人は愚か者です。そうした愚者にならないように
しましょう。もちろん,自分で自身の失敗を繰り返すというのは,論外です。