第3学年A組 道徳の時間学習指導案 期 日 指導者 場 所 1 主題名 命あるものを大切に 3-(1)生命尊重 2 資料名 おばちゃん,がんばれ (学研) 平成 年 ○○ ○○ 3年A組教室 月 日( ) 3 主題設定の理由 (1) 価値について 中学年の内容項目3-(1)は,「生命の尊さを感じ取り,生命あるものを大切にする。」と なっている。この内容は,主として自然や崇高なものとの関わりに関することであり,生命の 尊さを感じ,人や生き物を大切にしていくことのできる児童を育てようとするものである。学 習指導要領の重点として取り上げられている内容項目であり,今年度学級の重点項目としても 位置付けた。 生命の尊重は,全ての命あるものに対する畏敬の念を基底としている。自分が生まれた時の 話から命のすばらしさに感謝したり,病気やけがの体験から命の尊さを知ったりして,自分の 命と同じように他の人の命も大切にしようとする心を育てることが必要である。この時期の児 童は,極めて行動的で,活発なことを好むようになってくる。元気に任せた衝動的な行動が多 く,周りの人たちに心配や世話をかけることもしばしばある。生命がどんなに大切であるか, 考えるきっかけをつくることがとりわけ大切であると考える。 (2) 児童について 明るく元気な児童である。運動が好きで行動的だが,衝動的に動くことがあり,おもしろそ うだと危険でもやってみたくなるなど,お互いの安全を考えないで行動することもある。しか し,避難訓練では命を守るために真剣に練習や避難ができていた。理科の学習では,昆虫など の生き物に興味をもつが,命を慈しんで育てようとするところまでは至っていない。総合的な 学習の時間に命について考えた時には,地震で多くの命が失われたことに怖さを感じ,安全や 健康に気を付けて元気に過ごしたいという意見が多かった。しかし,自分のこれまでの成長や, かけがえのない命を家族が守り育ててきた,ということに関心をもつ児童は少なかった。どの 命も待ち望んで生まれたということに気付かせ,自分の命も友達の命も大切にしていこうとす る気持ちにつなげていきたい。 (3) 資料について 本資料は,新しい生命の誕生を通して,自分の生命が周りの人々によって守られていたこと を知り,そこで初めて,他の人の生命も尊重しようとする主人公の気持ちの変化が描かれてい る内容である。主人公に共感させることにより,自他の生命の尊さを,いっそう深く考えさせ たい。 ふだんは健康であることや生きていることが当たり前のように感じられているが,自分が生 まれた頃の話を聞くことで命の尊さに気付く主人公の気持ちは,児童にとって共感できるもの であると思われる。主人公に自分を重ねて,生命の尊さを感じ,人の命を大切にしようとする 心情を育てるのに適した資料である。 導入では,おなかに赤ちゃんのいるお母さんのことを話題にする。総合的な学習の時間に, おなかの重さと同じリュックをもってみた体験を想起させ,お母さんの様子を想像させたい。 展開においては,主人公に共感させ,自分の生命の大切さの自覚へと結びつけていきたい。こ こでは,主人公が生まれた頃のことを知り,新しく生まれる赤ちゃんへの思いが変わったこと に着目させ,自分を振り返る。そこで,家族からの手紙を読む。生まれたときの家族の喜びを 知ることで,自分の場合も主人公と同じように家族にとってかけがえのない存在として生まれ てきたことに気付かせたい。終末ではたくさんの出産に立ち会ってきた看護師さんの話を聞く ことで,自他の生命の大切さに気付かせたい。 4 資料分析 主な場面 登場人物の心の動き 子どもの意識 発問 おばちゃんのおなか に赤ちゃんができたこ とを聞き,いとこが一 人っ子でなくなるのを うらやましがる。 ・くやしくてたまらない。 ・うらやましくて,くや しくて,なみだがでそ う。 ・弟や妹が生まれたときを 思い出すな。 ・私も,妹がほしいな。 ・ぼくも弟がほしいから, 気持ちが分かるな。 ・「おめでとう。」が言えれ ばいいのに。 ○おばちゃんに赤ちゃんが 生まれると聞いたとき, 「わたし」はどんな気持 ちになったでしょうか。 お母さんのおなかに 自分がいたとき,バイ クで転んで死にそうに なったことを聞き,お 母さんの育児日記を読 む。 ・わたしが死にそうにな ったなんて,びっくり だ。 ・わたしのことを,とて も心配している。 ・わたしが無事に生まれ たことを神様に感謝し たんだ。 ・生まれるまで,大変だっ たんだな。 ・無事に生まれてよかった な。 ・無事に生まれて,お父さ んもお母さんもとても喜 んだんだろうな。 ・お母さんが神様に祈るよ うにして産んだんだな。 ・こんなに喜んでくれるの かな。 ○お母さんの育児日記を読 んだとき,「わたし」は どんな気持ちになったで しょうか。 ・赤ちゃんはおばちゃん にとって宝物なんだ。 ・おばちゃんの赤ちゃん も元気に生まれるとい いな。 ・生まれるってうれしいこ とだね。みんなでよろこ びたい。 ・「おめでとう。」と言って あげられるようになって, よかったな。 ◎「わたし」が「おばちゃ ん,おめでとう。」と素 直に言えたのは,どうし てでしょうか。 赤ちゃんが生まれる ことについて考え,お ばちゃんに「おめでと う。」を言ってあげる気 持ちになる。 -1- 価値 思いやり ・ 親切 家族愛 感謝 生命 尊重 5 関連構想 道徳3-(1)生命尊重 学級活動 ○「男女の協力」 4月 ・お互いのよさを認め 合い,助け合ってい こうとする態度を育 てる。 ○「雨の日のすごし方 をきめよう」 6月 ・雨の日の遊び方を, 話し合って決めるこ とで,安全に楽しく 過ごそうとする態度 を育てる。 ○「交通安全を振り返 ろう」 7月 ・登校班での通学路の 歩き方や,自転車の 乗り方の様子を振り 返り,交通安全に気 を付けようとする態 度を育てる。 道徳 「健ちゃんをたすけろ」 9月 生命の尊さを知り,自他 の生命を大切にしようとす る心情を育てる。 学校行事 ○交通安全教室 4月 ・自転車の正しい乗り方を理解 させ,正しくできるようにす る。 ○避難訓練 5・6・12月 ・避難の仕方が分かり,すばや く安全に避難することができ るようにする。 道徳 「おばちゃん,がんばれ」 10月 生まれる命が家族に守ら れ,かけがえのないものと して待ち望まれていること に気付き,自分や他の人の 生命を大切にしようとする 心情を育てる。 道徳 「いただいた命」 2月 生命の尊さを知り,全て の命あるものを大切にしよ うとする態度を育てる。 ○学習発表会 10月 ・命について調べたことや考え たことをもとに,発表するこ とができるようにする。 教科・総合 【総合的な学習の時間】 ○「みんな生きている命」 1~2学期 ・健康や安全,人の一生につい て調べることで,たくさんの 人が支え合って生きているこ とに気付き,成長していく自 分について考えることができ るようにする。 【国語】 ○「ちいちゃんのかげおくり」 10月 ・場面の移り変わりに注意して 読み,感想をもつことができ るようにする。 【理科】 ○「たねをまこう」 5月 ○「チョウを育てよう」 6月 ・ホウセンカやひまわり,モン シロチョウを育てて,育ち方 や体のつくりを調べることが できるようにする。 6 本時の実際 (1)ねらい 生まれる命が家族に守られ,かけがえのないものとして待ち望まれていることに気付 き,自分や他の人の生命を大切にしようとする心情を育てる。 (2)学習の展開 学習活動 予想される児童の反応 教師の支援 導 1.おなかに赤ちゃんがいる ・おなかが重いなあ。 ・総合的な学習の時間に, 入 お母さんの様子や気持ちを ・無事に生まれるか心配。 赤ちゃんの重さと同じ疑 5 想像する。 ・元気な赤ん坊が生まれるように 似体験の装具を身に付け 分 生活に気を付けたい。 た時の写真を見せること で,想像しやすくする。 2.資料「おばちゃん,がん ばれ」を聞き,話し合う。 展 開 35 分 ・話の内容がよく分かるよ うに紙芝居を使って読む。 ○おばちゃんに赤ちゃんが生 ・たかちゃんに弟か妹が生まれる ・素直に喜べない「わたし」 まれると聞いたとき,「わ ので,うらやましくなった。 の気持ちに気付くことが たし」は,どんな気持ちに ・わたしだけ一人っ子じゃつまら できるように,うらやま なったでしょうか。 ないと思った。 しい理由を表す言葉を掲 ・わたしも弟か妹がほしいなあ。 示する。 ○お母さんの育児日記を読ん ・生まれることができてよかった。・父母が無事を祈った大切 だとき,「わたし」はどん ・死ななくてよかった。 な命であることに気付く な気持ちになったでしょう ・わたしのことを本気で心配して ことができるように,お か。 いる。 父さんや育児日記の言葉 ・お母さんが,がんばって産んで を掲示する。 くれたんだ。 ・人が生まれるというのは,大変 なことなんだ。 ◎「わたし」が「おばちゃ ん,おめでとう。」と素 直に言えたのは,どうし てでしょうか。 ・赤ちゃんはお父さんやお母さん ・最初の場面とちがって, の宝物だ。おばちゃんにとって どう思うようになったか 大事な赤ちゃんだと思った。 考えられるように,対比 ・おばちゃんも,体を大切にして できる板書構成をする。 ほしいと思った。 ・イラストと吹き出し入り ・元気な赤ちゃんを産んでほしい。 のシートを準備すること ・生まれるっていいことだな。 で書きやすくする。 ・赤ちゃんが生まれるって大変な ことだと分かった。 3.家の人からの手紙を読ん ・一人一人が開けて読める で,自分たちが生まれたと ように封筒に入れて準備 きの家の人たちの思いを知 しておく。 る。 ○お手紙を読んで,どんなこ ・生まれたことをとても喜んで, ・友達の意見を聞くことで, ことを思いましたか。 ぼくをとても大切に思っている 友達も家族に心配され, んだ。 待ち望まれて生まれてき ・みんなも同じで,大事にされて ていることに気付くこと 生まれてきたんだ。 ができるようにする。 終 4.出産を手伝ってきた看護 ・自分の命も友達の命も,おうち ・どの家族も赤ちゃんに出 末 師さんの話を聞く。 の人にとって宝物だと分かった。 会えたことを喜び,健康 5 (テープ) を願っている話をする。 分
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