子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)について

子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)について
子宮動脈塞栓術(UAE)とは、子宮筋腫によって生じる症状(過多月経、月経痛、貧血、腹部
腫瘤の自覚など)を開腹せずにカテーテルという細い管を用いて治療する方法です。入院期間が
短くて済み、日常生活にも早く戻れるのが特徴です。なお、治療には健康保険が使えます。
1.子宮動脈塞栓術(UAE)の一般的な適応基準は?
①子宮筋腫による月経・圧迫症状が強い
②薬物療法が無効
③子宮温存を希望
④閉経前
2.子宮動脈塞栓術(UAE)の適応外となる場合は?
①無症状
②悪性腫瘍の合併
③活動性の骨盤内の感染症
④ホルモン療法中(ホルモン療法中止後8~12週で治療可能)
⑤妊娠中、閉経後
⑥挙児希望
⑦ヨード造影剤に対するアレルギー
3.動脈塞栓術(UAE)の治療法は?
子宮動脈塞栓術(UAE)は、インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)と呼ばれる血管内
治療を専門にした放射線科医によっておこなわれます。
① 足の付け根から血管(大腿動脈)を穿刺し、血管内へカテーテルを挿入します。カテーテ
ル先端を腹部大動脈まで挿入し、造影剤を用いて血管を確認(骨盤動脈造影)します。
② 次に子宮を栄養している子宮動脈にカテーテルを挿入します。
③ エンボスフィア(日本化薬)と呼ばれる塞栓物質を注入します。この塞栓物質は左右子宮
動脈に注入します。
(使用材料、薬剤等)
シース、ピッグテール、ループカテーテル、0.035 ガイドワイヤー、マイクロカテーテル、マイ
クロガイドワイヤー、エンボスフィア3 -5本程度、アンギオセット、ドレープ、造影剤
100-150ml、造影用チューブ、局所麻酔薬(1%キシロカイン)
、塩酸モルヒネ1~2A、NSAIDS
を 5~7 日分、抗生剤点滴等
4.合併症は?
下腹部痛、発熱・・ほぼ必発出血、感染症、無月経、卵巣機能低下、筋腫分娩、深部静脈血栓
症、肺塞栓症、血管損傷、造影剤のアレルギー反応、子宮動脈以外の異所性塞栓による症状
5.入院期間は?
産婦人科・放射線科両方の外来を受診していただき、各担当医と十分にご相談のうえ適応を判
断します。入院期間は約1週間で以下の流れです。
①子宮動脈塞栓術(UAE)前日に入院
②当日は治療約2時間、ベッド安静約 4-6 時間、以後歩行可能
③3~4日間経過観察後、体調に問題なければ退院
④ 週以降は、日常生活や仕事に戻れます
6.入院費用は?
保険適応となります。患者様が3割の場合、おおよそ18万円の見込みです。
高額療養費制度がご利用いただけます。
子宮動脈塞栓術(UAE)に関するお問い合わせ
医事課
塚本
(5034)
産婦人科 沖医師 (5781)
放射線科 児山医師(5868)