民族紛争論

民族紛争論
開講区分
古賀 敬太
ナンバリング
科目種別
講義
法政経学科
配当年次・開講期別
3年次・後期
必修選択の別
単位数
選択・2単位
特記事項
授業概要
授業は、「民族問題」とイスラム原理主義のテロに焦点を当て、歴史的経過と同時に、現在の問題を分析する。民族問題では、パレスチナ問
題、旧ユーゴの崩壊と民族紛争、中国の少数民族問題、そしてルワンダ内戦、ソマリア内戦、スーダン内戦などのアフリカの内戦を考察する
。イスラム原理主義の問題では、9.11初めとして各地で頻発しているテロ事件の真相と背景に迫る。
キーワード
学科等の学修目標
科目の到達目標
(1)パレスチナ問題の歴史と原因、解決策を理解する。
(2)旧ユーゴの崩壊の原因を理解する。
(3)アフリカの民族紛争の原因を理解する。
(4)イスラム原理主義のテロ事件を考察する。
授業計画 1
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<授業テーマ>
授業の概要…民族紛争の諸類型
<事前学修課題>
新聞記事で、民族紛争に関係する記事を切り抜いておく。
<内容・方法>
授業では、民族紛争の諸類型を話し、民族紛争の様々な原因を
検証する。
<事後学修課題>
民族紛争の様々な類型について復習しておく。
<授業テーマ>
パレスチナ問題(1)離散の民ユダヤ人の歴史
<事前学修課題>
ユダヤ人の歴史を前もって勉強しておく。
<内容・方法>
離散の民ユダヤ人の歴史を1948年の建国まで跡づける。
<事後学修課題>
なぜユダヤ人は歴史的に迫害されてきたかを復習する。
<授業テーマ>
パレスチナ問題(2)シオニズム運動から第二次大戦まで
<事前学修課題>
シオニズム運動とは何かを調べる。
<内容・方法>
パレスチナの地をめぐるユダヤ人とアラブ人の抗争、それに対
するイギリスの対応を検証する。
<事後学修課題>
バルフォア宣言について調べる。
<授業テーマ>
パレスチナ問題(3)第一次中東戦争から第四次中東戦争まで
<事前学修課題>
それぞれの戦争について事前に調べておくこと。
<内容・方法>
第二次大戦後における四回の中東戦争を検証する。
<事後学修課題>
第三次中東戦争におけるイスラエルの占領地域と国連決議を復
習すること。
<授業テーマ>
パレスチナ問題(4)オスロ合意から今日まで
<事前学修課題>
オスロ合意とは何かを前もって予習する。
<内容・方法>
1994年のオスロ合意から今日までのパレスチナ問題の経緯
を検証し、解決策を模索する。
<事後学修課題>
パレスチナの地におけるアラブ国家の樹立の障害になっている
要因を理解する。
<授業テーマ>
旧ユーゴの崩壊(1)多民族国家ユーゴ
<事前学修課題>
旧ユーゴ連邦の歴史を調べる。
<内容・方法>
民族紛争の典型が旧ユーゴである。まず人為的な国家である旧
ユーゴ連邦の民族構成を検証する。
<事後学修課題>
旧ユーゴ連邦の民族、言語、宗教、文字の構成を復習する。
<授業テーマ>
旧ユーゴの崩壊(2)ボスニア紛争
<事前学修課題>
ボスニア紛争が発生した経緯について調べておくこと。
<内容・方法>
セルビア人、クロアチア人、ムスリムという三つの民族による
ボスニアの争奪戦を検証する。また国連やNATOのかかわりにつ
いても講義する。
<事後学修課題>
ボスニア紛争に対する国連、NATOのかかわりについて復習する。
<授業テーマ>
旧ユーゴの崩壊(3)コソボ紛争
<事前学修課題>
ミロシェビッチの汎セルビア民族主義を調べる。
<内容・方法>
コソボ地域におけるセルビア人とアルバニア人の対立の歴史を
検証し、NATOの介入の是非を考察する。
<事後学修課題>
NATOの人道介入の経緯を復習する。
<授業テーマ>
アフリカにおける民族紛争(1)概観
<事前学修課題>
植民地支配が民族紛争にいかに影響を及ぼしているかを理解す
る。
<内容・方法>
アフリカにおける民族紛争の様々な原因を考察する。
10 <授業テーマ>
アフリカにおける民族紛争(2)ルワンダ、ソマリア
<内容・方法>
ルワンダとソマリアの民族紛争を検証し、まったく対照的な対
応を示した国連の安保理の決定を検証する。
11 <授業テーマ>
アフリカにおける民族紛争(3)スーダン、コンゴ
<内容・方法>
スーダンとコンゴの民族紛争を検証し、その原因と解決策を検
討する。
12 <授業テーマ>
中国の民族問題(1) チベット
<内容・方法>
中国の少数民族チベットの歴史、民族、宗教を検証し、現代中
国におけるチベットの苦境を明らかにする。
<事後学修課題>
アフリカの「破綻国家」の原因を調べる。
<事前学修課題>
1994年のツチに対するフツの大量虐殺の経緯を調べる。
<事後学修課題>
ソマリアの無政府状態はいかにしたら解決されるか検討する。
<事前学修課題>
スーダンの歴史と民族、宗教構成、油田の存在などを調べてお
く。
<事後学修課題>
自衛隊がPKO活動を行っている南スーダンの紛争を調べておく。
<事前学修課題>
チベット仏教に関して調べておく。
<事後学修課題>
ダライラマ14世の将来のチベット構想を調べる。
13 <授業テーマ>
中国の民族問題(2)新疆ウィグル
<内容・方法>
ウイグルの歴史、宗教、民族、言語を検証し、現代中国におけ
るウイグルの苦境を明らかにする。
14 <授業テーマ>
「ホテル・ルワンダ」の映写会
<内容・方法>
「ホテル・ルワンダ」を見て、当時のルワンダの実態に触れる
。感想文を書き、ルワンダに対する認識を深める。
15 <授業テーマ>
まとめ
<内容・方法>
14回の講義の総復習をした上で、受講者の理解度を知るため
の試験を行う。
<事前学修課題>
ウイグルの歴史、またテロ事件について調べておく。
<事後学修課題>
ウイグル人は独立を目指しているのか、自治権の拡大を目指し
ているかを考える。
<事前学修課題>
「ホテル・ルワンダ」について調べておく。
<事後学修課題>
この映画を見ての質問を書き出しておく。
<事前学修課題>
14回の講義で学んだことを、総復習しておくこと。
<事後学修課題>
解答できなかった問題に関して、自分で見直すこと。
テキスト
成績評価の方法
『世界の流れを読む』古賀編(風行社)¥2500
平常点:20% レポート課題:20% 授業内試験:10% 定期試験:50%
参考書
『世界の紛争地図』(河出書房新社)
『パレスチナ紛争史』横田勇人著(集英社新書、2004年)
『ユーゴスラヴィア現代史』柴宣弘著(岩波新書、1996年)
『中国の民族問題』加々美光行著(岩波現代文庫、2008年)
『民族紛争』月村太郎(岩波新書、2013年)
『 多民族国家中国』王柯著(岩波新書、2005年)
履修条件・他の科目との関連
毎日、新聞の国際面に目を通し、講義に関係する記事があれば新聞を切り抜くことを心が
ける。