西伯郡小学校教育研究会図画工作部 授業研究会 大山町立大山小学校

西伯郡小学校教育研究会図画工作部 授業研究会
大山町立大山小学校第4学年
図画工作科学習指導案
平成22年11月12日(金)5校時
1.題材名
あかりたちのゆめ
2.題材について
本題材は、ランプの明かりを美しく見せるために、ペットボトルなどの透明な素材に自分の思いで
色や飾りなどを工夫して施す内容である。わたしたちの身の回りには光を通したり、光を当てると影
を作ったりするなど様々な表情を見せる材料がたくさんある。児童は、そのような素材を組み合わせ
たり加工したりすることによって、光を当てたときに材料が見せる様々な美しさを楽しむことができ
ると考える。また、中学年の共通事項の感覚や活動を通して色やその組み合わせ方などを学ぶことの
できる内容であると考えこの題材を設定した。
本学級の児童の多くは、図工の時間を楽しみにしており意欲的に学習に取り組んでいる。菜の花の
絵を描いたときには、一つ一つの花びらの形をよく見てスケッチし、自分なりの色彩がでるよう絵の
具の混ぜ方を工夫して表現することができた。また、のこぎりを使った造形活動では、のこぎりを正
しく使って色々な大きさに木を切り想像をふくらませながら楽しんで好きな形を作り上げることがで
きた。しかし、児童の中には、自分なりのイメージを持つことが難しかったり、イメージに合う表現
方法を見つけたりすることが難しい児童もいる。
指導にあたっては、まず、子どもたちに様々なランプやランプの写真を見せ興味を持たせるととも
に自分も作ってみたいという製作意欲を高めさせるようにする。実物を見たり写真を見たりすること
によって自分のイメージを形に表すための方法を見つけ意欲的に取り組めると考える。また、光を当
てると美しく見える材料を集める期間を充分にとるようにしたい。児童の身近にある卵パックなどの
光を通す材料やアルミ箔などの光を反射させる材料、割り箸やレースなどの影を作る材料など色々な
材料を集めることによって児童の製作意欲が高まるようにする。そして、暗い部屋で集めた材料を紹
介し合う場を設ける。ここでの活動によって、材料に光を当てることによる反射の美しさ、光が透過
するときの美しさ、また、素材の持つ特徴による美しさを体験することで自分の作りたいランプのイ
メージをより深めていくとともにそれぞれの特徴を生かした工夫につながっていくようにする。また、
イメージや工夫を伝え合うことでそれぞれのよさを認め合うとともに素材の用い方や素材が持つ特徴
の活用法を知り次時の製作の意欲へとつなげていくようにしたい。ペットボトルを切る際に使うペッ
トボトルカッターやペットボトルに接着する時に使うホットメルトの使い方については、事前に指導
を行い安全面に十分配慮させるとともに、材料によって道具を変えることにも気づかせたい。
伝え合う力を育てるために、材料を選んだ理由や自分の表したいことや工夫したことを友達と交流
する場を設ける。友達の考えを聞いたり、自分のイメージを伝え合ったりすることで自分が思いつか
なかった発想や友達の表現のよさに気づかせるようにしたい。
3.題材目標
○ランプの明かりから想像を広げ、より美しく見えるための関心を持つ。(関心・意欲・態度)
○材料や色の組み合わせを考え、試しながら想像を広げる。(発想や構想の能力)
○光を通すとどのように見えるか工夫し、構想や図柄を意識して表現する。(創造的な技能)
○自他のよさを認め合い、また集合することで生まれる効果を味わう。(鑑賞の能力)
4.評価規準
関心・意欲・態度
発想や構想の能力
明かりに関心を持ち、
明かりの効果を考え
創造的な技能
明かりと他の材料と
鑑賞の能力
明かりを使った作品
明かりの効果を考えな ながら材料やつくり方 の関係を考えてつくり で、友達と協力して作
がら材料と関わり、楽 を工夫して、つくりた 方を工夫し、感性を働 り上げた環境を楽しん
しんでつくろうとする。いものを発想している。かせて形にしている。
でいる。
5.指導計画(全5時間)
次
時
主な学習活動
評価規準と評価方法
○色々なランプやランプの写真を見 【 関 】 色 々 な ラ ン プ の 写 真 を 見 て 自 分 な り の ラ
1
1
て ラ ン プ に つ い て の イ メ ー ジ を 持 ンプについてのイメージを持つ。
つ。
(発言・観察)
2
○色々な材料に光を当て、どのよう 【 関 】 光 を 通 す と 美 し く 見 え る 材 料 に ラ イ ト を
な見え方をするのか試す。
当て試してみる活動に意欲的に取り組んでいる。
(発言・観察)
○思いついたことから、作ってみた 【 発 】 材 料 の 特 徴 を 生 か し な が ら 自 分 の 作 っ て
いランプを想像し、カードにかく。
みたいランプを見つけたり考えたりしている。
(発言・カード)
3
○準備した材料の中からイメージに 【 発 】 ラ ン プ の 明 か り が 美 し く 見 え る よ う 、 材
合うものを選んだり、表現方法を試 料 の 形 や 色 、 組 み 合 わ せ 方 な ど を 試 し な が ら 考
したりしながら、作りたいものを考 えている。
2
(造形活動観察)
え出す。
4
○明かりが美しく見えるよう材料の 【 技 】 作 り た い も の に 対 し て 、 形 や 色 、 材 料 の
本
組み合わせ方を工夫してランプを作 組 み 合 わ せ 方 な ど 、 イ メ ー ジ に あ っ た 表 現 方 法
時
る。
を工夫している。
(造形活動観察)
○友達の作品を見合って色々な表現 【 鑑 】 暗 い 部 屋 で ラ ン プ に 明 か り を つ け て 楽 し
3
5
を味わう。
み、自分や友達の作品のおもしろさに気づいて
いる。
(発表、カード)
6.本時の学習
(1)本時目標
○明かりが美しく見えるように、材料を選んだり組み合わせ方を工夫したりしてランプをつく
る。(創造的な技能)
(2)準備
教師:光を通したり、反射したりする材料、ホットメルト、トレーシングボード
児童:光を通したり、反射したりする材料、はさみ、
(3)学習過程
学
1
習
活
動
本時の課題をつかむ。
教師の働きかけと支援(◎評価)
・光を通したり反射したりする材料をトレーシ
ングボードの光に当てることによって児童の興
味を高めるようにする。
明かりが美しく見えるように工夫してランプをつくろう。
2
製作への見通しを持つ。
・形や色、材料の組み合わせへのイメージが広
・ランプの光の見え方が美しく見えるよう工 がるよう参考作品や友達の作品の表現方法を紹
夫したところを二人組で話し合う。
3
介する。〔伝え合う力の育成〕
ランプが美しく見えるよう材料を選び、よ ・相談室を暗くし、光を当てながら材料を選ん
り 効 果 的 な 表 現 方 法 を 試 し な が ら 、 自 分 の イ メ だり色の組み合わせを確かめたりするよう促す。
ージにあった表現方法を見つける。
・ペットボトルを切断する際に刃物の使い方に
○色セロファンを重ねてつけるときれいだな。配慮する。
○ペットボトルに青いマジックで色をぬると ◎形や色、材料の組み合わせ方など表現方法を
青い明かりになるね。
工夫してランプを作っている。(造形活動観察)
○エアマットをはるとおもしろい影ができる ・イメージが広がらない児童に対しては、発想
ね。
のきっかけとなるよう他の児童の活動を紹介し
○ ランプを入れるとどう見えるのか試してみ た り ト レ ー シ ン グ ボ ー ド に 児 童 の 持 っ て き た 材
よう。
料を映して試させたりすることで製作の意欲が
高まるようにする。
・材料の組み合わせ方を工夫している児童を誉
め、他の児童に紹介していく。
4
本時の学習をふり返り、次時の学習への見 ・友達の工夫や自分のがんばりをふり返ること
通しを持つ。
で、次時の学習の意欲につながるようにする。