WING DAILY

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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★成田2010年後の発着枠、国・県・地域と検討合意
22万回以降増枠の騒音対策などを協議
成田国際空港会社(成田会社)、国土交通省、千葉県、地
元市町は1月23日、「4者協議」を開催し、成田空港の2010
年発着枠2万回増加以降に、さらなる増枠に向けた検討を協
議していくことで合意した。
2010年3月に第2滑走路北進工事が完了する成田空港は、調
査によって30万回まで増枠が可能としており、国の政策およ
び経済効果としては歓迎したい意向。地域住民や地方自治体
にとっても空港との共存共生には、経済効果のほか雇用創出
などの面から前向きにとらえているものの、騒音の拡大が懸
念されている。これらを解決しスムーズにさらなる増枠へと
進めていく。
この協議では、成田発着枠の拡大の際に発生する騒音の状
況について確認するべく、成田会社に対して予測騒音コン
ター(等音線)の作成に着手することで合意し、あわせて環
境対策や地域との共生についての対策の基本的な考え方など
も示すこととなった。
国交省に対しては、等音線作成の前提となる飛行コースに
ついて航空安全の確保を基本として、騒音の影響が拡大しな
いような飛行コースの決定を検討していくこととしている。
県としては、等音線が提示され4者協議会での協議の結
果、騒音範囲拡大などが認められ特定空港周辺航空機騒音対
策特別措置法(騒特法)の見直しが必要の際には、該当市町
の意向を最大限尊重し誠意を持って配慮する見直しを行うこ
とで合意した。
4者会議は、まず国が飛行コースを策定した後に成田会社
が等音線を作成し、騒特法の改正の必要性を協議していくも
ので、各段階の節目に不定期で継続していく。
協議会のメンバーは、国土交通省航空局長の前田隆平氏、
千葉県知事の堂本暁子氏、成田会社の代表取締役社長の森中
小三郎氏、成田空港圏自治体連絡協議会からは成田市長の小
泉一成氏、富里市長の相川堅治氏、山武市町の椎名千収氏、
香取市長の宇井成一氏、多古町長の菅澤英穀氏、芝山町長の
相川勝重氏、横芝光町長の佐藤晴彦氏、栄町長の川サキ吉則
氏、神崎町長の石橋輝一氏。
【航空関連ニュース】
★全地航、主要空港の小型機取扱研究・調査
今後は羽田で小型機特性活かした運用可能性検討も
平成20年度の全国地域航空システム推進協議会研修会が23
日、航空会館で開かれた。そのなかで、桜美林大学客員教授
で、日本航空協会の橋本安男部長は『主要空港における効率
的な小型機の取り扱いに係る研究・調査』の中間報告を行っ
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た。この研究で、海外空港における事例を調査
することで、とくに小型機の特性を活かして空港の効率的な
運用を実施、あるいは小型機の運航を推進している先進事例
を調査した。そして、日本国内空港への適用と小型機の特性
を活かしたスロット増の可能性について考察する。そこで、
20年度は欧州のフランクフルト・マイン空港、ロンドンシ
ティ空港、アムステルダム・スキポール空港の対応状況を調
査した。とくにフランクフルト・マイン空港は、HALS
(HighApproachLandingSystem)とDTOP(DualThresholdoperation)という2つの管制システムを開発。また、ロン
ドンシティ空港は急角度進入を適用、スキポール空港では小
型機専用の滑走路を設置しており、それぞれの空港で小型機
の特性を活かした効率的な空港の運用を目指している。今回
の調査で大空港、小空港問わず、世界の空港で小型機運航促
進のために工夫と努力がなされているということの重要性が
確認されたという。全地航では、今後、羽田空港において小
型機の特性を活かした運用の可能性を検討する。その際、1
つの滑走路に2つ目の滑走路端設置や急角度進入、小型機の
低騒音性について検証していく予定だ。また、米国における
現地調査も実施することにしている。
フランクフルト、HALS/DTOPシスを検証
1つの滑走路に滑走路端を2つ設置
フランクフルト・マイン空港の総旅客数は、2007年時点で
世界ランキングで第8位。欧州ではロンドン、パリに次いで
第8位。発着回数では12位となっている。同空港の滑走路
は、いわゆるクロース・パラレル・ランウェイであり、両滑
走路の幅は518メートル(1700フィート)となっている。
フランクフルト・マイン空港では、発着容量の増加を図る
ため、まず、HALSシステムを開発した。HALSでは、北側
滑走路25Rを大型機専用に設定。南側の平行滑走路26Lを小
型機/中型機専用の滑走路とした。ルフトハンザによる評価
試験を行っており、フル・フライト・シミュレータによる評
価を行うと共に、滑走路の灯火システムのデザインや安全上
問題の無いことを評価・検証を行った。さらに、1999年から
2004年にかけて、HALSシステムで運用する実際の評価フラ
イトを実施、約5000回の着陸を成功裏に実施した。
最も理想的な場合には20〜30%、実用上は5%前後の発着
回数増が望まれるものの、HALSにも問題点があるという。
大型機が連続した場合、南側滑走路が使用できないため、効
率が落ちる。また、北側滑走路からの離陸機に離陸許可が出
しづらい、などといった問題が生じた。
そこで次に、DTOP(DualThresholdoperation)構想が浮
上。この構想では、3つの滑走路端(25R/25L/26L)を設
定しており、ICAOの管制基準とHALSシステムを組み合わせ
た運用としている。
DTOPについて去る2003年試験飛行を行い、滑走路26L、
25Lの両方を使用。ライティング・システムの視認性に問題
がないことを確認したほか、ヒューマン・ファクターの見地
(2)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) から検証。フル・フライト・シミュレータを使用し、パイ
ロットのワークロード(仕事量)と安全上の問題がないこ
とを確認した。また、管制官についても、同様に検証し、
ワークロード上、問題がないことを確認した。
DTOPを使用することで、着陸スロット増の効果がみら
れ、HALSに比べて容量拡大効果が倍増(時間あたり2回
増が4回増)した。
しかしながら、3つの滑走路端への誘導(離陸機との調
整)に関して、機材サイズを考慮して最適な配分を行うた
めの管制システムの開発が必要になることや、2011年に
新滑走路(着陸帯専用)が供用開始となるため、DTOPを
導入しても3年程度しか使用しないことなどから、実運用
は見送られた。
日本の空港に、HALSおよびDTOPを適用した場合を全
地航は想定しており、HALSについては、基本的にクロー
ス・パラレル方式の平行滑走路対応であって、羽田空港の
ようなオープン・パラレル方式の平行滑走路への適用は直
接該当しない、としている。
一方、DTOPについては、ひとつの滑走路に二つの滑走
路端を設置して適宜変更して運用することは、いわば二つ
の滑走路を運用するということで、日本の空港にも適用す
ることが可能だという。高度差を確保して後方乱気流を回
避することができるため、後方乱気流の回避が理由となっ
て管制間隔が制限される場合は、管制間隔を縮小して着陸
容量を増加することができる、としている。
仮にDTOPを導入する場合には、空港の基本施設である
滑走路や航法援助施設の改修が必要になるほか、パイロッ
トと管制官の運用におけるヒューマンファクターの検証、
さらには管制支援システムの検討と開発が必要になる。ま
た、航空会社においてパイロットに対する必要な訓練と規
定の整備が必要になるという。
ロンドンシティの急角度進入
騒音対策で5.5度の急角度進入
ロンドンシティ空港は、金融の中心でもあるロンドンシ
ティに近いことから、厳しい騒音対策が必要だ。また、滑
走路も最大1500メートルと短く、運航機材は急角度進入
が可能な小型機に制限した。1987年開港当初は、ターボ
プロップ機のみの運用で進入角度は7.5度。1990年の拡張
時に現在の5.5度に変更した。
急角度進入について、全地航では物理的に適用すること
は可能、としながらも特にパイロットに対する受け入れ体
制において十分な調整と準備が必要、との見解を示した。
また、ロンドンシティ空港のように急角度進入導入の必然
性が明確な場合にもに、その適用が論議されるうるとして
いる。
★ANA、小松・富士・能登3空港間国内券相互利用可
ペット料金は値上げ、上期国内線運賃
全日空(ANA)は2009年上期(4月-9月)搭乗分の国
際線運賃を設定、国土交通省に届け出た。
また今回4月1日より小松・富士・能登空港の北陸3空港
発着の国内航空券が相互に利用できるサービスを新たに始
めた。
これは予約変更が可能なANA国内航空券を対象に3空港にまた
がる旅程での往復運賃が利用できるようになるほか、3空港間に
またがって予約変更も可能となり、北陸地方への旅行を便利にす
るもの。
例えば、3空港間にまたがる旅程での往復運賃の適用では、2月
1日に羽田から富山へ行き翌日小松から羽田にもどる場合、羽田
発富山行航空券と小松発羽田行航空券では、それぞれ片道運賃が
2万1900円ずつ適用されていたもの(計4万3800円)が、4月1日
からは同じ空港でなくてもこの3空港間であれば、往復運賃が適
用され、この例では1万97000円の往復運賃が適用されるため合
計は3万9400円となり、以前より4400円安くなる。
また、3空港間にまたがる予約の変更については、これまでは
例えば、2月1日に羽田発小松行NH751便片道運賃を購入したに
もかかわらず、2月1日羽田発能登行NH747便に変更したい場
合、羽田発小松行き航空券を払い戻し、そして羽田発能登行航空
券を新規予約・購入しなければいけなかったものを4月1日以降は
払い戻し、新規購入の必要なく、予約便の変更というかたちで羽
田発小松行航空券から羽田発能登行航空券に変更出来るというも
の。
そのほか、ペット料金についても変更があり、現行のペット料
金ケージ1個1区間あたり4000円、貸出用ペットケージを利用の
際500円の追加料金を徴収していたものが、4月1日からはペット
ケージ貸出の有無に関わらず5000円(1部路線は3000円)に値上
げ変更している。
片道運賃・往復運賃それらに連動する各種運賃については2008
年度下期野運賃額と同額で設定している。
★ANA、国際線のエンターテイメント大幅拡大
2月から欧米線で拡大、世界初『24』を機内で
全日空(ANA)グループでは、2月から国際線個人シートモニ
ターを装備する機材全機・全クラスで、エンターテイメントチャ
ンネルを拡大する。人気の高いハリウッド映画や特集番組を取り
そろえ、顧客ニーズに対応していく考え。
第一弾として、2月1日から、欧米線(B747-400/B767300ER)の番組数を従来の82チャンネルから160チャンネルに大
幅に拡大。4月1日には中国、アジア方面といった中・短距離線
(B777-200ER/B767-300ER)の番組数も75チャンネルから
153チャンネルに拡大する。
チャンネル数の拡大と共に、新企画・新ジャンルの番組ライン
ナップも豊富に揃える予定で、ハリウッド映画・日本映画に加
え、フランス、韓国、タイなどの世界の作品を集めた『ワールド
ムービー』を新設する。また、機内エンターテイメントでは世界
で初めてTVシリーズ『24−TWENTYFOUR-Season1』全24話
の一挙放映も7月まで行う。
さらに、オーディオ番組として雑誌『GQJAPAN』とコラボ
レーションする番組『GQSalononANA』もスタート。大人の
男性の洗練されたライフスタイルをテーマに、ゲストトークや音
楽を配信する。
その他にも、人気小説や子供向けの短編小説の朗読、BGM、
インストラクターによる機内でできるヨガなどを集めたオーディ
オブックなどといったコンテンツが取りそろえられる。
★日本空港ビル、雑貨と本のセレクトショップを開店へ
日本空港ビルデングは、第2旅客ターミナルマーケットプレイ
(3)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) ス3階に、雑貨と本を取り扱う『Tokyo'sTokyo(トーキョー
ズトーキョー)』をオープンする。オープンは2月20日の予
定。
『Tokyo'sTokyo』のキーワードは、“東京発の旅”。注
目のクリエーター達がプロデュースする店舗だ。
店舗面積は約107平方メートルで、営業時間は9時〜19時
30分。運営は日本空港ビルデングがあたる。
★福岡空港2タミ、そらもーるKUKUOKAオープン
FM福岡共同記念イベント「We LOVE 福岡」開催
福岡空港では2月1日に、国内線第2ターミナルビル2階「そ
らもーるFUKUOKA」のグランドオープンを記念したFM福
岡のスペシャルイベント「WeLOVE福岡」を12−20時に特
設ステージで開催する。
会場にはFM福岡の人気パーソナリティーBUTCH、山田優
子、西川さとりの3名が登場し、番組の名物コーナーを会場
で生で再現。福岡のお笑い芸人のケン坊田中、コンバット満
も登場する。さらに、イベントフィナーレの公開生放送には
スペシャルゲストとして藤井尚之が登場する。また、プレゼ
ントが当たるゲーム大会、クイズ大会など、来場者も参加で
きるイベントも用意。入場・観覧は無料、当日のスケジュー
ルは以下のとおり。
▼12−12時30分:オープニング=西川さとり、山田優子が
登場しプレゼントが当たるクイズ大会も開催
▼13−13時30分:ウルトラマンと遊ぼう=子どもから大人
まで大人気のヒーロー、ウルトラマンが登場、記念撮影も
▼14−14時30分:FM福岡VS福岡吉本「そらもーるクイ
ズ」=西川さとり、山田優子チームとコンバット満、ケン坊
田中チームが「そらもーるFUKUOKA」に散らばった答えを
求めてクイズ対決
▼15−15時30分:ウルトラマンと遊ぼう=ウルトラマンが
再度登場、ウルトラマンクイズに参加して賞品を目指す
▼16−16時30分:爆笑ステージ=BUTCH、コンバット
満、ケン坊田中による爆笑フリートーク
▼17−17時30分:スタモニ・ラジゴン・ブチカン出張名物
コーナー=各番組の名物コーナーを会場で再現、日々スタジ
オで繰り広げらる光景が「そらもーるFUKUOKA」のステー
ジで実現
▼18−18時30分:ウルトラマンと遊ぼう=ウルトラマンが
3度登場
▼19−20時:特別番組「WELOVE福岡空港」公開生放送
=スペシャルゲストに藤井尚之を迎えて公開生放送、福岡空
港や地元福岡にまつわるエピソードを聞く。
【航空宇宙工業ニュース】
★H2Aロケット15号機、衛星8基の打上に成功
「いぶき」初期機能確認運用に移行、副衛星も軌道に
三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、23日12時
54分に、種子島宇宙センターから温室効果ガス観測技術衛星
「いぶき」(GOSAT)などを搭載したH2Aロケット15号機を
打上げた。ロケットは正常に飛行し、打上げ16分後に「いぶ
き」を分離、その後、衛星から送られてきたテレメトリー
データの受信結果から、太陽電池パドルの展開の搭載ビデオ
カメラ画像により確認、姿勢地球指向モードへの移行の確
認、制御系を定常状態に移行させ、24日17時15分にクリティ
カル運用期間を終了、軌道上での衛星の機能、観測センサー
などの機能確認を行う約3ヵ月の初期機能確認運用期間に移行
した。
「いぶき」の軌道は、軌道傾斜角98度、周期98.2分の極軌
道で、遠地点高度684.8km、近地点高度667.4kmのほぼ円軌
道となっている。軌道は計画値との誤差が約1kmと正確な打
上げを証明した。
一方、相乗り小型衛星7基についてもロケットからの分離と
軌道投入が確認された。
JAXA自らが開発した小型実証衛星1号(SDS-1)、東北大
学スプライト観測衛星、東大阪宇宙開発協同組合のSOHLA1(「まいど1号」)、ソラン株式会社「かがやき」、都立産
業技術高専の航空高専衛星KKS-1、香川大学STARS、東京
大学PRISMの順に。オーストラリアから南極、大西洋へと向
かう軌道上で放出された。
★文科省、航空技術の研究開発に21億円
JAXA航空部門のMRJ等開発支援に
文部科学省は、21年度政府予算案で、「国産旅客機高性能
化技術の研究開発、グリーンエンジン技術の研究開発」に21
億6600万円を要求している。これは、宇宙航空研究開発機
構(JAXA)の運営費交付金となるもので、国産小型旅客
機・エンジンに関して、将来の市場競争力向上を目指した研
究開発および高付加価値・差別化技術の開発・移転、これら
に必要な設備整備を行うことがその内容となっている。
JAXAの総合研究開発本部、航空プログラムグループなど
が、三菱重工が開発に着手したリージョナルジェット機MRJ
および経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)の「エコエンジン」の開発支援として継続している
活動に充てるもの。予算額は、20年度の27億2500万円からや
や減少している。
★経産省、21年度は航空機関係で約60億円要求
先進空力設計、エコエンジンなど4項目
内閣府が集計した21年度科学技術関係予算案によると、経
済産業省は、航空機関連の4項目について予算要求しており、
20年度とほぼ同額を確保している。
「航空機先進システム基盤技術開発」に5億2300万円(前
年度5億3700万円)、「環境適合型小型航空機用エンジン研
究開発」に6億円(前年度同額)、「次世代航空機用構造部材
創製・加工技術開発」に8億円(同)、「先進空力設計等研究
開発」に41億円(同)となっている。合計すると約60億円。
その他、主に自動車用と見られるが、「省エネ用炭素繊維
複合材技術開発」には64億9800万円(同50億円)を計上して
いる。
環境適合型小型航空機用エンジンとは、いわゆる「エコエ
ンジン」で、優れた燃費効率とクリーンな排気を両立させる
よう研究試作が行われている。
(4)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) ★生産は民需・修理は防衛の割合高く、生産総額は約656億
SJAC、08年10月航空機生産実績
日本航空宇宙工業会(SJAC)がまとめた昨年10月の航空
機生産実績によると、航空機関係の総生産額は655億7800万
円、うち製造分野では520億2100万円、修理分野は135億
5700万円を計上している。その製造のうち輸出は262億400
万円。
総生産額のうち防衛省及び特需の生産高は232億3000万
円、民需向けのものは423億4800万円と民需の総額が2倍近い
高い実績となっている。
製造に関しては、総額520億2100万円のうち、防衛及び特
需が156億5200万円、民需が363億6900万円と民需の割合が
高く、修理費おいては総額135億5700万円のうち防衛及び特
需が75億7800万円、民需が59億7900万円と防衛の割合が高
かった。
なかでも特に、民需向けエンジン用部品の製造は205億
1600万円を計上している。
また、機体製造実績は回転翼3機で、防衛省向けが2機で38
億5000万円、民間向けが1機、6億9800万円、その合計は45
億4800万円となった。固定翼機は10月には納入がなかった。
機体部品の製造額184億5300万円は、民間が8割近くを占め
ている。
修理ベースで見ていくと、まず修理関連実績総計135億
5700万円のうち防衛省および特需向けが75億7800万円、民
間向け費用が59億7900万円となっている。
種類別に見ていくと、修理売り上げが大きいのは機体分
野。その43億4400万円のうち、防衛および特需のターボ
ジェット固定翼機の修理額が高い割合を占めている。
次に修理額が多い分野はエンジンで、その42億2600万円の
費用のうち民向けターボジェットエンジンの修理が8割近くを
計上した。
なお、10月末時点の従業員数は2万4842人、月間実動延人
員は51万8000人となっている。
動性、超音速巡航性能、優越性のあるアビオニクスにより、
米国に比べるもののない航空優位をもたらす、と自ら述べて
いる。
★普天間代替施設の建築計画WT会合を開催へ
防衛省は、27日、第3回普天間飛行場代替施設の建設計
画・環境影響評価を円滑に進めるためのワーキングチーム会
合および普天間飛行場の危険性の除去に関するワーキング
チーム会合を、中央合同庁舎4号館1階123会議室において行
う。
第3回普天間飛行場代替施設の建設計画・環境影響評価を円
滑に進めるためのワーキングチーム会合は同日15時から行わ
れ「建設計画・環境影響評価の取組状況」などについて話し
合う。
出席者は防衛省地方協力局次長、地方協力企画課長、沖縄
調整官、防衛政策局次長、日米防衛協力課長、経理装備局施
設技術官、内閣官房参事官、内閣府政策統括官付参事官、外
務省北米局審議官、日米地位協定室長、沖縄県知事公室長、
返還問題対策課長、名護市政策推進部長、宣野座村企画課
長。
普天間飛行場の危険性の除去に関するワーキングチーム会
合は同日15時50分から行われ、「普天間飛行場の危険性除去
の諸施策の実施状況」「普天間飛行場における飛行航跡調査
結果」等を議題に話し合う。
出席者は防衛省地方協力局次長、地方協力企画課長、沖縄
調整官、防衛政策局日米防衛協力課長、内閣官房参事官、内
閣政策統括官付参事官、外務省北米局日米地位協定室長、沖
縄県知事公室長、返還問題対策課長、基地対策課長。
【海外メーカーニュース】
★ボーイング、CF18近代化でカナダ工業界と地域に貢献
ボーイング社は、カナダ国防軍向けCF-18戦闘機搭載電子
機器近代化プログラムのフェーズ1を、カナダの工業界と地域
【航空防衛ニュース】
に利益をもたらすプログラムとして、成功裡に完了した。
★米空軍F22を嘉手納とグアムに24機展開中
この達成は、スケジュールより1年先行し、ボーイングの工
同地域の米軍との戦闘訓練を目的に3ヵ月間
業協力(Industrialparticipatin:IP)コミットメントに合致し
た成功を実証した。同社は過去30年間以上にわたり35ヵ国以
米太平洋空軍報道部は、米空軍は太平洋地域の安全と安定
上で、総額290億ドル以上のIPプログラムを成功させてき
を確保するための戦力ローテーションの一環として、2個飛行
た。
隊のF-22ラプター戦闘機の展開を実施中だと発表した。
CF18フェーズ1は、3億
12機のF-22が、18日アラスカ
7800万ドル相当の事業で、
のエレメンドルフ空軍基地からグ
ボーイングは更に3件のIPプ
アム島のアンダーセン空軍基地に
ログラムをカナダで推進して
展開した。その一週間前に、バー
いる。1件は1億3800万ドル
ジニア州ラングレー空軍基地から
相当で2011年5月に完了予定
12機のF-22が、沖縄の嘉手納空
のCF18アビオニクス近代化
軍基地に到着し始めている。両方
フェーズ2。2件はカナダが4
の飛行隊は、太平洋地域に3ヵ月
機購入したC-17グロブマス
間展開する予定で、その間にこの
ターIII輸送機に関してで、20
地域での米空軍その他米軍との空
年間の整備維持契約などで、
中戦闘訓練を実施する。
15億ドル相当がカナダの産業
F-22は米空軍最新の、最も先進
界に環流することになる。
的な戦闘機で、ステルス性、高運
グアム島アンターセン空軍基地に到着したF-22
(5)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) 【海外エアラインニュース】
【旅行関連ニュース】
★NWA、リゾート需要喚起でカップル特別サービス
デルタ航空の完全子会社であるノースウエスト航空
(NWA)は、4月1日より「リゾート・カップル・プラン」を
提供する。今回のプランはリゾート需要の喚起を目的として
おり、有料オプションとして、利用クラスに応じた特別サー
ビスを提供する。同プランは、ハネムーンなどカップルで旅
行会社のパッケージ商品を申込み、成田発ハワイ、グアム、
およびサイパンのリゾート路線の搭乗者を対象にする。
「ワールド・ビジネスクラス」利用の場合は、成田発機内
食のアップグレードやホームデリバリーサービス付きのワイ
ンを提供する。「エコノミークラス」利用の場合は、機内食
のアップグレードのほか、成田空港のラウンジが利用でき
る。また、どちらのクラスを利用する場合も、隣同士となる
座席を確保するという。
★SIA、最新A330-300型機受領で機内設備を公開
シンガポール航空(SIA)は、1月21日にフランスのトゥー
ルーズで、A330-300の第1号機を受領し、初めて機内設備を
公開した。SIAの最新A330-300型機は総座席数285席で、ビ
ジネスクラス30席とエコノミークラス255席の2クラス制仕様
になっている。ビジネスクラスには、短中距離国際線向けに
新たに開発された最新機内設備を導入、6方向に細かく調整が
可能なヘッドレストやランバーサポートなどを備える。座席
配置は2-2-2列で、隣の座席との間にパーソナル・スクリー
ンを装備し、より高いプライバシーを確保している。
エコノミークラスは2-4-2列配置で、足回りのパーソナル
スペースはより広々
となっており、快適
性が高まっていると
いう。また、全クラ
スで最新機内エン
ターテインメントシ
ステムの「クリス
ワールド」のほか、
iPodポートを提供し
ており、 i P o d や
iPhoneを楽しむこ
とができる。
なお、最新の
A330-300型機は
オーストラリア路線
のほか、今年6月に
中部路線、来年3月
に関空路線に導入を
ビジネスクラスの機内設備
予定している。
★日香港交流促進へ覚書、JNTOとHKTBが相互協力
観光交流年が開幕、08年双方向交流は187万人
「日本香港観光交流年」の香港側でのオープニングセレモ
ニーが1月23日、香港で開催され、本保芳明観光庁長官と方
舜文(マーガレット・フォン)香港特別行政区政府観光コ
ミッションコミッショナーとの間で、観光交流と協力促進に
関する日香港観光当局間の覚書が締結された。会場には、金
井耿日本旅行業協会(JATA)会長をはじめ、民間関係者も
多数参加した。
2008年年間(1〜12月)の交流実績をみると、日本からの
訪香港旅行者数は、132万4797人となり、前年実績を450人
程度上回って微増を達成した。日本人海外旅行市場全体が7.6
%減と落ち込む中で、非常に健闘したと言える。一方、香港
からの訪日旅行者数は、前年比27.3%増の55万200人に達し
た。世界的な景気後退や円高の影響で、訪日市場も一転厳し
い状況となる中で、VJC重点12市場の中で最大の伸びを達成
する見通しだ。
これにより、日本と香港の双方向交流の規模は、2008年年
間で187万4997人に達した。200万人の大台は目前で、2009
年も引き続き厳しい市場環境が予測される中で、200万人台
に乗せられるかどうか今後の状況が注目される。
こうした好調な交流実績を双方向でさらに伸ばそうと、
2009年は年間を通じて「日本香港観光交流年」を展開し、各
種行事を実施して双方向交流拡大に弾みをつけたい考えだ。
その際、民間企業および団体等と連携し、行事の展開や広報
を積極的に行うことが必要との認識で一致している。
締結された日香港観光当局間の覚書では、①各種情報の相
互提供と共有、②活動支援−−の大きく2本柱で協力を進める
ことを確認した。
具体的には、①各種情報の相互提供と共有として、双方
は、日本政府観光局(J N T O )および香港政府観光局
(HKTB)の求めに応じて、互いの国・地域の市場動向を的
確に把握することができるよう、保有する市場動向情報、統
計情報等を提供することで一致。また、民間企業等が保有す
る情報について、双方は民間企業等が積極的に情報提供に応
じるよう協力要請を行うことを確認した。
また、②活動支援として、双方は、自らの国・地域内にお
いて、他方が事業を実施する際には、両政府観光局
(JNTO、HKTB)と連携を図り、互いの求めに応じて、メ
ディアや民間企業等への働きかけを行う等、活動支援を積極
的に行うことで一致した。
いわば観光客誘致活動の中心的役割を果たすJNTO、HKTB
が、互いに情報共有や活動支援を行うことで、実効性ある連
携を図り、実績に結び付けていきたい考えだ。
本保観光庁長官「香港は最も重要なの土台に」
「日本香港観光交流年」の開幕式典で、本保芳明観光庁長
官は、「観光庁は昨年10月より始動し、ビジット・ジャパ
ン・キャンペーン(VJC)のもと、香港を最も重要な市場の
1つと捉えている。2008年の香港からの訪日旅行者数は、一
昨年と比較して30%近く増加した。今年は日本香港観光交流
(6)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1835号 2008年(平成20年)01月26日(月曜日) 年を迎え、両政府間で予定する行事を通して、さらに良い結
果が期待できるだろう。そして、交流年後も覚書を基に観光
業の発展に努力していく」と述べ、さらなる交流拡大に期待
感を示した。
また、マーガレット・フォン香港特別行政区政府観光コ
ミッションコミッショナーは、「香港は日本の観光庁として
初となるツー・ウェイ・ツーリズムパートナーに選出された
ことを光栄に思う。香港と日本は重要な観光パートナーであ
り、香港日本観光交流年は、両国の観光の発展と促進のため
の素晴らしい土台を築いてくれると信じている」とコメント
した。
日本政府観光局(JNTO)の間宮忠敏理事長は、「今年は
日本香港観光交流年を迎え、記念年のポスターのほか、ロゴ
や、広告、ウェブサイトのプロモーション展開を通して、日
本と香港間の双方の理解と友好が深まると信じている。
JNTOもオンラインクイズキャンペーンなど様々な活動を行
い、地方自治体とも協力しながら国際的な旅行展示会に参加
していく。今年は両国にとって互いの観光促進のために非常
に重要な年になるだろう」と挨拶した。
さらに、香港政府観光局(HKTB)のアンソニー・ラウ理
事長は、「HKTBは香港日本観光交流年を重要なマーケティ
ングの土台として、日本で様々なプロモーション活動を展開
し、香港のデスティネーションとしての魅力をさらに訴求し
ていく。主要なターゲット層を団塊世代に位置づけ、旅行会
社とともに協力して、団塊世代の興味を引くような新しい商
品を観光年のテーマに合わせて開発していきたい」と意欲を
示した。
日本香港観光交流年親善大使に成宮寛貴さん
特典クーポンブック配布、7月に香港ウィーク
香港政府観光局(HKTB)は、「2009年日本香港観光交流
年親善大使」に、俳優の成宮寛貴さんが就任すると発表し
た。成宮寛貴さんは、3月に放映予定のNHKとRTHK(香港
電台)の共同制作ドラマ「幸福のスープはいかが?」で主演
するほか、1月には香港でファンイベントを開催するなど、香
港と日本の観光交流発展に向けた活躍が期待されている。
「日本香港観光交流年」での覚書締結式の様子。本保芳明
観光庁長官(左から2人目)、マーガレット・フォン香港特
別行政区政府観光コミッションコミッショナー(右から2
人目)など。
「2009日本香港観光交流年親善大使」の任命式は、2月下
旬に行う予定。なお、NHK・RTHK共同制作ドラマ「幸福の
スープはいかが?」は全2話で、3月26・27日の2夜連続で放
映される予定だ。
また、HKTBは、日本香港観光交流年で行うプロモーショ
ンの内容を発表した。それによると、日本から香港を訪れる
全ての旅行者が利用できるトラム(路面電車)の無料乗車
クーポンや、香港のホテル、レストラン、ショップでお得な
サービスが受けられる「日本香港観光交流年特典クーポン
ブック」を2月に発行・配布する。
配布場所は、HKTBオフィス(東京・大阪)、香港内のビ
ジターセンター、特典の提供店舗など。特典の有効期限は、
2010年1月10日まで(一部特典は2009年9月30日まで)。
また、100年以上の歴史ある香港名物の2階建てトラムや、
沿線の魅力を紹介する「香港トラムガイド・ぶらりグルメ下
車」や、地元の麺やお粥など、安くて美味しいグルメを紹介
する「香港B級グルメガイド」を、4月に発行・配布する。配
布場所は、HKTBオフィス(東京・大阪)など。これらの
クーポンブックや各種ガイドは、いずれも無料配布する。
さらに、7月には六本木で、香港の文化やライフスタイルを
紹介するイベント「香港ウィーク」を開催。このほかにも、
VISAとの共同プロモーションなども予定している。