ÿþM icrosoft W ord - ライフスキル ライフスキル教育 JKYB関東支部

第1学年1組
1
総合的な学習の時間学習指導案
題材名 賞賛(秘密の友だち)
JKYB ライフスキル教育プログラム 中学生用レベル 1
2
題材について
(1) 学校研究主題との関連「豊かな心をもつ生徒」~子どもに「生きる力」を育む教育活動~
第一中学校の生徒は素直で、何事にも一生懸命取り組む生徒が多い。しかしその反面、今年
度5月に行われた全校生徒対象のアンケート調査によると、
「自分のよいところをあげることが
できる。」「私は自分のことが好きです。
」の2項目について「よく当てはまる」「だいたい当て
はまる」と回答した生徒が他の項目に対して極端に少なく、セルフエスティームが低い生徒が
多く見受けられる。学校研究主題である「豊かな心をもつ生徒」の育成を図るためにも、友達
同士で賞賛の言葉を送りあう今回の「賞賛(秘密の友だち)
」の学習を通して、他の人のセル
フエスティームに対して好ましい影響を及ぼすことができる、そしてさらに自分自身のセルフ
エスティームをも向上させることができる生徒の育成を図りたい。
(2)単元設定の理由
①教材観
今回行う授業、
「賞賛(秘密の友だち)」は、セルフエスティームを構成する3つの要素、
「独
自性(個性)の感覚」、「有能性の感覚」、
「結合性(絆)の感覚」のうち、
「結合性(絆)の感
覚(自分にとって重要な人、場所、物との関係に満足している)
」の形成を目的としている。
1 学期は自分についての自己イメージについて考え、それらをコラージュの作成と発表を通
して、お互いの興味や考えを認めあうという「独自性(個性)の感覚の形成」を主に扱ってき
たが、2 学期に入ってからは「上手に話を聞こう」
「自分の気持ちをうまく伝える-自己主張-」
など、主に他人との関わりに関するもの「結合性(絆)の感覚の形成」を中心に学習している。
本時はこの「結合性(絆)の感覚の形成」の 3 つ目にあたる。今までの授業で学習してきたス
キルを生かしながら、生徒たち同士が互いに絆の感覚を形成し、さらにそれぞれのセルフエス
ティームを高めていきたい。
②生徒の実態
男子も女子も前向きに授業に取り組む姿勢が見られる。生徒相互の人間関係は概ね良好で、
コミュニケーション活動を行うに当たって、周囲をあまり意識することなく自己表現できると
いう点では心理的抵抗は少ないと思われる。ただし生徒の中にはコミュニケーションを不得意
としている生徒もおり、本時の活動の中で、生徒同士でコミュニケーションを図りながら活動
を進めていく際には教師が手助けするなどの配慮が必要である。
本活動を通して生徒たちのコミュニケーション能力を育成し、
「よりより人間関係」を築か
せたい。
③指導観
思春期は、両親から次第に自立していく一方で、友人の影響が強くなっていく時期である。
本時の、他の人を具体的にほめる賞賛の活動を通して、他の人のセルフエスティームを高める
方法を学び、友人のセルフエスティームに対して好ましい影響を及ぼすことができるような活
動を展開していきたい。そのためにも、事前準備として、「秘密の友だち」の良いところを肯
定的かつ具体的なメッセージとして書かれているかをしっかりチェックしておくこと、そして
当日の授業の中で生徒たちが互いに秘密の友だちに送りあう言葉が、友人のセルフエスティー
ムに対して悪影響を及ぼすような言葉となることが絶対にないように、特に配慮して授業を行
っていきたい。そして、最終的には他の人のセルフエスティームを高めるとともに、自分自身
のセルフエスティームも高めていける活動としたい。
(3)教育に関する3つの達成目標との関連
特に、「規律ある態度」について、活動の始まりや終わりなど、しっかりけじめをつけさせ
たい。また、「秘密の友だち」へ賞賛のメッセージを送る際に、やさしい言葉、丁寧な言葉を
用いることよって、生徒たちの温かい心、相手への思いやりの心を育てたい。
3
単元の目標と評価規準
単元の目標 ( 学…学習方法に関すること、他…他者や社会に関すること、自…自分自身に関すること)
・ 上手なほめ方を明らかにし、友人の特性や能力などを適切にほめる方法を学習する。 学
・ 友人だけでなく家族に対して賞賛するメッセージカードを作成し、家族の絆を強める。 他
・ 日常生活において、互いにほめることの大切さに気づく。 自
② 評価規準
学習方法に関すること
・学ぶ意義や意味を理解し、活動に積極的に取り組もうとする。
・秘密の友だちの良いところをしっかり観察することができる。
・あいまいではなく、具体的な賞賛の言葉を友だちに送ることができる。
他者や社会とのかかわり
に関すること
・具体的な賞賛の言葉を用いて秘密の友だちを含む他の人のセルフエス
ティームを高めることができる。
・家族に対してセルフエスティームを高めるような具体的な賞賛の言葉
を用いたメッセージカードを作成できる。
自分自身に関すること
・秘密の友だちを含む他者からの賞賛の言葉を受けて、自らのセルフエ
スティームを高めることができる。
4
本時の学習指導
(1) 本時の目標
・上手なほめ方を明らかにし、友人の特性や能力などを適切にほめる方法を学習する。
・日常生活において、互いにほめることの大切さに気づく。
(2) 本時の展開
学習活動と教師の活動
生徒の活動
指導上の留意点
○ブレインストーミングの
○ブレインストーミングのル
○この活動は、授業の初めに
ルールの確認
ールについての教師の説明
ブレインストーミングを
を聞く。
することによって、生徒た
ちがリラックスしたり、和
やかな雰囲気になったり
することもねらいとして
○最近、人からほめられた
いる。
り、人をほめたりした経
導
入
○ブレインストーミングを
験についてのブレインス
行う前に、行う際の注意事
トーミング。
項を掲示物を用いてもう
「最近、人からほめられ
○各生活班に分かれて、
「最
一度確認をしてから行う。
たり、人をほめたりした
近、人からほめられたり、
ブレインストーミングのルール
経験についてブレインス
人をほめたりした経験」に
①批判、コメントはしない
トーミングをしてみよ
ついてブレインストーミン
②自由にアイデアを出す
う。」
グを行う。
③質を問わずに多くのアイデアを
出す
○ブレインストーミングの
○ブレインストーミングで挙
結果を模造紙にまとめ、
がった意見を分類・分析する。
発表する。
(例)
・能力をほめる
④便乗発展させて新たなアイデア
を出す
・行動をほめる
・努力をほめる
・容姿をほめる
○「秘密の友だち」からの
☆あいまいではなく、具体的
メッセージを送る。
な賞賛の言葉を友だちに
・
「秘密の友だち」観察記録
送ることができる。
カードを返却する。
展
開
☆具体的な賞賛の言葉を用
・
「秘密の友だち」メッセー
いて秘密の友だちを含む
ジカードを配布する。
他の人のセルフエスティ
・
「秘密の友だち」メッセージ
カードに自分の名前を書
く。
・自分の片方の手のひらを書
く。
・
「秘密の友だち」メッセージ
ームを高めることができ
る。
○「秘密の友だち」メッセー
ジカード記入時の留意点
・メッセージカードに自分の
手のひらを描くのは、一人
時
間
カードを自分の背中にクリ
一人の生徒に「自分自身」
ップで留める。
を意識させるためである。
・教師の合図で、教室を回り、 ・メッセージは、観察記録の
自分が観察した 5 人の「秘
最終日に決めたもの以外
密の友だち」に最終日に選
は、ここでは書かないこと
んだメッセージを書く。
(メ
を強調しておく。
ッセージには、自分の名前
・責任をもったメッセージと
を必ずサインする。
)また、
するために、誰が送ったか
同様に自分もメッセージを
が分かるよう、名前を必ず
書いてもらう。
サインさせる。
・5 人すべて書いた人は、手
のひらの中に自由い書いて
・自由に送るメッセージには
特に配慮する。
もらったり、書いたりする。 ・積極的に参加できている
か、特に気にかかる生徒に
注視し、サポートする。
・この時間に完成させた「秘
密の友だち」メッセージカ
ードは、お互いに紹介し合
うことによって自他のセ
ルフエスティームに好ま
しい影響を与えると考え
られるので、後日教室掲示
する。
○ほめられた気持ちを「秘
○自分に送られたメッセージ
☆秘密の友だちを含む他者
密の友だち」メッセージ
を読み、
「秘密の友だち」に
からの賞賛の言葉を受け
カードに記入する。
対してありがとうメッセー
て、自らのセルフエスティ
ジを書く。
ームを高めることができ
・時間があれば、数人の生
徒に発表させる。
ま
と
め
○本時の学習内容を確認す
る。
る。
○日常生活の中でも互いに
賞賛することの大切さを
確認する。
5.参考資料単元の指導計画(3 時間扱い)と評価計画
( 学…学習方法に関すること、他…他者や社会に関すること、自…自分自身に関すること)
時間
「賞賛(秘密の
主な学習活動
◎指導上の留意点 ☆評価規準
・「秘密の友だち」の意義とやり方
☆学ぶ意義や意味を理解し、活動
友だち)」
「賞賛(秘密の
友だち①)
」
について説明する。
・「秘密の友だち」のくじ引きによ
第1時
り決定する。
・「秘密の友だち」の観察記録カー
ドの記入法を説明する。
に積極的に取り組もうとする。 学
☆秘密の友だちの良いところをし
っかり観察することができる。
学
◎「秘密の友だち」の観察記録カ
ードに記入する賞賛の言葉はあ
いまいなものではなく、具体的
なものとなるよう助言する。
「賞賛(秘密の
・上手なほめ方を確認する。
友だち②)
」
・「秘密の友だち」へメッセージを
送ることにより、友人の特性や能
力などを適切にほめる方法を学
習する。
・ほめられた気持ちを「秘密の友だ
ち」メッセージカードに記入す
る。
☆あいまいではなく、具体的な賞
賛の言葉を友だちに送ることが
できる。 学
☆具体的な賞賛の言葉を用いて秘
密の友だちを含む他の人のセル
フエスティームを高めることが
できる。 他
☆秘密の友だちを含む他者からの
賞賛の言葉を受けて、自らのセ
第2時(本時)
ルフエスティームを高めること
ができる。 自
◎メッセージは、観察記録の最終
日に決めたもの以外は書かせな
い。
◎責任をもったメッセージとする
ために、誰が送ったかが分かる
よう、メッセージカードには名
前を必ずサインさせる。
◎自由に送るメッセージには特に
配慮する。
◎積極的に参加できているか、特
に気にかかる生徒に注視し、サ
ポートする。
「賞賛(秘密の
第3時
友だち③)
」
・家族への賞賛の手紙を書く。
☆家族に対してセルフエスティー
ムを高めるような具体的な賞賛
の言葉を用いたメッセージカー
ドを作成できる。 他