5年 「面積」

第 5 学年 1 組
算数科学習指導案
日時
1. 単元名
平成 15 年 10 月 29 日(水)第2校時
場所
5 年 1 組教室・多目的室
指導者 上原 崇
中井 明恵
面積
2. 指導によせて
面積については4年生で長方形と正方形の面積を学習している。本単元では三角形、四角形など直線
図形の面積を取り上げて学習する。三角形、四角形などの面積の指導では、三角形の面積を軸とする考
え方と平行四辺形を軸とする考え方があるが、今回の学習では、前者の考え方で行う。その理由は、直
線図形は全て三角形に分割されるので、三角形の面積が最も一般的に用いられ、基本となるものである
という考え方に基づいている。よって平行四辺形の公式は特別な図形についてのものであるとして、基
本となる三角形の面積を最初に扱い、その後は、三角形の面積を繰り返し用いて図形の面積を求めてい
く方法をとる。
三角形の学習では、最初に直角三角形の面積を求めるグループと直角二等辺三角形の面積を求めるグ
ループとに分け、長方形や正方形の面積の求め方を利用した学習を展開したい。4年生では、単位正方
形をしきつめ、それが縦横にいくつ分あるかで長さに着目して、広さを数値化することを学んでいる。
また、公式化し、組み合わさった図形を、公式の活用により求積できることを学習してきている。ここ
では、既習の長方形や正方形に帰着させたり、単位正方形をしきつめたりして、求積方法や公式を考え
させたい。また、その考え方を使えば、発展としてひし形や台形や多角形といった図形の求積も考える
ことができ、また、3学期に学習する円の求積の学習で生きて働く考え方となる。
学習形態としては、これまでに 1 クラスを2つにわけて指導する形を基本にして取り組んできた。1
クラスを 2 つに分けた少人数指導では、普段なかなか意見が出せない児童も自分の考えをだしやすくな
り、そういった児童の考えを生かしながら学習をすすめられるという成果がみられた。この単元では、
児童がたくさんの意見をきくことにより学習方法の見通しをもちつつ、それぞれの学習課題を追求でき
るよう、一斉TT授業と課題別少人数授業の両方をおりまぜた指導計画をたてることにした。
課題を選択することにより、児童が自分の課題に対して、はっきりした理由をもちそれを意識して取り
組むことができるので、自分の考えが深まったり、高まったりすることが期待できる。また、まとめの
場面では、ふりかえりを大事にし、一斉で考えを出し合い、自分の考えを比較検討しながら共通点を見
出していきたい。
(1)この学習の価値
既習の「面積」の学習をもとに、子どもたちは思考錯誤を重ねたり、辺と辺の関係や角の大きさ等を
考慮したり、長方形をもとに見通しをもって操作活動を進めることができる。量の保存性などの性質を
使って類推したり、演繹的に考察したりして筋道立てて考えようとする態度を培うことができる。
(2)本単元の指導の重点
この学習の中では、自分の考えをもつということが重点になる。そのためには、算数的なコミュニケ
ーションを十分にもち、自分の課題をみつけ、その課題に対してはっきりとした理由をもち、考え判断
することが学習を深めることにつながると考える。筋道を立てて考えたり、共通点やきまりを見つけた
り、話し合いによって解決していく能力が高められることを願っている。
3. 単元目標
(1) 既習の面積公式をもとに、三角形、平行四辺形の面積を求める公式を進んで見出そうとした
り、活用しようとしたりする。
(関心・意欲・態度)
(2) 既習の面積公式をもとに、三角形、平行四辺形の面積を工夫して求めたり、公式をつくった
りすることができる。
(数学的な考え方)
(3) 三角形、平行四辺形の面積を求める公式を用いて、面積を求めることができる。
(表現・処理)
(4) 三角形、平行四辺形の面積の求め方を理解する。
(知識・理解)
4. 単元構想(全 13 時間)
学習課題の計画
・既習内容を考慮し、学習内容を考える。
(三角形、四角形)
・学習計画を学級全体で話し合い、学習課題をつくる。
・学習方法などについて具体的に話し合い学習の見通しがもてるようにする
学習順序計画
・学習方法を考える。
学 習 課 題 選 択
(三角形の面積)T①
A
直角三角形→正三角形
B
S②
直角二等辺三角形→二等辺三角形
S②
学 習 の ま と め
種類の違う図形の求め方に共通点を見いだし、一般の三角形の求め方
を考える。
T②・S①
学 習 課 題 選 択
(四角形の面積)四角形T①
A
平行四辺形→ひし形
本時 1/2 S②
B
台形→五角形
本時 1/2 S②
学 習 の ま と め
・種類の違う図形の求め方に共通点を見いだし、考えを練り上げる。
T③
発展学習
学習した公式を活用し 新たな学習課題(多角形や長方形
や正方形の合図形)を設定し、取り組む。
T①
5. 指導計画
第1次 ①学習計画を立てる
・学習内容の整理をし、見通しをもちながら話し合いにより学習計画を
たてる。
・三角形の種類から自分が調べられそうな課題を選択する。
第2次
第3次
第4次
②③それぞれの三角形の面積の求め方を考え、自力解決を図る。
・考えた求め方をまとめる。
④⑤それぞれの種類の三角形の求積方法を発表し合い、検討して、共通
点から公式にまとめる。
⑥三角形の求積方法の理解と確認のために、発展的な鈍角三角形などの
求積方法にも応用できるか考える。
⑦四角形のもて目方を考え自立解決を図る。四角形の種類から自分が調
べられそうな課題を選択する。
⑧⑨平行四辺形、ひし方・台形、五角形の求め方を考え、自力解決を図
る。
・考えた求め方をまとめる。
⑩⑪それぞれの種類の四角形の求積方法を発表し合い、共通点をまとめ
る。平行四辺形の公式を求める。
⑫公式を使っていろいろな平行四辺形を求める。
⑬発展学習
・学習した公式を活用して新たな学習課題(多角形や長方形や正方形の
複合図形)を設定し、取り組む。
TT
S
TT
S
TT
1時間
2時間
2時間
1時間
1時間
S 2時間
本時 1/2
TT
S
TT
2時間
1時間
1時間
6. 課題と手だて
【課題】
・みんなが同じ問題に取り組むことによって、自分が発言しなくても、自分の考えと同じ考え方をもっ
た誰かが、自分のかわりに発言してくれるという消極的な学習態度がみられる。
・一斉授業の中では、一人一人の子どもがすべての課題の中に問題を見つける必要感がもちにくく、教
師の支援や見取りも少人数授業に比べてし難い。
・底にある辺だけを底辺と思いがちである。また斜めの辺の長さを高さと間違える子どもも見られる。
底辺は、図形について固定したものではなく、どの辺も底辺とすることができることや、底辺をどの辺
にするかによって高さが決まることなどをはっきり理解させる必要がある。
・鈍角三角形の底辺と高さの関係を把握することは子どもにとっては難しい。
・公式に頼りすぎて、具体的な面積のイメージがもてず、計算の答えだけに満足してしまう。
【手だて】
①課題選択の場面を設定することによって自分の課題に対してはっきりした理由をもち、それを意識し
て取り組むことができるようにする。主体的に自分の意見をもって話し合いに参加しやすくなり、自分
の考えが深まったり、高まったりすることが期待できる。
②自分で選択した同じ課題を少人数で学習を行うことによって、教師の支援や見取りがし易く、また、
子どもたちにとっても多様な意見交換がし易くする。
③課題を自由に選択することによって能力差がうまれやすくなるが、毎回授業の流れをパターン化する
ことによって低位の子どもにも学習の見通しをもって安心して取り組めるようにさせる。また、選択の
機会を2度もつことにより、自己決定の場を増やし主体的に取り組めるようにする。
④もとの形ではどの長さなのかを記入させる。等積変形や倍積変形などの活動では、図形を操作するこ
とに子どもたちの関心が集中しがちになるが、面積を求めるのに必要な長さとは何であるかがとらえら
れるよう、必要な長さを色で記入するなど工夫させる。
⑤初めて出会う図形の学習の際には、マス目を使って面積の広さを見積もることによって、広さのイメ
ージを意識させる。
7. 本時の目標
平行四辺形の面積の求め方を考え、自力解決を図る。
8. 本時の展開
【平行四辺形コース】
学習活動 ・教師の働きかけ
予想される児童の反応
教師の支援
・前時で学習した四角形の面積の求
1, 選択した課題を確認する。
め方を想起させる。
平行四辺形の面積を工夫
して求めよう
2,見通しをもつ。
・平行四辺形を配る。
・方眼紙を配る
T、方眼紙をつかっておおよそどれく
らいの面積になるか予想をしよう。
・考え方を書く用紙(白)を配る。
T、平行四辺形の面積は どうすれば出 C、そのままマス目を数えて求めよう。
・1つ考え方が書けたら、前に用紙
C、切って動かしてみよう。
せそうですか。
(ピンク・青・黄・緑)を取りに来
C、半分に切ってみよう。
ることを説明する。
C、対角線をひいてみよう。
C、まわりの四角形から三角形をひいてみよ ・発表用の用紙に説明を書かせる。
・考えが進められない児童には、必
う。
要な長さに色をつけさせるなど考え
るもとになるものに気づかせる。
C、直角三角形を切って、動かすと長方形に
3,説明方法を考える。
T、説明できるように、求め方をまと なりそうだ。
C,半分に切って動かすと長方形になりそう
めてみましょう。
だ。
C,対角線をひくと2つの三角形になって求
・前で発表する子には発表用の画用
められそうだ。
紙を配る。
C、まわりの長方形から2つの直角三角形を
ひくと求められそうだ。
4,考えた方法を交流する。
T、考えた求め方を発表しましょう。
発表用の用紙を見ながら、発表する。
7. 本時の目標
台形の面積の求め方を考え、自力解決を図る。
8. 本時の展開
【台形コース】
学習活動 ・教師の働きかけ
予想される児童の反応
1,選択した課題を確認する。
教師の支援
・前時で学習した四角形の面積の求め
方を想起させる。
台形の面積を工夫して求
めよう
2,見通しをもつ。
・台形を配る。
・方眼紙を配る
T、方眼紙をつかっておおよそどれくら
いの面積になるか予想をしよう。
T、台形の面積は どうすれば出せそう C、そのままマス目を数えて求めよう。・考え方を書く用紙(白)を配る。
・1つ考え方が書けたら、前に用紙(ピ
ですか。
C、切って動かしてみよう。
ンク・青・黄・緑)を取りに来ることを
C、半分に切ってみよう。
説明する。
C、対角線をひいてみよう。
C、まわりの四角形から三角形をひいて ・発表用の用紙に説明を書かせる。
・考えが進められない児童には、必要な
みよう。
長さに色をつけさせるなど考えるもと
になるものに気づかせる。
3,説明方法を考える。
T、説明できるように、求め方をまとめ C、直角三角形と長方形に切って、動か
てみましょう。
すと長方形が2つになりそうだ。
C,半分に切って動かすと長方形になり
そうだ。
・前で発表する子には発表用の画用紙を
C,対角線をひくと2つの三角形になっ
配る。
て求められそうだ。
C、まわりの長方形から2つの直角三角
形をひくと求められそうだ。
4,考えた方法を交流する。
発表用の用紙を見ながら、発表する。
T、考えた求め方を発表しましょう。
9. 参観の観点
(1)量の保存性などの性質を使って類推したり、演繹的に考察したりして、筋道をたてて考えようと
していたか
(2)クラスを2つに分けて行う課題別の少人数の学習は、本時の学習の取り組みにとって有効であっ
たか。
10. 座席表
5年1組教室
I・Y
I・Y
I・E
O・H
K・A
K・K
S・K
S・N
S・T
S・K
S・T
S・S
S・S
T・A
T・A
N・M
H・S
Y・A
多目的室
I・K
I・K
U・T
K・T
K・R
S・M
T・Y
T・R
N・R
N・M
N・K
N・Y
N・Y
N・S
H・S
H・A
F・T
H・M
H・M
M・R
Y・H