WING DAILY

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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★JAL再建、政府保証付け体質改善を強く指導
前田局長会見、成田国内線拡充は22万回時不可能
航空局の前田隆平局長は7月3日の定例記者会で、日本航空
(JAL)が融資について、「政府保証を80%付けて融資を受
け入れやすくする代わりに、国民の理解を受けるため着実に
経営改善することを強く指導していく」として、再建に力を
入れていくことを強調したほか、成田・羽田の懇談会で挙げ
られた意見にあった成田の国内線拡大について、あくまで国
際線は成田、国内線は羽田という姿勢は崩さず、発着枠を拡
大していく中で、余裕があれば成田の国内線、羽田の国際線
を拡げていくという姿勢を改めて示し、成田は2010年の拡大
時の年間22万回では難しく、その次の30万回ならば議論の余
地ありという見解を示した。
路線維持と経費節減、2つの視点でJALを指導
拡大は単独難しくアライアンスなど外部活用で
JALについて前田航空局長は、「JALは過去、航空需要が
落ち込んだ際にも融資を受けたことがあるが、今回はとくに
厳しい状況である」との理解を示し、国内外の航空ネット
ワークを支える国内最大の航空会社であることから、支援を
行う必要があるとして融資を行ったとしているが、国土交通
大臣・財務大臣・官房長官といった3大臣会談を開催して、航
空ネットワーク維持のためJALは欠かすことのできない存在
という共通認識を持ち、国土交通省はJALに対して指導・監
督を行い、財務省ではその指導・監督を前提に金融庁へ支援
を要請し、官房長が役割を分担したことで融資が決まった経
緯について話した。
航空局としては、JALに対して融資に先立った経営改善計
画の方向性を示すように指示。このことから、JALが示した
その方向性はまず機材について内際とも使用機材のダウンサ
イジング化を図り高効率機体へのシフトを行いつつ、機材数
についても縮小を図るとした。また貨物については、他社と
の提携も含めた新しいビジネスモデルを構築することを挙
げ、人件費中心のコスト削減、企業年金の見直し、特別早期
退職など経費節減を明示しており、今後これに沿ったかたち
で経営再建計画がつくられることになるようだ。
しかし、今後の長期的な再建計画について前田局長として
は、このような時期に拡大による再建計画は難しいとして、
「例えば提携アライアンスのような外部資源を活用するかた
ちでの拡大は十分に可能」として、続けて「拡大していくこ
とを見据えた経営改善計画が今後出されることを願う」と改
善計画に対する希望について触れた。
また航空ネットワーク維持の観点からすれば、ULルール一
時除外措置などは、維持が難しくなる恐れがあるため、航空
局では路線維持と経営改善という2つの観点から監督・指導し
ていくとしている。
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ULルール適用を一時停止したことによって、航空会社が多
頻度空港である成田国際空港や関西国際空港での発着規制が
免除され、不採算路線を維持する必要がなくなった。これは
多頻度空港において、航空会社が確保した発着枠に無駄がで
きないよう、規定以上の発着を航空会社へ義務付けるものだ
が、昨今の景気後退による航空需要の低下にあって、この
ルールを適用し続けることは厳しいものがある。世界的に悪
化していることから、航空局の判断により免除した、とこれ
までのいきさつについて前田局長は説明。過去においては
“9.11”や“SARS”時にも同様の対処を行い、今回はオー
ストラリアや香港などでもULルールの除外を決定したとし
て、この措置を行ったという。
しかし就航航空会社が便数を減らすとなれば、成田空港と
関西空港では着陸料が減ってしまうことが懸念されるが、代
わりの措置として減便した分の枠を有効利用してチャーター
便の運航を認めることで、対応した。前田局長によれば、現
在のところ、今夏のチャーター便による申請の数は例年に増
して伸びていることから、成田・関空の収入を極力落とすこ
となく、航空会社の援助に貢献した非常に有効な措置だった
という認識を持っている見解を示した。
成田は国際、羽田は国内基本姿勢変えず
国内線拡充、離発着30万回達成時に可能性あり
首都圏空港拡充プランの具体化方策についての懇談会で中
間とりまとめが行われたが、前田航空局長はこれについて、
「おもしろい意見が数多く出されつつ非常にコンパクトにま
とめられた良い方策」と評価した。その中で議論された日本
の顔となる羽田空港の国際ターミナルの到着エリアについ
て、どのような姿とするべきか様々な意見が出されたが、前
田局長は「役人には内発想で論じられたとても有意義で重要
な論点、今後どのように進展していくか楽しみ」と期待感を
示した。
このほか、この懇談会に2つのワーキンググループ(WG)
として「成田・羽田両空港間鉄道アクセスの改善」と「羽田
空港の国際線利用者を念頭に置いた交通利便性快適性の向
上」について議論が進められているが、前田局長としてはこ
の2つのアクセス関連のWGのように、同懇談会での議論はさ
らに深まっていくということで、成田・羽田の拡充プランに
ついては必要に応じてWGや懇談会を開き対応していくとし
ている。
もう一つ議論となったのは、成田の国内線拡充について
で、これは海外から成田に来た旅行者たちをよりスムーズに
各観光地へ送れるようフィーダー輸送を行うなど国内線充実
は必要という意見。しかし、今回拡充される2万回について
は、すでに予測が立っており、まだ航空交渉で決まっていな
い中国・アメリカについてもある程度の発着枠を想定できる
としている。国際は成田、国内は羽田という基本姿勢は変え
ないことを明言している前田局長は、「その先にある発着数
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) 30万回が達成できれば、可能性はある」として、今発着枠
拡充では議論の余地がないことを述べている。
インフラ・手続き設備などがネックに
ビジネスジェット促進、首都圏では厳しく
自民党ではビジネスジェットの必要性からビジネス
ジェット促進議連を立ち上げている。定期航空とは違い、
各国のVIPが時間に縛られず、優先的離着陸できることか
ら、旅客数は少ないがその経済効果が極めて高い。これに
ついて前田局長はその重要性は十分理解している見解を述
べ、自民党の内外から厳しく指摘されていることを明かし
ている。成田・羽田では多少の対応はしているが、発着枠
はほぼない状態。来年開港予定の茨城空港ならば可能との
見方も示したが、成田・羽田については、インフラ整備の
問題や手続きとしてのCIQの問題のほか、代行業者が日本
では育っていないことなどの各種問題点を指摘して、なか
なか進められない現状を説明した。
【航空関連ニュース】
★航空局、3月管制トラブルで再発防止策を策定
類似コールサイン解消など取組強化
航空局は3日、今年3月に伊丹で2件、長崎で1件と管制
トラブルが相次いだことを受けて再発防止策をまとめた。
再発防止策で航空局は、類似コールサイン解消に関する取
組みを強化していくほか、管制卓・表示器の配置などにつ
いても検証、必要に応じて改善を進めることにした。ま
た、個人のリスクマネジメントの向上を図ると共に、チー
ム力を重視。リーダーのあり方と役割について制度設計を
していくほかTRM訓練の実施のあり方についても検討し
ていく方針。
この再発防止策は、今年3月に発生した管制トラブルで
は、いずれのケースも事故には至らなかったものの、重大
インシデント等となったことで、全国の管制現場で安全に
関する問題を抽出し業務改善策を検討・議論、ヒューマン
ファクターを専門とする外部有識者で構成された管制アド
バイザリーチーム(柳田邦男、垣本由紀子、河野龍太郎)
の意見も採り入れたもの。航空局は今後、可能なものから
対策を実施していく方針で、現場の特性・事情を踏まえて
現場の自主的な取組みや創意工夫を尊重しながらそれぞれ
の現場で業務のしやすい環境を構築していく。管制アドバ
イザリーチームでは、『航空管制の安全性向上のために』
とした提言をまとめており、航空局がまとめた再発防止策
もこの中身を踏まえたものとなっている。管制アドバイザ
リーチームは、「管制官・パイロットといったトラブルの
当事者は業務をこなすことに精一杯努力しており怠慢など
によってエラーを起こしたわけではない。システムの不備
や状況の誘因でエラーの落とし穴にはまったもので、それ
らのエラーは同じ職種の誰もがその落とし穴にはまりやす
い典型的なもの」との認識を示し、「個人に対して“注意
喚起”を求めても再発防止の実効性は期待できない」とし
て、安全確保のためのバックアップのあり方を考えると共
に、システムに内在するエラーを引き起こす問題点にこそ
目を向けるべきだとした。管制アドバイザリーチームでは
今後、具体的な管制トラブルの事象に踏み込んだかたちで報告書
をまとめる方針。
再発防止策をまとめるにあたって航空局は、ヒューマンエラー
の根絶は極めて難しく、エラーは発生しうるものということを前
提にして、エラー発生のリスクを低減するとともに、エラーに耐
性のある業務態勢を構築することが重要と認識。さらに、トラブ
ル対応という点では個人に頼ることは限界があって、チームとし
てのフェールセーフ機能が有効として、チームが一致協力して業
務を遂行することの大切さを再認識して再発防止策をまとめた。
類似コールサインの洗い出し、注意喚起シス整備も
指差呼称等“行為伴う確認法”導入
航空局は再発防止策を「エラー発生の防止リスク低減」に係わ
るものと、「エラーに耐性のある業務形態の構築」を目指すもの
としてまとめた。
そのうち「エラー発生の防止リスク低減」を図るものとして、
類似コールサイン(便名)を解消する取組を強化していく。これ
までも航空局は類似コールサインの解消に向けて取組みを進めて
いるが、コールサインの類似性を再検証すべく航空会社とも連携
しながら取組み強化を進める方針。
また、各官署で同一時間帯に存在する類似コールサインを定期
的に洗い出して、全管制官に事前に周知すると共に、運航票への
記入・入力などその存在を認識した運用方法を検討、試行してい
く。
類似コールサインを検出して管制官に対してレーダー画面上等
で類似コールサインの存在について注意喚起を行うシステム整備
を行う。さらに、ヒューマンエラーや視認障害・視線移動の軽
減、管制業務の連携強化等の観点から、管制卓、表示器などの配
置等について検証、必要に応じて更新時などにおいて改善を検討
していく。
さらに、VFR訓練機の運航票の作成、滑走路毎に注意喚起を行
うための表示機器の増設など、現場の特性・事情を踏まえつつ、
リマインダーの活用・改善を図る。
また、基本動作の再確認も進める。業務実施にあたって、慣れ
などによって慢心したり自己流に陥っていないかなどについて絶
えず個人および職場レベルで確認して、基本動作の重要性を再認
識することを図る。なかでも、安全確認などの重要な作業におい
ては指差呼称などの“行為を伴う確認手法”を導入することなど
を、現場の特性・事情を踏まえつつ検討してしく。
また、管制トラブル原因の1つであるヒアバック(復唱確認)
時の聞き間違い・聞き逃しなどのコミュニケーション・エラーが
発生するメカニズムを調査・分析して個人の意識レベルやコミュ
ニケーション・スキルを向上させることについて検討していく方
針。
「エラー耐性の業務形態」、チーム力の強化
リーダーのあり方・役割、TRM訓練実施も検討
「エラーに耐性のある業務形態の構築」について航空局は、管
制官“個人”のリスクマネジメントを向上すると共に“チーム”
力の強化を図る。個人のリスクマネジメントでは航空管制官訓練
教育システムに、過去の管制トラブル事案を体験できるプログラ
ムを導入して実践的な訓練にしていくなどの取組みを進める。
チーム力の育成では、チームにおけるリーダーの役割とあり方
などについて検討。次席管制官や主幹管制官に対してチーム・マ
(3)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) ネジメントのための研修を実施するなどの研修をあり方を検
討していく考え。リーダー及びリーダーシップの役割とあり
方などについては、制度化することが可能かどうかを含めて
検討していく。
チームリソースの活用で航空局は効果的なTRMのあり方を
研究して、その結果を踏まえて実効性のTRM訓練(Team
ResourceManagement)の実施について検討していく。
チームとしての状況把握とバックアップ機能を強化を図る
ため、各官署の特性・事情に応じてパイロットとの更新をモ
ニターする運航票の配置や表記などにより航空機の状況を示
しなどの他の管制席の情報が伝わりやすくかつ交通状況を把
握しやすい作業環境を作っていく。
★日・スイス航空交渉、スイスの成田便2便/週増に
中部乗り入れも可能、コードシェア枠組み8地点に拡大
日本とスイスの航空当局間協議が開かれ、スイス側が成田
−スイス線を2便/週増便の9便/週となるように輸送力が増強
された。また、従来は成田・関空への乗り入れが可能となっ
ていたが、新たに中部空港への乗り入れも可能となった。
コードシェアの枠組みも拡大された。フランクフルト、ロ
ンドンなどの欧州経由でのスイス国内への乗り入れについて
はこれまでは4地点56便までとされていたが、今回の合意で
8地点112便まで拡大した。コードシェアの地点については現
在、フランクフルト、ロンドンが使用されているが、残りの
2地点は未使用となっている。
日本側は成田を含めて16便/週まで運航することができる
が、現在のところ未就航。一方のスイス側は、スイスイン
ターナショナルエアラインズが成田−チューリッヒ間を7便/
週で運航している。2008年度は14万8000人が搭乗した。同
線のL/Fは非常に高い水準で推移していることから、スイス
側からの要望で成田線の増便が可能となった。
また、航空局によると、スイスの羽田関連路線については
今回の航空交渉では見送られたとのことで、羽田再拡張後に
仮に枠が余るようなことがあれば、検討されることになる。
★クラシックジャンボ退役記念しファン集う
那覇−下地島を飛ぶツアーに449人が別れ惜しむ
日本航空(JAL)が保有する機材である747-300クラシッ
クジャンボが09年7月31日をもってすべて退役する。JALで
はこれを記念して、7月4・5日に“747クラシックジャンボで
那覇/下地島を飛ぶ2日間”と銘打ったツアーを開催し、総勢
449人の参加者とともに日本の高度経済成長を支えたクラ
シックジャンボ最後の勇姿を見守った。
このツアーはこの夏退役する747-300型機に航空機ファン
を乗せ、乗員訓練空港の下地島でタッチアンドゴーを行い、
かつて747型機の訓練を行っていたモーゼスレイクでの訓練
を再現するというもの。4日にはパイロットや機関士たちが思
い出を語るトークイベントが行われ、参加者は乗員しか知り
得ないクラシックジャンボにまつわるエピソードを聞いたほ
か、歴代のユニフォームを着たツアーの乗員たちとともに撮
影会などを行い老若男女のファンを楽しませた。
5日には今回の主役となる747-300(JA8183)へ実際に乗
下地島RWY17から進入しタッチアンドゴーを実施する747-300(JA8183)
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) JAL歴代のユニフォームで撮影会を行った。5日のフライト
でも同じユニフォームで望んだ
は、観光庁、日本政府観光局(JNTO)、日本航空、全日空
が合同で開催する。
当日は、JALの北京−成田線(JL780便)と上海−成田線
(JL796便)が12時55分に成田に到着するほか、ANAの北京
−成田線(NH956便)が13時に成田に到着する予定。これら
の到着便を受けて、歓迎セレモニーは、12時55分~13時25分
にかけて、成田の第1ターミナルと第2ターミナルでそれぞれ
行われる予定だ。
歓迎セレモニーには、ビジット・ジャパン・キャンペーン
(VJC)の中国観光親善大使であるハローキティによるお出
迎えや、花束と記念品の贈呈が行われる。
また、成田空港のみならず、7月8日には新千歳空港、関西
国際空港にも個人観光客が到着する予定で、それぞれ歓迎セ
レモニーが行われる予定。新千歳には、中国国際航空の北京
−新千歳線が12時50分、関空にはJALの上海−関空線が12時
にそれぞれ到着する予定。
【防衛関連ニュース】
り込み、下地島までの約40分間フライトと、ランウェイ周辺
での同機による迫力あるタッチアンドゴーの撮影を楽しん
だ。下地島までの道中と撮影時には、パイロットの計らいで
着陸直前にゴーアラウンドしたほか、タッチアンドゴーの実
施3回のところを1回増やすなど、うれしいサプライズにファ
ンから拍手が湧き上がり、サービス満点のツアーに参加者は
十分満足した面持ちだった。
このツアーは販売開始後数時間で完売となった。JALでは
クラシックジャンボ747-300型機を計7機保有しており、うち
1機はフレイター機で、2機はすでに売却手続きに入ってい
る。そのため4機で7月31日の退役まで旅客を乗せて運航す
る。最終便となる31日の運航はホノルルから成田までのフラ
イトと、札幌から成田までの計2便になる。ホノルルからの便
は通常運航だが、こちらもクラシックジャンボとの別れを惜
しむツアーが組まれている。
★自衛隊管理飛行場の国内航空運送業者着陸料引き下げ
国交省管理空港に揃え、地方航空ネットワーク維持に
防衛省は、自衛隊が管理する共用飛行場を使用する民間旅
客機のうち国内航空事業者について、7月1日より来年3月31
日まで着陸料を標準額の10分の7から10分の6に引き下げた。
これは、国土交通省が不況により急落した航空需要に鑑
み、着陸料の引き下げによる地方航空ネットワーク維持のた
め、国土交通大臣管理空港の使用料の一部改正告示を7月1日
より施行したのに合わせたもの。防衛省も告示を同様に改正
した。
なお、この告示改正に合わせて、公共飛行場という言葉を
空港と改めた。
【海外エアラインニュース】
★COA、全B777-200型機に最新エンターテイメントを搭載
機内ではベルトランプが切れると皆思い思いに撮影
などを行った
★中国個人観光ビザ第1陣で、8日に歓迎式典
観光庁、観光親善大使のハローキティも出迎え
観光庁は、中国個人観光ビザの発給開始を受け、第1陣の個
人観光客が7月8日に訪日する見込みであることから、成田空
港で歓迎セレモニーを開催すると発表した。歓迎セレモニー
コンチネンタル航空(COA)によると、このほど、同社が
保有する全ボーイング777-200型機への最新オンデマンド
(AVOD)型エンターテイメントシステムの搭載が完了し
た。これにより、ビジネスファーストクラスとエコノミーク
ラスの全座席で、映画250本、短編ビデオプログラム350本、
音楽3000曲、TVゲーム25種類を楽しむことが可能になっ
た。
COAによると、新エンターテイメントシステムの導入は
「常にサービス向上に注力する姿勢の表れ」とのことで、今
後もビジネスファーストクラスへの新型フルフラットシート
の導入をはじめ、プロダクトの改善に努めていく方針。な
お、COAが現在保有するB777-200型機は計20機で、現在東
京ーニューヨーク路線を含む全太平洋路線を運航する。
また、COAは7月15日に創立75周年を迎えることを記念し
て、このほど、1940年代に使用していた機体デザインと同じ
塗装の旅客機による記念飛行をヒューストン空港のほか米国
内の3空港で実施した。
(5)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) ★米系6社2009年5月輸送実績
【旅行関連ニュース】
北米系航空大手6社の2009年5月の輸送実績が発表された。
各数値は以下の通り(RPM:有償旅客マイル、ASM:座席
有効マイル、L/F:ロードファクター、カッコ内は前年同月
比)。
◆アメリカン航空(AAL)
【全路線】
RPM:103億8075万マイル(11.7%減)
ASM:131億1491万マイル(8.8%減)
L/F:79.2%(2.6ポイント減)
【太平洋路線】
RPM:4億5566万マイル(6.7%減)
ASM:5億8338万マイル(1.1%増)
L/F:78.1%(6.5ポイント減)
◆コンチネンタル航空(COA)
【全路線】
RPM:75億3256万マイル(9.0%減)
ASM:93億847万マイル(8.8%減)
L/F:80.9%(0.3ポイント減)
【太平洋路線】
RPM:6億2587万マイル(4.8%増)
ASM:8億9033万マイル(13.6%増)
L/F:70.3%(5.9ポイント減)
◆デルタ航空(DAL)
【全路線】
RPM:158億5340万マイル(9.7%減)
ASM:192億6692万マイル(7.9%減)
L/F:82.3%(1.6ポイント減)
【太平洋路線】
RPM:13億5747万マイル(31.6%減)
ASM:18億3222万マイル(20.5%減)
L/F:74.1%(12.1ポイント減)
◆ユナイテッド航空(UAL)
【全路線】
RPM:95億4086万マイル(12.3%減)
ASM:119億2111万マイル(10.2%減)
L/F:80.0%(1.9ポイント減)
【太平洋路線】
RPM:16億8481万マイル(21.4%減)
ASM:23億8882万マイル(12.7%減)
L/F:70.5%(7.8ポイント減)
◆エア・カナダ(ACA)
【全路線】
RPM:35億4600万マイル(10.4%減)
ASM:43億7600万マイル(6.7%減)
L/F:81.0%(3.3ポイント減)
【太平洋路線】
RPM:6億1700万マイル(14.2%減)
ASM:7億4400万マイル(7.8%減)
L/F:82.9%(6.2ポイント減)
★日香交流年の後半戦へ日本のリカバリー急務
香港側代表がJATAと観光庁を訪問、協力を確認
香港から来日した観光ミッションが7月3日、日本旅行業協
会(JATA)と国土交通省観光庁を訪問し、今年末まで展開す
る「日本香港観光交流年」の後半戦に向け、日本からの送客
拡大に向けた協力関係の強化を呼びかけた。
香港側からは、香港政府観光局(HKTB)本局のアンソ
ニー・ラウ理事長をはじめ、香港ホテル協会のマーク・レッ
テンビックラー会長、現地ホテルの代表者ら総勢10名が参
加。JATAとの会見では、JATA側から参加した柴田耕介理事
長、奥山隆哉理事・事務局長、米谷寛美理事・事務局次長、
小島有三海外旅行業務部長らと会談し、香港観光の促進に向
けた意見交換を行った。また、観光庁では本保芳明長官と会
談し、交流年事業を通じて双方向での交流拡大に取り組むこ
とが改めて確認された。
いずれの会見でも、香港側からは新型インフルエンザによ
る需要低下からのリカバリーを強調、「香港は衛生的で安全
は確保されている」(HKTBラウ理事長)とし、香港側でも
業界が一致団結して日本からの需要回復に取り組むとの姿勢
を示した。
また、HKTBが今年4月から開始した新プロモーション『香
港フード&ワイン』の事業概要も説明。HKTBが主体となっ
て同プロモーションを強力に推進し、香港の食とワインの組
合せが新しい観光の魅力になることを紹介した。
ミッションを代表してHKTBのラウ理事長は、「香港に
(6)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) とって日本は3番目に大きなソースマーケット。とくに今年は
交流年という大事な年でもある。相互で協力することで早期
のリカバリーを図り、何としても(交流年事業を)成功させ
たい」と熱意を示した。
JATA側でも、「日本にとっても香港は重要な海外デス
ティネーション」(奥山事務局長)として、VWC事業等を通
じて海外旅行市場の回復に努めることを約束した。一方で、
「現地のホテルはビジネス需要を重視しすぎる傾向があると
いう話しも聞く。レジャー需要にも配慮のある対応をお願い
したい」(柴田理事長)などの日本側の要望も示された。
また、観光庁での会見で本保長官は、「日本でも新型イン
フルエンザは終息しつつあり、国土交通省でも観光安全宣言
を出している。観光庁としてもすみやかにリカバリーに取り
組む」との意向を示し、日本から香港への回復だけでなく、
香港から日本へのインバウンド回復にも協力も呼びかけた。
HKTBティエン会長「情熱に再び火を付けたい」
消費者向けイベント開催Ă交流年事業をアピール
「香港ウィーク」(7月1~5日)開催期間中の4日には、六
本木ヒルズアリーナでオフィシャルセレモニーが開催、観光
関係の代表者として、香港側から香港特別行政区政府駐東京
経済貿易代表部のジョニー・チョック主席代表が出席したほ
か、来日した香港政府観光局(HKTB)のジェームス・ティ
エン会長、アンソニー・ラウ理事長らが参列した。また、日
本側から観光庁の本保芳明長官、日本旅行業協会の柴田耕介
理事長らも参加、集まった多くの見学者に『日本香港観光交
流年』の取り組みをアピールした。
会場ではオフィシャルセレモニーのほか、香港ポリスバン
ドによるバグパイプの演奏や中国琴のステージ、太極拳ス
テージなどが行われたほか、香港スターのイーキン・チェン
によるトークショー、無料の太極拳ステージ、キャセイパ
シフィック航空のユニホーム・ファッションショーなどが行
われた。また、HISの移動店舗も会場に設置し、見学者らに
香港旅行をPRした。
セレモニーで挨拶したHKTBのジェームス・ティエン会長
は、集まった多くの見学者を前に「日本と香港は長い期間に
わたり情熱をいだいてきた」と日香間の友好をアピール。そ
して、「今回のイベントを通じて香港の魅力を知ってもら
い、情熱に再び火を付けたいと思う」と述べ、香港への来訪
を呼びかけた。
また、日本側を代表して挨拶した観光庁の本保芳明長官
は、「新型インフルエンザは何の問題もないことを、日本と
香港の両政府が宣言している」と安全性を強調。さらに、
HKTBが香港のフード&ワインをプロモーションテーマとす
ることに触れ、「東京も香港も世界的に美食の街として知ら
れ、私も何度も香港へ行ったが、間違いなく美味しく、楽し
いところ。その楽しさを知ってもらい、実際に現地で体験し
てもらいたい」とメッセージを贈った。
会場では、フード&ワインを記念して参列者や見学者らに
シャンパンが振る舞われ、香港のワインや食文化の魅力をア
ピールした。また、香港の現役警察官によるバグパイプの迫
力ある演奏も披露され、香港の東西と西洋が融合した文化を
アピールした。
【組織・人事】
★丸紅エアロスペース役員人事
(6月30日付)
▼取締役・第二営業本部長(第二営業本部長)八木達也
★防衛省発令、新防衛省顧問に斉藤隆氏
防衛省は7月1日付で石川亨防衛省顧問の委嘱を解き、齋藤
隆氏に委嘱した。
新たに防衛省顧問となる斉藤隆氏(昭和23年2月11日生)
は、今年3月に退職するまで約1年間統合幕僚長を務めた。統
合幕僚長の前は海上幕僚長だった。
なお、石川亨前防衛省顧問(昭和19年9月10日生)は、平
成17年から4年顧問を務めた。前職は平成13年~海上幕僚
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1943号 2009年(平成21年)07月06日(月曜日) 長、平成15~統合幕僚会議議長を歴任した。
★日本空港ビルデング人事異動
(7月1日付)
▼事業開発本部事業企画部店舗企画課担当課長(管理本部総務部付
羽田エアポートエンタープライズ出向)伊藤久義
▼リテール事業本部成田営業所総支配人代理(事業開発本部事業企
画部次長)鈴木敏道
▼リテール事業本部成田営業所業務課長兼羽田エアポートエンター
プライズ(管理本部総務部付成田エアポートエンタープライズ)山
崎敏弘
▼リテール事業本部リテール部営業課課長国内商品担当(リテール
事業本部リテール部国内営業課長)与友努
▼リテール事業本部リテール部営業課課長国際商品担当(リテール
事業本部リテール部国際営業課長)林秀樹
▼リテール事業本部成田営業所総支配人代理(リテール事業本部成
田営業所総支配人代理業務課長事務取扱兼リテール部次長)丸岡晋
★日本貨物航空およびNCA J人事異動
NCA J代表取締役社長に下野氏
〈7月1日付〉
【日本貨物航空】
▼事業本部副本部長兼事業戦略部長(経営企画部長)水上俊一郎
▼事業本部関西空港支店長兼日本地区販売部関西地区担当部長
(事業本部付NCAJapan社出向)森田正朗
▼事業本部関西空港支店支店長代理(事業本部関西空港支店支店
長代理兼カスタマーサービスチームチームリーダー兼NCAJapan社
出向)茂木健一
▼事業本部関西空港支店空港管理チームチームリーダー(運航統
括・危機管理部担当部長)井関信一
▼事業本部成田空港支店業務チームチームリーダー兼NCAJapan
社出向(事業本部付NCAJapan社出向)細井良祐
▼運航本部運航乗員部乗務管理室日本・アジアリージョナルマネ
ジャー(運航統轄・危機管理部運航統轄室マネジャー)平出徹哉
▼事業本部国際業務室副室長(総務部付財団法人日本航空協会出
向)新宮直穂子
▼事業本部マーケティング部長兼レベニューマネジメントチーム
チームリーダー(事業本部事業戦略部担当部長)高野薫
▼事業本部事業戦略部副部長(事業本部事業戦略部事業企画チー
ムチームリーダー)渡辺均
▼事業本部事業戦略部事業企画チームチームリーダー(事業本部
事業戦略部事業企画チームマネジャー)福地真志
▼事業本部マーケティング部ビジネスディベロップメントチーム
チームリーダー兼スペースコントロールチームチームリーダー(事
業本部事業戦略部事業マーケティングチームチームリーダー兼
チャーターチームチームリーダー)渡辺一朗
▼事業本部日本地区事業統括部長兼事業統括チームチームリー
ダー(事業本部事業戦略部業務管理チームチームリーダー)加藤雅
人
▼事業本部日本地区事業統括部リザベーションチームチームリー
ダー(事業本部付NCAJapan社出向)須藤隆史
▼事業本部日本地区販売部長(事業本部付NCAJapan社出向)瀬
戸浩一
▼事業本部日本地区販売部副部長兼販売チームチームリーダー
(事業本部米州地域統括部 Sales&MarketingDirector)志村聡
▼運航本部運航企画部副部長兼企画チームチームリーダー兼自立
化サポートチームマネジャー(運航本部運航企画部企画チームチー
ムリーダー兼自立化サポートチームマネジャー)池田大祐
▼経営企画部長(事業本部事業戦略部長)本間啓之
▼管理本部経理部副部長兼会計第2チームチームリーダー(管理本
部経理部会計第2チームチームリーダー)山崎裕之
▼管理本部経理部副部長兼プロセスマネジメントチームチーム
リーダー(管理本部経理部プロセスマネジメントチームチームリー
ダー)児玉光史
▼運航本部運航乗員部乗員統括室長(運航本部運航乗員部乗員統
括室副室長)有村順一
▼運航本部先任機長(運航本部副本部長)長部恒夫
▼運航本部先任機長(運航本部副本部長)田中和男
▼整備本部整備部長(整備本部整備部長兼整備チームチームリー
ダー)白石久人
▼整備本部整備部副部長兼整備チームチームリーダー(整備本部
整備部副部長兼MOCチームチームリーダー)田中千里
▼整備本部整備部MOCチームチームリーダー(整備本部整備部
MOCチームマネジャー兼整備チームマネジャー)荒木司
▼総務部付財団法人日本航空協会出向(事業本部付NCAJapan社
出向)遠山裕子
【NCAJapan】
〔取締役人事〕
▼代表取締役社長GSA部、物流事業部運送サービス部担当下野雄
二
▼取締役業務部担当関口一良
▼取締役関口成暢
〔退任取締役〕
山縣三朗、大島光雄
〔7月1日付人事〕
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス本部長)大島光雄
▼物流事業部長兼GSA部長兼物流事業部通関サービスチームチー
ムリーダー(日本事業統括部長兼日本統括マネジメントチームチー
ムリーダー兼日本統括プロジェクトチームチームリーダー(NCA
兼))鈴木雅也
▼GSA部GSAチームチームリーダー(日本貨物航空)澁谷学
▼物流事業部物流開発チームチームリーダー(日本貨物航空)川
田龍太郎
▼業務部長・NCA兼(業務部長 兼業務部業務チーム チーム
リーダー・NCA兼)岡裕史
▼NCAへ復帰(業務部担当部長・NCA兼)中田修之
▼業務部 業務チームチームリーダー・NCA兼(カスタマーサー
ビス部販売チームチームリーダー)細井良祐
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス部長)瀬戸浩一
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス部輸出カスタマーサービス
チームチームリーダー)須藤隆史
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス本部関西事業所長(NCA
兼))宮部洋次
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス本部関西事業所 所長代理兼
運送チームチームリーダー(NCA兼))茂木健一
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス部副部長)森田正朗
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス部関西販売チームチームリー
ダー)岡田英二
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス本部中部事業所長兼カスタ
マーサービス部中部販売チームチームリーダー(NCA兼))滝澤康
夫
▼NCAへ復帰(カスタマーサービス部輸入カスタマーサービス
チームチームリーダー)遠山裕子