事例検討 4回目 Q:何度も同じミスを繰り返す 30 代の後輩男性介護士A

事例検討 4回目
Q:何度も同じミスを繰り返す 30 代の後輩男性介護士Aさんがいます。私は、40 代女性で
現場の責任者として管理職になっています。 Aさんがミスをするたびに「教え直さないと
いけない」と思い注意をしているのですが、時々余裕がなくなってしまうと怒りが抑えき
れなくなってしまい「何度言ったらわかるの!」と声を荒げてしまうこともあります。普
段から女性の管理職であることからも気をつけないといけないと思う部分が多分にあるの
ですがどうしても抑えきれずついやってしまいます。するとそのうちAさんからは、反抗
的な態度をとられるように思え更に怒りが募ってしまいます。怒りが抑えられないだけで
なく、上司であることをわかってもらうためにやっていることもあるのですが、やはり逆
効果になるのでしょうか?
A:正しいことであっても感情的に怒りをぶつけてしまうと、せっかくの伝えたいことも伝
わらなくなってしまいます。感情的に怒りを相手にぶつけるということは、自分にとって
得策ではないと考えられます。そこで、少し気持ちの余裕を持つために「呼吸法」を取り
入れるなどして今の自分の気持ちを確認してください。もしかしたら、全てが怒りではな
いのかもしれません。最初は、出た結果に対してとても残念な気持ちだったのが相手の反
応によって怒りに変わってしまうこともあるからです。もし、残念な気持ちがあるのであ
れば、まずはその気持を伝えることのほうが大切です。また、「怒る」と「叱る」の違いを
見ていくと「怒る」とは、感情的なために一方的な言い方になり伝えたいことが伝わらな
くなってしまいます。すると怒られている方は、モチベーションがダウンし、お互いの信
頼関係までもが崩れてしまうということが起きてしまうために相手は、反抗的な態度にな
ってしまうこともあります。「叱る」ということは、相手が良くなってほしいという期待感
を込めて「どうすればいいのか?」という事を伝えることになります。すると相手は、何
をすればいいのかが分かり方向性や目的が明確になることでやる気がでたり、モチベーシ
ョンのアップにもつながります。そこで大切なのが「叱る」という行為は、「結果」に対し
てではなく「過程(プロセス)」に対して行うことで有効になるということを少し頭の片隅
にでも置いてもらえればと思います。つい同じことが繰り返されると「何度言ったらわか
るの!」や「なんでできないの?」と言いがちですがそれでは、結果を責めていることに
なってしまっています。結果は、あくまでも結果であり出てしまってからでは変更や訂正
はできません。それよりも「どうしたらそのような結果にならなかったか?」ということ
が大切です。そこで、「(こういう結果にならないようにするためには、)どうしたらよかっ
たと思う?」少し言い方を変えてみてください。そうすれば相手の考えを聴くことになり
ます。「叱る」というのは、相手の考えを聞き出してから間違っていれば「その考え方は、
間違っている」と訂正するということです。ぜひ、せっかくの「アドバイス」を「指示」
にしないように心がけてみてください。