動物園学 選択 3年次

動物園学
3年次/ 2 単位
選択
後期
村田 浩一【教授】
学科・クラス 動物資源科学科
指 定 等
動物園の歴史は紀元前10世紀ごろ、中国や西欧において王侯貴族の珍獣・奇獣に対する個人的趣味とコレクションに発するといわれている。以後、ロンド
ン動物園に代表される博物学や動物学を基盤とした近代動物園を経て希少種保存を主目的とした現代動物園に至るまで、その発展と進化には止まるところ
がない。もはや単なる珍奇動物展示施設やレジャーランドとしての存在意義は失われつつある。これまで世界の動物園が歩んできた道筋や科学的業績を紹
学習目標 介し、これからの動物園が目指すべき「保全研究」、「保全教育」、「種保存」および「動物福祉」としての役割について理解を深める。
学 び の 動物園の歴史、動物園の展示、動物園の保全教育、動物園の種保全、動物園の研究、動物園の動物福祉
キーワード
課題に基づいた予習を前提とする。履修条件に関しては特になし。
準備学習及び復習
の内容・履修条件
講述およびスライド・ビデオ映像等を用いた説明。
授業方法
定期試験80%と受講態度20%による総合評価。動物園の役割と意義、動物園における展示、世界および日本の動物園の歴史、保全教育と希少種保全、動物
園の科学などが理解できれば合格(60点)。
成績評価
基 準
備 考
教科書:「動物園学」(文永堂出版)、「動物園学入門」(朝倉書店)
履修条件:専門選択科目
オフィスアワー:電子メールでの質疑応答もしくは電子メールで面会日時を打ち合わせて会談
回 数
授 業 内 容
動物園とは何か?定義、形式と分類、社会的役割、世界動物園保全戦略
1
2
3
4
動物園の歴史(1)
世界史:メナージュリ(観覧動物檻)からワイルドライフコンザーベーションパーク(野生動物保護公園)まで
動物園の歴史(2)
日本史:福沢諭吉・田中芳男から石川千代松・古賀忠道まで
動物園の希少種保存機関としての役割:種保存会議、種保存委員会(SSCJ)、類別繁殖検討グループ、保全繁殖専門家集団(CBSG)、世界動物園機構
(IUDZG/WZO)、ブリーディングローン、ズーストック計画等
動物園の研究機関としての役割:試料収集・保存、飼育下繁殖研究、飼育技術者研究会、動物園水族館雑誌発行等
5
動物園の社会教育施設としての役割環境教育、各種教育普及事業(サマースクール・ズーガイド等)、生涯学習教育
6
動物園動物の管理(1):飼料、動物舎、捕獲・保定、輸送等
7
動物園動物の管理(2):病気、健康管理、麻酔、治療等
8
動物園動物の管理(3):自然交配と人工授精、人工哺育、配偶子保存等
9
10
動物園動物の管理(4):個体管理(入墨・脚帯・マイクロチップ等)、遺伝的多様性管理、近交劣化問題、国際・国内血統登録、国際種情報機構(ISIS)
等
動物園の新しい展示:生態展示、行動展示、ランドスケープイマージョン、環境・行動エンリッチメント等
11
世界の主要動物園:国情による動物園の特色等
12
特化した動物園:スリムブリッジ水禽公園、ジャージー島動物園、旭山動物園、富山市ファミリーパーク等
13
動物園の将来像:冷凍動物園、希少動物保護センター、動物園生物学(ZooBiology)、野生復帰等
14
学期末試験
15