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2004 年 3 月 11 日
ACOMPLIA™(リモナバン)
2 件の重要なスタディにより
過体重/肥満者、および喫煙者の心血管リスク管理における
新たなアプローチとなる可能性が判明
RIO-LIPIDS スタディ、および STRATUS-US スタディの結果
3月6日からアメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズで開催されたアメリカ心臓病学会
(ACC:The American College of Cardiology)の年次会議で発表される
選択的 CB1 ブロッカーと呼ばれる新しいクラスの治療薬、ACOMPLIA™(リモナバ
ン)に関する 2 件のフェイズ III スタディの初期結果によると、脂質代謝異常
(高トリグリセリドや高い総コレステロール/HDL コレステロール比)の治療を
受けていない過体重/肥満患者では、脂質値やグルコース値が改善されながら 1
年で体重が減少し、また以前に禁煙に失敗したことがある喫煙者では、禁煙後
に体重が増加することなく、10 週間で禁煙できることがわかりました。
RIO‑Lipids スタディ(Rimonabant In Obesity:肥満におけるリモナバン)お
よび STRATUS‑US スタディ(STudies with Rimonabant And Tobacco USe:リモ
ナバンとたばこの使用に関するスタディ)の結果が、ニューオリンズで開催さ
れたアメリカ心臓病学会の年次会議で、3月9日、初めて科学界に発表されま
した。
ハーバード医科大学(The Harvard Medical School)の助教授であり、ボスト
ンの(The Brigham and Women's Hospital)の循環器科の内科医であるクリス・
キャノン(Dr. Chris Cannon)医学博士は、「肥満と喫煙は世界中で急速に蔓延
している危険な疾病であり、心血管疾患のリスク因子として知られる。さらに、
これらは、脂質代謝異常や糖尿病などの他の代謝リスク因子と併発する。今回
の結果を受けて、リモナバンがこれらの患者群の心血管リスク管理に対する重
要な治療剤となる可能性がある」と述べました。
これらのリスク因子に共通しているのは、これらがすべて、過剰に活性化され
た内因性カンナビノイド系(EC 系:Endocannabinoid System)、すなわち食物
摂取とエネルギー消費を調節して、エネルギーのバランスを維持する役割を果
たすと言われる、自然の生理系統と関係があると考えられる点です。また EC
系は、たばこ依存症とも関係していると考えられます。過体重/肥満、過食、お
よび脂肪蓄積は、EC 系の過剰活性と関連しており、慢性的なたばこの使用によ
ってこのバランスが崩れます。これによって、EC 系に見られる受容体、すなわ
ち脳や身体の他の部分(つまり、脂質やグルコースの代謝に関わる脂肪組織す
なわち「脂肪細胞」)に存在する CB1 受容体によって伝達される一連のシグナル
が発せられます。ACOMPLIA™は、CB1 受容体を選択的に阻害し、乱れた EC 系を
正常化するのを助けます。これにより、過体重/肥満者の場合は体重が減少し、
胴囲が減少、また脂質とグルコースの代謝が改善されると考えられます。喫煙
者の場合は、ACOMPLIA™により、禁煙後に体重が大幅に増加することなく禁煙で
きると考えられます。
RIO‑Lipids スタディの成果
複数のセンターで実施された国際的なプラセボ対照二重盲検比較試験である
RIO‑Lipids には、脂質代謝異常(高トリグリセリドや高い総コレステロール
/HDL コレステロール比)で体格指数(BMI:Body Mass Index)が 27〜40 kg/m2
の過体重/肥満患者 1,036 人が登録しました。患者を無作為に分け、1 年間、減
カロリー食を続けながら、ACOMPLIA™ 5 mg または 20 mg、あるいはプラセボを
定量投与しました。
体重は、プラセボ群のわずか 2.3 kg(5 ポンド)減に対し、1 年間リモナバン
を 1 日 20 mg 投与された患者群では 8.6 kg(約 20 ポンド)
減少しました(p<0.001)。
体重が 5%以上減少した患者の割合は、ACOMPLIA™ 5 mg の 41.8%(プラセボに対
して p = 0.002)およびプラセボ群の 27.6%に対し、ACOMPLIA™ 20 mg の投与を
受けた患者では 75%近く(プラセボに対して p<0.001)となりました。さらに、
体重が 10%以上減少した患者の割合は、ACOMPLIA™ 5 mg の 16.3%およびプラセ
ボ群の 10.3%に対し、1 年間 ACOMPLIA™ 20 mg による治療を受けた患者では 44.3%
(プラセボに対して p<0.001)となりました。RIO‑Lipids では、体重の減少に
加え、関連する重要な心血管リスク因子についての評価も行われました。リス
ク因子におけるすべての改善は、対照群と比較して統計的に有意でした。実際、
ベースライン時に代謝症候群1と診断された患者の数(52.9%)は、ACOMPLIA™ 20
mg による治療後に半減(25.8%)しました(プラセボに対して p<0.0001)。以下
に、リモナバン 20 mg に関するスタディの結果を示します。
1
代謝症候群とは、心臓病、脳卒中、および糖尿病を発症する可能性を高めるような健康リスクまたは健康状態の集合
を指します。ATP III の定義によると、これらの健康状態には以下の共通の特徴があります。以下の特徴を少なくとも
3 つ備えていること。腹部肥満:胴囲が、
男性>102 cm(40 インチ)、
女性>88 cm(35 インチ)。
高血圧:=130/85 mmHg。
高トリグリセリド血症:=150 mg/dl。低 HDL コレステロール:男性<40 mg/dl、女性<50mg/dl。空腹時血糖異常:
=110 mg/dl。プラセボ群の 4%減に対してリモナバン 20 mg(p<0.001)では、この優れたグルコース調節を実現する
ために身体が生成するインスリンの量が減少します(インスリン値は、プラセボ群の 2%増に対し、リモナバン 20 mg
ではベースライン時よりも 22%低下しました(p<0.001))
。
・リモナバン 20 mg による治療を 1 年間受けた患者(完了者)において、胴囲
が 9.1 cm(3.5 インチ)減少(プラセボに対して p<0.001)。
・完了者において、HDL コレステロールが平均して 23%増加(プラセボに対して
p<0.001)。
・完了者において、トリグリセリドが平均して 15%減少(プラセボに対して
p<0.001)。
・心血管リスクと関連性があるアテローム発生性のスモールデンス LDL 粒子の
割合が低下(プラセボに対して p=0.002)し、アテローム発生性が低い大型
の LDL 粒子の割合が増加(プラセボに対して p<0.001)、LDL 粒子サイズが良
い方向に変化。
・患者のサブ・グループにおいて、アディポネクチンとレプチンの濃度を測定。
1 年間の治療後、プラセボに対してリモナバン 20 mg 群では、ベースライン
時よりもアディポネクチン濃度が大幅に上昇(p=0.001)。また、1 年間の治
療後、プラセボに対してリモナバン 20 mg 群では、ベースライン時よりもレ
プチン濃度が大幅に低下(p<0.001)。
・心血管リスクを予見する重要な炎症マーカーである C 反応性タンパク質
(CRP:C Reactive Protein)は、プラセボ群の 11%減に対し、リモナバン 20
mg 群では 27%減少(p<0.01)。
・経口グルコース負荷試験時のグリセミック、およびインスリン反応で示され
るとおり、インスリン感受性が改善。2 時間にわたる試験において、リモナ
バン 20 mg の患者は、プラセボ群よりも効率的にグルコースを代謝し、血糖
は、ベースライン時よりも 9%低下。
・このスタディの患者群において、ACOMPLIA™は高い認容性を示しました。最も
一般的な副作用(主に軽度および一過性)は、嘔気(プラセボ、リモナバン
5 mg、リモナバン 20 mg について、それぞれ 3.2%、7.2%、12.7%)とめまい
(プラセボ、リモナバン 5 mg、リモナバン 20 mg について、それぞれ 6.7%、
8.4%、10.4%)でした。重要な点として、スタディでは、リモナバンにおいて
心血管上の安全の問題が発生せず、3 つのグループにおいて HAD(Hospital
Anxiety and Depression)尺度で測定した鬱度、および不安度に違いは見ら
れませんでした。副作用による中断率は、プラセボの 7%に対し、リモナバン
5 mg では 8.4%、リモナバン 20 mg では 15%でした。3 つのグループにおいて、
全体的な中断率に違いは見られませんでした(プラセボ、リモナバン 5 mg、
リモナバン 20 mg について、それぞれ 37.6%、39.9%、36.3%)。
RIO‑Lipids の主任研究員であり、ラヴァル大学(The Laval University)食品
科学・栄養・医学部(The Department of Food Sciences and Nutrition and
Medicine)教授およびカナダ・ケベック市のラヴァル・ホスピタル・センター
(The Laval Hospital Center)にあるケベック心臓研究所(The Quebec Heart
Institute)研究部長を務めるジャン・ピエール・デプレ(Dr. Jean‑Pierre
Despres)は、「このスタディにより、リモナバンが、心血管疾患の主要な独立
リスク因子として知られる腹部肥満を効果的に軽減することが示された。減量
には臨床上の意義があるが、このスタディで本当に注目すべき点は、胴囲、グ
ルコース値、脂質値などの関連する心血管リスク因子を改善する上で、リモナ
バンが大きな影響を与えたことである」と述べています。
STRATUS‑US スタディの成果
アメリカ全土 11 か所の治験施設で実施された、プラセボ対照二重盲検比較試験
である STRATUS‑US には、喫煙者 787 人が登録しました。スタディに登録した患
者は、平均して 1 日 23 本の紙巻きたばこを喫煙し、禁煙しようと考え、またそ
れまでに平均して 4 回禁煙に失敗していました。患者は、1 週間のカウンセリ
ング付きの 3 つの治療群(ACOMPLIA™ 5 mg、20 mg、またはプラセボ)に無作為
に割り当てられました。
患者は、10 週間にわたり治療を受けました。スタディの最初の 2 週間は、治療
を開始し、目標禁煙日を 15 日目に設定しながら、患者に喫煙が許可されました。
10 週間の治療期間の最後の 4 週間は、たばこを断っていたことが被験者から報
告され、このことは、呼気中の一酸化炭素濃度(=10 ppm)と主要なニコチン代
謝物である血漿中コチニン濃度(= 8 μg/L)によって確認されました。
スタディの結果によると、リモナバン 20 mg では、プラセボと比較して禁煙の
可能性が 2 倍に高まりました(p=0.002)。プラセボによる治療を受けた患者で
は 20.6%であったのに対し、ACOMPLIA™ 20 mg による治療を受けスタディを完了
した患者は 36.2%が禁煙しました。ACOMPLIA™ 5 mg による治療を受けた患者は、
20.2%が禁煙しました。プラセボの患者は 1.1kg(2.4 ポンド)体重が増加した
のに対し、ACOMPLIA™ 20 mg の患者は平均して 0.3 kg(半ポンド強)体重が減
少しました(p<0.001)。リモナバン 20 mg による治療を受けた場合、過体重/
肥満患者では体重が減少しましたが、通常体重の患者では減少しませんでした。
このスタディの患者群において、ACOMPLIA™は高い認容性を示しました。最も一
般的な副作用(主に軽度および一過性)は、嘔気(プラセボ、リモナバン 5 mg、
リモナバン 20 mg について、それぞれ 9.2%、8.8%、15.7%)と上気道感染症(プ
ラセボ、リモナバン 5 mg、リモナバン 20 mg について、それぞれ 5.7%、11.1%、
10%)でした。重要な点として、スタディでは、リモナバンにおいて心血管上の
安全の問題が発生せず、3 つのグループにおいて HAD 尺度で測定した鬱度およ
び不安度に違いは見られませんでした。副作用による中断率は、プラセボ、リ
モナバン 5 mg、リモナバン 20 mg について、それぞれ 3.8%、5.7%、6.9%でした。
リモナバン群とプラセボ群で、全体的な中断率に違いは見られませんでした(プ
ラセボ、リモナバン 5 mg、リモナバン 20 mg について、それぞれ 27.9%、31.2%、
28.2%)。
STRATUS‑US ス タ デ ィ の 主 任 研 究 員 で あ り 、 シ ン シ ナ テ ィ 医 科 大 学 ( The
University of Cincinnati College of Medicine)精神医学助教授であるロバ
ート・アンテネリ(Dr. Robert Anthenelli)医学博士は、「喫煙はやめること
ができる心疾患リスク因子の 1 つであるが、禁煙の助けとなる医薬品はほとん
どない。STRATUS‑US により、リモナバンには、体重増加の可能性を低減しなが
ら患者の禁煙を助ける上で非常に重要な独特の両面効果があることが示唆され
た」と述べました。
ACOMPLIA™(リモナバン)臨床開発プログラム
ACOMPLIA™に関するフェイズ III スタディには、2 件の臨床開発プログラムの一
環である 7 件の治験が含まれます。RIO スタディでは、世界中の過体重/肥満患
者 6,600 人以上が、肥満の管理(すなわち減量/体重管理、減量後の体重再増加
の防止、および糖尿病や脂質代謝異常などの肥満関連のリスク因子の改善)に
おける ACOMPLIA™の役割調査を目的とする 4 件の治験に登録しました。
RIO‑North America および RIO‑Europe は、2 年間にわたるスタディです。
RIO‑Lipids および RIODiabetes は、1 年間のスタディです。
STRATUS スタディでは、世界中で患者 6,500 人以上が 3 件のフェイズ III 試験
に登録しました。このスタディの目的は、長期的な禁煙、および禁煙に伴う体
重増加の防止における ACOMPLIA™の役割を調査することです。STRATUS‑US と
STRATUS‑EU は 10 週間のスタディであり、治療外で 42 週間の追跡調査が行われ
ます。STRATUS‑WW は 1 年間のスタディであり、治療外で 1 年間の追跡調査が行
われます。肥満および禁煙におけるリモナバンのフェイズ III スタディは、2004
年末に完了する予定です。製品は、まだ市販承認を受けていません。
今後の見通しに関する記述
このプレスリリースには、アメリカの 1995 年民間有価証券訴訟改正法でいう「先見的な説明」が含まれています。今後
の見通しに関する記述とは、実際の事実にあたらない記述です。これらの記述には、財務計画と予測、それらの根拠とな
る前提、計画に関する記述、目標、および将来の事業、製品とサービス、将来の実績についての記述に関する予測が含ま
れます。一般的に、今後の見通しに関する記述は、「予想」、「期待」、「見込み」、「予定」、「予測」などの表現によって識
別されます。サノフィ・サンテラボ社の経営陣はそのような今後の見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えま
すが、投資家は今後の見通しに関する情報と記述がさまざまなリスクと不確実性の影響を受けやすく、それらの多くが予
測困難であり、通常サノフィ・サンテラボ社が制御できず、そのために実際の結果と進展が今後の見通しに関する情報と
記述に含まれるか、または予測されたものとは実質的に異なる場合があることに注意してください。2003 年 6 月 25 日に
アメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した Form 20-F、
および 2003 年 4 月 23 日にフランス証券取引委員会(Commission
des Opérations de Bourse、現在はフランス金融市場庁(Autorité des Marchés Financiers))に提出した参考資料に記
載されたリスクや不確実性の中でも特に、下記の要因により、実際の結果が今後の見通しに関する記述に記載されたもの
とは実質的に異なる場合があります。サノフィ・サンテラボ社が、利益を上げながらアメリカにおけるプレゼンスを拡大
していく能力、サノフィ・サンテラボ社の研究開発プログラムの成功、サノフィ・サンテラボ社が知的所有権を守る能力、
特にアメリカおよびヨーロッパにおける医療費の償還や料金改正に由来するリスク。サノフィ・サンテラボ社が、利益を
上げながらアメリカにおけるプレゼンスを拡大していく能力、サノフィ・サンテラボ社の研究開発プログラムの成功、サ
ノフィ・サンテラボ社が知的所有権を守る能力、特にアメリカおよびヨーロッパにおける医療費の償還や料金改正に由来
するリスク。サノフィ・サンテラボ社が、
「先見的な説明」の見直しや更新をおこなう義務を負うものではありません。
投資家と有価証券保有者は、サノフィ・サンテラボ社がアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した Form 20-F と他
の文書の無料コピーを www.sec.gov から、フランス金融市場庁(Autorité des Marchés Financiers)に提出した参
考 資 料 の 無 料 コ ピ ー を www.amf-france.org か ら 、 あ る い は 直 接 サ ノ フ ィ ・ サ ン テ ラ ボ 社 の Web サ イ ト
(www.sanofi-synthelabo.com)から入手することができます。
このプレス・リリースに関するお問い合わせ先:
サノフィ・サンテラボ株式会社
コーポレイト・コミュニケーションズ / パブリック・リレーションズ・ジャパン
池浦 幹子
〒102−0094
東京都千代田区紀尾井町3−23 文藝春秋新館
電話:(03)5275−7128