H27年度 学校経営計画

平成 27 年4月1日
平成 27 年度 全日制課程 東京都立園芸高等学校経営計画
東京都立園芸高等学校長
德 田 安 伸
1.目指す学校
明治期に創設された本校は、常に我が国の農業教育の中心的役割を担ってきた。創立 100
年を経過した今、名実ともに日本を代表する「農業の専門高校」を目指す。
文化創造
地域貢献
基盤教育
園芸高校
母校愛
専門教育
教育財産
※ 校是とは、学校設立の根本精神をいう。初代校長、熊谷八十三先生が
明治 41 年開校にあたり「勤勉 勤労」を生徒心得として定めた。
1 風の通る学校 :
「見える化」を通して校内に「情報の風」を通す。
2 分かる学校
:
「ユニバーサルデザイン」を研究して「より分かる授業」を行う。
3 きれいな学校 :
「リニューアル」の発想で校舎内外を「きれい化」する。
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2.中期的目標と方策(平成25年~30年)
◇東京都教育ビジョン(第3次)の精神を我々が目指す「園芸高校教育」に生かす。
◇加えて、平成26年8月には皇太子殿下、舛添要一都知事が、平成27年4月にはケネディ駐
日米国大使、小泉昭男農林水産副大臣、中井敬三教育長が来校されるなど学校のステイ
タスが上がったことを受け、さらに全校のベクトルを集中させて一層の高みを目指す。
◇校是「勤勉 勤労」をベースに、生徒心得を新たに以下のように定める。
「高い志 勤勉勤労 そして継続」
(1)学校経営 (質の高い教育環境を整える)
【大前提】個人商店の連合体から、組織経営体「デパート」方式にする
① 「部分最適」よりも「全体良好」を優先する※1。
② 「見える化」を通して「情報の風」を学校全体で共有する※2。
③ 「全定」間の見える化により「東京で一番全定仲のいい学校」を作る※3。
※1:教科・科目にとっての最善な策より学校全体がより良好となる方策を優先すること
※2:個人の考えや知恵(潜在知)を文字やグラフ、マニュアル化(顕在知化)することにより、組織とし
ての共通理解を広げていくこと。
※3:学校行事(園芸展等)や施設設備など、課程の壁を乗り越え同じ園芸高校として共通の意識のもと
一体化した校風を作ること。
(2)学習指導(学びの基礎を共通基盤として徹底させる)
【大前提】学習指導全般を通して新・生徒心得「高い志 勤勉 勤労 そして継続」を体得
させる。
① 「基盤学力」としての普通科教育を充実・徹底させる。
② 「学力スタンダード」を導入して高校教育の質を担保する。
③ 「ユニバーサルデザイン」を研究して万人に優しい学習環境を整え「分かる授業」
全教員で行う。
(3)専門教育(専門の中で特化した個々の能力を最大限に伸ばす)
① 「基盤学力」の上に「専門の力」を生徒個々につけさせる。
② 「教員個々の専門力」をつけると共に、外部専門家の教育力も活用する。
③ 「技能スタンダード」により専門教育の質を担保するとともに、専門にかかる資格
取得を推奨して「アグリマイスター※4」に挑戦させる。
※4:全国農業高等学校長協会が推進する生徒顕彰制度で、生徒の資格取得、農業クラブ全国大会出場成績
等を評価してアグリマイスターとして表彰認定する制度。今後、進学就職に活用される。
(4)生活指導(豊かな人間性を培い、規範意識を高める)
① 基本的な生活習慣(特に時間を守る習慣)と規範意識を身につけさせる。
② あいさつ運動を推進する(笑顔であいさつ)
。
③ 厳格(ゼロトレランス)と受容(カウンセリングマインド)を両立させる。
④ 体罰といじめのない、許さない学校環境を作る。
(5)キャリア教育・進路指導(社会の変化に対応できる力を高める)
① 進路に係る高い志を入学時から的確に把握し、かなえる。
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② 生涯を見通したキャリア教育・進路指導を計画的に行う。
③ 学校外の組織(大学、企業、ハローワーク、サポステ等)と連携して教育する。
(6)母校愛・連帯感(豊かな人間性を培い、規範意識を高める)
① 「園芸展」
「体育祭」の2大行事を通して所属意識を醸成する。
② 「校歌斉唱」を始業式・終業式毎に斉唱指導して母校愛を醸成する。
③ 活動の成果を常にPRして学校内外に「見える化」する。
(7)地域・社会貢献、国際交流(学校・地域・社会が互いに連携する)
① 「農業クラブ活動」を通して全国や米国農業クラブ(FFA)と交流を活性化する。
② 「NPO法人園芸アグリセンター」と連携して「三宅島緑化プロジェクト」など
社会貢献を推進する。
③ 「専門農業」を生かして産業界、地域団体、米国大使館と連携する。
(8)教育財産・予算 (質の高い教育環境を整える)
① 「グリーン・ペンタゴン」※5の中の教育財産を再整備する。
② 「リニューアル」の発想で校舎内外を「きれい化」する。
③ 「学校予算」の安定的な計画執行を行う。
※5:本校を衛星画像等で上空から検索すると世田谷の住宅地の中に、突然「深い緑に囲まれた五角形の
校地」が見えてくる。学校の校地として五角形は極めて珍しく、近年の学校にはない。そのため「緑
の五角形」
(グリーン・ペンタゴン)とも称されている。
3.今年度(27年度)の目標と取組み
(1)学校経営(質の高い教育環境を整える)
① 「情報や指示は常に文書化」して伝達し、学校全体で共有する。
② 「学校HP」の更新を 40 回以上行い、学校情報を外部に「見える化」する。
③ 入試応募倍率(一次)で 1.0 倍を切ることのないよう、学科単位でも積極的にPRを
行い、魅力ある教育を行う。
④ 「全定の分掌主任間打合せ」(特に教務、生活指導、進路指導、農場)を隔週で定例
化し、行事や教室使用等の事前調整を行う。
(2)学習指導(学びの基礎を徹底する)
①「朝学習」を定着・習慣化させ「基盤学力」を育成する。
特に本年度は実施 2 年目を受け、全学年で出席率 90%以上となるよう全校体制で指
導を強化する。
②「基礎力診断テスト」後の分析会を年3回着実に行い、学校全体の基盤学力の定着度
や伸びた生徒の成功事例を共有し、日々の学習や進路指導に生かす。
③ 「ユニバーサルデザイン」
「特別支援教育」研修を計2回開催する。
(3)専門教育(個々の能力を最大限に伸ばす)
① 「農場管理地図」を 6 月までに完成・配布し、管理分野を明確化する。
② 「農業科教育シラバス」を 12 月までに完成・配布し、専門教育の構造化を図る。
③ 「農業技術検定」を全員に受験させ、受験学習を通して「専門」の質を担保する。
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(4) 生活指導 (豊かな人間性を培い、規範意識を高める)
① 時間を大切にする習慣をつけさせる。(遅刻常習者を各学年で 5 名以内とする)
年間 40 回以上(登校日の 1/5 以上の遅刻)を遅刻常習とする。
(26 年度遅刻常習者 現3年 10 名、現2年0名)
朝学習は遅刻カウントにしないものの、生活リズムの定着と基盤学力を徹底化させる
観点から追指導する。
② 個別面談で生徒理解を深める。(学校満足度 85%以上、26 年度 80%)
③ 問題行動、退学生徒を引き続き低率で抑える。
(問題行動 3件以内、26 年度3件)
(退学生徒 4名以内、26 年度5名・1,2%)
(5)キャリア教育・進路指導(社会の変化に対応できる力を高める)
① キャリア教育の見える化のため、進路指導部を中心に「キャリア教育マップ」を作
成する。
② 教員による企業訪問を全員が実施して生徒の進路先に繋げる。(進路決定 100%)
③ 専門系進路を充実させる。
(学校全体での大学進学を 2 割 5 分、35 名以上、内国立大学に7年連続合格)
(園芸科は造園業や園芸関連企業への就職を 3 割、21 名以上)
(食品科は調理師や食品関連企業への就職を 3 割、10 名以上)
(動物科は大学農学部や関連学科への進学を 3 割、10 名以上)
(6)母校愛・連帯感(豊かな人間性を培い、規範意識を高める)
① 生徒による樹木管理や広報を通して母校愛を醸成する。
② 始終業式毎に「校歌斉唱」指導を通して母校愛を醸成する。
③ 「園芸展」「体育祭」の2大行事を活性化させる。
③ 部活動の参加人数増加、活動の活発化を図る。
(体育系部は、高体連公式戦出場・1ランク上の実績)
(文化系部は、園芸展等で発表・学校文化を向上)
(7)地域・社会貢献(学校・地域・社会が互いに連携する)
① 三宅島緑化プロジェクト(6月と 11 月)、バラ公開(5月)、動物科のふれあい動
物園、移動動物園等を通して社会貢献する。
② バラ園は、鈴木省三記念バラ園として外部有識者を加えた協議会を構成して、
恒久的なバラの育種・管理・遺伝子保存に努め、もって社会貢献とする。
③ グランド芝生維持管理のノウハウ蓄積を目指す。
(8)教育財産・予算(質の高い教育環境を整える)
① 果樹園用地の建設局借用に伴い、校内施設・果樹園施設の整備を行う。
② 今年度本館トイレの改修基本設計、来年度施工にむけて着手する。
③ 「緑と食と命の学園」としてのステイタスを高める事業を行う。
平成 30 年度(2018 年度、3 年後)の 110 周年に向けて新たに「園芸高校特有財産」としての「校内園・
記念碑・銘木百選」の選定・保全作業に着手する。 (例)イチョウ並木、西洋庭園、噴水施設、日本庭園、
水琴窟、玄関庭園、森林庭園、百年の庭、鈴木省三記念バラ園、三代将軍ご遺愛の松、百年ハナミズキ、
タフト大統領の孫のハナミズキ、ケネディ大使のハナミズキ等。
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