5年 少人数 算数科学習指導案 平成23年12月16日(木)3限 指導者 高 智子 研究主題 「主体的に考え、学び合う子をめざして」 ~言語活動の充実を通した教科指導のあり方~ 1.単元名 面積の求め方を考えよう 2.目標 ○平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の求め方を理解し、公式を作り出してそれから の面積を計算で求めることができるようにする。 ・ 平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積について、既習の面積の求め方に帰着さ せて考え、計算で求めようとする。 (関心・意欲・態度) ・ 既習の面積の求め方を基に、平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の求め方 を工夫して考え、公式をつくり出すことができる。 (数学的な考え方) ・ 平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積を公式を用いて求めることができる。 (技能) ・ 平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの計算による面積の求め方を理解する。 (知識・理解) 3.単元について (1)教材について 本単元では、直線で囲まれた基本的な図形について、必要な部分の長さを見つけ出してはかり 、既習の長方形や正方形などの面積の求め方に帰着させ計算によって求めたり、新しい公式を作 り出し、それを用いて求めたりすることができるようにすることがおもなねらいである。 具体的には、平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の求め方を既習の求積可能な図形 の面積の求め方を基に考え、説明したり、公式を作り出したりすることや、その過程で筋道を立て て考える力の育成を図ることをねらいとしている。 4学年で、台形、平行四辺形、ひし形の概念や性質、かき方について学習し、さらに対角線の概 念や四角形を分解・合成する操作活動について学習している。また、長方形や正方形の面積の学習 では、1c㎡等の単位となる面積がいくつあるかを求めて広さを数値化して表わすことを学習してき た。長方形や正方形の面積の公式とともに、面積の保存性・等積変形についても、1c㎡をいろいろ な形に分けて扱ったり、複合形の面積を求めたりすることを通して扱ってきている。 本単元では、平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の求め方を公式としてまとめ上げ、 公式を作る過程と関連づけながら公式を理解し、活用する力をつけていきたい。 また、基本図形における高さと面積の比例関係についても、数量の関係の考察する機会ととらえ 、6学年の比例につなげていきたい。 (2)「教科の知」にせまるために この単元では、平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の求め方を、具体物を用いたり、 言葉、数、式、図を用いたりして考え、説明したりすることが出来る力を「教科の知」とする。 そこで、児童の発言の機会を設定し、発言をいいたくなる場や聞きたくなる場を多く取り入れて いきたい。そのために、児童の実態を鑑みて、平行・垂直な関係と直角の相違点や基本図形の性質、 長方形・正方形の面積の公式等の復習を取り入れながら、丁寧に扱っていきたい。 さらに、既習事項を掲示物等に残し、説明している児童がどの言葉に目をつけ、その式を取り上 げているのか、すぐ聞き取れるように配慮したい。式だけではなく、図等で表わす時に、大きく書 かせたり色別に書かせたりして、効果的な説明の方法を身につけさせたい。 発言が苦手な児童には、いろいろな図形の面積の計算練習に取り組ませ、自信をつけさせたい。 自信がつけば、意欲を持って取り組むことができると考え、算数用語などを活用しての言語活動の 力を伸ばす足がかりにしていきたい。 4.単元計画(総時数15 時間) 目 標 主 な 学 習 活 動 次 面積の保存 <どの図形の面積が一番大きいかな > 一 次 性・加法性・ ・図形の名前をいう。 オ 連続性などに ・それぞれの面積を求める。 ・まわりの長さから、面積を求める。 リ 気づく。 ー エ ン 長(正)方形の テ 面積の公式を 思い出す。 ョ シ ン ① 平行四辺形の 面積の求め方 を考え,説明 することがで きる。 ・面積は、1c㎡をもとにしてそのいくつ分かを数字 で表わすことができる。 ・計算で求めることができ、足し算・引き算も出来 る。 ・図形を切ったり移動したり、面積を2倍して÷2を しても、もとの面積は変わらない。 〈平行四辺形の面積の求め方を考えよう〉 ・1c㎡がいくつ分あるか数える。 ・ななめの辺×横で求められる。 ・長方形に変形する。 ・平行四辺形の面積は、1c㎡ますを数えても正確 にはわかりにくい。 ・長方形に変形すれば求めることができる。 平行四辺形の 面積の公式を つくり出し, それを適用し て面積を求め ることができ 二 る。 次 平 行 高さが平行四 四 辺形の外にあ 辺 る場合でも, 形 平行四辺形の の 面積の公式を 面 適用できるこ 積 とを理解す ④ る。 〈平行四辺形の面積の公式を考えよう〉 ・平行四辺形の下の辺を底辺とすると、長方形の横の辺に あたる。 ・平行四辺形の上と下の辺の幅を高さとすると、長方形の 縦の辺にあたる。 平行四辺形の面積の公式は、底辺×高さで求 められる どんな形の 平行四辺形で も,底辺の長 さと高さが等 しければ,面 積は等しくな ることを理解 する。 〈どの平行四辺形の面積が1番大きいかな〉 ・ジオボードで、高さを変えていろいろな平行四辺形を作 ってみる。 ・底辺と高さを三角定規を用いて探す。 ・平行な2本の直線を使って、面積が等しい平行四辺形を かく。 ・ 平行な2直線上にある平行四辺形の面積を求めて比べ る。 〈高さが図形の中にない時の面積の求め方を考えよう〉 ・平行四辺形を長方形や、中に高さがある平行四辺形に等 積変形させて求める。 ・底辺と高さの関係から、高さを移動する。 ・底辺を先に見つけると高さが見つけやすい。 ・面積の公式が使える。 ・底辺と高ささえ分かれば計算できる。 どんな形の平行四辺形でも,底辺の長さと高さが等 しければ,面積は等しくなる ◎ 支援と★評価 ◎面積は図形を切って も移動しても、面積は 変わらないことに気づ かせる。 ★いろいろな図形の1 c㎡を作ることができ る。 (考え) ◎ワークシートのマス 目の数から見当をつ け、考えを持たせる。 ★長方形に等積変形し て、求積できている。 (考え) ◎ワークシートに底辺 と高さを色別に印付け させ関係を理解させ る。 ★底辺と高さは、垂直 な関係であることが分 かる。 (技能) ◎ワークシートで長方 形の縦・横の関係と平 行四辺形の底辺と高さ の関係をおさえる。 ★高さが平行四辺形の 外にある場合でも,平 行四辺形の面積の公式 を作ることができてい る。(考え) ◎操作活動を通して、 平行四辺形の形が変 わっても底辺と高さが 変わらないことを、体 感させる。 ★面積の公式を使っ て、底辺がどこでも高 さを見つけて求積して いる。(技能) 三 次 三 角 形 の 面 積 ② 三角形の面積 を求める公式 をつくり出 し,それを適 用して面積を 求めることが できる。 三角形の面積 の求め方を考 え,説明する ことができ る。 本 時 ・三角形の面積は、長方形や平行四辺形に 形を変えれば求めることができる。 ・三角形の面積の公式は、底辺×高さ÷2 高さが三角形 〈高さが図形の中にない時の面積の求め方を考えよう〉 の外にある場 ・三角形を平行四辺形や長方形に等積変形させて求める。 合でも,三角 ・底辺と高さの関係から、高さを移動する。 形の面積の公 式が適用でき ることを理解 ・面積の公式が使える。 する。 ・底辺と高ささえ分かれば計算できる。 台形の面積の 求め方を考 え,説明する ことができ る。 四 次 い ろ い ろ な 四 角 形 の 面 積 の 求 め 方 ④ 〈三角形の面積の求め方を考えよう> 台形の面積を 求める公式を つくり出し, それを適用し て面積を求め ることができ る。 ひし形の面積 の求め方を考 えることがで きる。 ひし形の面積 を求める公式 をつくり出 し,それを適 用して面積を 求めることが できる。 〈台形の面積の求め方を考えよう〉 ・長方形・平行四辺形に等積変形したり2倍にしたり、2 つの三角形に分割したりして面積を求めることができる。 ・どの求め方も上底と下底の和と 高さを使って求めることができる。 台形の面積は、(上底+下底)×高さ÷ 2で求められる。 ◎小グループでワーク シートやジオボードを 使い説明の練習をさせ る。 ★頂点からの垂線が高 さになることが分か る。(考え・技能) ◎小グループでワーク シートを使い説明の練 習をさせる。 ◎台形の面積の求め方 を,既習の図形の求積 方法に帰着して考え, 筋道立てて説明してい る。 (考え) 〈ひし形の面積の求め方を考えよう〉 ・長方形・平行四辺形に等積変形・2倍にしたり、2つや4つの 三角形に分割したりして面積を求めることができる。 ◎小グループでワーク ・ひし形の対角線の性質を使って求める。 シートを使い説明の練 ・どの求め方も2つの対角 習をさせる。 線を使って求めることが できる。 ひし形の面積は、対角線×対角線÷2で 求められる。 ◎ひし形の面積の求め 方を,既習の図形の求 積方法に帰着して考 え,筋道立てて説明し ている。 (考え) 五 次 高 さ と 面 積 の 関 係 ① 平行四辺形の 底辺の長さを 一定にして高 さを変えたと きの,面積と 高さは比の関 係にあること を理解する。 ま 学習内容を適 と 用して問題を め 解決する。 ③ 〈平行四辺形の高さを変えたときの,面積との関係を考 えよう〉 高さ□ 1 2 3 4 cm 面積○ 6 12 18 24 c㎡ ・高さが1cm増えると、面積は6c㎡ずつ増える。 ・高さが2倍、3倍・・になると、面積も2倍、3倍・・になる。 ・面積を高さでわると、いつも6になる。 ・かけ算の式に表わす。 ・対角線にかけると積は等しい。 ・高さと面積は、比例の関係になる。 ・6×□=○であらわすことができる。 いろいろ図形の面積を求める問題に挑戦する ◎ワークシートの表に 書き込みをさせ、□が1 ずつ増えると、○も6ず つ増えていることに気 づかせる。 ★平行四辺形の高さと 面積の比例関係が理解 できている。(知識・ 理解) 学習内容を適用して問 題を解こうとしてい る。 (技能・ 知識・理解) 5.本時の学習 (1)教材 (第三次中の1時) 「 三角形の面積を求めよう 」 (2)本時のねらい (3)準 備 三角形の面積の求め方を考え,説明することができる。 (数学的な考え・知識・理解) ワークシート、マジック (4)展 開 学 習 活 動 時 児童の活動と思考の流れ 1.課題をつかむ 5 〈三角形の面積を求めよう〉 (つかむ) ・何c㎡かな? ・マス目を数えてもきちんと表せそう もないぞ。 ・長方形に変えられるかな? ・平行四辺形に変えられるかな? ◎支援と★評価 ◎平行四辺形の面積の公式のふり 返りをする。 ◎ワークシートに考え方をメモさ せる。 2.自力解決する 15 ・ 三 角 形 を 2 倍 し て 平 行 四 辺 形 を 作 ・考えをもてない児童は、ヒント (考える) る。 をもらいにいかせる。 ・マス目を数えさせて見当を付 けさせる。 3 . 考 え を 発 表 20 ・2倍にして長方形にする。 し、話し合う(深 ◎平行四辺形の底辺や高さは三 角形のどこにあたるのか、考え させる。 ◎長方形の縦や横は三角形のど こにあたるのか、考えさせる。 ・切って移動して長方形にする。 ・長方形の縦や横は三角形の何にあた るかな? ・三角形形の底辺や高さはどんな関係 ・底辺と高さの関係をおさえる。 といえるのかなるかな? 4.学習のまとめ 5 をする(まとめ る) ・三角形の面積は、長方形や平行 四辺形に形を変えれば求めること ができる。 ・頂点から垂線を引いた長さを高 さという。 ・三角形の面積は、底辺×高さ÷ ★三角形の面積の求め方を,長 方形や平行四辺形の求積方法に 帰着して考え,説明している。 (考え) ・視点 三角形の面積の求め方を,長方形や平行四辺形の求積方法に 帰着して考えさせたり、説明させたりした手立ては良かったか。
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