知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2026 号 2014.7.26 発行
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来年度予算案 概算要求基準を閣議了解
NHK ニュース 2014 年 7 月 25 日
政府は25日、来年度予算案の概算要求基準を閣議了解し、予算案の編成にあたっては
費用の抑制に努めたうえで、各省庁から最大でおよそ4兆円の要求を別枠で受け付け、成
長戦略につながる政策を重点的に進めるとしています。
政府は25日の閣議で来年度予算案の編成にあたって、各省庁が予算を要求する際の基
準=概算要求基準を了解しました。
それによりますと、厳しい財政事情を考慮し、
「裁量的経費」と呼ばれる公共事業などに
充てる費用の要求を今年度と比べ10%低く抑えるとしています。
また、年金や医療など社会保障にかかる費用も、今年度と比べて8300億円の増額は
認めるものの、合理化と効率化に最大限取り組むとしています。
そのうえで、
「優先課題推進枠」として各省庁から最大4兆円の要求を受け付ける枠を設
けて、少子化対策や地域の活性化策など成長戦略に盛り込まれた政策を重点的に進めると
しています。
一方、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げは年内に判断するとさ
れているため今の時点では税収がはっきりしないとして、歳出総額の上限は去年に続いて
設けられていません。
安倍総理大臣は閣議に先立って開かれた経済財政諮問会議で、
「今後、この概算要求基準
を踏まえ、経済再生と財政健全化を両立するメリハリのついた平成27年度予算とするよ
う、政府を挙げて取り組んでいく」と述べました。
一方、経済財政諮問会議では、内閣府が消費税率を10%に引き上げることを前提に行
った中長期の財政状況の試算を示しました。
それによりますと、財政健全化の指標とされている「基礎的財政収支」は、来年度、1
6兆1000億円の赤字となり、2010年度に比べて赤字を半減するという目標は達成
できるものの、2020年度も11兆円の赤字と、黒字化の目標は達成できないと見込ん
でおり、政府には歳入・歳出両面で財政健全化に向けた一段の取り組みが求められる内容
になっています。
「なすっこ踊隊」に初のオリジナル曲プレゼント 埼玉の森さん
下野新聞 2014 年 7 月 25 日
【那須塩原】交通事故のため 16 歳で車いす生活となり 24 歳でCDデビューした埼玉県
熊谷市在住のシンガー・ソングライター森圭一郎さん(36)が、主に那須塩原市内の障害
児者と家族らでつくるよさこいグループ「なすっこ踊隊」にオリジナル曲「太陽のように」
をプレゼントした。
地域で元気に活動するメンバーたちを優しく勇気付ける、ゆったりとしたポップナンバ
ーだ。代表の片桐典子さん(56)は「まさに太陽のように、私たちの活動に光を当ててく
れた」と喜んでいる。
なすっこは市心身障害児者父母の会(本沢恵美子会長)の会員らが中心となり、201
2年に結成。現在は小学6年生から 60 代まで 33 人が所属する。なすっこは今後この曲に
ふさわしい振り付けを考え、ステージで発表するという。
森さんは市内に毎年ライブで訪れている。その際、交流
のある本沢さんから楽曲の提供を求められ「発足間もない
なすっこの力になれれば」と快諾した。練習の様子を見学
するなどして構想を練り、曲は9割方完成。19 日にデモテ
ープを持参し、なすっこの練習拠点の一つである市いきい
きふれあいセンターを訪れた。
これまで既存のよさこいソングで踊りを披露してきたな
すっこ。振り付けの完成はしばらく先になりそうだが、初のオリジナル曲に本沢さんは「私
たちと森さんの思いを共有した振り付けで、どんどん地域の中で発表する機会をつくって
いきたい」と話していた。
犯罪や事故の「被害者ノート」 遺族らが裁判や給付金手続きアドバイス
読売新聞 2014 年 7 月 24 日
被害者ノートを作成した小沢さん(中央)と近藤さん(右)
犯罪や事故の被害者や遺族が、自らの体験を生かし、
「被害者ノート」を作成した。被害者や遺族はどうした
らいいか、わかりやすくまとめられている。
発案したのは、埼玉県東松山市の小沢樹里さん(33)。
2008年に、飲酒運転の乗用車に衝突されて、夫の両
親を亡くした。小沢さんは、逮捕から裁判までの流れが
わからず、加害者が罰せられるのかどうか不安に思ったという。体調も悪くなり、被害者
相談窓口の連絡先を探すのもつらかった。
小沢さんは、
「被害者が必要な情報を得られるようにできないか」と考え、商社員の夫を
業務上のトラブルで殺害された東京都中野区議の近藤さえ子さん(53)に相談。12年
に、ストーカーや婦女暴行の被害者もまじえた約30人で「途切れない支援を被害者と考
える会」
(東京)を結成し、ノート作りを始めた。
会員それぞれが、犯罪被害の後でつけていた記録を持ち寄り、当時知りたかった情報や
必要な手続きを選び出したという。
「事情聴取で『言っていることが前回と違う』と言われないように頭の整理を」
「加害者
側のペースでものごとを運ばれないように、早い段階で弁護士に相談する」など、体験に
基づくアドバイスが掲載されている。
国が遺族や被害者に支給する「犯罪被害者等給付金」の申請など、必要な手続きも一覧
にまとめた。支援者の名刺を貼り付けたり、警察への説明用に家族関係の図を書き込んだ
りできるように余白も取った。
小沢さんは、
「突然、非常事態に放り込まれるのが犯罪の被害者だ。このノートを、日常
生活を取り戻すために役立ててほしい」と話している。
100ページ。初版は220部で、犯罪の被害者には無償で郵送する。また、増刷のた
めの助成金や寄付金も募集中。問い合わせは同会にメール([email protected])
で。
厚労省、介護予防で手帳を導入へ 効率的なケアに
共同通信 2014 年 7 月 24 日
厚生労働省は24日、高齢者の心身の状況や必要なサービスなどを一元的に管理する「介
護予防手帳(仮称)
」を導入することを明らかにした。自らの健康管理に役立てるほか、介
護サービス業者などが状況に応じて適切なサービスを提供するのにも活用できる。生まれ
てくる赤ちゃんと母親の健康情報を記載する母子健康手帳を参考に、介護予防手帳を使っ
て一貫性のある効率的なケアにつなげる考えだ。
2015年度から「要支援1、2」の人の訪問介護と通所介護を市町村の事業に移すた
め、厚労省がまとめたガイドライン案の中で導入方針を示す。
虐待や行方不明者の初動対応強化
NHK ニュース 2014 年 7 月 25 日
子どもや高齢者の虐待や事件に巻き込まれた疑いがある行方不明者への初動対応を強化
するため、警視庁は、ストーカーやDV=ドメスティックバイオレンスの対応にあたる特
別チームをさらに拡充して、被害者の保護や加害者の検挙を進めることになりました。
25日は、新たに設けられた総合対策本部の発足式が行われ、高綱直良警視総監が「児
童、高齢者および障害者に対する虐待や特異な行方不明についても、ストーカー・DVと
ともに『人身安全関連事案』と位置付け、組織一丸となって適切な対処を行う」と訓示し
ました。
警視庁によりますと、ことしの上半期に相談や通報があった児童虐待の件数は287件
に上り、去年の同じ時期より2倍以上に増えているほか、事件に巻き込まれた疑いがある
行方不明者の相談も目立っているということです。
警視庁は去年12月にストーカーやDVの対応にあたる80人体制の特別チームを設け
ましたが、人員を120人に拡充して、ストーカーなどと同じように警察署が虐待や行方
不明の相談を受けた場合は24時間体制で報告を受け、被害者の保護や加害者の検挙を迅
速に行います。
警視庁は初動対応を強化することで最悪の事態に発展するのを防ぎたいとしています。
県内11事業所で障害者虐待 昨年度まとめ
熊本日日新聞 2014 年 07 月 26 日
2013年度に県内の就労支援施設や会社など計11カ所の職場で、障害者24人(男
性20人、女性4人)が事業主や上司から虐待を受けていたことが25日、熊本労働局の
初の取りまとめで分かった。全国で虐待が確認されたのは253事業所で、熊本県内は事
業所数で4・3%を占めた。
熊本労働局は11事業所に是正を指導。「県内はとても数が多く、使用者の虐待防止意
識が浸透していない。引き続き指導監督や啓発に務めたい」と話している。
12年10月の障害者虐待防止法施行を受け、同局が初めて年度集計をまとめた。11
事業所の内訳は、障害者就労支援施設4カ所のほか、製造業3カ所、飲食店、農家(個人)
など。同局の調査や通報によって虐待を把握した。
虐待の種類では、時間外労働の割増賃金の未払いや、最低賃金を守っていないなどの「経
済的虐待」が最多の20件だった。
「臭い」「ぶさいく」などの不適切な発言や顔を殴って
軽いけがをさせた「身体的虐待」が3件。障害に配慮せずに強い口調で叱るなどの「心理
的虐待」が3件あった。24人のうち2人が身体と心理の両方の虐待を受けていた。「性的
虐待」などは確認されなかった。
24人の年齢は、18~29歳が10人(うち女性4人)、30~39歳が5人、40
~49歳が5人、50~59歳2人、60歳以上2人だった。(横山千尋)
自力で姿勢正しく…障害児お助け機器120点
読売新聞 2014 年 07 月 25 日
障害児の自立を手助け、保護者の介護にかかる負担軽減につなげてもらおうと、鳥取県
立鳥取養護学校(鳥取市江津)で24日、多彩な福祉機器を紹介する「こどもの福祉機器
展」が開かれた。
会場には、頭や肘などを固定して一人で正しい姿勢を保持できるようにサポートする座
位保持装置や、通水性を高めるため、背もたれがメッシュ状になっているリクライニング
チェアを兼ねた入浴補助具など、県外27社の製品約120点を展示。
五感を刺激し、障害者のストレス発散につなげる1970年代にオランダから広まった
手法「スヌーズレン」に関する機器も紹介。様々な光を発して泡を発する筒やイガ栗様の
ゴムボールなど多種多様な器具などを、来場者は興味深そうに手に取っていた。
障害児を持つ鳥取市西円通寺のパート従業員松本ゆかりさん(35)は「色々な機器が
あって驚いた。家で使えそうなものをしっかり見ていきたい」と話していた。
「発達障害」
、高校での理解はまだ不十分? 渡辺敦司
産経新聞 2014 年 7 月 25 日
かつての「特殊教育」から、発達障害のある子どもにも対象を広げた「特別支援教育」に
移行してから8年目を迎えました。通常の小・中学校はもとより、高校でも特別支援教育
への対応が求められています。文部科学省の調査(外部のPDFにリンク)によると小・
中学校の通常学級には発達障害の可能性のある児童・生徒が6.5%いると推計されてお
り、その多くは通常の高校に進学していると見られます。高校側でも徐々に理解や対応は
進んでいるのですが、保護者の立場からすると、まだまだだというのが実感のようです。
1990(平成2)年から発達障害の一種である学習障害(LD)の問題に取り組んでき
たNPO法人「全国LD親の会」は、会員とその子どもを対象とした「LD等の発達障害
のある高校生の実態調査(外部のPDFにリンク)
」の結果をまとめました。2005(平
成17)年に続く2回目の調査です。それによると、特別支援学校高等部も含めた高校相
当の学校で発達障害に「理解がある」
「どちらかといえば理解がある」との回答は、6割か
ら8割に上昇。高校でも7割を占めるようになりました。
ただし、各学校に発達障害に対する理解がある教職員がどのくらいいるかと尋ねると、「半
数以上~ほとんどの教員」と答えたのは、高校で3割にとどまりました。
「分からない」と
いう回答が5割を占めているのですが、それだけ支援を受けられるかどうかがよく見えな
いということの表れかもしれません。公私別では、私立高校が3割を超えているのに対し
て、公立高校では2割を超える程度となっており、公立のほうが遅れているというのが保
護者の実感のようです。6月に行われた同会の公開フォーラムで結果を発表した東條裕志
理事長は「高校での理解は進んでいるが、親としては物足りない」との見方を示しました。
個別に教科学習の支援があるかどうかを尋ねても、高校では3人に1人が「必要ない」と
したものの、
「ある」と回答したのは2割を超える程度にとどまりました。公私別では、や
はり公立で対応が遅れているようです。具体的にどんな支援があればよいか聞いたところ、
「補習」
「個別指導」が多く挙がったほか、ノートが取れないことから写真撮影を許可した
り、要点をプリントにしたりしてほしいという要望もありました。
進路選択に関して困っていることとしては、「本人の適性がわからない」との回答が高校で
半数を占めています。今や2人に1人が4年制大学に行く時代ですが、3人に1人は「大
学等の理解がどれくらいあるか不安」としています。
LD等の発達障害は知的発達の遅れを伴わないため、適切な支援が受けられれば持ってい
る能力を伸ばし、社会で大きな活躍をすることもできます。かの発明王エジソンも発達障
害があったと見られていますし、米国の俳優トム・クルーズは文字を読むことが困難なL
Dであることを明らかにしています。
「変わった子」として見過ごすのではなく、きめ細か
な対応を行うことが求められます。
(提供:Benesse 教育情報サイト)
お菓子、石けん手作り品 障害者16事業所がショップ 佐賀新聞 2014 年 07 月 25 日
佐賀市、小城市の障害者施設16事業所がつくった商品を集め、販売する店舗「チャレ
ンジドショップ きらめき」が24日、佐賀市の佐賀駅バスセンター東側のJR高架下に
オープンした。菓子類や手芸品など約100品目を販売、年間約700万円の売り上げを
目指す。
障害者らが作った多くの商品を一度に見て購入できる常設の店舗を設けることで、商品
購入の機会を増やす。施設利用者の工賃アップにつなげ、障害者への理解も深めてもらう。
障害者が手作りした「マルセイユ石けん」やお菓子、木工品などを
購入することができる「チャレンジドショップ きらめき」=佐賀
市栄町
店頭には、香料、着色料を加えず、アボカド油や竹炭パ
ウダーを配合した手作りの「マルセイユ石けん」や手焼き
のノンフライせんべいのほか、専用の糸を使って手織りし
た巾着やストール、木工製品などが並ぶ。不定期で、利用
者によるタコ焼きや弁当販売などのイベントも実施予定。
理髪店跡のスペース(約56平方メートル)を、市の補助金を受けて改修した。運営す
るNPO法人「佐賀中部障がい者ふくしネット」の事務所も併設し、職員5人が常駐する。
西友佐賀店の駐車場を1時間無料で利用できる。
ふくしネットの古川善己理事長(56)は「ほとんどが手作りで大量生産はできないが、
作り手の思いが入っている。その思いも感じてもらえれば」と期待を寄せる。営業時間は
午前10時~午後7時。問い合わせはきらめき、電話0952(20)2987。
小浜に「渚の交番」
高齢者、障害者の働く場に
中日新聞 2014 年 7 月 26 日
若狭鯉川シーサイドパークにオープンした渚の交番=小浜市で
海辺に地域の活動拠点をつくる「渚の交番」プロジェク
トで、日本海側で初となる交流施設が二十五日、小浜市鯉
川の若狭鯉川シーサイドパークにオープンした。記念式典
では、地元の女性フラダンスチームが踊りを披露するなど
祝賀ムードを盛り上げ、高齢者や障害者が働く場としての期待も高まった。
小浜市の「渚の交番」は地元の社会福祉法人C・ネットふくいが運営を担う。全国でも
社会福祉法人が運営するのは初めて。木造平屋四百四十平
方メートルで、約一億五千万円を掛け建てられた。
今後、午前九時~午後五時に営業し、高齢者や障害者な
どのスタッフが十人ほど働く。施設内には、近くの製塩場
遺跡にちなみ、一般の来場者が海水から塩作りを体験でき
る工房もある。
施設の運営費は、屋根のソーラーパネルで起こす太陽光
発電(八〇キロワット)の売電や、工房で一日六キロを生
産する塩の販売で賄う。
祝賀ムードを盛り上げたフラダンスチーム=小浜市で
C・ネットふくいの山元和也理事長は「高齢者や障害者の生きがいである就労の場をつ
くり、海の安全を守っていく」と抱負を述べた。(帯田祥尚)
<渚の交番> 競艇の売上金から出資される公益財団法人・日本財団が、全国10カ所
で建設を助成する交流施設。
「交番」と名が付くが、警察官はいない。夏の間だけでなく1
年中開設され、飲食品販売のほか、ライフセーバーやウインドサーファーなど、年間を通
じて海辺で活動する市民が集い、海の安全や周囲のパトロールなどの拠点となる。宮崎市、
静岡県御前崎市に次ぎ、全国3カ所目。
取り調べ可視化 どう対応
読売新聞 2014 年 07 月 26 日
法制審議会の特別部会が、一部の事件で取り調べの全過程を録音・録画(可視化)する
ことや、捜査に協力すれば刑事処分を軽くする司法取引の導入を盛り込んだ答申案を決定
した。県警は可視化への対応を進めるが、捜査現場からは「供述が得にくくなる」と懸念
する声が残り、弁護士会は司法取引が冤罪を生む危険性を指摘する。公平公正な捜査・公
判実現への対応が注目される。
(麻生慎士)
県警刑事企画課によると、県警が可視化を導入したのは09
年4月。昨年は、前年比9件増の33件実施し、今年は6月ま
でに16件となっている。当初は、殺人や強盗傷害など裁判員
裁判対象の自認事件だけに限定し、開始から3年で8件しか行
われなかったが、警察庁の指示により12年4月から、裁判員
対象事件は認否にかかわらず実施、同5月から知的障害者に対
する取り調べでも行われるようになり、大幅に増えた。
■捜査現場のジレンマ
「適正な捜査で自白した場面を映像として残しておけば、公判で供述を覆されたときの
保険になる」
。ある捜査員は可視化の利点を挙げる。全国では、逮捕当初の供述や様子を記
録したDVD映像が証拠として採用された例などがあるからだ。
一方で、
「カメラの前で緊張せずに話せる人間は少ない。どこまで供述を得られるだろう
か」との危惧もあり、ジレンマを抱えながら取り調べをしている実情がうかがえる。通常
の取り調べは、容疑者と調べ官の1対1で行っても構わないが、可視化を実施する場合は
装置の取り扱いが必要となるため、補助者を1人付ける場合が多い。監視される感覚が強
まるため、
「共犯者に関する供述を得る場合など、デリケートな話はますます取れなくなる
んじゃないか」と話す。
日弁連の「取調べの可視化実現本部」事務局次長を務める中西祐一弁護士(金沢弁護士
会)は「捜査機関に可視化を初めて義務づけることになった点は評価できる」と話す一方
で、
「警察が可視化を行う範囲は裁判員裁判対象の事件に限られており、まだ不十分。将来
的には、全ての事件を可視化すべき」と訴える。
■司法取引 冤罪への懸念
答申では、司法取引は、汚職や詐欺などの知能犯罪や薬物犯罪などで限定的に導入され
る。犯罪関係者にアメを与えることで組織的な犯罪を芋づる式で立件する狙いもあり、県
警幹部は、
「可視化など、取り調べ環境の変化に対応するためには捜査側にも新しい手法が
いる」と話す。
これについて中西弁護士は「可視化を口実として、導入された」と指摘。「容疑者が刑を
軽くするために虚偽の供述をし、冤罪が生まれ兼ねない」として、警戒感を強めている。
◆可視化 09年から全国に拡大
Q 可視化導入の経緯は。
A 自白の強要など取り調べ方法が問題になるケースが相次いだことを踏まえ、2008
年に5都府県警で導入され、09年から全国に拡大した。12年4月以降、捜査過程の段
階を問わず行われるようになった。
Q どのように行われるか。
A 捜査関係者によると、供述の任意性を確保するため、容疑者だけを撮影するカメラと
部屋全体を映すカメラで同時に撮影・録音される。昨年9月からは容疑者が可視化に応じ
るかどうかを確認する場面から録音・録画することになった。
Q 県警の装置導入状況は。
A 09年4月までに国費で2台が配備され、12年と13年の県議会の予算審議を経て
計12台を購入した。今年3月までに、全12警察署に配備された。
地下鉄早朝特別ダイヤを
NPO理事長ら名谷駅で署名活動
兵庫
産経新聞
2014 年 7 月 26 日
阪神大震災から20年の来年1月17日に、神戸市中央区の東遊園地で行われる「追悼
の集い」に多くの市民が参加できるよう、市営地下鉄の始発時刻を早めることを求める署
名活動が25日、名谷駅(同市須磨区)で始まった。
署名活動は、NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」の黒田裕子理事長と、
「ひょうごボランタリープラザ」の高橋守雄災害支援アドバイザーが設立した「神戸市営
地下鉄などに特別ダイヤを要望する会」が実施。今後、地下鉄各駅などで展開するという。
同会によると、
「追悼の集い」には、多くの市民が足を運ぶことが予想されるが、市営地
下鉄西神・山手線や同海岸線の利用者は始発電車に乗っても、犠牲者に黙祷(もくとう)
をささげる午前5時46分までに到着することは難しい。このため、同日のみ始発時刻を
早める特別ダイヤの編成を要望することにしたという。
同会は、8月中に市交通局に集まった署名と要望書を提出。また、ポートライナーなど
を運営する神戸新交通にも同様の要望をする予定という。
社説:裁判員判決破棄 制度の形骸化を危惧する
琉球新報 2014 年 7 月 26 日
幼児虐待死事件で求刑の1・5倍となる懲役刑を言い渡した裁判員裁判の判決を最高裁
が破棄した。
最高裁判決は「他の裁判結果との公平性を損なう甚だしく不当な量刑だ」「破棄しなけれ
ば正義に反する」と一、二審判決を厳しく批判した。だが裁判員制度は市民感覚を量刑に
反映させるのが目的だったはずだ。市民感覚から懸け離れた制度以前に逆戻りすることを
危惧する。
裁判員裁判での厳罰化の流れは市民感覚の表れだが、一方で厳罰化を懸念する考えも理
解できなくもない。ただ、いたずらに市民感覚を否定するのでは制度そのものが形骸化す
るのではないか。
裁判員とともに審理する地裁の裁判官は、最高裁判断に過度に左右されるのでなく、裁
判員制度導入の原点を再認識した上で裁判員をリードしてもらいたい。
裁判員裁判導入以前、琉球新報社が調べた県内の性暴力事件の判決(1996~98年)
では、被告54人のうち5年以上の実刑はわずか4人で、50人は懲役5年未満だった。
執行猶予の例も多々ある。
強盗罪の量刑は懲役5年以上だ。財産を奪う犯罪より人間の尊厳を踏みにじる犯罪の量
刑を軽くする刑法は市民感覚とずれている。裁判官だけの判決もまたずれていたことの表
れであろう。近年の裁判員裁判は性暴力の厳罰化が顕著で、司法界の市民感覚とのずれを
修正する効果があったといえる。
確かに、厳罰化が妥当か疑わしめる例もなくはない。発達障害のある被告が殺人罪に問
われた例で、大阪地裁の裁判員裁判の判決は「障害に対応できる受け皿が社会になく、再
犯の恐れが高い」として求刑を4年上回る懲役20年を言い渡した。これに対し大阪高裁
は「障害の評価が正当でない」と懲役14年に軽くした。社会の欠陥を被告の問題にすり
替え、塀の中に押し込めればいいとも取れるような判決の修正は当然である。
人権擁護の観点から修正すべき判決と、その他の判決とは分けて考えるべきだ。単に制
度導入以前の量刑に擦り合わせるだけの修正は承服し難い。
制度導入前の判例と一致しないのは「制度上当然」という司法関係者も少なくない。最
高裁司法研修所の研究報告書は「従来の傾向と軽重が異なったとしても、それこそが裁判
員制度導入の趣旨」と指摘する。明確な不合理がない限り、見直しには慎重であるべきだ。
【主張】裁判員判決の破棄 制度の趣旨揺るがないか
産経新聞 2014 年 7 月 26 日
最高裁が裁判員裁判による「求刑超え」判決を破棄した。白木勇裁判長は補足意見で「量
刑は直感で決めればよいのではなく」
「同種事犯の量刑傾向を考慮することの重要性は裁判
員裁判でも変わらない」と述べた。
だが先例重視の傾向が行き過ぎれば、
「国民の視点」を尊重するという裁判員制度本来の
趣旨を揺るがすことにならないか。実際に裁判員との評議に加わる、1審裁判官の過剰反
応を危惧する。
大阪府寝屋川市の1歳女児に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪に問われた両親
に対し、1審判決は「悪質で、殺人罪と傷害致死罪の境界に近い。児童虐待問題を重視す
る社会情勢も考慮し厳しい罰を科すべきだ」として、両被告に求刑の1・5倍となる懲役
15年を言い渡した。
公判で被告の言い分も聞き、犯行の詳細を検討した法定刑内の結論である。2審も支持
した。
しかし最高裁は「裁判員裁判といえども他裁判の結果との公平性が保持された適正なも
のでなければならない」との判断を示し、1、2審判決を破棄して父親に懲役10年、母
親に同8年を言い渡した。裁判員裁判の結論を最高裁が直接見直したのは初めてだ。
評議の際などに利用される量刑検索システムでは、類似事件の量刑を一目瞭然で調べる
ことができる。子供が被害者の傷害致死事件で最も多いのは懲役6年で、ほぼ懲役3~1
0年の幅に収まるのだという。ただデータベースが量刑を決めるなら評議はいらない。
白木裁判長の補足意見は「量刑傾向に拘束力はない」としながら一方で裁判員裁判に臨
む裁判官には「おおまかな量刑の傾向を紹介し全体の共通認識とした上で評議を進めるべ
きだ」と求めた。
1審裁判官に結論を量刑相場内に導くよう求めたものと誤解を与え、裁判員の自由な意
見表明を阻害しかねない。
裁判員制度開始から5年が過ぎた。今年5月末までに、検察官の求刑より重い「求刑超
え」判決は49被告に言い渡された。
このうち5被告は高裁で判決が破棄され、今回初めて最高裁で見直されたが、それだけ
国民が従来司法の量刑判断に不満を持っていたことも意味する。国民の司法参加により、
その日常感覚や常識を判決に反映させるという、本来の目的を忘れてはならない。
高齢者らの環境を疑似体験
長崎新聞 2014 年 7 月 26 日
箸でおはじきを皿から皿へ移す体験をする子どもたち=佐世保市福祉活動プラザ
夏休み福祉体験学習が25日、佐世保市栄町の市福祉活動プラザで
あり、小学生約30人が、体験装具を使って、高齢者や障害者が置か
れている環境を疑似体験した。
子どもたちに福祉について考えてもらおうと、同プラザが初めて開
催。25~27日、8月26~28日の計6日間、市内の小中学生を
対象に、車椅子の利用体験や装具を使った疑似体験などを通して、心
のバリアフリーの意識を育てる。
この日は「学童クラブぽーしゃな」の約30人が参加し、ひざを固
定するサポーターやゴーグル、手首と足首の重り、ヘッドホンなどの装具を着用。階段を
上り下りしたり、箸でおはじきを皿から皿へ移したりして、体の動きの遅れや視野の狭さ
などを体感した。
市立花高小6年の本村一葉さん(11)は「手の力が入りにくくて、箸が
うまく使えなかった」
。本村さんの補助をした市立江上小6年の中村絵莉
香さん(11)は「階段で転ばないように支えるのが大変だった」と話した。
28 日以降の参加者を募集中。
問い合わせは同プラザ(電 0956・23・0018)
。
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