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施設形態に特徴
会社設立6年強で420店舗を開設
古民家を改装し平均初期投資は約600万円
﹁商圏となるのは人口2万人以上
の場所。日本の人口から計算して
も単純に6000カ所の開設需要
があるはず﹂
こう話すのは、デイサービス最
大手の日本介護福祉グループ︵東
京都墨田区︶の小柳壮輔社長。同
社は2005年5月の設立以来、
わずか6年強の間に在宅介護サー
ビス事業﹁茶話本舗﹂420拠点
の開設実績を持つ。同社がこれほ
どのスピードで出店できたのには
大きく3つの特徴がある。
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託児保育所・宿泊付など併設型に強み
都内限定の介護ヘルパー派遣も可能
日本エルダリーケアサービス
初期投資は平均600万円
がデイサービスのFCに乗り出し
た。現在、すでに展開している直
営店 店舗に加え、今年に入り、
FC展開を本格化させている。
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通常、午前中から夕方までの営業
﹁現場市場主義に基づき、ウサギ
が一般的なデイサービスにおいて、
の耳・トンボの目・アリの足でサ
同社は夜間の宿泊サービスも行っ
ービスを提供する﹂といった9つ
ている点。﹁人件費などを考える
の運営理念を掲げており、あくま
と、通常、夜間営業は行わないの
でも利用者の目線に立ったサービ
が一般的。ただ利用者にとってみ
ス提供を心がけている。これは介
れば同じスタッフが昼夜そばにい
護サービスと並行して行うコンサ
てくれるので安心感を与えること
ルティング専門の﹁参与﹂事業に
ができる﹂︵小柳社長︶
裏づけされており、実際にこの参
与事業では、運営事業者の新規開 平成 年3月期までに同社では
全国1200カ所の店舗開設を予
設や経営コンサルティング、運営
定している。
事業の代行業務までを行う。
2点目は同社オリジナルの出店
形態。古民家を改装
することで、初期投
施設形態に特徴
資を600万円程度
に抑えることができ
る。物件調達につい
ても同社が提携する
不動産会社3社のル
ートを使い、最適な
物件情報をオーナー 全国 都道府県で訪問介護事業
所 カ所、居宅介護支援事業所
に提供することがで
カ所の実績を持つ日本エルダリー
きる。
ケアサービス︵東京都世田谷区︶
そして3点目は、
日本介護福祉グループ
小柳壮輔社長
入浴専門のデイサービス
リラックス感もたらす南国風の内装
同社の﹁デイサービスゆりの
あれば月間135万円の利益を確 訪問介護や居宅介護支援で培っ
木﹂は、認知症対応型のデイサー
保することも可能です。開業後1
た総合力で、5年後には 店舗の
ビス。1日定員 名以上の通常規
年半で初期投資を回収することが
出店を目標としている。
模がメーンとなり、最大で 名ま
できます﹂︵森薫社長︶
での利用者を受け入れる形態。ス
タッフ全員が介護ヘルパーの資格
を持ち、東京 区内限定で人材の
施設形態に特徴
派遣も行っている。
﹁介護事業のネックは働く人材の
質の高さ。もともと当社は人材の
あっせんを主軸としていたため、
介護事業でも同様のシステムを提
供できないかと考えたのがきっか
一歩、店舗に足を踏み入れると、 イサービス﹁いきいきライフSP
けです﹂︵森薫社長︶
そこは南国風の雰囲気に包まれる。 A﹂だ。同社の左敬真社長が入浴
同社では、実際に施設で働くス
しかし、これはいきいきらいふ
確なニーズだったのです﹂︵左社
タッフの福利厚生業務の一環とし
専
門
に
目
を
付
け
た
き
っ
か
け
は
、
直
︵東京都台東区︶がフランチャイ
長︶
て、昨年8月からマッサージ治療
営店舗の利用者の声だった。
ズ展開を行う3時間の入浴専門デ
院も新規にオープン。この﹁マッ
﹁ある日、男性利用者の方に施設 その結果をもとに、即座にビジ
ネス化を決めた左社長は、昨年か
サージゆりの木﹂は、同社のほか
のサービス内容につ
ら入浴専門のデイサービスをスタ
にも同業他社や一般に対して受け
いてアンケートを取
ート。もともと大学で建築を学ん
入れを行っている。こうした取り
ったのですが、男性
でいた左社長のアイデアもあって、
組みを積極的に行うことで、他業
の4割者方が〝お風
施設の内装も南国風に施されてい
者との関係強化や人材確保につな
呂だけ入って帰りた
る。
げられるようになった。
い〟という意見を記
﹁利用者の方に﹃介護をしてもら
ほかにも託児保育所や視覚障害
入していたのです。
っている﹄と感じさせないのが、
者を雇用した接骨院などの店舗運
それまではみんなと
当社の理念。気軽に来て入浴し、
営も行っている同社では、これら
一緒になってレクリ
スッキリしてもらえることで健康
の施設と併設したデイサービス店
エーションをするこ
を維持してもらえるのなら、こう
舗も推奨している。
とも喜ばれることだ
した施設形態も多くの方の受け入
﹁ハイリスクハイリターンの小規
と思っていたのです
れられるのではないかと思ってい
模型に比べ、当社が手がける通常
が、実際に求められ
ます﹂︵左社長︶
規模は、定員の6割を超す来客が
ていたのはもっと明
〝私はこうして成功した〟
﹁それまで元気だった父親が倒れ、はじめて
自分の実感として高齢化を考えるようになり
ました。もともと介護に対する知識や関心が
あったわけではありませんでしたが、現在で
も週に3回は介護施設にお世話になっている
父の姿を見て、マーケットの重要性を感じま
した﹂︵佐藤オーナー︶
先輩起業家たちの
金言
何も介護事業で独立するのは、福祉に関心があ
る人だけではない。﹁親族のため﹂﹁ビジネス
の安定性﹂など、オーナーによって理由はさま
ざま。デイサービスで独立を果たした先輩オー
ナーたちの軌跡から、市場の魅力を探る。
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リゾートを思わせる内装
たため、介護に対しての抵抗感はありません
でした﹂︵山木オーナー︶
スクールでは整体コースと介護整体コース
を履修しており、﹁当初は高年齢者向けの整
体施設を開業するつもりだった﹂と話す山木
オーナーだが、介護に関わる親族が多かった
ことや事業の安定性に惹かれ、デイサービス
での独立を目指すようになった。その後、昨
年9月に中学校の同級生とともに法人を設立、
月に店舗をオープンさせた。
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カタログギフト会社から 歳で転身
親族の介護姿を見て独立を決意
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きっかけは父親の高齢化
年前にマーケットの重要性を察知
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山木精一オーナー
いきいきらいふ
左 敬真社長
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今年3月にデイサービスセンターをオープ
ンさせた佐藤尚孝オーナーは、もともと英会
話教室やバイクショップ経営を行っていた。
それまでは﹁介護は全く関心がなかった﹂と
話す佐藤オーナーが介護に感心を持つきっか
けとなったのは今から 年前の出来事だった。
佐藤尚孝オーナー
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カタログギフトの企画・卸売り会社で 年
間勤め上げた後、 歳で介護事業をスタート
させたのは山木精一オーナー。
﹁妻がグループホームに勤めており、また姉
も看護師として働いていたので、〝私も〟と
いう興味本位から﹃日本ボディセラピストス
クール﹄というところに通い始めたのがきっ
かけです。以前から母親が認知症を患ってい
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〝私はこうして成功した〟
店だったが、﹁初月は3名の登録、月間 名
弱の利用﹂というように、ほとんどゼロの状
態からのスタートだった。ただ、ケアマネー
ジャーを通じての地道な集客活動を続けてい
くうちに、徐々に集客数も増加。その結果、
現在は他地域からの利用者や大規模施設から
の移りかわりが出てきたという。
﹁らくしゅう療法で行うクイズは利用者がで
きる範囲の問題を出題し、正解できることに
重きを置いています。そうなると当然、利用
者が問題に正解できる確立も高くなり、喜ん
でいただける。この〝喜んでいただく〟とい
うことが重要です。なぜなら﹃また来たい﹄
と思っていただけるからです。大規模施設だ
とどうしても流れ作業になってしまうレクリ
エーションが当社のように小規模なデイサー
ビスだと大きな武器になります﹂︵大貫オー
ナー︶
現在は 名の利用者が登録しており、1日
平均で8名程度が利用。月次の数字も損益分
岐点の壁となる150名から170名の間を
大きく越え、200名弱を見込んでいるとい
う。
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加盟店の裁量が魅力 独自の
運営方法で〝笑いの絶えない〟施設に
たのですが、入居した施設は食事もこだわり、
温泉が付くなど至れり尽くせり。ただ意外だ
ったのが、母親の〝つまらない〟という言葉
です。重病患者が多かったせいか話し相手も
おらず、いくら贅沢な施設に入所しても心ま
では満たされなかったのでしょう﹂︵林オー
ナー︶
これがきっかけとなり、林オーナーはデイ
サービスのフランチャイズ事業を検討。晴れ
てオーナーとなった今は、﹁誰でも気軽に来
れる施設を展開していきたい﹂と多店舗展開
も視野に入れているという。
林 弘行オーナー
﹁利用者に楽しんでもらうために、施設に運
多店舗化で地域社会に貢献
営裁量を持たせてくれたことが加盟の最大理
由です﹂。
昨年 月にデイサービスセンターのオーナ
こう話すのはエルダーホームケアが展開す
ーとして独立を果たした林弘行オーナーは、
るデイサービス﹁喜楽家﹂の加盟店として活
一昨年に自身の母親が重病を患ったのを機に、
動する大野孝久オーナー。大野オーナーはも
介護事業に興味を持ったという。
ともと 年前に、トヨタやその系列企業のお
﹁ 歳になる母親は施設生活を余儀なくされ
気軽に来れるデイサービスに魅力
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ダーホームケア︵神奈川県鎌倉市︶の寒河江
清社長はこう話す。
﹁初期費用や運営形態の差別化でフランチャ
イズを募集している企業が多い中、当社は独
自の機能訓練方法である﹃脳トレ﹄で差別化
をしています。この﹃脳トレ﹄とは、後出し
じゃんけんをゲームとして行ったり、クイズ
を出題して頭の回転を活性化するというもの
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〝歌〟や〝クイズ〟で脳を活性化
楽しみながらの介護メニューが武器
大貫賢一オーナー
金言
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﹁元気になってもらうには、利用者自身が楽
しみながら過ごせるメニューが大事。その点
らくしゅう療法は〝歌いながらリズムとずら
して手を叩く〟というように、2つの事を同
時にさせるため、脳の活性化として最適で
す﹂
こう話すのは﹁デイサービス喜楽家﹂の海
老名店オーナーである大貫賢一氏。運送会社
で 年間務め、役員まで務めた大貫オーナー
が独立を決意したのは昨年のことだった。
﹁店舗がある上河内一帯は 歳以上の方が6
割を占め、 歳以上の方が住む家は2軒に1
軒あるといわれています。市内で最も高齢化
が進むこの地域で暮らすうちに、高齢化は避
けて通れない道だと思いました。それと同時
に、このシニアマーケットの需要の高さに魅
力を感じ、参入を決意しました﹂︵大貫オー
ナー︶
その後、今年1月に稼動をはじめた海老名
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膝元である愛知県岡崎市に自動車部品製造会
社を設立。新規事業として昨年 月にデイサ
ービス喜楽家・花畑を開業した。
﹁近年の不況の煽りもあって、社員を食べさ
せるためには新たな取り組みを行わなければ
ならないと考えていました。ちょうど以前か
ら〝地域に貢献したい〟という気持ちがあっ
たので、すぐに介護事業を選択しました﹂
︵大野オーナー︶
加盟を決めたエルダーホームケアを﹁自由
度が高い﹂と称す大野オーナー。一方、エル
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です。従来の機能訓練よりも非常にリラック
スした雰囲気でレクチャーすることができる
ので、施設内でも笑い声が絶えません﹂
大野オーナーが運営する施設は中規模デイ
サービスでありながら、200坪といった広
大な敷地の建物だ。庭にはテラスがあり、1
00坪の室内には人気者の﹁犬﹂もいる。従
来のデイサービスセンターでは考えられない
環境だが、大野オーナーにとっては、理想の
〝介護〟施設だという。
現在の利用登録者は5名程度で月に 名ほ
どの利用だが、もともと本業があるので積極
的に利用者を拡大するつもりはないという。
﹁もちろん、介護事業だけで考えると食べて
いけませんが、自分で良いと考える施設運営
を運営できているので満足しています﹂︵大
野オーナー︶
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75
先輩起業家たちの
大野孝久オーナー
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