多段翼を有する横型撹伴槽内液の混合時間

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Title
多段翼を有する横型撹伴槽内液の混合時間
Author(s)
福田, 隆至; 三浦, 正勝; 橋本, 清信; 安藤, 公二
Citation
Issue Date
URL
室蘭工業大学研究報告.理工編 Vol.9 No.1, pp.245-254, 1976
1976-12-18
http://hdl.handle.net/10258/3648
Rights
Type
Journal Article
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Muroran Institute of Technology
多段翼を有する横型撹持槽内液の混合時間
福田隆至*.三浦正勝*.橋本清信・安藤公二
MixingTimeofLiquidinHorzontalStirredVessel
withMulti-Impellers
TakashiFukuda,MasakatuMiura,
KiyonobuHashimotoandK
o
j
iAndo
A
b
s
t
r
a
c
t
巴m
i
x
i
n
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l
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l
l
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l
y
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g
.
l
t
h
ep
r
e
s
e
n
t
e
dm
i
x
i
n
gmode
I 緒
E
筆者らは,同軸上 1ヶの撹件翼を有する横型撹件槽内液の混合特性について検討し,流通系
における混合特性は,回分槽の混合時間を介して推定可能で、あることを示した日また同軸上 2
ヶの撹件翼を有する横型携祥槽の所要動力,
7
ゲス吸収速度を測定し,容積当りの気液接触能力
の増大に多段操作がきわめて有効で、あることを示した 2
L
本報は,前報で明らかとなった単段翼槽についての混合モデルを多段翼を有する邪摩板っき
横型携#槽に拡張して適用し,単段翼槽の混合時間と多段翼槽の混合時間との関係を解析的に
求めた。本研究の結果は,実験的には確認されていないが,交換流量におよぽす翼相互の影響
が無視しうる操作条件下では充分適用できるものと考える。
I
I 液体の混合モデルと混合過程の表現
II-l 混合モデル
前報川)で詳述した単段翼槽の混合モデルの説明図を図
lに示した。すなわち, A 状態 4)
j
に お い て は , 図 示 の ご と し 撹 衿 羽 根 に よ っ て 区 分 さ れ た 左 右 2つの完全混合 C
e
l
l聞の液の交
換流量 Qが全体の混合を支配すると仮定している。
二 1)の場合の混合モデルが適用
多段翼槽の場合(翼数 Ni=i) にも,上述の単段翼槽 (Ni
*北海道工業開発試験所
*
GovermentI
n
d
u
s
t
r
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e
v
e
l
o
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m
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b
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y,
H
o
k
k
a
i
d
o,
S
a
p
p
o
r
o,
]
a
p
a
n
(
2
4
5
)
246
福田隆至・三浦正勝・橋本 j
青信・安藤公二
出来るものとし,図 - 2のモデルによって検討を行なった。すなわち,槽内の液を撹件羽根を
過る垂直面で Ns=n(=N
l)ヶに等分し,分割された各 Cellでは循環流による混合が完全
i+
混合として近似出来るものと仮定し,隣接する各 C
e
l
i聞の液の交換の流量 Qiが全体の混合を
規定すると仮定した。ここでは,
2翼に固まれた C
e
l
lと,翼と槽端壁とによって聞まれた C
e
l
l
とを同等としている。
Tracer
CeU1
numbero
fC
e
l
l:N,
=2
numbero
fimp
巴l
l
e
r
:N;=1
C
1
C
2
図 -1 単段翼槽の混合モデル
図 -2 多段翼槽の混合モデル
numbero
fC
e
l
l:Ns=n (=N
;十 1)
numb
巴ro
fi
m
p
e
l
l
e
r:N;=i
II-l 単段翼槽 (N
ι=1) の混合時間日)
槽端に加えられたトレーサーの移動過程は,図
1に示した単段翼槽の場合には, Celll,2
のトレーサー濃度の差 (C-C2) と操作時間 θとの関係として次式で表わされた。
BE
、、、, ,,,,,
O 一士
n
u
r
x
/11¥
今L
ρ
l
v
C
一
一
C
Vl
r一一一一←
4Ql
(1)
ここで ,V;は槽内の全液量, Q
lは Celll,2聞の交換流量である。上式より,単段翼槽の混合
時 間 内 1 を次式で定義した。
札 三 4r
二
ι
ζ
(2)
"
"
1
すなわち, 98%新平衡値に至るに要する時間を混合時問。M,と定義している。なお, (1)式の
関係は,実験的に確認され,各種の操作条件と混合時問。M
" あるいは交換流量 Qlとの関係
i
が実験的にも求められている )
II-3 多段翼槽の混合時間と移動過程
多段翼槽の場合のトレーサーの移動過程を,図 - 2の混合モデルにもとづいて物質収支から
(
2
4
6
)
2
4
7
多段翼を有する横型携衿槽内液の混合時間
求めると次式のようになる。
VI dCl
C
e
l
l
1:一ームー
J V~ = Q
i(C2-C
1
)
d8
(3)
V1 d
C
C
e
l
lK:一一一
-4=Qz(CK-1 2CK十 C
K
+
1
), 2三
玉 K三
五 n
n d8
(4)
V
I dC
C
e
l
ln:ームーーとこ
Qi(Cn-1-Cn)
d8
(5)
初期条件:8=0
,C
1二 1
,CK二 Cn=O
(6)
多段翼槽(翼数 Ni=i) の 混 合 時 間 偽 1 を,単段翼の場合 1,
3) と同様に,槽端のトレーサー濃
度差 (C1-Cn) の緩和時間 rの 4倍あるいは, 98%新平衡値に至るに要する時間として定義す
る 。 上 記 (3)~ (6)式より , (C1-Cn) と θとの関係を求め,単段槽の混合過桂を示す(1)
式と比較し , 8
Mi と 8
M 1 との操作条件を含まぬ関係の解析的導出を試みる。
別報によれば,多段翼槽のガス吸収速度および動力がそれぞれ単段における値の加算された
量として現われるためには,翼間隔が槽経
1
Dtの 2
以上を必要とする。したがって,実用の多
段翼槽は,数ヶ以内と考えられるので,本報では翼数 Ni=2~5 について検討を行った。
I
I
I 多段翼槽の混合時間と単段翼槽の混合時間との関係
III-l
2段翼槽(Ni=2
,Ns=3)の 場 合
III-l-l
トレーサー濃度差 (C1-C3)と θ との関係の導出
物 質 収 支 , 初 期 条 件 は (3)~ (6)式より次式となる。
V
I dCl
C
e
l
l
1:一一
土・一JV~ = Q
2(C2-C1)
3 d8
d
ハ
Ce1
l2:V1・一
一一旦 =Q
2(CI-2c2+C3)
3 d8
V
I d人
Ce
1
l3:一一土・一一三二 Q2(C2ーの)
3 d8
。
=0, C1=1, C2=C3=0
(7)
(8)
(9)
(
1
0
)
3Q2/VI三 A と置き換え, (7)~ (9)式をラプラス交換する。
sC1(s)-1=A[
c2(S)-C1(S)]
(
1
1)
S
C
2
(
S
)二 A(C1(S)-2
C
2
(
S
)+C
3
(
S
)
]
(
1
2
)
S
C
3
(
S
)= A[
c2
(
S
)ーの (
S)
]
(
13
)
(ll) ~(13) 式の連立方程式より , C
1
(
S
),C
2
(
S
),C
3
(
S
) を求める。
(
2
4
7
)
2
4
8
福田隆至・三浦正勝・橋本i
青信・安藤公二
C
l
(
S
)
S2+3As+A2
1 1 ,1 1 ,1 1
S
(
S十 A)(s+3A)- 3 S I 2 s+A I 6 s+3A
(
14
)
2(s)=-1
一 一 111-L}
(
15
)
(s+3A)-3¥s s+3A/
A2
11 1 1 ,1
3
(
S
)二一一一一三土一一一一一 . 一 一 一 一 一 + 一一一一
(s+A)(s+3A)- 3 s 2 s+A 6 s+3A
(
16
)
I
(
14
), (
1
5
), (
16
) 式を逆交換する。
CI(0)=L1exp(-盟 3_B )
+2
~ ex円
p( 盟主。}
3 '6~"'P ¥
~
/
v
f
c
2
(
B
)
=計1
1
1, 1
f 9Q21
1
¥
1
p ( τ B)J
_ ___
ほ
(
17
)
/'
(9ο 2
(
18
)
( 3(
)
2
1
ぱめ二百+否問(ーで壬 B
)
-Iexp¥ーで王)
n¥
n¥
(
19)
したがって槽両端のトレーサー濃度差 (CI-C3)は次式となる。
吋キサ
(
2
0
)
ムC
2=C
l
(
θ
)ー の (θ)=
あるいは,
V1
CI-C3=e
(
2
0
')
r2=3Q2
1
I
I-1-2 混合時問。M
2と 8
M
l との関係
(
2
0
')式より,翼数 Ni=2の場合の混合時間 B
M
2は
4
v
z
(
2
1
)
B
r
2二一・一一M
2三4
3 Q2
1V12- :
1
;
.
.
.
.
:
,
また,単段翼槽の交換流量 Ql と Niニ 2の場合の交換流量 Q2とが等しい条件下
(Q2=Qdで
は
, (1) 式を考慮すれば,次式の関係が容易に導出される。
。
(
2
2
)
M2=iOM1
すなわち,翼数 Ni二2の場合の混合時問。M2 は,同一操作条件における単段翼槽の場合の混
合時問。M,の
4
/
3倍となる。
1
7
)~ (
2
0
) 式に示したトレーサー濃度の経時変化を,無次元時閉め(三 B
/B
M2
)と無次
また, (
(三 C/(Cl-C3)θ
ニ0
)を用いて表わしたのが図-3,図 -4である。図 -3は,各 C
e
l
l
元濃度 e
内のトレーサー濃度 e
l,e2,e
3が時聞の経過とともに,しだいに同一濃度に漸近していく様子
を示している。また, C
ell1,3の無次元濃度差ム凸について示した図 -4では,ム e2と θと
2
0
'
)式からも明らかなごとく, (Cl-C3)
の関係が片対数紙上直線となっている。したがって ,(
とOとの関係を実測することにより,単段翼槽と同様に B
M
2を容易に実測出来る cまた,表
り,ゆ =1すなわち
B=BM2(=4τ
)における無次元濃度差 el-e2=O.018である。
(
2
4
8
)
1よ
多段翼を有する横型携衿槽内液の混合時間
249
nvngau
l
唱 n u n u
.
10
N
t=2
0
.
5
1
.
0
0
.
7
0
.
9
r
:
"
IO
.
6
0
.
8
μs
0
.
5
7
0
.
7
1
(
.
)
0
.
4
0
.
1・
つ~0.6
J
内
nununu
IU
10
.
5
4
内
1
<
3
0
.
4
0
.
0
5
l
・
0
.
3
。
o 0.1
0
.
20
.
3 0
.
4 0
.
5 0
.
6 0
.
7 0
.
80
.
9 .
10
+
日
'
¥
10.02
"
"
'
"
0 ・ 量 ,
,-,-ー:10
0
1
o0
.
1 Q2 0
.3 0
.
40
.
5 0
.
6 0
.
70
.
80
.
9 1
.
0
+
日
2段翼槽内のトレーサー濃度(;,.
C
2
. C3の経時変化
図-;~
0
.
21
'
"
1
.
0
図
4 2段翼槽内のトレーサー濃度差 OC2
(
ニ C,
一C
3
) の経時変化
III-2 3段 翼 槽 (N;=3,N s=4)
III-2-1
卜レーサー濃度差 (CI-C4) と O との関係の導出
物質収支式および初期条件は次のように表わされる。
v
z dCl a(C2-Ct
C
e
l
l
l:
----7-・ーーム=Q
)
4 dθ
V
l d C2
Ce1
l2:一一二・一, ~. = Q3(CI-2c2十 C3)
4 de
v
zd人'
Ce1
l3
:
t
/= Q3(c2-2c3+C4)
4
'd
(
2
3
)
(24)
(
2
5
)
v
zd C4 Q3(c3-C4)
Ce1
l4
:~二・ーよ'!-=
4 de
(
2
6
)
θ=0;cl=l,C2=C3=C4=0
(
2
7
)
4Q3/Vl三
k と置き換え, (23)~ (26) 式をラプラス交換して連立方程式を解き, Cl(S),
C
2
(
S
),
C
3
(
S
),C4( S) を求める。
I
(
S
)一
計十 5As2+6A2s+A3
S
(S+2A)(S2+4As+2A2
)
1 1 ,1
一
・
十
1
,2+〆玄
1 ,2-1
'
玄 1
8
S一 α 8 s-β
一一一一一十一一一一一一一一一一十一一一一一一一一一
4
内
)
A
一
内
,
“
J一S
b
十
一A
4
S一
A一lT
n一
J2
2 一、/
EE
一c
u
、
一。、
,
一 υ
c
d
)
C
(2
)ド
一
+
+
.4 S 2A'
一
bA
一
+
一
;
A
一
+
4S
(249)
(
2
8
)
福田隆至・三浦正勝・橋本 j
青信・安藤公二
250
_1111
〆
玄
1
,/玄
1
一
一 一一
一
4 S一4一
S+2A' 8 s
α一
8 s
-β
3
(
S)=
(
2
9
)
A2(s+A)
s(s+2A)(S2+4As+2A2
)
11 1
1
/玄
1 ,/玄
1
一
一4一
一s一一
一
4s
s+2一
A 8
α一
8 sβ
(
3
0
)
4(s)=A3
s(s+2A)(S2十 4As+2A2)
2+/ 2 1
2-/
玄
1
但し
唱Eょ
I
)
1
(っJ
11 1
一
一
一一
一s
一
4s
'4一
s+2A
8 一
s- 一
α8
一β
α二 一 (
2
-/ 2)
A
β二 一 (2+/
玄)
A
(
2
8
)~ (31) 式を逆交換し, c
l
(
8
),c2(8),c
3
(
8
),c
4
(
8
),ムC
3
(三 C
l
(
θ)-c4(8))を求める。
1 1_
_
_
_
( 8Q3.8)
n
¥十一一一一一-exp(-~\~
2+/T_
_
_
_
( 4(2-〆
玄)Q3 L
l
¥
\T~/''''''.8)
J' 8 '-'""-1'¥
~
J
4 '4'-'""-1'¥ - U~"
~
I
cl(8)=~+~exp(
I
V
V
+土F吋仙 f)Q~.8)
(
3
2
)
_
_
i(2-/ 2)QL8)
峰。+立問(
J
' 8
V
町 民
J
の (0)=1-hxp(-
~"'1'
V
¥
l
一
手
目p(__i(27)Q~.8)
(
3
3
)
θ
)
=
jj
吋響。)-守叫
C
3
(
)仏。)
+
子exp(- 仙 f
凸
(
3
4
)
+
トxp( 帯。)主(2exp(-_i(2f)Q3θ)
t
(8)=
上正Z 叫
4仙
f)Q~.8)
(250)
(
3
5
)
多段翼を有する横型携件槽内液の混合時間
251
_ 2+/2_
_
_
_
( 4(2-;玄)Q3 ,
,
¥
C3=C
l
(8
)-C4(8
)一一一一一一expl-
ぺ
i
v
l
V
}
+
_
l
千exp(_1(27)Q~'8)
(
3
6
)
III-2-2 混合時間 8
M
3と θM,との関係
3
6
)式によれば, 2つの指数関数の和とし
, (
C
e
l
l
lと Ce1
l4 とのトレーサー濃度差ム C
3は
て表わされている。ここで,第 1項と第 2項とを比較すると
8
}
exp{-4(2-1
玄 )8}>exp{-4(2+/2)
(
3
7
)
玄
2+〆互, 2-;-
4
(
3
8
)
4
なる関係を考慮すれば¥第 1項の方が第 2項より大きいことは明らかであるが,。が大きい領
域では (
3
7
) 式の左右の項の大きさを比較するとその差は非常に大きくなり, (
3
6
)式の第 2項
が無視出来る。第 2項を無視すると, C
e
l
l
lと Ce1
l4との濃度差ム C
3は次式で近似できる。
花 P
y
n(
)
.
-θ
p
ex
:
;
.
)
,
4
¥ -
ム f3LUF2+
C3~ D C
3
r=
r
日
4(2-/2)Q3
(
3
9
)
また混合時聞は
1
v
i
8
4r二 五 / 2 芯 与 1707tk
M3=
(
4
0
)
1
.
0
N
j=3
1
.
0
門 uυ
l
nu.nu-nununununu
9876543
0
.
5
1
.
0
0
.
9
0
.
8
:
10.7
、
1
(
.
j0
.
6~
ゴ
〈
円
l
¥
,'-C;
↓¥
斗0
.
1
.
0
.
5
_I
<
;.
0
.
4
¥
¥
寸0β5
寸
。
0
.
3
2
0
.
2
0
.
1
。o
.
4 0
.
80
1
0
.
2 0
.
3 0
.
5 0β0.7 0
.
9.
0
1
. 0
図 -5
3段翼槽内のトレーサー濃度 C,I C2,
0
1
.
中日
I
oI
.
20
o0
.
1 0
.
30
.
4
1
『で干「ー:::l0.01
.
0
.
70
0
.
50
.
6 0
.
80
.
9 1
1 2 1 1
+
日
3,
図 -6 3段翼槽内のトレーサー濃度差ム C
C
3
' C,の経時変化
ムC
3の経時変化
(
2
5
1
)
2
5
2
福田隆至・三浦正勝・橋本 i
青信・安藤公二
=8
1
)
8
M,
無次元トレーサー濃度 C と無次元時間r/J(
3
無次元濃度差ム C3 , ム C~ と併との関係
jとの差はほとんど現
を 図 -5, 6に示した。図 -6より, φ<0.1においては, ム ゐ と ム ε
われない。すなわち, φ>0.1の領域では, (
3
6
)式は, (
3
9
)式で十分近似出来ることを示して
3
6
) 式を用いて
いる。また, (
V
d
Q
3を得る。
(
4
0
) 式の
4rに至るに要する時間を試行法により求めると,
。
打
=1
.640
(
1
.707-1
.640)/1
.707=0.0393となり, その差
8M3 と比較すると,
は大きくはない。
4
0
) 式より
単段翼の交換流量 Qlに Q3が等しいと仮定すれば, (2) 式と (
。2-/
1
玄
'
M
.
(
4
1
)
一旦.L==一一一一一一=1
.707
8Ml
となる。
なお,ゆ >0.1の領域では, 濃度差 (CI-C4) と時間 θ との関係が片対数紙上直線で近似され
ることから,上記関数を実測すれば,容易におあるいは 8
M3 を求めることが出来る。したがっ
4
1
) 式の成立とその操作範囲を実験的に検討することが可能で、あろう。
て, (
III-3 4段 巽 槽 (N
,Ns=5)
i=4
前項と同様,物質収支式を解き各 Cell の濃度 Cl~C5 を求めた。 Cell1 と Ce1l 5 のトレーサ
一濃度差ム C
4
(=CI-C5) と時間 Oとの関係は次式となる。
A
[5
ムr
.
.
=5
+
.
exn(-_
Q(3/5)阜
ι4ー
10一口円
2
V
t u/
十互二亙…/一旦註 /5).金 .
8
i
1
0 ~"... ¥
2
V1 j
~
(
4
2
)
3段翼槽の場合と同様, 第 2項を無視すると次式となる。
-~ì
r
J
_
Q
土
[
5e
r
.
;
C4ι
ムし
x
p
(
4 -_
寸ム
し
<
:
:
A
ν
=
10
¥
r-
2 • V1
5(3-/5) Q4
(
4
3
)
また, 混合時間は
;
2
V
l.~ ~~, v
8
4
=
4
M
4
三
4
="
"r
."
"・5(3-/5)一ーニミ 2.094一 二 Q4
Q4
~....VJ""
無次元濃度差ムム,
.
o1においては,
(
4
4
)
ム C~ と無次元時閉め(三 θ18M.) との関係を図一 7 に示した。図より, r
/
J>
ムムとム C~ との差はほとんど認められない。すなわち, φ>0.1 の領域では,
4
2
) 式を用いて 4rに至るに要する時間を試行
(
4
2
) 式は (
4
3
) 式で十分近似出来る。 また, (
法により求めると
8
2
5V;IQ4となり
.9
4
t
"
=1
(
4
4
) 式の 8
M
4の値とほほ、等しい。
1
I
I-4 5段 翼 槽 (N
,Ns=6)
i=5
前項と同様に,
C
e
l
l
1と Ce
1
l6との濃度差ム C5を求めると次式となる。
(
2
5
2
)
253
多段翼を有する横型携持槽内液の混合時間
トp
(-守主か社汗叫
ムC5
)
6(2-p)Q5.e
Fmp( 制 2+ 仔 )Q~.e)
十土
,
-
(
4
5
)
ム C5 は 3つの指数関数の和として表わされるが, 第 1工
頁
, 第 3項を無視すれば次式となる。
ムC5 弓・ 6.c~=
1十
、
:
t
_e
n
_)
p{-s
C5= ーコ一一
ex
x
~)
v
i
(
4
6
)
二百乞ン3)Q5
r
これより混合時時間。M5 は
4
V,•
6(2-/3) Q5
1
ス
4
8
8ニQL5
~ .~~
e M5 三 4r= ー一一一一一←~:':;:2.
(
47
)
T~. -rv v
1
.
0
W 結果のまとめと考察
N
i=4
以上の結果より,多段翼槽の混合時問。Mi と
同一操作条件における単段翼槽の混合時間
門
山
(
4
8
)
U
内 n U
AU4‘qυ4
(
4
9
)
U
︽
f
A
r
, _
1
一一一=一一fr'>二1.7
07
fAr,乙、乙
0
.
9
nunυ
3
0
.
5
87B5A
f
A
r
. 4 1
V1V!2 二 一 =
.3
33
8Ml
.
1
0
e
M,
との比仇l
,
/
e
M,は下記のごとくなる。
a
忍
且3
f
A
r_
f
A
r
,
一
4
ー←一
一
8
=2.094
5(3-/5)
2
ぬ._
一一一一
=2.488
f
A
r
, - 3(2-/3)
上述 (
4
8
)~
0
.
2
(
5
0
)
0
.
1
。
。
0
0
1
0
.
1 0
.
2 0
.
30
.
40
.
5 0
.
6 0
.
70
.
8 0
.
9 1
.
0
や[-]
(
5
1
)
(
5
1
)式の関係が成立する条件は下記
図 -7 4段翼槽内のトレーサー濃度差ム
ムC
4の経時変化
C
4,
の 2項目にまとめられる。すなわち, 図 -2の混合モデルにおいて,
1) Qi=Ql
2)C
e
l
l内の液混合が完全混合
第 1項の
Qi=Ql,すなわち,多段翼槽のそれぞれの翼における交換流量 Qiが 単 段 翼 槽 の
交換流量 Qlに等しい条件は,翼による撹持の影響が隣接する翼における交換流量に影響を与
えない十分な翼間隔の存在であろう。 この翼間隔の最小値 lminは
, おそらく,多段翼槽の動力,
ガス吸収速度が単段翼槽の値の加算された量として現われる最小の翼間隔 Ic=D
!
t22)とほぼ同
じオーダーであろう。
第 2項の C
e
l
l内液が完全混合であるためには J
畳持翼の吐出による循環流が十分に行きわた
(253)
2
5
4
福田隆至・三浦正勝・橋本 j
青信・安藤公二
る程度の大きさの C
e
l
lでなければならない。云いかえれば,完全混合 C
e
l
lの大きさ,すなわ
ち,翼間隔は,循環流が十分到達出来る大きさに制限されることになる。この大きさの上限 lmax
は 明 ら か で な い が , す で に 単 段 翼 槽 に つ い て (2)式の成立が実験的に確認されている C
e
l
l
、
(Dt 2
.7 ~ ¥
の大きさ 1)( ~ t ~ ~;., ,Dt) の上限よりは大きいであろう。 また,循環流が十分到達出来る大き
¥2
2
~'/
きの C
e
l
lであっても, C
e
l
lの両端から発した流れが中央で衝突し, C
e
l
l内全体の混合速度を
小さくすることも考えられる。この衝突による混合遅延効果が翼による仕切効果より大きい場
合には,前述図 - 2に示した混合モデルそのものの再検討を迫られることとなるが,観察の結
果では,衝突による混合遅延効果は大きくはないと推測される。
以上の考察を要約すれば,
2翼の間隔が前述第1J頁と第 2項によって上限と下限がかぎられ
た範囲内ではあるが (48)~ (51) 式 が 成 立 し , そ の 範 囲 は 実 用 の 多 段 操 作 の 範 囲 を 含 ん で い
る。すなわち,多段翼槽の混合時間を単段翼槽の混合時聞のデーターから推定出来ることを
示した。流通系の混合特性は回分系の混合時間を介して推定可能であり,本研究によって,多
段翼槽の混合特性が単段翼槽の混合時聞から推定出来る。
以上,単段翼槽と同ーの槽を基準とし,これを撹祥翼によって分割する場合(れ一定)につ
いて検討を行ったが,翼の増加とともに槽長が増大する場合の混合時聞を推定することも可能
である。すなわち,槽長が異っても(1)式が成立することから,分割されたそれぞれの C
e
l
l
の大きさが等しければ,比較的簡単に槽長の異る (
V
iが変化)多段翼槽の混合時間と,基準
単段翼槽の混合時聞の関係を求めることが出来る。
V 結
ョr
冒
多段翼槽を有する邪摩板っき横型撹件槽内液の混合時間 8
M より
Mi を単段翼槽の混合時間 8
2に示した混合モデルにもとつ、き解析的に検討し,下記の結果を得た。
推定する方法を,図
。k
Miニ
8,
i M
k2 =1
.3
3
3
恥 =1
.707
k
4 2.094
二
k
5 2
.
4
8
8
二
1日受理)
(昭和 5
1年 5月2
文 献
1) 安藤公二・福田隆至・遠藤一夫:化学工学, 3
8, 4
6
0(
19
7
4
)
.
8, 5
4
0(
19
7
4
)
.
2) 安藤公二・福田隆至・佐藤光二・遠藤一夫:化学工学, 3
3) 安藤公二・原
弘・遠藤一夫:化学工学, 3
5, 8
0
6(
19
7
1
)
.
4) 安藤公二・原
弘・遠藤一夫:化学工学, 3
5, 4
6
6(
1
9
7
1
):I
n
t
e
r
n
a
t
i
o
n
a
lChemicalEngine巴r
i
n
g, 1
1,
7
3
5(
1
9
7
1
)
.
(
2
5
4
)