第 43 号 ●発行日 2009 年 5 月 30 日 ●編集・発行 大学院工学研究科広報専門委員会 URL:http//www.eng.osakafu-u.ac.jp E-mail:[email protected] ․㓸䋱 もくじ 文部科学省 振興調整費プログラム 2. あなたは大学で何にチャレンジしますか? ナノ科学・材料研究センターの挑戦 輝くドクタープロジェクト始動 7. 輝くドクタープロジェクト始動 4.「地域の信頼」 と「世界へ飛躍」の調和を人 材育成に 11. まいど1号の開発を支えた学生たち 関西から宇宙へ! 13. ヘルシンキ工科大学での生活 14. 物理と数学のコラボレーション 小型衛星 まいど 1 号は宇宙へ 15. 国際リポソーム研究会議における ポスター賞を受賞して ASNIL2008 での最優秀論文賞受賞 ․㓸䋲 17. 学生の受賞リスト 機械,航空,海洋システム,電子物理, 電気情報システム,知能情報, おめでとう! 応用化学,化学工学,マテリアル工学 こんな賞を受賞しました! 大阪府立大学(Osaka Prefecture University)大学院工学研究科広報専門委員会 (〒 599-8531 堺市中区学園町 1-1 URL:http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/news/ e-mail: [email protected]) 石原 一(委員長 ),岩瀬彰宏(副委員長) ,水谷彰夫(機械工学 ),得竹 浩 ( 航空宇宙工学 ),山田智貴(海洋シス テム工学 ),壁谷喜継(数理工学 ),沈 用球(電子物理工学 ),小西啓治 ( 電気情報システム工学 ),吉岡理文(知能情 報工学 ),野原愼士(応用化学 ),齊藤丈靖 ( 化学工学 ),千星 聡(マテリアル工学 ),油谷節子 ( 事務局 ) *ニュースへのご投稿やご意見を常時受け付けています.ご投稿は,所属,氏名,投稿原稿タイトル,本文(1ページ 1600 字相当で,1/4,1/2,1ページのいずれか)を広報専門委員へ,または電子メールで上記アドレスへご提出下さい. ご意見は様式を問いません. 「あなたは大学で 何にチャレンジしますか?」 工学研究科長 辻川 吉春 新入生の皆さん,工学部・工学研究科を代表 して,まず,大阪府立大学工学部へのご入学おめ でとうございます.今日から皆さんは晴れて, 「府 大工学部」の一員です.心より歓迎いたします. 少子化が進んでいるとは言え,受験という競争を 経て入学を果たされた,その努力に先ず敬意を 表します. ところで,皆さんは本年 1 月に H2A ロケットで 種子島から小型人工衛星「まいど 1 号」が打ち上 げられたことをご存じでしょうか.衛星の製作は 東大阪を中心とした中小の企業が行いましたが, 衛星本体の設計・開発・試験については本学工 学部・工学研究科の学生が大いに貢献しました. 新聞紙上を何度も賑わせましたので,ご覧になっ たことでしょう.この例以外にも,毎年,琵琶湖 で開催されている「鳥人間コンテスト」での連続 優勝,コンピュータシミュレーションによる「世 界ロボカップサッカー大会」での連続入賞などが 示すように,皆さんが入学された大阪府立大学工 学部の学生諸君は非常に優秀で,高いポテンシャ ルを備えています.この例を見れば分かるように, 何事かを成し遂げようという強い意志があれば, 達成できる環境が広範囲に準備されています. さて大学は,皆さんが考えているようにまず, 「教育」 が重要な使命です. 特に最近では, 「学士力」 の育成が求められています.まだ聞き慣れない言 葉ですが,例えば「人類の文化と自然物理に関す る理解」 , 「知的・実践的なスキル」 , 「人間として, 社会の一員としての責任」 ,4年間でこれらの理 解・獲得を目指すことが謳われています.そのた め,学部ではこれらを達成するための教育に力を 入れます.と同時に,一方の柱となる「研究」面 では,大阪府立大学の「将来像」に標榜されて いる「高度研究型大学~世界に翔く地域の信頼 拠点~」の中核として,世界を先導する,環境に 調和し,人にやさしい科学と技術を探求し,創造 すること,地域との連携を通して,地域社会の文 化と産業の発展に貢献することを具体的な主要 課題として研究活動を進めています.さらに府立 大学工学部・工学研究科の特徴を表す言葉とし て‟TECHNOVATION”という言葉が使われています. これは Technology(科学技術)と Innovation(改 革)が,私たちのキーワードと考えて,作られた 新しい言葉です.府立大学工学部・工学研究科 では,ナノの世界から地球・宇宙までを見据えて, 学問を深めることで,その使命を果たしています. このように,学部の学年の進行,さらには大学 院博士前期課程,博士後期課程へと進んでいくに したがって, 「研究」の比重がどんどん増して行 きます.研究環境の充実はもちろん,学生諸君の 国際的な活躍の素地を築くために,大学院での英 語による講義も始めました.その全科目に占める 割合は 25%を超えています.そして大学院入試 に TOEIC 等の外部試験による評価も全学科 (分野) で既に導入されています.したがって大学院を志 望する皆さんは TOEIC 等のスコアが必要になりま すので,英語力向上の一助として,T O E I C で 800 点以上の高得点を得た人の顕彰制度を整備し,2 年間で 43 名が顕彰されました. また文部科学省が昨年「留学生 30 万人計画」 をキーワードに積極的な留学生受け入れを推進 しています.同じ教室,研究室で留学生の方々と 行動を共にすることによって,異文化間交流が飛 躍的に進むものと思われますが,このことは皆さ んにとっても非常に有意義なことです.その一環 として,本学工学研究科でも本年 2 月に初めて海 外での入試(大学院)をベトナムで実施し,留学 生増加の努力を継続しています. その他,平成 20 年度からは,学生への経済的 な支援策として,大学院博士後期課程(いわゆる ドクターコース)の学生には授業料相当額の支援 が始まりました.この取組は国内でも初めてに近 い試みで,学生諸君の意気も大いに上がっていま す. このように,諸君は工学部・工学研究科におい て世界に通用する最先端の教育・研究を受けるこ とを始めとして,いろいろな事に挑戦する充分な 環境が準備されています.また教職員一同,諸君 の夢の実現に最大限の努力をはらいます.諸君の 挑戦を待っています. 「地域の信頼」 と 「世界へ飛躍」 の調和を人材育成に ―ナノ科学・材料研究センターの挑戦― プログラム・オフィサー 工学研究科教授 石田 武和 ナノ科学・材料研究センター 特認教授 四谷 任 (1)はじめに 3期科学技術基本計画に基づき,国が力を入れ ている「若手研究者の自立的研究環境整備促進」 の目的は,若手研究者が自立して研究できる環境 の整備を促進するため,世界的研究拠点を目指す 研究機関において,テニュア・トラック制に基づ き,若手研究者に競争的環境の中で自立性と活躍 の機会を与える仕組みの導入を図ることとされて います.テニュア・トラック制度は,若手研究者 が,任期付きの雇用形態で自立した研究者として の経験を積 み, 厳 格 な 審査を経て 安定的な職 を得る仕組 みを言いま す. 大 阪 府 立大学の「地域の大学からナノ科学・材料人材 育成拠点」プログラムは, 科学技術振興調整費「若 手研究者の自立的研究環境整備促進事業」 (2008 年度から 2012 年度)の公募で採択されました. このプログラムで世界的拠点を目指す仕組みを 担うのが 21 世紀科学研究機構「ナノ科学・材料 研究センター」が発足しました.写真は,平成 21 年 4 月 1 日,C10 棟玄関に掲げられた看板で す.英語では,Nanoscience and Nanotechnology Research Center (N2RC) と呼びます. 林伸彦(はやしのぶひこ)先生 は「超伝導」が示す多様な振る舞 いについて理論的な探究,解明を 目指しています.特に空間的に不 均一な系で超伝導が示す多様な 振る舞い,異方的なクーパー対が 示す特異な性質を探求しています. 戸川欣彦(とがわよしひこ) 先生はナノスケール素子におけ る電磁場応答の制御と操作を目 指し,電磁場を直接観測できる 電子線干渉計測法を用いてナノ スケール素子が示す多様な物性 の電磁応答をその場解析でスピントロニクスの発 展をリードすることを狙っています. 西野智昭(にしのともあき) 先生はナノテクノロジーで力 を発揮する走査型トンネル顕 微鏡(STM)でキラリティーの判 別しながら分子・原子の形を直 接観察する手法を開発されました.ナノマテリアル, 新規触媒の開発,分子エレクトロニクス生命科学の 探査,解明にも貢献が期待されています. 児島千恵(こじまちえ)先生 はデンドリマ - を用いた機能性 ナノバイオ材料の作製に取り組 み次世代ナノバイオマテリアル の創製を目指しています.特に デンドリマ高分子を薬剤運搬体に使ったガン細 (2)テニュア・トラック講師の先生方 N2RC には, テニュア・トラック教員としてテニュ 胞に対するドラックデリバリーシステムの開発 ア・トラック講師4名が平成 21 年1月1日から, に意欲を持っています. 3 名が平成 21 年 4 月 1 日から着任されています. 阪本康弘(さかもとやすひろ) 7 名の先生方は,いずれも,厳しい国際公募によ 先生は,電子顕微鏡を用いメソ構 造物質の構造に関する研究を行い ます.自己組織化メソ構造物質と る選考で本学のテニュア・トラック講師となられ ました. しての多孔質物質を本来平面情報を得る透過型 電子顕微鏡で立体視する技術は世界的にオリジ ナルであり,今後の展開が期待されます. 高橋 和(たかはしやすし) 先生は,フォトニック結晶ナ ノ共振器を用いた革新的光デ バイスの創成を目指していま す.とくに,シリコンラマン レーザーデバイスをあらたに 開発することを目指しています. 飯田琢也(いいだたくや) 先生は,光でナノ複合材料の 形や機能を「創る」 ・ 「見る」 ・ 「操る」研究を行います.光 が誘起する力によりナノ構造 体の熱的運動の揺らぎを制御 して,これまでに無い優れた機能を持ったナノ複 合体材料を理論的手法で開拓することが期待さ れています. (3)共通インフラストラクチャーの整備 で 20n m までの線が描画でき,レーザ測長器を利 用して 50n m 以下のつなぎ精度で 6 インチφまで の大面積基板に描画できます.描画データは市 販 CAD,フリーソフト CAD(dxf または gds 形式) やエリオニクス専用 CAD のほかテキスト形式でも 利用できる汎用性の高いものとなっています. こ こ に 示 す SEM 写 真は不均等間隔回折 格 子 の 一 部 で す.60 nm (line) – 150 nm ( s p a c e ) 部分を表し, 電 子ビ ームレジスト (Z E P520) 膜 に 描 画 し たものです.量子ドットなど次世代のデバイス開 発に必要な微細加工技術の根幹であり,ナノ科 学・材料研究センターの代表的装置になります. SUSS マイクロテックのアライナー(SUSS MJB4) は高圧水銀ランプの g 線 (436n m ),i 線 (365n m ) を使ったリソグラフが可能な装置で 100 φのパ ターンを転 写するこ ナノ科学・材料研究センターではナノ科学・材 料開発の最先端の装置を購入,設置しています. とができま す.0.8 μ 本学に世界的な研究拠点形成をするために必要 な装置群を紹介しましょう. mまでの高 い分解能と まずは,テニュア・トラック講師の先生方の支 援に用います.皆さんのテニュア・トラック講師 アライメン ト精度を有しており,デバイス作製に威力を発揮 の先生の指導を受けるとこれらの装置を使うこと ができます.写真の C10 棟のクリーンルームを中 心に展開しております.学内の体制が整えば,広 く学内に公開したいと考えています. フォトレジスト(P M M A のような有機物)は高 速の電子が当たると分子が切れ,分子量が小さく なります.分子量の差で溶媒に対する溶解速度 が異なるた め,電子が 当たった場 所とそうで ない場所で 残膜量に 差ができま す.この原理で細く絞った電子線で任意の微細な パターンを描画できるため,ナノサイエンス,ナ ノテクノロジーに役立つのです.電子ビーム描画 装置(Elionix7500EX)は電子線源が電界放射型 の装置です.加速電圧は 20k V ~ 50k V まで可変 します.露光方式も密着露光から近接露光を選 ぶことができます.そのため電子デバイス,微小 電気機械素子 MEMS など多方面で利用できます. この装置で使用するフォトマスクは前述した 電子ビーム露 光装置で作 成することも できます.電 子ビーム描画 装置やアライ ナーは高規格 クリーンルームのクラス -10(1ft3当たり 0.5 μ m以上の埃が 10 個以下)に設置されています(写 真) .ここでは, フォトリソグラフが可能なように, イエローランプでの照明となります. パスカル製 PLD(Pulsed Laser Deposition) は Y A G レーザの 4 倍高調波 (250n m ) を用いて材 料 ( ターゲット ) を瞬間的に蒸発・成膜するため, ターゲットの組成がそのまま基板上に堆積する膜 に反映されます.このため 3 元系や 4 元系など複 雑な組成の材料を 成膜するのに適し た装置です.基板 温度も酸素雰囲気 中 で 1000 ℃ 近 傍 まで加熱できるた め酸化物超伝導体 や Mn 系 CMR,ZnO 系など酸化物ナノテクノロジー 用デバイス形成に威力を発揮します. 収束イオンビーム(日立ハイテク製 FIB FB-2100)は G a イオンを磁 場と電場で 6n m まで絞り試料を 直接微細加工 することのでき る装置です. 2次 電子 像を 観測しながら加工が可能であり,また加速電圧を可 場所を,そのままプローブ顕微鏡で高倍率観察 できます.装置はアクティブ防振台上に設置され ています. また原子間力顕微鏡(A F M)の専用装置も導入 されています.先の,A F M 機構付きレーザー顕微 鏡よりも更に原子像まで見ることができる優れた ものとなっています. 大規模な計算機シ ミュレーションを実施 するために InfiniBand スイッチの高速通信が できる 11 ノードのクラ スター計算機(H P C シ ステムズ)を導入しま し た.ノ ー ド あ た り, 16G B のメモリーが使用 可能で,ひとつのノー ドは 128G B のメモリー を持っています.VASP や Wien2K など第 1 原理計 算が可能です. ナノ科学・材料研究センターでは,センター長 変にすることで試料に合わせた加工が可能になりま す. 作 成 さ れ た試 料 は,走 査型電子顕微 は学術・研究担当理事が兼任されています.その 他に,特認教授 1 名,技術スタッフ 2 名,事務ス タッフ 3 名が雇用されています.またこれらの装 置を正常に運転するため専任のスタッフがサポー トを行う体制が取られています.最終的に 13 名 まで雇用される優秀な若手テニュア・トラック講 鏡(SEM) で観測 できます.SE M には特 性 X 線 による成分分析 (EDX)機能も装備されています. 電子ビーム描画装置や高精度フォトリソグラ フィー装置で 作成されたパ ターンは,ア ルゴンイオン ミリング装置 でパタニング を行うことが できます.この装置では,4 インチφの大きさの 基板まで扱うことができます.汎用性の高い装置 となっています. オリンパスナノサーチ顕微鏡(OLS-3500)レー ザ顕微鏡はレー ザ顕微鏡とプ ローブ顕微鏡が 搭載されている ため,レーザ顕 微鏡で観察した 師と学内のナノ科学・材料研究の専門家が協力し て,大阪府立大学に世界的研究拠点が創られて いくことになります.学生の皆さんも,拠点活動 に参加することができますので,しっかりと勉強 をしておいて下さい. 文部科学省 振興調整費プログラム 大阪府立大学「地域・産業牽引型高度人材育成プログラム」 輝くドクタープロジェクト始動! 産業界で活躍する博士研究者を養成する本学「地域・産業牽引型高度人材育成プログラム」 (通称「産 業界で輝くドクタープロジェクト」 )が本格的に活動を開始しました.昨年9月にプログラム推進母体と して設置された「産学協同高度人材育成センター」により、博士後期課程学生(D C 学生)が企業と相 互交流する「インタラクティブマッチング」等のイベントが催され、またこの3月には米国の「起業家 創出教育システム」創始者のブラウン大 Kin g o n 教授を招いてのワークショップが開催されました.既 にセンターには博士研究員(P D 研究員)や D C 学生が所属し、イノベーション創出を目指した企業との 共同研究プログラムを開始しています.センター運営委員、スタッフの皆さんへの取材を中心に、プロ グラムの活動を紹介します. プログラム運営統括に聞く 本プログラムの活動を統括する松田運営統括 に本プログラムの趣旨と活動の現状を伺います. 広報専門委員(広) :本号読者には新入生もいま すので,まず本プログラムの趣旨を簡単にご説明 下さい. 松田運営統括(松) :本プログラムの趣旨を一言 で申しますと『これまでのアカデミア指向の博士 育成から産業界で活躍できる博士の育成に変え る』ということです. 「それではアカデミアには 行けないのか」と言うことになりますが,そうで はありません.このプログラムに参加・実践した 人はアカデミアに進んでも,これまでより以上に 研究や教育・指導において幅広い活躍が期待で きるものと考えています.本プログラムでは,昨 年の 10 月 1 日付でセンターを発足し産業界でも アカデミアでも,どちらにも通用し,尚かつイノ ベーションを創出できる人材を育成する事を主目 的としています.昨年からこの3月まで数回に亘 り様々な講座を行ってきました.ポスターや案内 等で,このマークを目にされたことがあると思い ます.また新入生の皆さんは今年度,必ず目にさ れるはずです.これが私たちのマークです.そし て Enter a new career path as an innovator! がキーワードです.詳しくは是非 H P をご覧下 さい. http://www.dp.21c.osakafu-u.ac.jp/ 広:本プログラムの運営委員にはシャープ,パナ ソニック,ロームなどの企業からも参画がありま すが,このようなプログラムに対するその他の企 業の反応はいかがでしょうか. 松:これまで,企業活動に馴染みにくいとして博 士研究者の産業界への受入れを躊躇していた企 業でも,本プログラムの趣旨に注目し,スタート 段階の昨年度でも 70 社の参加がありました.H21 年度も企業研究者の講演を年 5 回,D C 学生の研 究発表・自己アピールは年 2 回を予定しています ので,是非ご参加ください.参加企業の多くは学 位取得者の採用を意識しており,その後,D C 学 生との面談希望も多く又,インターンシップや共 同研究の要望も数多く出ています. 広:このプログラムに対する学内の反応はいかが でしょうか. 松:自分の専門に閉じこもらず広い視野を持ち, 異分野技術要素を積極的に取り入れるセンスを 身につけてもらうことを狙いに開催している『異 分野融合セミナー』や,企業の研究者や管理者, 経営者等からドクターへの期待,企業研究の可能 性等を広い分野にわたって講義を頂く『産業界 で輝くドクター講座』は,毎回50人以上の多く の学生の皆さんが参加しています.学内ポスター や人材育成センターの HP にてご案内しています. また,企業の方からはインターンシップのオ ファーも多く入っています.このプログラムは, 産業界に出向き,企業テーマや共同研究の実践を 体験することによって産業界で必要とされる能力 を高め,イノベーションを担う人材としてのキャ リアパスを拓くことを目的にしています.募集は, 常時おこなっています.現在のところバイオ系が 活発ですが工学系も奮って応募をお願いします. 業にインターンシップとして派遣します.期間は 3 ヶ月以上 1 年未満で,成績が優秀であれば連携 企業への採用の可能性があります. DC 学生の皆さんは D1,D2,D3 を問わず常時受け 付けていますので自身の研究状況をみて可能な 時に参加下さい.その前に本プログラムの養成者 としての登録が必要ですので当センターにお越し 頂くかメールにて連絡ください.登録者の中から インターンシップ参加者を選抜します.インター ンシップ中は大学の非常勤研究員の身分となり待 遇もそれに準じることになります. 広:有り難うございました. インタラクティブマッチング 昨年10月,本学 D C 学生が企業の研究者や人 事関係者の前で,自分たちの研究と自らのポテン シャルをアピールする「インタラクティブマッチ ング」が開催されました.その反響を人材育成セ ンターの北村さんに語っていただきました. 「インタラクティブマッチング(以下IM) 」は 昨年 10 月 7 日 ( 火 ) から 3 日間かけて行ったセ ンター発足 (10 月 1 日付 ) 後の初イベントで,3 10 月の『産業界で輝くドクター講座』 日間という長丁場にも拘らず,工学部 35 名,理 広:既に P D 研究員,D C 学生が本プログラムで企 学部 10 名,生命環境 11 名の総勢 55 名の方に参 業との共同研究を開始しています.どのような内 加いただき,73 社の企業の方の前でプレゼンを していただきました.IM自体が本来,学会での 容でしょうか. 松:現在,生命環境科学研究科の P D / D C 学生が 演題発表とは異なり他領域の方々に,そしてアカ 積極的に参加し,また問い合わせも多く届いてい デミアとは種を異にした産業界にも通用するプレ ます.連携企業としては,都市緑化を目指した建 ゼン力を高めていただく事を目的としておりまし 設会社や,医療分析機メーカー,物質構造分析 たので,発表内容は全て皆さんにお任せしており 受託会社,薬品開発会社など様々です.工学系 ました.結果としてはご自分の研究内容から将来 では環境機器メーカーや通信機器,自動車関連 像までを盛り込んだ多種多様なプレゼンをして 機器,電線・機材・エネルギー,化学材料等の いただき,ご招待した企業の方々からも大変ご好 会社からオファーがありますが,D C 学生の皆さ 評をいただきました.勿論,今後磨かなければな んの出足が鈍く実績は多くありません.積極的な らない課題もそれぞれの方がお持ちになりました が,かなり面白いイベントであったとのお声を頂 応募を期待しています. 戴しております.今年もIMを予定しております 広:この四月から公募により募集された PD 研究 員,D C 学生が本センターで活動を開始する予定 が,前回より少し短い日数で,また分野も絞って ですが,これはどのようなプログラムでしょうか. 開催する予定です.ご自分の外部評価の認識の 松:P D の皆さんをこの 4 月に研究分野ごと合計 一助として,また企業とのコネクション作りの場 5 名をプログラムに参加(雇用)頂きました.雇 としても,是非ご参加をお待ちしております. 用後は産業界でイノベーションを担う人材として 必要最小限の育成教育を学内で実施し,連携企 Kingon 教授は,Entrepreneurship を養成する 教育システム (TEC program) を提唱され,米国科 学財団(NFS)の支援のもと North Carolina 州立 大学 (NCSU) で 15 年かけてそのシステムを構築さ れました.学内および IBM 等の企業から持ち込ま れた IP(特許)を基礎にして,NBA 学生 2 名と理 系学生 2 名のグループで議論し,ビジネスプラン を立案するというものです.12 年間で 350 名を 養成し,600 の起業が行われ,ヴェンチャーキャ ピタルから 225 億円の融資がされているようで す.N C S U では工学系の学生の 75% がこの講義を 受講しており非常に人気の講義だそうです. 府立大学においてもこの様な人材育成プログ ラム (OPU TEC Program) を博士前期課程用およ び博士後期課程カリキュラムとして構築するべく 進めています.単位取得可能なカリキュラム化は 22 年度以降になりますが,インタラクティブマッ 2008 年 10 月インタラクティブ・マッチング風景 起業家創出教育ワークショップ 米ブラウン大 Kingon 教授を招いて 本年3月,米国の「起業家創出教育プログラ ム」創始者である米ブラウン大の Kingon 教授を お招きしてワークショップを開催しました.ワー クショップの狙いと成果を,本企画の責任者であ るセンター運営委員の藤村教授(工学研究科)に ご紹介いただきます. チング ( I M ) やインターンシップ前教育など一部 はすでに実施されています.K i n g o n 教授は,カ リキュラム化に積極的に関与されており,今回計 10 時間の会議に参加され意見交換を行いました. 本年 7 月にもう一度来日される予定です.今回参 加できなかった学生さんもそのときには是非とも 参加してください. 3 月 2 - 4 日 の 3 日 間 米 国 ブ ラ ウ ン 大 学 の A . K i n g o n 教授をお招きして米国における Entrepreneurship,その人材育成プログラムに関 して講演をして頂きました.その期間中開催しま した,13 名の学生が参加した少人数ワークショッ プにおいては,学生さんが提案したビジネスモデ ルについての議論や米国における研究活動にお ける質疑応答を行いました. Entrepreneurship の日本語訳は, 「企業家精神」 となっており,あたかもヴェンチャー企業を興す 人に必要な素養であるような気がします.しかし ながら,広義には, 「Innovative な発想で物事に 取り組む精神」であり, 「企業における研究活動 や製品開発」はもとより,大学における先端研究 においても極めて重要です」とおっしゃっていま した.また,それは「Innovative な研究成果や 産業,製品を産み出す上で必要な心構えやスキ ルを教育するのである」と強調された様子がとて も印象的でした. 輝くドクター活動開始! イノベーション創出を目指して 平成 20 年度後期より,PD 研究者,DC 学生のイ ノベーション創出を目指した産学連携研究活動が 始まりました.どのような研究者が,どのような テーマで,またどのような企業と活動を開始して いるのか,センターのコーディネーター中村さん からご紹介いただきます. 人材育成センターでは, 皆さんの産業界への アプローチをスムーズに行うための支援活動をし ています.主な活動内容は ● 皆さんが広い視野を持ち異分野にも果敢に 参加意識を培う『異分野融合セミナー』 ● 企 業の第一線で活躍している研究者や管理 者を招いての『産業界で輝くドクター講座』 ● 皆さんが企業への研究発表や自己 P R の場と して,また企業とのダイアログのきっかけと なる「インタラクティブ・マッチング」 ● 海 外 より講 師 を 招 い て の 講 演 会・ワ ー ク ショップ開催 ● インターンシップとして企業への派遣等を 行っています.一番の特徴としては企業と提 携のうえ,D C 学生あるいはポスドクの方々 をインターンシップとして企業に派遣し共同 研究をしながら社会人としての見識経験企 業マインドを身につけていただくところにあ ります. 現在までに,工学研究科・生命環境科学 研究科・理学系研究科の P D と D C 学生で約 69 名の方がこのプロジェクに参加しており, 39 社にアプローチし,その中の企業より 27 件の共同研究提案があり 8 件のインターシッ プ派遣が決定しております. こ れ以外にも2社がテーマは未定ですがイ ンターンシップ派遣を希望しておりますし4 社がインターンシップ受入の検討をしてい ます. 各テーマはホームページにも掲載してお りますのでご覧ください.企業で自分の実力 を試してやろう,大学で身につけたスキルを 社会に役立てよう,と思う方はぜひこのプロ ジェクトに参加しインターンシップで企業の 経験をしていただきたいと考えております. また,本プログラムは他大学の方でも参加 できますので,皆さんからも紹介してくださ い. 私たちが支えます 産学協同高度人材育成センターでは現在,5名 の専属スタッフが就き,教員運営委員,学内職員 と共に本プログラムを支えていただいています. スタッフの皆さんに自己紹介をしていただきまし た. 酒井さん(写真左) 本活動の対象企業の開拓,インターンシップ前 のガイダンスなどを主に担当しています.博士課 程を就職にとっても魅力的なステップにしたい. 水久保さん(写真左から 2 人め) 博士後期課程の皆さんとは年が近い事もあっ て,非常に親近感を覚えています.相談事何でも OKですよ♪社会人数年生から見たアドバイスが 10 出来ればと思っています (^‐^) 北村さん(写真中央) 広報や渉外関係の仕事をしているので,イベン ト等で皆さんとご一緒することが多々あると思い ます.その際には気軽に声をかけてくださいね. 松田さん(写真右から 2 人め) 博士前期課程の皆さんが,率先して後期課程 に進みたいと思ってもらえるプログラムに進化さ せてゆきたいと考えています.ご期待下さい. 中村さん(写真右) 40 年の企業経験が皆さんのお役に立てばとい う思で接しています.進路についてのご相談があ ればいつでもお越しください. 「まいど 1 号」の開発を 支えた学生たち 小型宇宙機システム研究センター長 -航空宇宙工学分野- 教授 大久保 博志 「まいど1号」は宇宙へ! 小型衛星「S O H L A -1(まいど 1 号) 」は,2009 年 1 月23日, 温室効果ガス観測技術衛星 「GOSAT( い ぶき )」の副衛星としてH-ⅡAロケットにより 打上げられ,軌道投入に成功しました. 「まいど 1 号」は,東大阪などの中小企業で構成する東大 阪宇宙開発協同組合 ( S O H L A ) が,宇宙航空研究 開発機構 ( J A X A ) の支援を受けて開発した 50k g 級小型衛星です. 「まいど 1 号」の開発には,府 大の院生・学生たちが大活躍しました.大阪府立 大学は,当初から衛星開発プロジェクトに参加し, J A X A から衛星システム設計・解析技術の移転を 受けて,衛星の基本となる部分(バス)の設計開 発を行いました.そのため,JAXA,SOHLA,大学 関係者と学生たちが参加する「小型衛星設計研 究会」が組織されました.多い時期には月 2 回の ペースで開催され,累計では 35 回以上にも及び ました.学生たちは,専門家や技術者から衛星 設計の基本やものづくりを学び,毎週のように開 かれる設計会議やレビューで優れた報告をする など,関係者の期待に応えました.筑波宇宙セン ター,東大阪クリエーションコアで実施した振動 試験,熱真空試験等にも計画から実施,事後解 析までを学生が担当し,衛星開発の貴重な体験を 得ることができました.学生たちも,プロジェク トの進め方やマネージメントなどを学び,大きく 成長したようです.学生たちの活躍の一端を以下 にご紹介します. 熱制御系は津田健太,角野宏紀君らが担当し, 熱に対してクリティカルなバッテリーや発生電力 が温度に依存する太陽電池セルの温度環境を解 析し,熱防護材の搭載位置を検討.さらに熱平衡 試験を行い,熱制御システム設計が妥当であるこ とを確認しました. 構造系を担当した中村真人,古川琢也君らは, 衛星構体の強度,振動特性を解析して衛星構体 を設計.製作した構体の振動試験を実施し,H- Ⅱ A ロケットの打上げ時の過酷な振動環境に耐えるこ とを立証しました. 姿勢制御系は,谷裕貴,萬悦二,峰松拓毅, 吉村一幸君らが担当し,姿勢制御解析,シミュ 設計開発に府大生が活躍 レータの開発,姿勢制御アルゴリズムの開発を行 電力系は齊藤九五君らが,軌道上での運用要 うともに,J A X A の小型衛星マイクロラブサット 求を満たす電力システムを設計し,その実現性に によるフライト試験も実施しました.樋口崇則君 ついて解析,バッテリーの組立作業も行いました. は衛星を回転させて安定化するためのスピンアッ まいど 1 号は,どんなに姿勢が変化しても電力的 プホイールの開発を行いました. 「まいど 1 号」 には「死なない衛星」に設計されています.齊藤 は,高速回転させたホイールを切離し後に停止さ 君は,博士前期課程修了後は民間航空のパイロッ せることで衛星本体を回転させる日本初のスピン トの道に進み,現在は米国で訓練中です. アップ方式を見事に成功させました.谷君は,大 学院修了後に筑波宇宙センターで小型衛星の開 11 発に携わり,今回同時に打上げられた JAXA の小 型衛星 SDS-1 と SOHLA-1 の姿勢制御系を担当しま した. また,府大独自のミッションとして,伊東秀晃 君と小畑貴稔君が宇宙用太陽センサ(方位角セ ンサ)の開発を担当しました.人工衛星の太陽に 対する姿勢角を計測する装置です.運用では,軌 道上の「まいど 1 号」とアマチュア無線で交信し, 太陽センサの実証試験を行っています. 「まいど1号」の主なミッションは,小型衛星 のバス技術実験,雷観測用衛星搭載センサの実 験,宇宙用機器の技術実証実験などです.大阪 府立大学が開発した宇宙用太陽センサの実証試 験もその一つです.一対の展開ブームは龍谷大 学(杉山吉彦府大名誉教授)の指導する学生チー ムで設計製作されたもので,小型モニタカメラの 1 台はブームの先端に配置され,軌道上の衛星の 姿を画像として地上に届けてくれています. の S O H L A 局と大阪府立大学小型宇宙機システム 研究センターの地上局で運用し,府大太陽セン サの軌道上試験などを行います. 定常運用終了 後も引き続きアマチュア無線愛好家向けの市民 サービスなどを含め,実験・運用を長期にわたり 継続する予定です. 㪪㪦㪟㪣㪘㪄㪈䈱ᛂ䈕䊶ㆇ↪ ᄢ㒋ᐭ┙ᄢቇ䋨ዊဳቝቮᯏ䉲䉴䊁䊛⎇ⓥ䉶䊮䉺䊷䋩䈪ⴡᤊ䉕ㆇ↪ 䌓䊋䊮䊄♽ 䉲䉴䊁䊛▤䊶ᆫᓮ䇮ታ㛎䊂䊷䉺䊶↹䊂䊷䉺䈱ขᓧ ቝቮ⥶ⓨ⎇ⓥ㐿⊒ᯏ᭴ 䉝䊙䉼䊠䉝䊋䊮䊄♽ SOHLAዪ 㩿㪪䊋䊮䊄♽䋺㪡㪘㪯㪘⸳䈏ᡰេ䋩 ᐭᄢዪ FSS䋨ᐭᄢᄥ㓁䉶䊮䉰䋩ታ㛎䊂䊷䉺䈭䈬 11 まいど1号の運用 「まいど 1 号」は,現在は順調に飛行を続けて います.約 90 分の周期で地球を周回しており, 1日2回,正午~午後と深夜~真夜中に日本上空 を通過中にデータの送受信を行います.これまで に,モニタカメラや雷センサなどの機器が正常に 作動していることを確認し,レーザ反射体を用い た軌道決定実験を実施中です. 「まいど 1 号」に は業務用無線(S バンド)とアマチュア無線の2 つの通信機が搭載されています.S バンドでは, 姿勢制御などの管制,ミッション実験の実施と 「まいど 1 号」運用管制室は,工学部 A9 棟玄関 データ送受信などの運用を,JAXA の宇宙通信所, 筑波宇宙センターなどの地上設備の支援を受け 横に,アマチュア無線地上局の衛星追尾アンテ 「小型宇 て実施します.アマチュアバンド通信は,東大阪 ナは A9 棟正面屋上に設置しています. 宙機システム研究センター」ホームページの「ま いど 1 号」運用サイトをぜひご覧ください. (http://www.sssrc.aero.osakafu-u.ac.jp/) 12 ヘルシンキ工科大学での 生活 -知能情報工学分野- 助教 柳本 豪一 2008 年 4 月より一年間,ヘルシンキ工科大学 Computer and Information Science 学科に滞在 Vappu(5/1) の大学 しています.工学部ニュースの記事を書く機会を いただいたので,大学やフィンランドでの生活を 少し紹介したいと思います. ヘルシンキ工科大学はエスポー市のオタニエ ミにあります.近くに NOKIA の本社,北欧最大の 国立研究所 VTT があり,研究都市を構成していま す.NOKIA との交流は頻繁で, 多くの共同プロジェ クトが行われています.フィンランドでは略称で ある TKK(Teknillinen Korkeakoulu) と呼ばれて います.私は Errki Oja 教授が率いる Adaptive Information Research Centre の Computational Cognitive Systems Group に所属しています. Adaptive Information Research Centre はフィ ンランドの Centres of Excellence の一つに選ば れた研究拠点です.グループは 2 名のスタッフと ドクターコースの学生から構成され,フィンラン ド語の形態素解析システムやテキストマイニング の研究などを行っています.週に 1,2 度の割合 で報告会があり,日本と似た雰囲気です.また, 月に何度か学外の方の講演が開催されています. 私はソーシャルブックマークを用いたマイニング に関する研究を立ち上げて行っています. 次にフィンランドでの生活について紹介しま す.フィンランドは日本に比べ非常にのんびりし た印象を受けます.夏は多くのイベントもあり, フィンランドの人々は夏の日差しを楽しんでいま す.例えば,多くの公園で人々が水着になって日 光浴をしています.Vappu(フィンランドの休日) には大学内でカラフルなつなぎを着た学生たち を沢山見ることができます.一方,冬は日が短く なり夏とは雰囲気が全く異なります.雪が積もる と町中でスキーを楽しんでいる人を多く見かけま す.例えば, 雪が積もった公園をクロスカントリー スキーで通勤する人も見かけます.私もオーロラ を見るために北極圏内に行った時にクロスカント 13 研究室が入っている建物 クロスカントリースキーのシーン リースキーを体験しましたが,アルペンスキーと 違なる楽しさがありました.オーロラは曇り空の ため見ることができませんでしたが. 簡単ですが研究とフィンランドでの生活につい て書いてみました.拙い文章ですが,フィンラン ドの雰囲気が伝わっていればと思います.最後に, この機会を与えていただいた大阪府立大学,ヘ ルシンキ工科大学の皆さんに感謝いたします. 学的極限)をとって考えてみると何が見えてくる かという立場を鮮明にされた講演であったと記憶 しております.この極限操作がまさに『離散と連 続の接点』であります.数学者は,極限をとった 後の議論は得意ですが,極限をとらない場合に関 -数理工学分野- しては,一般的には不得意であり,数は多いが有 准教授 壁谷 喜継 限といった場合の理論解明が進んでいません.し かし,物理学からの示唆により,解明すべき方向 日本数学会の 2008 年度秋期総合分科会におき 性が見えてくれば,新しい発見があると考えられ まして,数理工学分野の大同寛明教授が, 「応用 ます.また,物理学に対しても数学の側の刺激が, 数学分科会」の応用数学スペシャルセッション その発展に寄与することがあるでしょう.そのよ 『離散と連続の接点』で招待講演をされたことを, うな期待が込められたスペシャルセッションでし た. 講演会場にいた数学者の立場で報告致します. 日本数学会は,第二次世界大戦終了まで「日本 一つ意外であったのは,大同教授が 30 代半ば 数学物理学会」と称しており,数学と物理が同居 の数学者を何人かご存じだった点であります.大 しておりました.学問の細分化が進んだことをう 同教授の学問的な交流の広さをうかがい知ること け,1946 年に日本数学会と日本物理学会が分離 ができました. して誕生しました. 湯川秀樹の中間子論の発表は, 数理工学分野の特性である,数学と物理のコラ 初めに日本数学物理学会でなされたことは記憶し ボレーションを普段から進めていき,小さいなが ら大阪府立大学の数理工学分野が日本で,世界 ておいて頂きたい事実です. 分離後互いに素晴らしい発展を遂げて現在に で注目されるように研究を推し進めていきたいと 物理と数学の コラボレーション 至っておりますが,数学会の応用数学分科会に於 いては,現象のモデル化とその解析を主眼にする 研究者が参加しておりますので,物理学との対話 が必要とされています.今回, 『離散と連続の接点』 には 3 名が招待されましたが, 物理の側で「連続」 の立場から,数学工学分野の大同教授が招待さ れました.これは,大同教授の研究が,数学者の 間でも知れ渡っていることを示しており,数理工 学分野が,数学と物理で構成されていることが要 因になっていると考えられます. 大同教授の講演には,学会の 3 日目,午前中の 2 番目の 1 時間が割り当てられました.学会です ので, 同時進行で他の分科会も行われております. 「裏」の函数方程式分科会では,非線形問題(放 物型方程式)に関する講演が組まれている中,80 名ほどの聴衆が大同教授の講演を聴いておりまし た.応用数学分科会としては「大入り」の部類で あると思われ,スペシャルセッションを企画した 方々は「成功した」と思ったことでしょう. 講演内容は,例えば心筋を構成する各細胞の 振動が,心臓全体としての規則正しいリズムを もった振動となるのかという問いを解き明かす鍵 となる結合位相振動子系に関するものでした.現 象からすれば細胞の数は有限ですが,非常に大 きいので,細胞数=無限大とした連続極限(熱力 14 思っております. 最後に,応用数学分科会理事に「講演会で写 真を撮る習慣がない」と言われましたので,大同 教授の講演時の画像がありません.ASCII 絵文字 でお詫びを申し上げます. m(_ _)m 学生の受賞コメント 国際リポソーム研究会議における ポスター賞受賞に関して 応用化学分野 博士後期課程 2 年 弓場 英司 2008 年 7 月横浜にて第 11 回国際リポソーム研究会 議 (11th Liposome Research Days Conference)が開 催されました.学会には招待講演を含む教員レベルの 方による一般講演と,ポスター発表があり,私は 2 分 間のショートプレゼンテーションと,ポスター発表から なる Young Investigator Award (若手研究者発表 ) プログラムに参加しました.私自身,英語でのプレゼ ンテーションは初めてで,さらに演壇の前には私の研 究分野において“重鎮”とされる先生方が居並ぶ中, 非常に緊張しましたが,練習の甲斐あって発表自体は うまくいったように思います.ポスター発表にも海外の 研究者の方を含む多くの方に見に来ていただきました. ここではとにかく積極的に,自分の研究を理解してい ただけるように取り組みました.この学会には工学部 だけでなく薬学や医学分野の方も多く参加されていま した.他分野から見た場合に自分の研究がどう映るの か,という意味で非常に勉強になりました.ここでい ただいた多くのコメントは今の自分の研究の糧となって います. 最終日に投票が行われ,幸いにも皆様からのご支持 をいただき,Young Investigator Award を受賞する ことができました.思いもよらぬ受賞に,二階席から 慌てて壇上に降りていったことを記憶しています.この 賞では賞状と,副賞として小型の実験機器をいただき ました.この学会を通して,自分の研究を客観的に評 価していただき,加えて良い評価をいただけたことは 非常に嬉しく思います.このような機会を与えてくださっ た担当教官の河野健司教授に深く御礼申し上げます. また,日頃の研究活動や発表練習会において忌憚なき ご意見を下さった原田敦史准教授,児島千恵特別講師 にも深く感謝いたします.この受賞は,自分だけの力 ではなく,先生方をはじめ,研究室のメンバーの皆様 の支えがあったからこそ成し得たことだと思います.こ の受賞によって皆様に少しは恩返しができたのかなと も思っております.これからも,慢心することなく高い 向上心を持って研究活動に取り組んでいきたいと思い ます. さて,私の研究しているリポソームとは,脂質からな る微小カプセルのことで,主に薬物の運搬体としての 研究が盛んであります.このリポソームに,環境に応 15 会期中に開催された横浜国際花火大会を 観覧しながら懇親会が行われました 答して構造変化する高分子を修飾することで,環境に 応答して機能発現する機能性リポソームが調製できま す.私は pH に応答して膜融合性となる pH 応答性高分 子を合成し,これをリポソームに修飾することで,細 胞の胃袋にあたる器官の弱酸性環境で膜融合し,細胞 の内部に薬物を運搬する研究を行っております.ター ゲットとしている細胞は免疫担当細胞で,効果的に免 疫反応を起こさせるためには細胞の内部に病気の情報 ( ここではタンパク質 ) を運搬する必要があります.私 の調製した機能性リポソームによって,細胞の内部に タンパク質を効果的に運搬することができ,実験動物 に投与した際にも有効な免疫反応が誘導できることが 示されております.細胞レベルでワクチンを行うことか らいわば「ナノワクチン」とでも呼ぶことができます. 現在はより強力な p H 応答性高分子の合成を行い,こ れを用いたより効果的なナノワクチンシステムの開発に ついて取り組んでおります.現在はモデルタンパク質を 用いていますが,このタンパクを変えることで,原因が 特定されている全ての疾患に対して応用可能でありま す.したがって,本研究によって世界中の人々の健康 増進と Q O L( 生活の質 ) の向上に貢献することができ, 医療技術の発展に非常に大きな寄与を与えることがで きると考えられ,強い誇りを持って取り組んでおります. 上記の研究内容を見ても明らかなように,私の研究 分野は工学だけでなく医学・薬学の知識を得ること, そのような分野との連携も重要になってきます.そして それは国内だけでなく国際協力も重要になってきてい ます.そのような意味で今回参加させていただいた国 際会議は非常に有益な場となりました.さらに英語を 用いて自分の研究について発表・ディスカッションでき ることの重要性を再確認しました.英語が重要である ということはどの分野でも同じだと思います.これを読 んでくださっている大学院生,学部生の皆さんも,将 来の自分のために日頃から英語を意識した生活を送っ てみてはいかがでしょうか?? 容が聴衆の皆 様にしっかり 伝わったこと を実 感しまし 電子物理工学分野 博士前期課程 2 年 た. ま た, そ 柴田 真由子 の 結 果, こ の 私は現在,熱ナノインプリントに関する材料物性 よ う な 賞 を 頂 と樹脂の成型性に関する研究を行っています.熱ナ くことができ,コツコツと今まで努力してきたこと ノインプリント法とは,熱可塑性高分子樹脂膜をガ が報われたような気がしています.受賞できたのは, ラス転移温度以上に加熱し,軟化させた状態で微細 論文の推敲や発表練習に付き合ってくださった電気 な構造を持つ金型 ( モールド ) を樹脂にプレスし, システム御研究グループの先生方や,いろいろな面 冷却後にこれを離型して樹脂にモールドの微細パ でサポートしてくれた先輩・後輩のお陰だと思いま ターンを成型,転写する微細加工技術の一つです. す. 加工材料として用いる樹脂の材料特性を測定し,ま 2009 年 1 月に開催されたセラミックス基礎科学討論会に た,様々な条件でインプリントを行うことによって, おける国際セッショ ン(World Young Ceramist Meeting より効率的にインプリントを行う為のプロセス・材 2009)での Presentation Award 受賞について 料の設計を目標としています. 発表題目:M orphologic control of titanate 2008 年 4 月 に 韓 国 の ソ ウ ル 大 学 で 行 わ based nanotubes by the hydrothermal ASNIL2008 での 最優秀論文賞の受賞について process and their structural れたで行われたナノインプリント国際学会 evaluation (The 1st Asian Symposium on Nano Imprint Lithogaphy(ASNIL2008)) において,上記に関する マテリアル工学分野 研究内容を口頭発表し最優秀論文賞(Best Pa per 生体材料研究グループ P r i z e)を受賞 D3 久保 敬 しました.初め ての英語での口 このような賞を頂き,非常に嬉しく,光栄に思い 頭発表というこ ます.受賞にあたり,中平敦教授をはじめとする研 ともあり,非常 究室の皆様ならびに共同研究 に緊張しました 者の皆様に御礼申し上げます. が,無事終える 我々の 研 究グ ル ープ では, ことができまし 水熱や蒸気を利用することに た.ほっとしたところに,予想もしなかった賞を頂 より酸化チタンナノチューブ き,びっくりすると共に,嬉しかったです.これも, のバルク化とその構造制御に 日頃から熱心に指導して下さった先生・先輩方,一 はじめて成功しました.本研 緒に苦労し,共に試行錯誤した研究室の仲間のおか 究で得られた知見が酸化チタ げと深く感謝しています.ありがとうございました. ンナノチューブの色素増感太陽電池やフィルター材 料への応用へ向けて,大きな成果となったことが受 賞理由です. 本討論会では英語での発表や質疑応答に苦労し ましたが,これまでに国内外の学会発表を数多く経 電気情報システム工学分野 博士前期課程修了 験させていただいたことやたくさんの研究者の方々 (2009 年 3 月) と積極的にコニュミケーションを図ってきたことが 米島 弘子 このたびの受賞に繋がったと思います.今回の受賞 初めての国際会議の発表で, 最優秀学生論文賞 (金 を励みにこれからも研究活動に専心努力していく所 賞)が受賞でき,本当に嬉しく思います.発表する 存です. までは,非常に緊張し,自分の伝えたいことが正確 に伝わるだろうかと心配していました.しかし,発 表後の質疑応答並びにその後の個人的な議論で,海 外の研究者から的確なアドバイスを頂戴し,研究内 NOLTA 2008 最優秀学生論文賞 金賞 受賞について 16 受賞おめでとう ございます 学生たちはその研究が評価され,さまざまな賞を受賞しています. 2008 年 4 月から 2009 年 3 月までの受賞を大まかにまとめました. (分野により,記載の仕方が異なります.学生の所属,学年は 2009 年 3 月末で記載しています) 機械工学分野 航空宇宙工学分野 氏 名:伊藤 大志 2008 年 3 月博士前期課程修了 学会名:日本機械学会関西支部第 83 期定時総会講演会 賞 名:日本機械学会若手優秀講演フェロー賞 発表題目:マイクロバブルの安定性に及ぼす界面活性剤の分子層の影響 著者:伊藤大志,岩田佳三,高比良裕之 (2008 年 4 月15日) 氏 名:清水 健一 2008 年 3 月博士前期課程修了 学会名:日本機械学会関西支部第 83 期定時総会講演会 賞 名:日本機械学会若手優秀講演フェロー賞 発表題目:家庭用ガスエンジンコージェネレーションの電力融通運転 時の省エネルギー効果(機器容量の影響) 著者:清水健一,涌井徹也,横山良平 (2008 年 4 月15日) 氏 名:小泉 拓郎 博士前期課程 2 年 学会名: 財団法人衛星測位利用推進センター「あっ!!と驚く位置利用 サービスアイデア大募集」 賞 名:優秀賞受賞 (2008 年 5 月7日) 氏 名:小泉 拓郎 博士前期課程 2 年 学会名:第 2 回京都文化ベンチャーコンペティション ( 京都文化ベンチャーコンペティション実行委員会主催 ) 賞 名: 文化ビジネスアイデア部門において 「京都府知事賞優秀賞」 「関西電力賞」 「京都リビング新聞社賞」 を受賞 (2009 年 3 月1日) 氏 名:藤本 卓也 航空宇宙工学科4年生 学会名: 2008 年度日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講 演会 賞 名:Best Presentation Awards 氏 名:梅山 和也 博士前期課程 1 年 学会名:日本機械学会関西支部第 83 期定時総会講演会 賞 名:日本機械学会若手優秀講演フェロー賞 宇宙電波望遠鏡 ASTRO-G 用ホーン(8GHz)の振動解析 発表題目: ベンチュリー管を用いた気液二相流における気泡微細化の (指導教員:千葉正克教授) 機構に関する実験的検討 著者:梅山和也,池間賢吾,小林一道,高比良裕之 (2008 年 4 月15日) 氏 名:松村 康弘 博士前期課程 2 年 学会名:日本伝熱学会第 45 回日本伝熱シンポジウム 賞 名:優秀プレゼンテーション賞 発表題目:透過性壁面乱流境界層の PIV 計測 著者:松村康弘,芦高優,須賀一彦 (2008 年 5 月22日) 氏 名:安堂 智生 博士前期課程 2 年 学会名:第 26 回日本シミュレーション学会大会 賞 名:奨励賞 発表題目:非線形最適制御を用いた足跡追従ロボットの擬似実時間制御 著者:安堂智生,井前讓,小林友明,翟貴生 (2008 年 6 月19日) 氏 名:竹中 奨 博士前期課程 1 年 学会名:第 22 回分子シミュレーション討論会 賞 名:ポスター賞 発表題目:MD と LBM によるマイクロ多孔体内流れのシミュレーション 著者:竹中奨,須賀一彦,金城友之,兵頭志明 (2008 年 11 月18日) 氏 名:萩野 英樹 博士後期課程2年 学会名:第 71 回レーザ加工学会講演会 賞 名:優秀ポスター賞 発表題目:回折型ビーム成形素子を利用したレーザ焼き入れ 著者:萩野秀樹,安藤輝,菊田久雄 (2008 年 12 月9日) 17 海洋システム工学 氏 名:市橋 伸理 博士前期課程 1 年 学会名:OTO'08 AquaRobotContest 賞 名:アクアバイオ部門 第 2 位 (2008 年 4 月) 氏 名: 市橋 伸理 博士前期課程 1 年 三輪 泰寛 博士前期 課程 1 年 学会名:水中ロボコン in 辰巳 '08 賞 名:フリースタイル部門 第 3 位 (2008 年 11 月) 氏 名:生島 一樹 4 年生、河村 恵里 博士前期課程 2 年 学会名:日本船舶海洋工学会 秋季講演会 賞 名:ポスターセッション・最優秀ポスター賞 「ステレオ画像法を用いた 3 次元変形計測法による溶接固有 変形同定法の開発」 (2008 年 11 月) 氏 名:大平 紘敬 博士前期課程 1 年 学会名:日本船舶海洋工学会 秋季講演会 賞 名:ポスターセッション・優秀ポスター賞 「ひずみを考慮した画像計測法によ るゴム材料の全視野変位・ ひずみ計測の高精度化」 (2008 年 11 月) 氏 名:有村 翼 博士前期課程 1 年 学会名:日 本船舶海洋工学会 KFR-Jr. KSSG-Jr.主催 関西四大学合 同講演会 賞 名:優秀賞 「MLPG( メッシュレス ) 法を用いた溶接ビード上端部における応 力集中の解析」 (2008 年 6 月 有村翼) 氏 名:有村 翼 学会名:日本船舶海洋工学会 春季講演会 賞 名: ポスターセッション・優秀ポスター賞 「MLPG( メッシュレス ) 法を用いた溶接ビード上端部における応 力集中の解析」 (2008 年 5 月) 氏 名:大平 紘敬 博士前期課程 1 年 学会名:日本船舶海洋工学会 春季講演会 賞 名:ポスターセッション・優秀ポスター賞 「デジタ ル画像相関法を用いた大変形・大回転時における変形・ ひずみ計測法の開発」 (2008 年 5 月) 電子物理工学分野 氏 名:柴田真由子 (M1) (16 ページに コメント&写真あり) 学会名: The 1st Asian Symposium on Nano Imprint Lithography (ASNIL2008) 賞 名:Best Paper Prize 受賞題目: “Study on resist deformation time in thermal NIL” (熱ナノインプリントにおけるレジストの成型に関する研究) 著 者: 柴田真由子 (M. Shibata), 田辺聡明(T. Tanabe), 川田博昭 (H. Kawata), 平井義彦 (Y. Hirai) (2008 年 4 月24日) 氏 名:岩田洋典 (D2) 学会名: 2nd International Symposium on the Manipulation of Advanced Smart Materials 賞 名:Poster Award 受賞題目: "Effects of viscosities on transient current in homeotropic nematic liquid crystal cells" 著 者: Y. Iwata, H. Naito, M. Inoue, H. Ichinose, M. Klasen-Memmer, and K. Tarumi (2008 年 5 月29日) 氏 名:岩田洋典 (D2) 学会名:The 15th International display workshops (IDW'08) 賞 名:Outstanding Poster Paper Award 受賞題目: "Leslie Viscosity Coefficients of Nematic LCs with Negative Dielectric Anisotropy Determined by Transient Current Technique" 著 者: Y. Iwata, H. Naito, M. Inoue, H. Ichinose, M. Klasen-Memmer, K. Tarumi (2008 年 12 月5日) 氏 名:保田英樹(D3) 学会名:第 19 回光物性研究会 賞 名:光物性研究会奨励賞 受賞題目: 「CuCl 薄膜縮退四光波混合に現れる超高速モードの温度依 存性解析」 著 者:保田英樹、石原 一 (2008 年 12 月5 ~ 6日) 氏 名:東 俊宏 (M1) 学会名:第 7 回低温工学・超伝導若手合同講演会 賞 名: 「低温工学・超伝導関西若手奨励賞」 受賞題目:ピ エゾ駆動試料回転クライオスタットの開発と CeCoIn5 単結 晶の電気抵抗角度依存性 著 者:東 俊宏、野口 悟、石田武和 (2008 年 12 月12日) 18 氏 名:益子慶一郎 (D3) 学会名:第 25 回応用物理学会 賞 名: 「講演奨励賞」 受賞題目: 「Zn0.88Mn0. 12O/ZnO へテロ構造の磁気抵抗における s-d 交 換相互作用の効果」 著 者:益子慶一郎 , 芦田 淳,吉村 武,藤村紀文 (2008 年 9 月2-5日) 電気情報システム工学分野 氏 名:飯波 久太郎 学会名:平成 19 年電気関係学会関西支部連合大会 受賞内容:奨励賞 発表題目: ガードインターバルを用いた OFDM の周波数オフセットの推 定法 著者:○飯波 久太郎,林 海,山下 勝己 (2007 年 11 月) 氏 名:豊田隆一 学会名:電気学会産業応用部門大会 受賞内容:優秀論文発表賞 発表題目: PM モータにおける設計パラメータが効率に及ぼす影響に関 する基礎検討 著者:○豊田隆一,真田雅之,森本茂雄 (2007 年 8 月) 氏 名:翁テイ斐 学会名:電気学会産業応用部門大会 受賞内容:優秀論文発表賞 発表題目: 埋込磁石同期モータのセンサレス方形波駆動時の運転特 性 著者:○翁テイ斐,森本茂雄,真田雅之 (2007 年 8 月) 氏 名:井上征則 学会名:電気関係学会関西支部連合大会 受賞内容:優秀論文発表賞 発表題目: 直接トルク制御によるIPMSG を用いた風力発電システムの 指令トルク計算の一手法 著者:○井上征則,森本茂雄,真田雅之 (2007 年 11 月) 氏 名:川邊泉 学会名:電気関係学会関西支部連合大会 受賞内容:優秀論文発表賞 発表題目: IPMSG を用いた風力発電システム - 方形波駆動領域におけ るセンサレス運転特性 著者:○川邊泉,森本茂雄,真田雅之 (2007 年 11 月) 氏 名:吉川真登 学会名:電気関係学会関西支部連合大会 受賞内容:奨励賞 発表題目: 磁気飽和を考慮した集中巻 IPMSM のパラメータ計算とイン ダクタンス特性 著者:○吉川真登,森本茂雄,真田雅之 (2007 年 11 月) 氏 名:徳田貴士 学会名:パワーエレクトロニクス学会定例研究会 受賞内容:若手幹事賞 発表題目:PMASynRM における高トルク化のための基礎検討 著者:○徳田貴士,真田雅之,森本茂雄 (2008 年 12 月) Immunity Using pH-Sensitive Fusogenic Liposomes」 著者:○弓場英司,Tana,児島千恵,原田敦史,渡来 仁,河野健司 (2008 年 7 月22日) 知能情報工学分野 ・ 本学大学院工学研究科 知能情報工学分野の中島 智晴准教授らと 計算知能工学研究室の学生からなるチームが 2008 年 5 月3日~ 5日 に静岡県沼津市で開催された RobCup Japan Open 2008 において 下記 2 部門で優勝しました. (サッカー 3D) チーム名:OPU_hana_3D メンバ: 中島 智晴、藤井 聖也、荘司 悠希男、 前田 慎吾、中邨 陽介 成績:優勝(8 チーム出場) (サッカー MR) チーム名:SOCIO( 大阪府立大学、大阪大学、愛知工業大学、名古屋 工業大学との共同チーム) メンバ(本学のみ抜粋) : 中島 智晴、荘司 悠希男、藤井 聖也、前田 慎吾 成 績:優勝(5 チーム出場) ・ CSTソリューションコンペティション ( 主催学会:電気情報通信学会・コンカレント工学研究専門委員会) 発表論文名:遺伝的アルゴリズムを用いた呼び割当最適化によるマ ルチカーエレ ベータ制御手法の提案 (著者:槇岡良祐,能島裕介,石渕久生) 応用化学分野 氏 名:大橋 万紀 博士後期課程 2 年 学会名:日本化学会第 88 春季年会 賞 名:講演賞 発表題目: 「 電子供与性不飽和化合物の光極性付加反応による炭素 炭素結合の形成」 著 者:○大橋万紀,中谷圭佑,前多 肇,水野一彦 (2008 年 4 月10日) 氏 名:内原 和弘 博士前期課程 1 年 学会名:2008 年度第 2 回触媒道場 賞 名:優秀賞 発表題目: 「 イオン交換法により各種多孔体上に固定化した有機ルテニ ウム錯体のキャラクタリゼーションとその触媒反応性」 著 者:○内原和弘,亀川 孝,松岡雅也,安保正一 (2008 年 6 月28日) 氏 名 酒井 勇輔 博士前期課程 1 年 学会名:2008 年度第 2 回触媒道場 賞 名:優秀賞 発表題目: 「 [-C6H4M(CO)3-](M= Cr, Mo)錯体を骨格内に含有した無機・ 有機ハイブリッドメソポーラスシリカの触媒特性」 著 者:○酒井勇輔,亀川 孝,松岡雅也,安保正一 (2008 年 6 月28日) 氏 名:大橋万紀 博士後期課程 2 年 学会名:第 30 回光化学若手の会 賞 名:優秀講演賞 発表題目: 「電子供与性不飽和化合物の光極性付加反応による炭素- 炭素結合の形成」 著 者:○大橋万紀,中谷圭祐,前多 肇,水野一彦 (平成 20 年 6 月29日) 氏 名:藤井 隆行 博士前期課程 1 年 学会名:第 30 回光化学若手の会 賞 名:優秀ポスター賞 発表題目「 シリルエチニルナフタレン類の蛍光挙動におけるケイ素上の 官能基効果」 著 者:○藤井隆行,南田圭太,前多 肇,水野一彦 (2008 年 6 月29日) 氏 名:弓場 英司 博士後期課程 2 年 学会名:Liposome Research Days 2008(リポソーム国際会議 2008) 賞 名:Young Investigator Award 発表題目: 「 T ransm ucosal Induction of A ntigen-Specific 19 氏 名:片山 知 博士前期課程 2 年 学会名:第 3 回日本セラミックス協会関西支部学術講演会 賞 名:学生講演賞 発表題目: 「 アミノプロピルトリエトキシシランと硫酸から作製したプロト ン伝導性無機−有機ハイブリッド膜を用いた中温作動型燃 料電池の特性評価」 著 者:○片山 知,手塚照明,忠永清治,林 晃敏,辰巳砂昌弘 (2008 年 7 月24日) 氏 名:木下 佳子 博士前期課程 2 年 学会名:第 3 回日本セラミックス協会関西支部学術講演会 賞 名:学生講演賞 発表題目: 「 液相法によるリチウム二次電池用 Li4Ti5O12 負極薄膜の作 製条件の検討と特性評価」 著 者:○木下佳子,林 晃敏,忠永清治,辰巳砂昌弘 (2008 年 7 月24日) 氏 名:片桐 寛 博士前期課程 2 年 学会名:日本ゾル-ゲル学会主催の第6回討論会における一般講演発表 賞 名:ベストポスター賞 発表題目: 「 メチルシルセスキオキサンで化学修飾されたフェニルシル セスキオキサン中空粒子の作製」 著 者:○片桐 寛,忠永清治,辰巳砂昌弘 (2008 年 8 月1日) 氏 名:作田 敦 博士後期課程 1 年 学会名: 平成 20 年度日本化学会電気化学ディビジョン化学電池材料 研究会第22回講演会・夏の学校 賞 名:優秀ポスター賞 受賞題目: 「 酸化物修飾 LiCoO2 正極と Li2S-P2S5 系固体電解質を用 いた全固体リチウム二次電池」 著 者:作田 敦 (2008 年 8 月8日) 氏 名:野田 達夫 博士前期課程 2 年 学会名: フローインジェクション分析および関連技術に関する国際会議 (The 15th International Conference on Flow Injection Analysis including related techniques (ICFIA 2008) & The 25th Anniversary Meeting of Japanese Association for Flow Injection Analysis (JAFIA)) 賞 名:Best poster award for students を受賞 発表題目: 「The high adsorptive activity of a cup-stacked carbon nanotube for enzyme protein and its application to bio flow-injection analysis of glucose」 著 者:○ Tatsuo Noda,Tadao Ukai,Hideaki Hisamoto, Toshio Yao (2008 年 10 月3日) 氏 名:酒井 勇輔 博士前期課程1年 学会名:第1回触媒表面化学研究発表会 賞 名:優秀研究賞 発表題目: 「 骨格内にアレーンカルボニル錯体を含有した無機・有機 ハイブリッドメソポーラスシリカの触媒特性」 著 者:○酒井勇輔,亀川 孝,松岡雅也,安保正一 (2008 年 10 月31日) 氏 名:山口 幸太郎 博士前期課程1年 学会名:第 3 回化学プラットフォーム@関西講演会において 賞 名:ポスター賞 発表題目: 「 パラジウム触媒による芳香族アミンのオレフィンへの選択的 付加反応」 著 者:○山口幸太郎,園田素啓,船ヶ山勝也,小川昭弥 (2009 年 1 月24日) 氏 名:大橋 万紀 博士後期課程 2 年 賞 名:第 3 回 GSC Student Travel Grant Awards を受賞 受賞題目: 「光反応による活性メチレン化合物の選択的モノアルキル化」 (2009 年 2 月18日) 化学工学分野 マテリアル 氏 名:水谷 直也 博士前期課程 2 年 学会名:化学工学会第 40 回秋季大会シンポジウム 賞 名:優秀ポスター賞 ポスター題目: 「 水熱法を用いたマグネタイトナノ粒子の形成に及ぼす共 存アニ オンの影響」 著 者:○水谷直也,岩崎智宏,綿野 哲 (2008 年 9 月) 氏 名:柴野 巧 博士前期課程 2 年, 木下 和香子 博士前期課程1年 学会名:日本金属学会 (2008 年秋期大会 ) 賞 名: 優秀ポスター賞 受賞対象発表: ジルコニアセラミックスの水熱劣化に及ぼす粒界偏 析元素 著 者:柴野巧,木下和香子,瀧川順庸,東健司 (2008 年 9 月) 氏 名:平田 喜久 学会名:第 10 回化学工学会学生発表会 大阪大会(西日本地区) 賞 名:優秀賞 発表題目:液相プロセスによる Z n O の低温成長と陽イオンの添加効果 ( 阪府大工 ) ○平田喜久・岡本 尚樹・ 齊藤 丈靖 近藤 和夫 (2008 年 3 月) 氏 名:小畠 淳平 博士後期課程 2 年 学会名:ISAEM-2008 賞 名:Best poster presentation 受賞対象発表: D efor m atio n Beh avior of Zr -b ased Bulk Metallic Glass with Introduced Shear Bands by Cold Rolling 著 者:小畠淳平,瀧川順庸,上杉徳照,木村久道,東健司 (2008 年 11 月) 氏 名:岩井 寛明 学会名:第 10 回化学工学会学生発表会 大阪大会(西日本地区) 賞 名:優秀賞 発表題目:帯電ナノ液滴による大腸菌殺菌効果 ( 阪府大工 ) ○岩井 寛明・溝田 樹容子・古田 雅一・足 立 元明 (2008 年 3 月) 氏 名:阿部 祥忠 学会名:化学工学会第 40 回秋季大会バイオ部会シンポジウム 賞 名:バイオ部会優秀ポスター賞 受賞対象発表: 「 Enterobacter aerogenes を用いた水素生産と代謝 産物」 著 者:阿部祥忠,荻野博康 (2008 年 9 月) 氏 名:河田 拓也 学会名:化学工学会第 40 回秋季大会バイオ部会シンポジウム 賞 名:バイオ部会優秀ポスター賞 受賞対象発表: 受賞対象発表: 「分子進化工学的手法により有機溶媒 耐性が向上した LST-03リ パーゼの取得」 著 者:河田拓也,荻野博康 (2008 年 9 月) 氏 名:本田 雅義 博士前期課程 2 年 学会名:ISAEM-2008 賞 名:Best poster presentation 受賞対象発表: E ffect of Al C oncentration on D y na mic Recrystallization in Mg-Al Magnesium Alloy 著 者:本田雅義,上杉徳照,瀧川順庸,東健司 (2008 年 11 月) 氏 名:内田 修平 博士前期課程 2 年 賞 名:軽金属希望の星賞 軽 金属希望の星賞は,軽金属の学業の向上発展を奨励し, 軽金属の未来を担う人材の育成を目的として,人格・学業とも に優秀な学生に社団法人軽金属学会から贈られる賞です. 氏 名:福本 由佳 博士前期課程1年 学会名:量子理工学研究実験センター第 9 回公開シンポジウム(QSEC) 賞 名:ベストポスター賞 受賞対象論文: 電子線照射した Z r C u A l バルク金属ガラスの陽電子 消滅測定 氏 名:田口 昇 博士後期課程1年 学会名:日本金属学会専門部会第 1 回格子欠陥制御工学研究会 賞 名: Distinguished Paper Award for Young Scientists 受賞対象論文: 超音波還元法による合金ナノ微粒子の構造制御とそ の触媒特性 氏 名:楢原 久哉 博士前期課程 2 年 学会名:2008 年度粉体工学会秋期研究発表会 賞 名:ベストプレゼンテーション 賞 発表題目:「微生物-ガラス表面間に働く付着力の定量的評価」 著 者:○楢原久哉、野村俊之、小西康裕 氏 名:Pourali Omid 博士後期課程 2 年 学会名: 『 The 2nd International Symposium on Applications of Supercritical Fluids in Green Chemistry and Material Science』 賞 名:Best Presentation Award (2008 年 6 月) 氏 名:高橋 桂志 博士前期課程 1 年 学会名: 『 化学工学会第 40 回秋季大会分離プロセス部会ポスターセッ ション』 賞 名:分離プロセス部会優秀ポスター発表賞 (2008 年 9 月) 氏 名:瀬尾 知史 博士前期課程 2 年 学会名:第 22 回日本吸着学会ポスターセッション 賞 名:優秀ポスター賞受賞 (2008 年 10 月) 氏 名:小林 一平 学部 4 年生 学会名:軽金属学会関西支部若手研究者・院生による研究発表会 賞 名:ベストポスター賞 受賞対象発表:高エネルギー粒子線照射によるアルミ合金の硬度制御 氏 名:大野 裕隆 博士前期課程 2 年 学会名:日本原子力学会 賞 名:第 5 回日本原子力学会関西支部賞(学生賞) 受賞対象研究: 「核燃料模擬物質(CeO2) の高エネルギー重イオン照 射効果の放射光 X 線吸収分光法による評価研究」 (2008.6) 氏 名:中田 健太郎 博士前期課程 1 年 学会名:平成 20 年度関西分析研究会 賞 名:優秀講演賞 氏 名:久保 敬 博士後期課程 1 年 学会名:日本セラミックス協会第 47 回セラミックス基礎科学討論会 賞 名: World Young Ceramist Meeting 2009: Presentation Award 氏 名:阪本 充弘 博士前期課程 1 年 学会名(社)日本熱処理技術協会 ( 第 66 回春季講演大会 ) 賞 名:研究発表奨励賞 受賞対象発表: 「 オーステナイト系ステンレス鋼の浸炭 S 相形成に及 ぼす添加元素の影響」 著 者:阪本充弘,辻川正人 20 氏 名:川口 敦士 博士前期課程 1 年 学会名: (社)日本鋳造工学会 ( 第 152 回全国講演大会 ) 賞 名: 学生優秀講演賞 受賞対象発表: 「Al/Mg 異種金属接合における FSW 条件の影響」 著 者:川口敦士,辻川正人 氏 名:澤谷 香菜里 学部 4 年生 学会名: (社)日本鋳造工学会 ( 第 153 回全国講演大会 ) 賞 名:学生優秀講演賞 受賞対象発表: 「 鋳 鉄の高速アブレージョン摩耗に及ぼす黒鉛組織 の影響」 著 者:澤谷香菜里,辻川正人 氏 名:高原 裕典 博士前期課程 2 年 学会名: (社)軽金属学会 賞 名:新人論文賞 受賞対象: 「非直線摩擦攪拌接合の施工条件最適化」軽金属 第 57 巻 11 号(2007)P.542-548 氏 名:喜井 健二 博士前期課程 2 年 学会名: (社)軽金属学会関西支部 ( 平成 20 年度若手研究会 ) 賞 名:優秀講演賞 受賞対象: 「 圧延と高温焼鈍による A Z31 マグネシウム合金板のランダ ム方位形成」 著 者:喜井 健二,高津正秀 21
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