平成23年7月4日 ライフプラン21 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP®認定者 大谷 明 投資の 投資 の 基礎講座 「リスクの尺度:標準偏差」 投資とは、「将来のある程度の期間の投資収益の発現を期待しつつ、現在、資金を何らかの資産に投下(固定化)すること」と定義されます。したがって、投資は不 確実な将来の収益を期待して現在の時点で行なわれるものであり、将来の収益が不確実であることを「リスクがある」といいます。 しかし、将来の収益が不確実だからと言って、投資を手控えるだけでは収益を期待することもできません。そこで、不確実さを何らかの尺度で示して、不確実の度合 いを測ることによって、概ねの収益のブレをイメージする手段が必要になります。その尺度として、「レンジ」「分散」「標準偏差」などがあります。 「レンジ」は、集団すべてのデータで最も大きいデータと最も小さいデータの差のことで、計測したデータの上下のブレの最大がわかります。上下の振れ幅の平均が どのくらいかを示す尺度が「分散」と「標準偏差」です。各データ(変化率)の平均とそれぞれのデータの差(偏差といいます)をすべて足して、データの数で割ると平均 が出ますが、これではどんなデータでも平均はプラスマイナスが相殺されてゼロになってしまい、役に立ちません。そこで、工夫されたものが、偏差の2乗(プラスとプ ラスの2乗はプラスですし、マイナスとマイナスの2乗もプラスになります。)を合計してデータの数で割れば、偏差の2乗の平均が出ます。つまりブレ幅の2乗の平均 がわかります。これを「分散」といいます。ただブレ幅の2乗の平均と言ってもイメージがつかみにくいことが難点です。そこで、「分散」が偏差の2乗の平均ですから、 分散の平方根をとれば、偏差の平均となり、これならば、ブレ幅のイメージが掴みやすくなります。分散の平方根を「標準偏差」といいます。 一般的にリスクを表す尺度として、「標準偏差」が使われるのはこのためです。したがって、標準偏差とはリターンの平均(または期待値)から上下どのくらいのブレ が生じるかの平均値(ブレの平均)ということになります。 先週の 先週の金融市場データ 金融市場データ 週初 週間高低表(終値ベース) 高値 安値 週末終値 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年 9,578.31円 9,868.07円 9,578.31円 9,868.07円 群馬銀行 0.03% 0.03% 0.03% 0.03% 0.04% 825.64 853.86 825.64 853.86 東和銀行 0.03% 0.03% 0.03% 0.03% 0.04% 12,043.56ドル 12,582.77ドル 12,043.56ドル 12,582.77ドル 高崎信用金庫 0.03% 0.03% 0.03% 0.03% 0.04% 2,688.28 2,816.03 2,688.28 2,816.03 郵便局 0.04% 0.04% 0.04% 0.04% 0.04% 日経平均株価 TOPIX ニューヨークダウ平均 平成23年7月4日現在 スーパー定期 スーパー 定期( 定期 ( ニュー定期 ニュー 定期) 定期 ) 金利表 NASDAQ 10年国債利回り 1.095% 1.140% 1.090% 1.140% 5年国債利回り 0.385% 0.425% 0.385% 0.425% 月例フォーラム 月例フォーラムのお フォーラムのお知 のお知らせ 無担保コールO/N 0.068% 0.069% 0.067% 0.067% 0.09375% 0.09375% 0.03125% 0.09375% 2.93% 3.18% 2.93% 3.18% 日本FP協会群馬支部では一般消費者向けのセミナーを下記のとおり開催します。ど なた様もお気軽にご参加ください。 記 日時 平成23年7月9日(土) 13:45~16:35 会場 前橋市中央公民館 56学習室 群馬県前橋市本町2-12-1(前橋プラザ元気21) セミナー 13:45~15:05 「資産運用入門2~金融商品あれこれ~」 15:15~16:35 「終の棲家と住宅改修~転ばぬ先の住まいの知恵!~」 貯蓄や保障の見直し、住宅ローンなど暮らしとお金に関する体験無料相談会も行い ます。(1回50分) お申込み・お問い合わせ 日本FP協会群馬支部 027-212-6092 米国FFレート 米国10年国債利回り ドイツ10年国債利回り 2.90% ドル/円相場 3.03% 2.90% 3.03% 80.78円 81.07円 80.41円 80.77円 ユーロ/円相場 114.18円 117.18円 114.18円 117.18円 1ユーロ=ドル 1.4508ドル 1.4134ドル 1.4508ドル 1.4134ドル 豪ドル/円相場 84.38円 86.54円 84.38円 86.54円 NY原油先物(WTI) 90.61ドル 95.42ドル 90.61ドル 94.94ドル 1,496.40ドル 1,510.40ドル 1,482.60ドル 1,482.60ドル NY金先物 今週の 今週 の 株式相場見通し 株式相場見通 し 10,400 先週の株式市場は、週初ギリシャの財政計画の議会採決を前に不安感が広 がっていることや主要経済指標の発表が控えていることなどから、買いが手控 えられ軟調なスタートとなりました。しかし、ギリシャの財政問題に対する不安が 薄れ、欧米の株式相場が上昇したことを受けて、国内株式市場も大きく値を上げ ました。 今週の株式相場は上値の重い展開が予想されます。ギリシャの財政危機への 不安は弱まり、また、米景気回復の鈍化懸念が薄らいだことで下値は抑えられ るものと思います。しかし、国内政局の混乱、足元の経済環境が厳しいことか ら、買い上げる力は乏しいと思います。上昇ピッチが速いことから利益確定の売 りも出やすいことが考えられます。 日経平均株価で9600~9980円程度の推移が予想されます。 日経平均株価日足 10,200 25日移動平均 10,000 75日移動平均 9,800 9,600 9,400 9,200 9,000 3/28 1.60% 4/18 5/13 6/3 6/24 国債利回り 国債利回 り 今週の 今週 の 債券・ 債券 ・ 為替相場見通し 為替相場見通 し 1.40% 1.20% 1.00% 10年国債利回り 0.80% 5年国債利回り 0.60% 0.40% 0.20% 3/28 4/18 94 92 90 88 86 84 82 80 78 76 5/13 6/3 6/24 ドル/円(左軸) 為替相場 豪ドル/円(左軸) ユーロ/円(右軸) 3/28 4/18 5/13 6/3 124 122 120 118 116 114 112 110 108 106 先週の債券相場は、好需給を背景にギリシャの財政問題も絡み、リスク回避 姿勢から28日には10年物国債利回りが一時、1.085%と約7カ月ぶりの低い水準 まで低下しました。その後、欧州の財政不安がひとまず遠のくと金利は反転、一 時1.150%まで上昇しました。 今週の債券相場は、不安定ながらも弱含みの対胃が予想されます。国債を下 回る利回りまで地方債が買われるなど、過熱感が出てきていることや足物の景 気は厳しいものの、先行きを楽観視する動きがあることから、積極的に買い進む 動きは乏しいと思います。 10年国債利回りは、1.090~1.170%程度の推移が予想されます。 先週の為替相場は、ドルはほとんど動かず、ユーロがギリシア問題の好転か ら大きく値を戻しました。 今週の為替相場は、ユーロの上昇に対し、ドルが対円で小動きだった反動もあ り、ドルが強含む展開が予想されます。 1ドル=80円00銭~82円20銭程度の推移となりそうです。 CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー ®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd. (FPSB)の登録商標で、FPSBとのラ イセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。 6/24 本資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。本資料に含まれているデータ等は信頼し得る情報源から得たものですが、ライフプラン21はその 正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料内に記載された内容・意見は本資料の作成時点における個人的意見であり、予告なく変更する場合があります。投資に関する最終決定はお客様 ご自身の判断でなさるようお願い申し上げます。
© Copyright 2024 Paperzz