知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

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大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2166 号 2014.10.23 発行
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高齢者虐待の実態
昔の仕返し、介護ストレス、失禁の罰…息子によるものが 4 割
ビジネスジャーナル 2014 年 10 月 22 日
文=チーム・ヘルスプレス
虐待は半数近くが実の息子から
(Shutterstock.com)
親の介護がまだまだ先だと思っている世
代には縁遠いかと思われる高齢者への虐待
問題。しかし、どっぷり高齢社会を迎えた
日本では、今後ますます増加すると予想さ
れている。すでに 2006 年には「高齢者虐待
の防止、高齢者の養護者に対する支援等に
関する法律」
、通称「高齢者虐待防止法」が
施行された。つまり、法律をつくってまで
防止に努めなければならないほど、高齢者への虐待が多いということだ。
特別養護老人ホームなどの高齢者施設で、職員による虐待をマスコミが取り上げる例も
さほど珍しいことではなくなった。入所している高齢者が爪をはがされたり、熱湯をかけ
られたり、暴言を吐かれたり……これは複数のスタッフが勤務する施設だから見つかった
ということでもある。
これに対し、虐待が見つけづらいのは在宅介護。特に、訪問介護・通所介護などの介護
保険サービスを使っていない場合は、家族以外の目が高齢者に向けられることはきわめて
少ないからだ。
家族からの虐待といえば、長年の恨みが募った長男の嫁から受ける……という昭和のテ
レビドラマ的な発想はすでに古いものとなり、実の息子や娘から虐待されるのが現代の介
護の実態だ。
●暴力だけではない、高齢者への虐待
一概に「虐待」といっても、激しい暴力だけが虐待ではない。殴る蹴るといった身体的
虐待のほか、言葉による脅しや侮辱などの心理的虐待、下半身を触るなどの性的虐待、本
人の了解なしにお金を使う、本人が使いたいのに制限するなどの経済的虐待、そして、必
要な世話をしないなどの介護等放棄がある。
平成 24 年度の厚生労働省の調査によると、養護者による高齢者虐待を受けた人数は 1 万
5627 人。そのうち身体的虐待が 65%を占め、次いで 40.4%が心理的虐待、経済的虐待
(23.5%)
、介護等放棄(23.4%)と続く。そして、生命や身体、生活について重大な危険
であるとされる虐待は 1551 人(9.9%)にも及んでいる。
しかし、これはあくまで訪問ヘルパーなどからの通報で発覚し、表面化した数字だ。介
護保険サービスを使わず、家族だけで高齢者を介護している場合は、高齢者に痣ができよ
うが、排泄物にまみれていようが、公になることは少ないのだ。まして、存在そのものを
無視するような心理的虐待は、他人が家に入ったとしても表面化しにくいだろう。
●息子が親を虐待する、その理由とは?
先の厚労省の調査では、高齢者に認知症がある場合に虐待の深刻度が重くなるという傾
向が現れている。そして最も多いのは息子からの虐待(41.6%)で、2 人だけで暮らしてい
る場合が特に危ないという。40~59 歳の働き盛りの年齢が多い。男性の場合、
「他人に弱み
を見せたくない」との思いから、ヘルパーを家に入れることを拒むことが少なくないのだ
そうだ。また、それまでいたビジネスの世界と違い予定通りに進まない介護にイライラが
募り、爆発してしまうことも。
虐待に至る理由はさまざまだ。子ども時代に虐待された報復として、というのは少数派
かもしれない。例えば、厳格な父に育てられた息子が、認知症によって変わって行く父親
を見るのが堪え難くなったという場合もある。「言うことを聞かない」「何度も同じことを
言う」などの言動からストレスが高じることも少なくない。失禁してしまった親に罰を与
える意味で、着替えをさせずに下着が濡れたままにしておくといった例もある。
また、親の介護のために会社を辞めたり、家族と離れて暮らさざるを得なくなったりす
るなど、「不本意なことをさせられた」「親のせいで将来が見えなくなった」などの閉塞感
もある。男性の場合は、慣れない家事をこなさなくてはならないこともストレスになるの
だろう。
養護者による虐待から死に至った例(つまり殺人)は、平成 24 年度で 27 人となってい
る。
●自分の親を虐待しないで済む方法
実の親への虐待は、決して他山の石ではない。今のところ親が元気でも、いつ何が起こ
るかわからないのが現代だ。交通事故や脳卒中などは、突然介護が必要になる代表選手で
あり、絶対にウチの親には起こらないと断言できるものではない。親の介護が必要になっ
た時に、自分が親に虐待しないで済むにはどうすればいいのか。
そのポイントは、自分だけ、あるいは家族だけで親をみるのではなく、多くの人にかか
わってもらうことだ。在宅なら、介護スタッフはもちろん、兄弟姉妹、親戚、友人を巻き
込んでシフトを組み、チームで対応する。あるいは、お金がかかるとしても、思い切って
有料老人ホームなどの高齢者施設に入ってもらうという選択肢もある。
在宅でも施設でも、介護にはお金がかかるもの。遠距離介護ならなおさらだ。親の介護
もそうだが、自分が介護される立場になった時に、先立つものはお金である。そのために
も、何があっても仕事を辞めず、収入の道を確保した上でできる介護のかたちを探すべき
だ。
新ライブ拠点、12月全面開業
釧路ナバナホール 500人以上収容
北海道新聞 2014 年 10 月 22 日
港町かもめホールの空きスペースを改装して12月に
全面開業する釧路ナバナホール。19日にはプレイベン
トが開かれた
【釧路】釧路市内の港町かもめホール(入舟
4)に12月6日、音楽イベントなどが行える
「釧路ナバナホール」が全面開業する。かつて
倉庫だった3階を釧路市内のダンススタジオが
改装して運営、新たなライブスポットの誕生に
期待が高まる。
釧路市内のダンス教室「ナバナダンススタジ
オ」
(北野志保理代表)が昨年、建物を所有する
北武総業(札幌)から間借りする形で約1千万円をかけ改装した。約760平方メートル
の500人以上を収容できるホールで、照明や音響設備も完備。昨年4月からはダンス練
習場として使っている。
釧路の音楽文化向上を狙い、出演者と同スタジオが打ち合わせを重ねてライブイベント
を作り上げる方式で、単なるコンサート会場としての貸し出しはしない。プレオープンと
して11月24日、人気ロックバンド「ザ・クロマニヨンズ」のライブが予定されており、
イベント制作会社との打ち合わせが進んでいる。
釧路市内では1月に音楽イベントの中心的存在だったジャズ喫茶「ジス・イズ」が閉店。
さらに「バーBROS」
(北大通4)が10月31日に閉店することが決まっており、ナバ
ナホールの全面開業は明るい話題だ。北野代表は「釧路川近くで景観が良く文化の発信拠
点にしたい。閉店するライブ会場を引き継ぐ役割も担っていければ」と話した。
港町かもめホールの建物は1960年ごろに製氷工場として建てられた。97年からは
地ビールの「くしろ港町ビール」工場として使われたが、わずか10年で廃業。現在は1
階に海産物を中心とした販売店があり、2階は障害者の就労を支援する企業組合が運営す
る「くしろ夕日カフェ」が入居している。ナバナホールの問い合わせは(電)090・1
308・0343へ。
(斉藤直史)
「いじめゼロ」標語不適切で変更…鳥取
読売新聞 2014 年 10 月 22 日
いじめ対策の一環で考
案されたクリアファイ
ルの原案
文言変更された後のク
リアファイル
いじめ対策の標語
として「いじめゼロ」
は不適切とし、鳥取
県教委などが県内2
43校の小中高生ら
全員に配るクリアフ
ァイルの文言を変更
した。
教員らが件数ゼロ
を意識して報告をた
めらい、子どもへの
適切なフォローを損
なう可能性があると
の懸念が出たため。同教委は「いじめの早期発見につながるようなメッセージに変えた」
と話している。
クリアファイル(A4判)は、同教委が専門家らとつくる「県いじめ問題対策連絡協議
会」が、国や県のいじめ相談電話やメールアドレスなどを子どもたちに知ってもらおうと
6万8000枚制作。当初は「みんなの力でいじめゼロ!」「そんな勇気、私たちも応援し
ます」とする予定だった。
しかし、委員の一人で、子どものいじめ問題に詳しい県医師会の長石純一医師が「具体
的な数値を出すと、その数値に近づけた人が評価される」と懸念を示し、
「笑顔でつながる」
「みつめようじぶんの・こ・こ・ろ・ みつけようあいての・き・も・ち・」に見直され
た。
文部科学省によると、県内の小中学校、高校などのいじめ認知件数は、2012年度に
前年度比4倍以上の313件に急増。13年度は157件と半分以下に減った。12年度
の急増については、10年10月に大津市立中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した
ことが翌年に社会問題化し、文科省が軽微な事案も報告するよう通達を出したことも影響
している可能性があるという。
数値目標を巡っては、街頭犯罪発生数ワースト1返上を掲げた大阪府警で、統計が操作
される事案も発生した。関西学院大教育学部の中村豊教授(教育学)は「ゼロという数を
突きつけられると現場は萎縮する。いじめの根絶は難しく、早期発見、早期対応が最も重
要。今回の議論は興味深い」と話している。(高山智仁)
NHK ニュース 2014 年 10 月 23 日
公立の小学校で導入されている35人
学級について財務省は、いじめや不登校な
どで目立った改善が認められないとして、
40人学級へ戻すよう見直しを求める方
針です。
これに対し文部科学省は、教育の質の向
上などにきめ細かい指導体制が欠かせな
いとしていて、年末の予算案の編成で難航
も予想されます。
公立小学校の35人学級は、入学直後にきめ細かな指導をするため、平成23年度から
1年生の児童を対象に導入されています。
その効果について財務省が検証した結果、1年生とほかの学年を比べたいじめや不登校
の発生割合は、導入前の5年間の平均で、いじめが10.6%、不登校が4.7%だった
のに対し、導入後の2年間は、いじめが11.2%、不登校が4.5%となり、目立った
改善がみられないとしています。
そのうえで、従来の40人学級に戻した場合、必要な教職員の数はおよそ4000人減
り、国の負担はおよそ86億円減らせると試算しています。
財務省は、厳しい財政事情のなかでは40人学級に戻すべきだとして、今月27日に開
かれる財政制度等審議会にこうした見直しの案を示すことにしています。
これに対し文部科学省は、教育の質の向上などに35人学級のようなきめ細かい指導体
制が欠かせないとしていて、年末に向けた来年度予算案の編成過程で難航することも予想
されます。
財務省 35人学級を40人に戻すべき
エボラ熱:封じ込めへ感染症病棟を公開
東京都立墨東病院
毎日新聞
2014 年 10 月 22 日
報道陣に公開された、エボラ出血熱などの感染症患者を
受け入れる病室。患者は感染対策のため、ビニールで覆
われ空気清浄機がついたストレッチャーで運ばれる=東
京都墨田区の都立墨東病院で2014年10月22日、
徳野仁子撮影
エボラ出血熱など危険性の高い「1類感染症」
の指定医療機関になっている東京都立墨東病院
(墨田区)は22日、エボラ熱が疑われる患者を
受け入れる感染症病棟を報道陣に公開した。
1類感染症に対応できる医療機関は全国45
カ所、計92床あり、墨東病院には2床が整備されている。病棟内では、全ての医療従事
者が肌を露出しない防護服を着用し、患者が使うストレッチャーはビニールで覆われ、空
気清浄機が付いていた。
病室内の空気はウイルスを除去するフィルターを通って排出され、トイレの水も消毒し
てから捨てる。ウイルスなどの漏えいを防ぐため、病室内の気圧は外部より低くなってい
る。
同病院は毎月、担当看護師らが防護服の着脱訓練を実施。今後、エボラ熱の国内発生に
備えてマニュアルの見直しも検討する。
【清水健二】
エボラ感染「ずれた眼鏡を上げた時に」
回復の看護師
マドリード=渡辺志帆
朝日新聞 2014 年 10 月 23 日
記者会見でエボラ出血熱に感染した当時の状況を身ぶりを
交えて語るギニア人看護師パシエンシア・メルガルさん=
20日、マドリード市内の病院、渡辺志帆撮影
西アフリカのリベリアで患者の手当て中にエボ
ラ出血熱に感染し、その後、現地で回復したギニ
ア人の女性看護師が20日、滞在中のスペインで
会見し、自ら感染した経緯や感染拡大の背景につ
いて語った。
スペインに本部を置くカトリック系団体のシス
ターでもある看護師パシエンシア・メルガルさん
(47)は、リベリアの首都モンロビアの病院で
エボラ患者の手当てに従事していた8月、自らも
感染・発症した。
この病院では7月以降、エボラ患者が急増。メ
ルガルさんは、高い気温の中で患者の手当て中、
汗でずり落ちてきた眼鏡を押し上げようと、手袋
をした手で顔に触れた。「あのとき目や鼻から感染
したと思う。当時は看護師も患者に直接触れてはいけないという程度の知識しかなく、身
を守ろうにも十分な装備がなかった」と振り返った。
認知症、初の当事者団体発足…支援策を提案
読売新聞 2014 年 10 月 18 日
認知症があっても希望を持って暮らせる社会を目指し、認知症の本人が政策提言などを
行う国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」が今月発足した。
認知症と診断された本人の視点から必要な支援策を提案するほか、診断された後もより
よく生きるための情報提供、認知症への正しい理解を広げる啓発活動などを行う。
メンバーは、認知症と診断された約10人。代表は、認知症に関する講演活動などを続
ける鳥取県の藤田和子さん(53)
、埼玉県の佐藤雅彦さん(60)、神奈川県の中村成信
さん(64)の3人が共同で務める。今後、認知症と診断された人の参加を募る。参加資
格を認知症の本人に限り、政策提言などを目的とした団体は、
「これまで例はないのではな
いか」
(厚生労働省)という。活動に賛同した医師や介護関係者、行政職員らが運営を支援
する。
訪問介護の利用料、集合住宅は下げ 厚労省が検討
日本経済新聞 2014 年 10 月 22 日
厚生労働省は介護利用者の自宅を訪問するサービスで、マンションや高齢者向けの集合
住宅を訪れる場合の利用料の引き下げを検討する。来年4月から実施を目指す。集合住宅
への訪問介護は、戸建てを巡る訪問介護に比べコストが少ないのに、料金が同じなのは不
公平だと判断した。利用者の支払いは軽くなる一方、事業者は収入が減る。
22 日に開いた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護給付費分科会で提案した。介
護サービスの料金は利用者が1割を負担し、残りは税金と保険料で賄われ、事業者が報酬
として受け取る。厚労省は3年に1度となる介護報酬の見直しを進めており、引き下げの
額は年明け以降に決める。
厚労省の案では、24 時間対応で訪問する定期巡回サービスについて、集合住宅の場合は
料金を減らすよう調整する「減算」措置をとる。訪問介護のほか利用者の通いや宿泊も受
け入れる多機能型のサービスでは、事業所と同じ建物に住む利用者を訪ねる場合の料金を、
より低い額に設定する。
厚労省の調べでは 24 時間巡回の事業所のうち集合住宅向けの約4割で、職員1人あたり
の1日の移動時間が1時間未満だ。低コストの集合住宅向けにサービス提供が偏り、戸建
て居住者が利用しにくくなるのを防ぐ。
厚労省は併せて、サービスの基準緩和も検討する。24 時間巡回では電話対応の拠点集約
を認め、多機能サービスでも職員の他の仕事との兼務や、定員を 25 人から 29 人へ増やす
ことで効率を高めやすくする。事業者の新規参入を促す。
特養でほろ酔い笑顔
広まる「居酒屋」の日
朝日新聞 2014 年 10 月 23 日
「かんぱーい」
。
好きなお酒を飲
みながら、談笑す
る入居者=横浜
市保土ケ谷区
高齢者が介
護を受けなが
ら生活する特
別養護老人ホ
ーム(特養)で、
定期的に開く
「居酒屋」が人気を集めている。自宅にいたころ晩酌が楽
しみだった人にとっては、入居前の日常を一時的に取り戻
せる場だ。笑顔が増え、機能の回復にもつながっている。
社説:後期高齢者医療 過剰な保険料軽減はやめよう
読売新聞 2014 年 10 月 23 日
超高齢社会で社会保障制度を維持していくためには、高齢者にも応分の負担をしてもら
うことが欠かせない。
75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度で、厚生労働省が、低所得者などの保険料
負担を本来より軽減している特例を見直す方針を示した。2016年度にも実施する考え
だ。
低所得者については、保険料の中で全員が払う「均等割」を最大7割軽減するのが、本
来のルールだ。特例では、これを最大で9割軽減としている。
75歳になるまで、家族が入る医療保険の被扶養者だった人にも特例がある。本来、2
年間に限り5割軽減される均等割が、無期限で9割軽減となっている。
特例の対象者は865万人に上り、全加入者の過半数を占める。うち485万人は9割
軽減で、保険料額は全国平均で月370円と極めて低い。特例には今年度予算で811億
円が投じられた。
75歳未満の無職や自営業の人が加入する国民健康保険より、格段に手厚い軽減策であ
る。被扶養者だった人には低所得者に該当しないケースも多い。公平性の観点から、厚労
省が特例の廃止を打ち出したのは、もっともだ。
08年に後期高齢者医療制度が創設された際、民主党などが「うば捨て山」と非難した
ため、自公政権は高齢者の反発をかわそうと、特例を導入した。
後期高齢者医療制度の目的は費用負担ルールの明確化だった。的外れの批判で、制度が
「政争の具」とされた末の産物が特例だ。
75歳以上の医療費は、5割が税金、4割が主に現役世代が加入する医療保険制度から
の支援金で賄われている。高齢化に伴う医療費の膨張で、赤字に陥る健保組合が続出して
いる。現役世代の負担感は強まる一方だ。
支える側の納得がなければ、制度は維持できない。年齢で区別せず、支払い能力に応じ
て負担する方式に転換するのが、社会保障制度改革の大きな流れである。
高齢者の生活に配慮し、特例廃止は段階的に進めるべきだ。消費増税や年金の給付抑制
で、高齢世帯の家計は厳しさを増そう。政府には丁寧な説明が求められる。
特例を廃止しても、現役世代との不公平感は残る。
高齢者には、サラリーマンの給与所得控除より手厚い公的年金等控除があり、保険料算
定のベースとなる所得が少なくなる。遺族年金は所得に計上されない。これらの見直しも、
今後の課題だ。
社説:認定こども園―減収の不安をなくせ
朝日新聞 2014 年 10 月 23 日
働く親にとって、保育所は仕事を辞めれば子どもを預けることができず、幼稚園は長時
間預けるのが難しい。2006年にできた「認定こども園」なら、親の働き方に関係なく
子どもを通わせることができる。
その認定こども園で、認定を返上する動きが出ている。来年度から始まる新制度で、大
幅な減収が見込まれるためだ。定員割れが増えている幼稚園が認定こども園として保育も
担えば、全国に2万人以上いる待機児童の減少にもつながる。国は減収を防ぐ対策を急ぐ
べきだ。
認定こども園は、今年4月時点で全国に1359カ所ある。文部科学省所管の幼稚園と
厚生労働省所管の保育所の二本立てで運営してきた制度を来年度から改め、内閣府で全体
を所管する。これに伴い、補助金の出し方も変える。幼稚園部分に出している私学助成の
主立った費用を、園児1人あたりの単価をベースに計算する補助金に置き換え、現在の保
育所補助金のような支給方法に一本化する。
大規模な園は、例えば人件費を園児1人あたりで計算すれば小規模園より少額にできる、
との考え方から、補助単価を低く設定している。私学助成は都道府県ごとの差が大きい。
来年度から全国一律に新方式の補助になると、大規模園や私学助成が手厚かったところ
で減収になる可能性があるという。
7月に国が実施した調査では約1割の認定こども園が認定を返上するとの意向を回答。
全国認定こども園協会には「減収になるから認定返上せざるをえない」との声が寄せられ
ている。国会質問でも、減収による認定返上への懸念が指摘された。
仕組みが大きく変わる際には、十分な事前説明が不可欠であり、経過措置も必要だろう。
しかも、今回は率先して新たな取り組みに乗り出していた園が不利益を被りかねない状況
だ。
国は、こども園側が試算の方法を間違えて「減収になる」と誤解しているケースもある
とみているが、誤解の解消も含めて丁寧な対応が欠かせない。
新制度の財源は、消費税を10%に引き上げた時点で7千億円があてられる。それでも
新制度で必要と見込む1兆円超には届かず、別途3千億円超を確保しなければいけない。
そこに生じた今回の事態。補助金の設計に見通しの甘さがあった面は、否めない。
新制度開始まで半年を切り、来年春の園児募集も始まりつつある。まずはこの混乱を収
拾するべきだ。その最も大きな責任は制度を切り替える国にある。
映画「うまれる ずっと、いっしょ。
」
3組の家族のあり方追う
中日新聞 2014 年 10 月 21 日
家族の生と死を描いたドキュメンタリー映画「うまれる ずっと、いっしょ。
」が11月
22日から、東京・銀座を皮切りに全国で公開される。口コミや自主上映で広がった前作
「うまれる」から4年。監督の豪田トモさん(41)、プロデューサーの牛山朋子さん(4
2)夫妻は自分自身にも向き合いながら、続編を手掛けた。映画によって「私たちの家族
もうまれた」と語る、その思いを聞いた。(発
知恵理子)
「映画を作ったことで、家族になれた」と語る牛山朋
子プロデューサー(左)と豪田トモ監督=東京都内で
最愛の妻を亡くした男性、血のつながりのな
い父と息子、重い障がいがある子を育てる夫婦
…。映画には3組の家族が登場する。前作同様、
映画の公式ホームページから出演者を募集し、
撮影を開始。「いのちは家族によってつながっ
ていく」というテーマで、一つの作品にまとめ
上げた。
豪田さんは父親になったのを機に、本作に取
り組んだ。4年前に誕生をテーマにした前作が公開され、その10日後に長女が生まれた。
長年、両親との不和から、家族をつくることに不安を抱えていたが、映画作りを通じて関
係を改善できたという。
今度は「娘が生まれ、率直にいい父親になりたい。家族と幸せに一生を過ごしたいと思
った。でも簡単ではないとすぐに気付いた」と振り返る。風呂におむつの交換、トイレト
レーニング…。育児は次々に降り掛かり、振り回されることも。そんな中で「まずは大上
段から考えて、子育てとはわが子が生きる手助けをすること」と定義した。
「生きることは死へ向かう旅路。親が明確な死生観を持てば、子に生きることを教えら
れ、細かい子育ての悩みはなくなるのではないか」と豪田さん。
「作品は家族とは、父親と
は、幸せとは、というさまざまな不安、責任、そして希望を追い掛けた僕自身の心の記憶」
と語る。
映画「うまれるずっと、いっしょ。
」の一場面
製作中、牛山さんの父親が急逝。残された
母親は、妻を亡くした男性と境遇が重なった。
「両親は仲の良い夫婦だったので母の悲しみ
はすごかった。想像を超えるものがあった」
男性はカメラの前で胸の内を語り、涙を流
し、次第に生きる気力を取り戻していく。牛
山さんは「母と同じようなタイミングで、同
じような後悔の言葉を語る。話を聞くことで
少しずつ元気になる姿を見て、母を支えるヒ
ントや力をいただけた」。大切な人を失った悲
しみを癒やし、日常生活に戻る道筋「グリーフプロセス」を追い、必要性を問い掛けた。
豪田さんは今後も「うまれる」シリーズを作り続けるという。臓器移
植や小児医療など題材はいくらでもある。命、家族、絆というテーマで
定期的、継続的に映画を出し、社会貢献ができれば」と話していた。
映画は中部地方でも順次公開の予定(時期未定)。ユナイテッドシネマ
豊橋18(愛知県豊橋市)では来年1月17日から上映予定。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行