2006 年 1 月 19(木)―2006 年 1 月 20 日(金) 総括 「株安円高 VS 株高円安」 需給「外債償還報道は要注意」 テクニカル「マネーマネージメント」 当局「動揺しなかった中国市場」 ID為替「若者は長期、年配者はデイトレを」 横浜湘南便り 「新横浜界隈その2」 ドル円 114-116 ユーロ円 138-141 FX湘南IG (FSIG) 代表 野村雅道 (事務所 田園、山下、伊豆稲取) 中京大学講師 日経インデックス(2000 年=100) 1 月 18 日東京引け 前回 1 月 13 日からの 変化 円 87.7 弱し ドル 91.3 若干強し ユーロ 120.0 強し 1 月 18 日ドルインデッ クス IN NYBOT89.28 強し CRB338.80 強し 日経平均ドルベース 1 月 18 日東 京引け 132.7 IMM円投機筋 1 月 10 日−19529(前週比+5208) 1.予定 (今週の予定) 16(月) 日 企業物価指数、国際収支、 17(火) 日 消費者態度指数、証人喚問(耐震偽造問題)、米 NY連銀製造業景 気指数、鉱工業生産、設備稼働率 18(水) NZ 4QNZCPI、ユーロ圏鉱工業生産、 米 CPI、対米証券投資、ベー ジュブック 19(木) 日 月例経済報告、日銀政策決定会合、ユーロ圏CPI、貿易収支、米 失 業保険申請、住宅着工、建設許可、フィラデルフィア連銀景況指数 20(金) 日銀政策決定会合、金融経済月報、NZ 小売売上 (来週の予定) 23(月) 豪 4QPPI、米 景気先行指標 24(火) 日 第三次産業活動指数、 25(水) 豪 4QCPI 26(木)日 12月貿易統計、企業向けサービス価格指数、RBNZオフィシャルキャッ シュレート、米 新規失業保険申請、耐久財受注 27(金)日 CPI、小売売上、米 4QGDP、4Q個人消費、新規住宅販売件数」 2.総括 「株安円高 VS 株高円安」 年初来の円高と株安を見ていると 1995 年を思い出した。阪神淡路大震災があり、 株価は 1 月の1万9千円から 4 月には1万5千円へ急落した。為替は 1 月の初旬は 1 ドル 100 円にかろうじてのせていたが、その後続落、4 月には 79 円台をつけること となった。 バブル時に株価が 3 万 8 千円へ上昇した時は 120 円から 160 円へ円安、バブル 崩壊時に株価が 3 万円から 1 万 5 千円へ下落した時は 79 円への円高推移となっ た。2002、2003 年と株価が 7000 円台へ低迷する時もやはり円は 120 円台よりじり高 推移で 100 円台となっていた。昨年の株高はご存知の通り 100 円から 120 円への円 安推移であった。 だからこのホリエモンショックは気になるのである。景気が良くなり株が上がれば円 安、景気が悪くなり株が下がれば円高が今までの大きな流れであった。けっして教 科書的な景気が良くなれば円高、悪くなれば円安は実際の市場では起きていない。 為替はこのあたりが難しい商品だ。 さらに今回の株下落に悔いが残るのは、以前と違ってヒューザーなどの耐震偽装 と国交省の検査不適切問題、説明不足の検察のライブドア家宅捜査による市場の 不安、東証のシステム問題など人為的なものによるものが大きい。 政府にやって欲しいのは迅速な処理である。米国にも不良債権問題やエンロンの 粉飾決算など同じような問題はあったがその処理は極めて早かった。日本は 5 年、 10 年とかかってしまう。耐震疑惑、ライブドア、東証システム問題はどうやってどれく らいの期間で解決されるだろうか。だらだらするほど株安円高が進みそうな気がする。 いや誤発注の問題もまだ解決していない。責任を誰がとるか、経営者がおかざりな こと、想定力の欠如などが問題の解決を遅らせているようだ。 3.需給 「外債償還報道は要注意」 年初と今週ユーロ債券の償還でユーロ安円高が起きるというリポートがあったが、 ユーロ円相場は逆にユーロ高に推移した。 その償還が本当に日本の個人などが円をユーロに換えて購入した債券の償還か 甚だ疑問だからだ。もともと利回りの低かったユーロ債を日本の個人がそれほど多く 購入はしていない。誰かが数多く出されているユーロ債の満期を見つけて誇張した だけではないだろうか。欧州の人が買っているなら為替は起きないし、日本人や外 国人であっても法人や金融機関が短期ユーロ資金を借入し、ユーロ債券を買って いるのが多いはずであり、それなら為替は起きない。 外国債券と為替をからめるのはいかにも為替通のような気がするが、本当にそれ が為替が絡む取引なのか、あるいは「外貨―外貨」の交換の取引で為替が起きない 取引なのか、また償還があっても、新規債券の乗り換えるものが多いのかまで調べ なければならない。 日本で発行されるサムライ債も為替が絡まないものも多い。私はまた毎月報告され る対米証券投資の数字も殆ど気にしていない。あの数字が為替取引に関するもの なら市場はパニックに陥ってしまう。ドルードルの取引が殆どだろう。 近々、JR東日本がポンド債を発行する報道が流れたが、これも為替は殆ど関係が ないだろう。発行者のJR東日本は長期スワップをかけて円ベースの資金調達とする し、購入者は英国サイドにいるので為替は起きないだろう。外国債券の売買は為替 がついていないものも結構多いのである。その見極めは結構難しい。 4.テクニカル「マネーマネージメント」 伊藤元重教授の著書を読むといくつかの本で「為替相場を予想するのは極めて難 しい。為替リスクを負うものは円高になった時、円安になった時どう対応するかを準 備すべきだ。」と書いてある。これは輸出入業者はヘッジやリーズ&ラグズして相場 の変動を避けよということであろう。 伊藤教授のような方でも予想するのが難しいとなればやはりファンダメンタルズだ けでは役に立たないということだろう。それと上げも下げも想定してその時々の対応 をしなければならない。予想することよりも価格変動への対応が重要だ。 デイトレなどではあまり思いこんでもいないのでポジションをその日の需給の流れ に従って大胆にチェンジすべきだろう。それにはやはりP&Fが役に立つ。P&Fが 上向きならロングに下向きならショートポジションにしたい。反対のポジションを持っ ていたらひっくり返すべきだ。倍返しでも、3 倍返しでも良い。そこでは東京市場で 終わろうとするならば東京市場の平均値幅を、ニューヨークが終わるまで付き合うな ら、1 日の平均値幅を頭に入れておかねばならない。平均値幅以上動かなければ 倍返しにした分を利益にもっていくことが出来ないならば、現実的でないからだ。そ のときは 3 倍返しでも良いが常にその日の損をしても良い金額のリミットも決めてお かなければならない。チャートを見るのと同様に、現実的な平均の値幅を頭に入れ ておくことや、自己資金のマネージメントも重要だろう。 5.リスク(想定済みにしてビックリしてはいけない) 「長引くイラク、パレスチナ、日中 問題」 ブッシュ進退(盗聴問題)、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、イラン、地震、ビンラディ ン現る、日本物格上げ、米国物格下げ、貿易戦争(FTA)、米軍イラク撤退、領土 教科書靖国問題、アジアでのテロ、イラク混迷 6.当局「動揺しなかった中国市場」 インテルの業績低下もあり欧米の株価も下落したがやはりライブドアショックの与え た影響は大きい。しかしその中でも上昇したのが中国株だ。上海、深セン、H株は 上昇、下落したハンセン指数も下げ幅はわずかだ。 中国株が日本離れしているからだろうか。また 10%前後の高成長を続ける中国経 済もそのインフレはよく抑えられている。どちらかと言えば中国がデフレに陥る心配 をしている人も多い。中国では穀物価格が下落し、過剰設備を受け製造業者間で 競争が高まっているからだ。 中国にインフレ懸念がないのに日本にインフレ懸念が起きるとは考えにくい。中国 のデフレを輸入すれば良い。豪雪で野菜が高騰し、増税が価格に転嫁され、公共 料金が下げられなければ日銀の希望するように価格は上がるだろうが、内から盛り 上がる需要ではない。 7.ID為替「若者は長期、年配者はデイトレを」 デイトレの話はテクニカルでも述べたがそれはさておき、長期ではやはり金利差を とることを薦めたい。レバレッジを効かせることが嫌いならば、現物のゼロクーポン債 の購入でも良いだろう。長期的に金利差からくる益は為替変動の比ではないし、そ れは私の 10 年以上の実践からでも言えることだ。そういうと多くの人、特に年配の方 が理解してくれる。それなりの余裕資金があるからだろう。 しかし良く考えれば、私も含めて 50 歳以上の方の余命は短い。人生の折り返し点 を過ぎている。もっと若い人に 10 年といわず 20 年、30 年の長期的なポジションを持 ってもらいたい。2,3 倍の低レバで資金が 10 倍から 30 倍にもなる。計算上ではレバ レッジ 3 倍の 7%の金利差の複利投資をやれば 50 年後には 9100 倍にもなる。 下手な年金運用とは比べ物にならない資産増加になるだろう。年配の方が同意し て頂いても、結果は自分では見られないかもしれない。 若者は長い人生を見据えて長期ポジションを、年配の方はデイトレードをして儲け は消費するほうが適切なような気がするのだが実態は逆のようだ。 内需拡大−規制緩和−市場開放−小政府−財政均衡−自己責任−公明正大 50―超円高−100―円高−150−普通円−200―円安−250−超円安− 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」 FX湘南社是 「面白く正しく」 FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 中京大学講師 (事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 「付録 *横浜湘南便り*」 「新横浜界隈その 2」 以前「新横浜界隈その1」というのを書いて「その2」をまだ書いていなかったが、「そ の2」に何を書こうとしていたかすっかり忘れてしまっていた。 新横浜駅前はサッカーで外国の人気チームが来れば賑わうが普段は特徴のない 静かな街だ。ラーメン博物館も開店当時の混雑振りはまったくない。新横浜のように 新幹線の駅でやや無理をして造った新駅は既に 45 年が過ぎているがあまり発展し ていないようだ。例えば岐阜羽島駅は駅前に自民党元副総裁であった大野伴睦氏 (夫妻)の大きな銅像があるように「我田引鉄」と言われた政治駅であるが、「田んぼ の中の政治駅」とか「猿しか乗り降りしない駅」と酷評された。対して新横浜駅は経済 駅とも言えるのだろうか。駅が出来ることが公表される前に何故か西武グループが 多くの土地を買い占めていたようだ。したがってプリンスホテル、プリンスのスケート センター、ボーリング場、テニスコートや西武が絡んだ第三セクターの新横浜アリー ナなど真っ先に造られた。 借金して土地を買い節税しながら拡大を続けた西武グループもバブル崩壊や上場 廃止で痛手を受けた。昨年末には巨大テニスコートとボーリング場が更地となり、暫 くして巨大コインパーク駐車場に変わっていた。いまだバブル処理中と言ったところ であろう。西武が多くの駅前の土地を買い占めていたので、その後発展しにくかっ たという人もいる。人を出し抜いて上手くやったと思われた 1960 年当時であったがツ ケは 2000 年に払うこととなってしまった。ただ大都市横浜の玄関としては寂しかった 駅も漸く新駅開設 46 年目にして駅ビルが出来るようだ。 駅前には繁華街といった通りも一本だけで、夜はそこを通ろうとすると、数人のア ジア関係の呼び込みに声をかけられるので避けて遠回りをしてしまう。 サッカーの人気試合がない限り極めて静かなのが新横浜の表玄関であるが、裏玄 関はさらに静かというか開発されていないままだ。いまだ雑木林が残り、店もコンビ ニが一軒とバラック小屋のような不動産屋が一軒あるだけでここだけを見るとローカ ル線の田舎駅のようだ。さらにサッカー場から小机駅や港北インターや我が家方面 へ向かうとまさに田園地帯が開けていくのどかな風景が続く。
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