知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1287 号 2013.4.25 発行
==============================================================================
統合失調症 復帰のお笑いコンビが講演
朝日新聞 2013 年 4 月 24 日
統合失調症について語る「松本ハウス」のハウス加賀谷さん
(左)と松本キックさん=札幌市
■統合失調症、コンビは続く
■復帰の「松本ハウス」
、札幌で講演
■加賀谷さん「お笑いは自分の居場所」
■松本さん「お互い様という気持ち」
【上山浩也】統合失調症の療養から復帰したお笑
いコンビ「松本ハウス」が、札幌市内で「松本ハウ
ス流 病気との付き合い方・回復の仕方」と題して
講演した。10年間の療養生活を送ったハウス加賀谷さん(39)は体験談を、松本キッ
クさん(44)は発症した相方への接し方や支え方をそれぞれ語った。
松本ハウスは「か・が・や・でーす」と独特のポーズで自己紹介する加賀谷さんと、ツ
ッコミ役の松本さんのコンビ。1990年代にバラエティー番組「タモリのボキャブラ天
国」などで活躍したが、加賀谷さんの病状悪化で99年に活動を休止。2009年に復帰
後は、お笑いの一方で病気への理解を呼びかけている。
統合失調症は、悪口などの幻聴や、誰かに襲われるというような妄想などの症状が特徴
で、約100人に1人が発症するとされる。発症には、育った環境や、学校や社会で生じ
るストレスなど様々な要因が影響していると考えられている。
講演で加賀谷さんは、中学2年ごろに周りが「加賀谷はくさい」と言う幻聴が聞こえ始
め、高校を中退して1年ほど障害者施設で過ごしたことを明かした。その時に漫才をした
いと思って17歳で挑戦し、松本さんと出会った。だが、人気絶頂時も「誰かに狙われて
いる」という幻覚に悩まされ続け、表舞台から降りたことなどを語った。
「彼は基本的に我慢する負けず嫌い。疲れているとか、具合が悪い姿は極力見せない」
と松本さん。相方の入院時は「1回休め。1年でも2年でも、10年後でもいい。(お笑い
を)やりたいと思ったら言ってこい」と伝えたという。
10年の療養をへて、再びコンビを組んだ。加賀谷さんは105キロまで増えた体重を
ウオーキングなどで最高30キロ減量。台本を覚え切れないという壁にもぶつかったが、
試行錯誤を重ねた。加賀谷さんは「幻聴などで苦しんだ自分が、初めてみつけた居場所が
お笑いだった。常に芸人に戻りたいと思っていた」
。
会場には、同じ病気の患者や家族、看護師など関係者も多く訪れた。現在も服薬中の加
賀谷さんは「入院前は、体調に合わせて自分の判断で薬の量を変えていた。でも、それは
薬物乱用行為なのでやめた方がいい。決められた量を守って」と呼びかけた。
一方、松本さんは相方との接し方について「個人の個性だと思って自然のまま付き合っ
ている。前もって先回りをして、気を遣うということは一切していない。信じる。でも、
信じ過ぎないというバランス。お互い様という気持ちを持っている」と語った。
講演会は、札幌市中央区の心療内科「札幌なかまの杜クリニック」のスタッフや患者、
家族らでつくるcocoro(こころ)塾が主催。同クリニックの吉田匡伸院長は「企業
などから、
(精神病から復職した人に)どう接するべきか分からないなどと質問されること
が多い。病気だからと構えるのではなく、2人のように共に歩いていく思いを持ってもら
えたら素晴らしいこと」と話した。
世界初、iPS細胞から筋肉細胞、効率よく作製 筋ジストロフィー治療に光 京大
産経新聞 2013 年 4 月 24 日
さまざまな組織や臓器になるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腕や足を動か
す筋肉「骨格筋」の細胞を効率よく作ることに京都大iPS細胞研究所の桜井英俊講師の
チームが成功、24日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。さらに筋肉の萎縮
と筋力低下が起きる筋ジストロフィーの一種の患者の細胞から作製したiPS細胞を骨格
筋にし、病態を体外で作り出すことに世界で初めて成功。筋疾患の治療法開発や新薬の試
験に役立つと期待される。
チームは、細胞の運命を骨格筋に変える遺伝子「MyoD1」をiPS細胞に導入し働
かせて培養。9日後に70~90%の高い割合で骨格筋細胞になった。さらに6日後には、
電気刺激により収縮するなど機能性を持つ骨格筋細胞ができた。
これまでは、骨格筋細胞のもとになる中胚葉という細胞集団をiPS細胞から作った後
にMyoD1を働かせていたが、中胚葉になる前に働かせることで、40%程度だった作
製効率を向上させた。
アトピーに白血球関与 発症過程を解明、創薬に道
京大チーム マウス実験で
中日新聞 2013 年 4 月 24 日
椛島(かばしま)健治・京都大准教授(アレルギー学)らのチームが、薬剤や金属など
で引き起こされるタイプのアトピー性皮膚炎の発症初期に、白血球の一種「好塩基球」が
関わっていることを突き止めた。アトピー性皮膚炎の患者は国内で数百万人といわれるが、
一部はこのタイプとみられ、これらの患者に効く薬の開発につながる成果。英科学誌電子
版に24日発表された。
好塩基球は、血液中に数%存在する白血球の一種。チームは、人工的に好塩基球を除去
したマウスに薬剤を繰り返し塗り、アトピー性皮膚炎が引き起こされるか調べたところ、
通常のマウスでは誘発される皮膚炎がほとんど見られなかった。
さらに、好塩基球は、薬剤で繰り返し刺激することによってリンパ節に移動し、特殊な
炎症タンパク質を作って免疫細胞を活発にし、アレルギー反応を引き起こすことが判明。
アトピー性皮膚炎発症の初期過程が明らかになった。
クロムやニッケルのような金属や、うるし成分などで誘発される皮膚アレルギーでも、
好塩基球が関わっている可能性が高いという。アトピー性皮膚炎には、花粉やほこりなど
タンパク質が原因のタイプもあり、好塩基球の関与を今後調べる。
椛島准教授は「ヒトで同様の結果が得られれば、現在のステロイド治療薬とは別の、好
塩基球を標的にしたアトピー性皮膚炎の新薬が開発できるかもしれない」と話した。
障害者就労支援センターが移転新築
伊万里
佐賀新聞 2013 年 04 月 24 日
社会福祉法人東方会(大宅啓子理事長)が運営する障害者就労支援センターが、伊万里
市二里町大里に移転新築し、リニューアルオープンした。介護が必要な人が生産活動に取
り組める場を新設したり、就労移行支援事業を始め、就労支援のメニューを拡充した。
支援メニュー拡大で、定員を20人から40人に倍増したことに伴い施設を移転した。
新センターは、延べ床面積849平方メートルで、明るく開放的な設計。障害者に仕事を
紹介する「障害者就業・生活支援センターRuRi」も施設内にある。防災資機材を配備
し、福祉避難所の機能も備えた。
介護が必要な施設入所者が、ポストカードや雑巾作りなど、介護を受けながら、仕事に
取り組むことができる生活介護事業を新たに始めた。一般企業での就労が困難な人たちが
働きながら訓練する従来の支援事業に加え、一般企業への就職に向け、仕事の技術を身に
つける就労移行支援事業もスタートした。
大宅理事長は「新センターでは、就職に向けての準備から、
仕事の紹介まで一体的に取り組むことができるようになった。
仕事を通して、やりがいや生きがいを見いだしてもらえれるよ
うにしたい」と話す。
移転新築した障害者就労支援センターで、仕事に取り組む人たち=伊万
里市二里町大里の障害者就労支援センター
問い合わせは同センター、電話0955(21)0358。
職場では少数派…男性看護師「侍」
、情熱の詩集
読売新聞 2013 年 4 月 24 日
詩集「命を紡ぐ侍たち」
北九州市の男性看護師でつくる「男性看護師研究会 侍」が、
仕事への情熱をつづった詩集「命を紡ぐ侍たち」を自費出版し
た。職場では少数派なうえ、女性患者から怖がられることもあ
る。男性看護師ならではの悩みを乗り越え、ひたむきに患者と
向き合おうとする気持ちを託した34編を収録。医療関係者に
反響を呼んでいる。
(堀家路代)
■職場に1人だけ
研究会は、北九州市の小倉南看護専門学校の卒業生有志が2006年に結成した。男性
看護師は看護師全体の5・6%(2010年)にとどまり、卒業後は職場に1人というこ
とも多い。互いに技術を磨き合おうと勉強会を開いたり、母校を訪ねて男子学生を指導し
たりしている。詩集は、患者や後輩に思いを知ってもらおうと、中心メンバー4人が詠ん
だ作品を集めた。
患者の間ではまだ「看護師は女性」というイメージが強く、女性患者から敬遠されるこ
とも多い。会代表で市内の総合病院外科病棟で働く田中裕之さん(28)は、患者の名前
を仮名にして、そんな体験を詩にした。〈「うわ~男の看護師さんかい。いや~ちょっとね
~」/(略)おどおどなんて、してられない/大変なのは栗田さんなんだから〉
死に直面した患者に接し、無力さに打ちのめされることもある。メンバーの亀石佳典さ
ん(26)は、重度の白血病患者〈梅田さん〉のことを書いた。
〈「(略)僕たちを信じてく
ださい/僕たちがついてますから」/梅田さんは静かに首を横に振る//どんなに力にな
りたくても/楽にしてあげたくても/何もできずにたたずむ僕がいる〉
傷んだ硬球、丁寧に修繕/障害者就労支援施設
四国新聞 2013 年 4 月 24 日
甲子園を目指す高校球児の激しい練習で、赤い糸がすり切れ、縫い目から破れてしまっ
た硬式ボール(硬球)。香川県坂出市内の障害者就労支援施設・一般社団法人「楽笑」は、
使えなくなった傷んだ硬球の修理を請け負い、障害者の就労支援や賃金アップを図る「エ
コボール」事業に取り組んでいる。高校野球関係者からは「部員が道具を大切にすること
につながる」と好評を得ており、障害者と地域をつなぐ「赤い糸」としても注目を集めて
いる。
作業所では障害者が傷んだ硬球を一針一針手縫いし、再び「命」を吹き込んでい
る=香川県坂出市西庄町
エコボール事業は、プロ野球・大洋(現横浜DeNA)の投手だっ
た大門和彦さん(47)が考案した。大門さんは4年前、母校の東宇
治高校(京都)を訪れた際に、倉庫で山積みされた傷んだ硬球を見つ
ける。監督から「昔は部員が修理していたが、今は買い換えることがほとんど」と聞き、
障害者の就労支援につながると思いついた。
県内では、同法人の山条真嗣理事長(45)がインターネットの新聞記事でエコボール
事業を知り、今年3月に京都の施設を視察。4月から県内の施設で初めて事業をスタート
した。全国では5施設目。
同市西庄町にある作業所では、障害者が硬球の汚れや切れた糸を取り除いてから、一針
一針丁寧に手縫いし、白球に再び「命」を吹き込んでいる。
練習球の価格は1球500円程度なのに対し、修理費は1球50円。修理に使用する赤
い糸は、キウチスポーツ(坂出市)とマルビシスポーツ(丸亀市)から無償提供を受けて
おり、修理費の全額が障害者の賃金に反映される。
現在は4時間で5球というペースだが、作業に慣れてくると、1時間に10球程度修理
できるようになるという。
山条理事長は「エコボールで練習した球児が甲子園に出場したときは応援に行きたい。
それがみんなの励みですよ」と語り、大門さんは「障害者の中には野球がしたくてもでき
なかった人もいる。その人たちの思いと一緒に練習に励んでほしい」と話している。
電動車いす制限、抗議 広島菓子博、障害者団体
共同通信 2013 年 4 月 24 日
「第26回全国菓子大博覧会」が開幕し、混雑する会場=19
日、広島市中区
広島市で19日から開催されている「第26回全国菓
子大博覧会」
(菓子博)は当初、電動車いすでの入場を
制限。実行委員会は抗議の声を受け、段階的に制限を緩
和し利用を認めたが、23日には障害者団体が実行委に
名を連ねる広島県、広島市にも直接、全ての制限撤回を求める要請文を提出する事態とな
った。
要請した「障害者の政治参加をすすめるネットワーク」
(事務局長・斎藤亮人名古屋市議)
は、実行委の対応を「差別的」と批判。自らも電動車いすを使っている福岡県大牟田市の
古庄和秀市議は「電動車いすなしでは行動できない人もいる。制限を許せば、どこにも行
けなくなる」と反発している。
障害者にダーツ虐待、被告の父の理事長が放置
読売新聞 2013 年 4 月 24 日
福岡県小郡市の障害者就労支援施設「ひまわり」で起きた虐待事件で、暴行罪に問われ
た元管理職坂本静治被告(48)は23日、福岡地裁久留米支部で開かれた初公判で起訴
事実を認めた。
検察側は、坂本被告の父親で施設を運営するNPO法人「リブロ」
(小郡市)の勉理事長
が虐待を放置し、たまりかねた元職員が内部告発したとする事件の構図を指摘した。
検察側が提出した供述調書によると、勉理事長は「(虐待について)うわさは聞いていた
が、本人が否定したので放置していた」と説明。元職員は「肉体的、精神的な虐待が繰り
返され見過ごせない」と考え、内部告発したという。また、被害男性の家族が「兄の気持
ちを考えると許せない」と話したとの調書も朗読された。
検察側の冒頭陳述によると、坂本被告は大学中退後、土木、建設関係の仕事を転々とし、
2010年5月に施設が開設されるのに伴い、支援次長(当時)に就任。職員らを実質的
に取り仕切る立場にあった。11年頃からハサミや千枚通しをダーツの的に見立てた段ボ
ール箱に投げ付ける遊びを始め、昨年5月、
「スリルを味わいたい」として男性をダーツの
的の下に座らせ、千枚通しを投げつけた。11年5月頃からは「面白動画」と称して、利
用者を驚かせて困惑する様子を携帯電話で動画撮影していたという。
検察側「虐待はスリル目的」
福岡の障害者施設事件公判
朝日新聞 2013 年 4 月 24 日
福岡県小郡市の障害者支援施設での虐待事件で、暴行罪に問われた元施設次長坂本静治
被告(48)=小郡市=に対する初公判が23日、福岡地裁久留米支部(大原純平裁判官)
であった。坂本被告は起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述で、スリルを味わったり動画
を撮ったりするためだった、と主張した。
起訴状などによると、坂本被告は2011年5月、至近距離から入所者の50代男性に
エアガンを撃ち、額に命中させたとされる。昨年5月には、施設の作業室で同じ男性の頭
上近くに千枚通しを投げたとされる。
検察側の冒頭陳述によると、坂本被告は11年5月ごろから、
「面白動画」と称して施設
利用者が困惑する様子を携帯電話で撮影して職員に見せていた。5月31日には、事務所
入り口付近の天井にハエ取りのテープを垂らし、利用者の顔にテープがついて困惑する様
子を撮影。さらに反応を見ようとエアガンで男性を撃った、と指摘。
昨年5月16日には「スリルを味わいたい」と、作業室にいた男性を呼びつけて椅子に
座らせ、男性の頭上にある段ボールめがけて千枚通しを投げた、としている。
「笑う介護士」
、強姦の疑い
警視庁逮捕、容疑を否認
朝日新聞 2013 年 4 月 24 日
ホテルで女性を強姦(ごうかん)したとして、警視庁は、名古屋市熱田区一番3丁目、
介護福祉士で介護関連会社社長の袖山卓也容疑者(41)を強姦の疑いで逮捕し、24日
発表した。
「強引だったかもしれないが、合意のもとでやった行為だ」と容疑を否認してい
るという。
袖山容疑者は「笑う介護士」や「ヤンキー介護士」として知られ、活動などが度々マス
コミで紹介されていた。
高輪署によると、袖山容疑者は3月上旬、20代女性が宿泊していた都内のホテルの一
室で「愛人になってほしい」などと迫り、女性をベッドに押し倒すなどして強姦した疑い
がある。
女性は介護に興味があり、袖山容疑者とメールでやりとりをしていたという。袖山容疑
者は都内で開かれた講演の後、女性と食事をしてホテルまで送り、「介護の話をもっと色々
してあげたい」などと言って部屋に入ったという。
クリステレル胎児圧出法で出産後に失血死、遺族が病院提訴/神奈川
神奈川新聞 2013 年 4 月 24 日
2009年9月に主婦=当時(39)=が女児を出産直後に死亡したのは、出産時に腹
部に過剰な力を与えられた上に、容体の変化を見落とされたためとして、遺族が23日、
医療法人産育会(横浜市瀬谷区、堀裕雅理事長)に約7540万円の損害賠償を求める訴
訟を横浜地裁に起こした。
訴状などによると、主婦は、同法人が運営する産婦人科医院「堀病院」
(同)で、妊婦の
腹部に力を加え胎児を押し出す「クリステレル胎児圧出法」を助産師から受け、女児を出
産。直後から体の痛みを訴え、心停止に陥ったことなどから別の病院に運ばれたが、出産
から約4時間半後に死亡した。司法解剖の結果、死因は肝臓破裂による失血死と診断され
た。
原告側は「病院側は、クリステレル胎児圧出法を行う際、過剰な力を母体に加えないよ
うにすべきだったが、注意義務を怠った」と主張。さらに「腹部内の出血を認識するまで
に出産から1時間40分を要するなど、肝臓損傷による出血性ショックを見落とし、適切
な診断・治療を怠った」と訴えている。
同病院は「訴状を見ていないのでコメントできない」とした。
◆圧出法、注意喚起を 遺族側が6法人に申し入れ
お産の現場で、出産直後の母親が死亡した医療事故。「同じような事故が起きないよう、
再発防止を」と望む遺族の代理人は提訴と同じ23日、日本産科婦人科学会など6法人に
対し、クリステレル胎児圧出法を施す際の注意喚起などを求める申し入れ書を提出した。
同圧出法は、効果が認められる一方、母体の腹部を強い力で押すことなどから、母体内
臓損傷などの危険性が指摘されている。だが原告代理人によると、功罪をめぐる議論は深
まっておらず、施設によって対応は異なるのが実情という。
主婦は2001年1月、長女を無事に出産。遺族によると「次女を出産する前も健康だ
った」という。3歳となった次女は母の死の理由を知らない。夫は「家族4人の新しい生
活が始まると思っていた。亡くなった妻のために、せめて、危険性を伝えていきたい」と
訴えた。
◆クリステレル胎児圧出法
妊婦にまたがって母体の腹部に両手をあてて胎児を押し出す方法。日本産科婦人科学会
は診療ガイドラインで「胎盤循環の悪化、子宮破裂、母体内臓損傷などの副作用も報告さ
れている」とする一方、
「吸引術の娩出力補完に有効」と指摘。科学的根拠が乏しいため功
罪は「今後検討されるべき課題」としている。
就労施設の指定取り消し時、他施設へ利用者仲介 仙台市長
河北新報 2013 年 04 月 24 日
仙台市の障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」の給付金不正受給疑惑をめぐり、
奥山恵美子市長は23日の定例会見で、施設の指定を取り消す場合、利用者が就労訓練を
続けられるよう代替施設を仲介していく考えを明らかにした。
同社は2010年、市内2カ所で就労支援施設を開設する際、実務経験が必要な「管理
者」について、経験があるように装う虚偽の書類を作成し指定を受けた疑いが持たれてい
る。2施設では現在、約40人が就労訓練を受けている。
奥山市長は「ニーズが高い就労支援施設での不正は残念」と述べた上で、
「施設の閉鎖は
利用者にとっては不本意な事態だ」と強調。利用者の希望職種や通勤可能な地域などを把
握し、他の施設に受け入れを要請する方針を示した。
同社と関連会社が、大阪市や新潟市など複数の施設で、同一人物を兼任できない「サー
ビス管理者」として登録していた点に関しては、自治体をまたいだ申請でもチェックでき
る仕組みをつくり、不正を防ぐ必要があるとの認識を示した。
市は近く、不正受給の動機や経緯などについて同社に聞き取りを行い、処分を決める。
社説:待機児童解消 「横浜方式」をどう生かすか
読売新聞 2013 年 4 月 24 日
「女性の活躍」を成長戦略の中核に位置づける安倍首相は、スピード感のある施策が必
要と判断したのだろう。
首相が、保育のニーズがピークを迎える2017年度までに「待機児童ゼロ」を目指す
方針を明らかにした。従来の計画を2年前倒しして、40万人分の保育の受け皿を確保す
るという。
「女性が働き続けられる社会」を実現するには、保育所に入りたくても入れない待機児
童を減らすことが欠かせない。首相の方針に沿って、政府は対策に一層、力を注いでもら
いたい。
全国の待機児童数は約2万5000人に上る。保育所の増設が進められているが、それ
以上に入所希望者が増え続けている。特に、大都市では、待機児童の急増が深刻な問題に
なっている。
注目されるのは、林文子横浜市長の積極的な取り組みだ。10年度の待機児童は、全国
最多の1552人に上ったが、2年後には179人に激減させた実績がある。首相も「横
浜方式を全国に展開したい」との意向を表明した。
横浜市はこの2年間に待機児童対策の予算を年10%ずつ増額した。認可保育所を71
増設し、定員を約5000人増やした。保育所開設に意欲的な団体、企業と土地提供者の
仲介も行っている。
専門の相談員「保育コンシェルジュ」を置き、子供の預け先を探す父母を対象に、民間
の小規模施設、幼稚園の預かり保育など、多様な保育サービスについてのアドバイスを行
っている。
他の自治体にとっても大いに参考になるだろう。
独自の「横浜保育室」を約150か所に設置していることも特徴の一つだ。利用料は認
可保育所とほぼ同額で、児童の貴重な受け皿となっている。
横浜保育室は、厚生労働省令で定める認可保育所の基準を満たしていない。配置される
保育士も認可保育所より少ない。
認可保育所だけでは、保育の需要に応えきれない現状の中、横浜保育室のような無認可
施設を、政府は待機児童対策の中でどう位置づけていくのか。今後の大きな課題と言える
だろう。
昨年成立した子ども・子育て支援3法に従い、15年に消費税が10%に引き上げられ
る際、
「子ども・子育て支援新制度」が発足する。これに消費税から7000億円を充てる
予定だ。
政府と自治体が連携し、この財源を待機児童対策に有効活用してもらいたい。
社説:年金・医療に切り込み財政規律を取り戻せ
日本経済新聞 2013 年 4 月 24 日
安倍政権が主導した異次元の金融緩和策と世界経済の改善が寄与し、日本経済の先行き
に対する企業経営者と消費者の心理は好転した。この流れをさらに太くするのに不可欠な
のは、成長を促す規制改革と国の財政に規律を取り戻すための歳出改革である。
成長戦略は6月の成案作成へ向け、産業競争力会議などが詰めの議論に入った。気にな
るのは、歳出改革への動きが鈍い点だ。高齢者数がさらに増えるなかで年金や医療の持続
性を確かにするためにも、社会保障給付の膨張を抑える制度改革は避けて通れない。
政府・与党が7月の参院選を意識して高齢層に厳しい政策を示すのを先送りしようと考
えているとすれば、問題は大きい。選挙戦を通じて財政と社会保障を立て直す道筋を野党
と競うべきである。
安倍政権が編成した 2012 年度の補正予算によって国の財政赤字は大幅に拡大した。ある
年度の政策経費を借金以外でどの程度まかなっているかを示す基礎収支は、地方自治体の
分を含めて 13 年度に国内総生産比で 6.9%の赤字に悪化する見通しだ。
菅政権の時代、日本はこの赤字幅を 15 年度に 3.2%に縮め、20 年度に黒字転換させると
国際公約し、安倍政権はこれを引き継いだ。しかし消費税率を 14 年4月に8%へ、15 年
10 月に 10%へ引き上げても公約達成はおぼつかない。
消費税増税は年 13 兆5千億円の増収をもたらすと、財務省は試算する。その使い道をみ
ると 11 兆円弱は赤字国債でまかなっている既存の社会保障費に充て、残る3兆円弱を育児
支援や医療の充実などに使ってしまう計画だ。財政規律の回復に程遠いのが実態である。
だからこそ歳出の絞り込みが欠かせない。本丸は社会保障だ。
年金制度は実質給付額を毎年、小刻みに切り下げる仕組みを早急に発動すべきだ。医療
は重複検査・投薬を解消するために、診療報酬明細の電子化をさらに徹底させてほしい。
大学病院などの外来受診を適正にするために、家庭医制度を普及させるのも課題だ。財政
対策では、豊かな高齢者の窓口負担を引き上げるべきである。
改革案を審議中の社会保障制度改革国民会議(会長・清家篤慶応義塾長)の責任は重い
が、痛みの伴う給付抑制や負担増に踏み込もうとしているようには見えない。政治的な思
惑に左右されずに思い切った制度改革を打ち出す時だ。
「がんと生きる」本紙連載
池田省三さん死去 介護保険の専門家 闘病生活、赤裸々に
中日新聞 2013 年 4 月 24 日
本紙生活面で昨年6月から「ステージ4 がんと生きる」を連載中だった龍谷大名誉教
授の池田省三(いけだ・しょうぞう)氏が23日午後1時10分、大腸がんのため死去し
た。66歳。岐阜市出身。葬儀・告別式
は身内のみで行う。後日、お別れの会を
開く予定。
ベッドの上で本を読む生前の池田さん=3月2
2日、都内で
中央大法学部を卒業後、1973年に
自治労本部に入り、社会保障を担当。9
9年に龍谷大助教授、2000年に同教
授。介護保険の専門家として知られ、厚
生労働省の社会保障審議会の委員も務め
た。
10年11月に末期の大腸がんが発覚。
手術を受け、抗がん剤による治療を受け
ながら、同審議会の委員会に出席するな
ど積極的に社会参加していた。
本紙連載で、がん体験を紹介。告知を受けた時の心理状況や手術後のリハビリ、抗がん
剤による手足のしびれや味覚障害といった副作用についても詳しく触れた。
末期がんと分かってから、研究の集大成といえる「介護保険論」
(中央法規)をまとめた。
その出版記念パーティーを事実上の生前葬として開いた。酒席にもよく出掛け、がん発覚
前の生活スタイルを変えない生き方が、読者の反響を呼んだ。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行