いのちの尊重に関する教育 実践報告

県立高校教育力向上推進事業 Ver.Ⅱ
いのちの尊重に関する教育 実践報告
教 科 : 農業(畜産科学科)
単 元 : 家畜の飼育・利用
ねらい
学年:1 年
科 目 : 農業と環境
学習内容:ブロイラーの飼育・解体
科目「農業と環境」において肉用鶏の飼育と解体に関して学習を行う。この教育活動を通し
ていのちの大切さを理解する。
【肉用鶏(ブロイラー)の飼育・管理・解体】
〖授業〗
〖管理実習〗
〇ブロイラーについての講義 9 月 20 日
ヒナ導入
10 月 2 日
当番にて飼育管理する
〇デビーク実習 10 月 18 日
ケージ移動
〇飼育方法についての講義・実習 10 月 25 日
〇飼料についての講義 11 月 1 日
〇解体手順についての講義 11 月 15 日
個人にて飼育管理始まる
屠殺・解体
取組内容
10 月 25 日
11 月 22 日
屠殺後、解体(部位別に解体)
家庭にて調理
活動内容
〇ブロイラーに関してのデータ整理
12 月 11 日
レポート作成 提出期限 1 月 8 日
ブロイラー飼育・解体・鶏肉の調
理について
発表会
1 月 17 日
クラス発表会
期待される成果
生命を大切にする心の育成や我々が生きていく上で必要な食物への感謝の心が身につく。
県立高校教育力向上推進事業 Ver.Ⅱ
いのちの尊重に関する教育 検証結果
1
2
入学前にこの授業の存在は知っ
ていましたか。
この授業があると知ってどのよ
うなことを思いましたか。
はい
59.0%
回収数 39
いいえ
回収率 100%
不明
38.5%
2.6%
畜産を勉強する
畜産を勉強する
上で必要だと思
上で必要なので
どちらともいえない
うがやりたくな
やりたい
い
78.9%
18.4%
3
この授業をやってみて、やる前
と現在では考え方が変わりまし
たか。
4
やりたくない→
問3で変わったと答えた人に聞 なければ良かっ やって良かった
た
きます。どちらですか。
変わった
38.5%
変わらない
51.3%
2.6%
どちらともいえない
10.3%
やりたい→やら
6.7%
5
6
問3で変わらないと答えた人に
聞きます。どちらですか。
この授業
を通して
勉強に
なったこ
とはあり
ますか。
屠殺
解体
調理
畜産に関する技術
7
この授業
を通じて
学校は何
を勉強し
てもらい
たいと思
います
か。(複
数可)
畜産に関する知識
生命の大切さ
食料生産の大切さ
農業の大変さ
食料生産の大変さ
鶏肉の調理法
食育
勤労観の育成
しつけ
8
9
94.7%
ある
飼育
この授業を通じていのちの尊重
に関することを学びましたか。
この授業で得たことを他に伝え
たいですか。
93.3%
やりたくない→
やりたい→やっ
やらなければ良
て良かった
かった
92.3%
97.3%
100.0%
86.5%
59.0%
61.5%
94.9%
74.4%
41.0%
53.8%
12.8%
38.5%
17.9%
12.8%
学んだ
94.7%
伝えたい
84.2%
5.3%
ない
7.7%
2.7%
13.5%
学ばなかった
2.6%
伝えたくない
どちらともいえない
2.6%
どちらともいえない
15.8%
この授業を受けて、考え方が変わらない生徒と変わった生徒共に90%以上の生徒
が、やって良かったと答えている。また、86%以上の生徒が勉強になったと回答し
ている。
いのちの尊重に関することを学べたかの質問に約95%の生徒が、学んだと回答し
ており生命を大切にする心の育成に一定の成果が上がったことがわかる。そして、
畜産科学科の授業なので畜産に関する知識・技術の習得をねらいとしているが、生
徒はそれ以上のねらいとして生命の大切さを挙げたことでもわかるようにその教育
効果はひじょうに大きいと考えられる。
県立高校教育力向上推進事業 Ver.Ⅱ
○生徒の感想より
私たちは、家畜がいないと生きていくことができないことと、
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
の意味が本当にわかりました。また、家畜とペットは違うことと、私たちは命をいただいて生きている
ということがわかりました。
「家畜であり、私たちが学んでいるのは畜産なんだ」という思いを常に持って接していました。ですが、
頸を切るところでは足がすくみました。当たり前ですが自分の手で動物を屠殺したのは初めてで、多分
一生忘れられないです。自分で屠殺したからこそ、後悔する余地もないですし、命は大切という当たり
前のこともわかりました。辛い経験でしたが学んだことが大きかったです。だから忘れずにこれからも
畜産を学ぶことをしっかりしていきたいと思います。
普通の高校生ではできないことだと思います。本当に中農の畜産科学科に入って良かったです。私の誇
りです。入学する前にこの授業があると知って最初は嫌でしたが、今やってみると本当に良かったです。
「いただきます」
「ごちそうさまでした」の意味を強く理解できました。
ヒナから育てて愛着がわいてしまい、本当に可愛くて、少し泣きそうになりました。先生に屠殺しても
らった方が、失敗しないし苦しまずに済むかなと思いましたけれど、一生に一度の経験だと思うので自
分で屠殺しました。大切な命をもらっているから、今自分が生きているからこそ命に感謝することが大
事だと思えました。
○写真集
10 月 2 日のヒナ導入から 52 日
間の飼育期間を経て、11 月 22
日に解体されるまでのブロイ
ラーの記録写真と 1 月 17 日に
実施されたクラス内報告会の
様子を写真集にしました。
導入直後のヒナ
育すう機から平飼いへ移動
グループディスカッションの様子
肥育後期のブロイラー
代表者の発表
大きくなり育すう機に入る
解体前の屠体を冷やす
冬季休業中に仕上げたレポート