2010 年 3 月 8 日 本資料は、サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)が 3 月 4 日(現地時間)に発表したプレスリリースを 日本語に翻訳・編集したものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については 両言語が優先します。http://www.sanofi-aventis.com をご参照ください。 cabazitaxel により、進行性ホルモン治療抵抗性 前立腺がん患者さんの生存期間を延長 - 前治療としてドセタキセルによる化学療法を受けたにもかかわらず病勢が進行している 患者さんにおいて、cabazitaxel とプレドニゾンの併用による効果を確認 - - 国際大規模第 III 相試験からのデータは、サンフランシスコで開催された 2010 年泌尿生殖器がんシンポジウムで発表 - フランス・パリ-2010 年 3 月 4 日-サノフィ・アベンティス(EURONEXT:SAN および NYSE:SNY) は同日、ドセタキセルによる化学療法を受けた後に病勢が進行した転移性(進行性)ホルモン治療抵抗性 前立腺がんの患者さんにおいて、cabazitaxel とプレドニゾン/プレドニゾロンを併用すると、全生存期間と 無増悪生存期間が統計学的に有意に改善することを示す第 III 相試験の結果を発表しました。これは TROPIC スタディと呼ばれ、cabazitaxel とプレドニゾン/プレドニゾロンの併用と、抗がん剤ミトキサント ロンとプレドニゾン/プレドニゾロンの併用が比較されました。 多くの転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者さんでは、この病気は、化学療法を行ったにもかかわら ず進行し続けます。現在、このような患者さんに対する承認された治療法はありません。 北米担当治験責任医師であり、ニューオリンズのテュレーン大学医学部がん研究 Piltz の教授を務めるオリ バー・サーター博士は、次のように述べています。「今回の成果は、治験中のこの薬の開発において重要 な意味を持ちます。なぜなら、この試験では統計学的に有意な全生存期間の改善が示されたからです。そ して、治療が困難な侵襲性の前立腺がんを持つ患者さんにおいて、全生存期間の統計学的に有意な改善が 示されたのは初めてのことです。」 TROPIC スタディは、ドセタキセルによる化学療法を受けた後に病勢が進行している転移性ホルモン治療 抵抗性前立腺がんの患者さんを評価するためにデザインされた試験です。試験結果から、cabazitaxel とプ レドニゾン/プレドニゾロンの併用群では、死亡リスクが統計学的に有意に 30%低下し[ハザード比=0.70 (95% CI: 0.59-0.83); P<0.0001]、全生存期間の中央値がミトキサントロン併用群の 12.7 カ月に対して 15.1 カ月と臨床的に意義のある改善がもたらされることが明らかになりました。cabazitaxel 併用療法を受けた 患者さんでは、無増悪生存期間の中央値も有意に改善しました(2.8 カ月 対 1.4 カ月)[ハザード比=0.74 (95% CI: 0.64 - 0.86); P<0.0001]。 〒163-1488 東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティタワー www.sanofi-aventis.co.jp cabazitaxel 群で最も一般的に見られたグレード 3 または 4 の血液毒性は、好中球減少症(81.7%)、発熱 性好中球減少症(7.5%)、感染症(10.2%)でした。最も一般的に見られたグレード 3 または 4 の非血液 毒性は、嘔気(1.9%)、嘔吐(1.9%)、下痢(6.2%)でした。cabazitaxel 群での中止につながった治療 関連の有害事象のうち、最も一般的に見られたものは、好中球減少症(2.4%)、血尿症(1.3%)、下痢 (1.1%)、疲労感(1.1%)でした。グレード 3 または 4 の末梢神経障害の発生率は、cabazitaxel 群で 0.5%、ミトキサントロン群で 0.3%でした。有害事象による死亡の発生率は、cabazitaxel 群で 4.9%(主 に好中球減少症およびその合併症)、ミトキサントロン群で 1.9%でした。 サノフィ・アベンティスのグローバルオンコロジー担当シニア・バイスプレジデントを務めるデバシシュ・ ロイチョウドゥーリ(M.D.)は、次のように述べています。「この説得力のある結果をヘルスケアおよび がんコミュニティと共有したいと考えています。当社は、転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がんのように 重篤な病気の患者さんに新たな選択肢と希望を提供することを原動力として、新規抗がん剤を研究・探究 し、これらの医薬品を患者さんに提供するべく取り組んでいます。」 試験結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)、米国放射線腫瘍学会 (ASTRO:American Society for Radiation Oncology)、および米国泌尿器腫瘍学会(SUO:Society of Urologic Oncology)の主催で、3 月 5 日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された 2010 年泌尿 生殖器がんシンポジウムに於いて、サーター博士によって発表されます。 TROPIC スタディについて TROPIC スタディは、米国を含む世界 26 カ国 146 カ所の施設で実施されました。 この多施設共同第 III 相無作為化登録試験では、前治療としてドセタキセルによる化学療法を受けたにもか かわらず、病勢が進行している転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がんの患者さん 755 人の評価が行われま した。 主要評価項目は全生存期間でした。副次的評価項目は、無増悪生存期間、腫瘍奏効率、腫瘍進行、前立腺 特異抗原(PSA)反応、PSA 進行、疼痛反応、および疼痛進行でした。この試験における病勢進行は、腫 瘍進行、PSA 進行、または疼痛進行と定義されました。患者さんは、cabazitaxel とプレドニゾン/プレド ニゾロンの併用(378 人)、またはミトキサントロンとプレドニゾン/プレドニゾロン(377 人)の併用の いずれかに無作為に割りつけられました。患者さんは、いずれかの治療法を最長 10 サイクルにわたって 受けました。 cabazitaxel について cabazitaxel はタキサン系の新規の治験中の薬であり、タキサン耐性のある細胞系でも作用する可能性があ ります。cabazitaxel は、細胞の微小管内で細胞の形状を維持するための骨格となるチューブリンに結合し、 チューブリンを安定化させることによって、細胞分裂とがん細胞の増殖を阻害することが明らかになって います。 cabazitaxel は最近、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)からファーストトラック審 査の対象に指定されました。ファーストトラック審査は、重篤な疾病のために開発中で、未だ満たされな い医療ニーズに対応できる可能性を秘めた薬剤の審査を迅速化するためのプロセスです。段階的申請がす でに開始されているため、新薬承認申請書の完了した部分について順次提出を行うことができます。 前立腺がんについて 世界的に見ると、前立腺がんは、男性のがん発症率で第 3 位、がん死因で第 6 位となっています。米国で は、肺がんに次いで 2 番目に多い男性のがん死因となっています。2009 年に、米国では新たに 192,000 人が前立腺がんと診断され、27,000 人がこの病気で亡くなっていると推定されました。 転移性前立腺がんとは、がんがリンパ節や身体のその他の部分(多くの場合は骨)に蔓延すなわち転移し ていることを指します。去勢抵抗性またはホルモン治療抵抗性前立腺がんとは、前立腺がん細胞の増殖を 進行させる男性ホルモンを抑制する治療を行ったにもかかわらず、がんが増殖し続けていることを指しま す。前立腺がん全体の 80%以上は、前立腺および周辺器官にがんがとどまっている段階で発見されますが、 10~20%の患者さんは、診断時にすでにがんが転移しています。 2/3 サノフィ・アベンティスについて 世界をリードする製薬企業の一社であるサノフィ・アベンティスは、医薬品の創薬発見・開発・販売を通じて、 人々の生活の質の向上に取り組んでいます。 サノフィ・アベンティスは、パリ(Euronext: SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。 今後の見通しに関する記述 このプレスリリースには、1995年民間有価証券訴訟改正法(修正を含む)でいう「今後の見通しに関する記述」が含 まれています。今後の見通しに関する記述とは、歴史的事実を述べるものではない記述です。これらの記述には、財 務計画と予測ならびにそれらの根拠となる前提、将来の事象、事業、製品およびサービスに関する計画、目標、意向 および期待に関する記述、ならびに、将来の実績に関する記述が含まれます。一般的に、今後の見通しに関する記 述は、「予想」、「期待」、「見込み」、「予定」、「予測」、「計画」などの表現によって識別されます。サノフィ・アベンティ スの経営陣はそのような今後の見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えますが、投資家は今後の見通し に関する情報と記述がさまざまなリスクと不確実性の影響を受けやすく、それらの多くが予測困難であり、通常サノ フィ・アベンティスが制御できず、そのために実際の結果と進展が、今後の見通しに関する情報と記述の中で表現さ れた、暗示された、または予測されたものとは大幅に異なる可能性があることに注意して下さい。これらのリスクおよ び不確実性には、サノフィ・アベンティスの2008年12月31日終了事業年度フォーム20-F年次報告書の「リスク要因」 および「今後の見通しに関する記述」項目を含む、サノフィ・アベンティスが作成したSECおよびAMFに対する公の届 け出の中で議論されているかまたは特定されているものに加え、研究開発や今後取得する臨床データ、市販後調査 を含むその解析、製品候補となるべく申請した医薬品、医療機器、生物学的手法の承認の取得可否およびその時 期に関してのFDAやEMEAなどの当局の決定、またそのような製品候補の利用や商業化に影響を与えることが可能 な事項や添付文書に関する決定、(もし承認された場合)その製品が商業的に成功する保障の欠如、また今後取得 する追加適応の承認や商業的な成功らに付随する不確実性とその他の事項が含まれます。サノフィ・アベンティスは、 適用法によって義務付けられている場合を除き、今後の見通しに関する情報または記述の更新または見直しを行う 義務を負うものではありません。 3/3
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