tour de pey-berland JP.qxp_berland 14/11/14 15:26 Page1 見学 サン・タンドレ大聖堂 インフォメーション 歴史 見学 サン・タンドレ大聖堂 ▲ インフォメーション 歴史 ▲ ▲ 見学 サン・タンドレ大聖堂 インフォメーション 日本語 ペイ・ベルラン塔 用語集 北 ペイ・ベルラン塔 サン・タンドレ大聖堂 特異な大聖堂 大聖堂は当初から、ガロロマン期の城壁南西の角 地に建てられました。今日は市役所となっている 司教宮の近くに位置します。ゴシック様式の聖堂 につきものの西の大扉の不在は、このロケーショ ンから説明がつきます。サン・タンドレ大聖堂の正 面出入り口は、一貫して北側に面してきました。 近年の考古学調査では、ローマ期の大聖堂の巨大 な正面玄関跡が発掘されています。 1330年ごろに、鐘楼をいだくポーチが、現在みら れる尖塔タイプの門扉に変更されました。 サン・タンドレ大聖堂は、13世紀から14世紀半ば にかけて北フランスにみられた典型的なゴシック 建築様式を採用しています。 ペイ・ベルラン塔の誕生 湿地帯に建てられた大聖堂は、早くからそのもろ さを露呈しました。身廊は、16世紀初期に8つの 巨大な飛び梁で強化されました。このような欠点 を慎重に考慮した司教は、鐘楼塔を隣接させずに 離れた位置に建てることにします。これは、イタ リアの鐘楼塔スタイルを思い起こさせます。 近年の都市開発によって、聖堂全体が整合性のと れた保存エリアを構成するようになりました。 2007年、ボルドーの保護地区同様に、サン・タン ドレ大聖堂がユネスコ世界遺産に登録されました。 大鐘:鈍い低音で鳴り響く巨大な鐘 オーギュスト・バルトルディ(1834-1904):フランス の彫刻家で、有名なニューヨークの「自由の女神」 の作者 しころ窓(板):窓などの開口部に斜めに差し込 み、音を下方に向けるとともに、悪天候から鐘を 守る役割を持った板片 対窓:対になった同形の窓、開口部 鐘楼:木材を組んだやぐらで鐘を擁する トレーサリー、飾り格子:石製の骨組みで、開口 部を小さく、もしくは分割するもの ピナクル:花形装飾付きの小さなピラミッド形 で、控え壁の上部を彩る 振り子式の鐘:鐘が振れることによって音が鳴る しくみで、鐘舌が鐘縁を一定の短い間隔で打つ ムートン:木製またはメタルのピースで、そのな かに鐘の柄をかけるもの 役に立つ情報 平均見学時間:30分 解説付き見学要予約 書店-ブティック 「Cathédrales de France 」シリーズの一冊として、当モニュメントの ガイドが、書店‐ブティックにてお求めになれます。 Centre des monuments nationaux Tour Pey-Berland Place Pey-Berland 33000 Bordeaux tél. 05 56 81 26 25 fax 05 56 79 21 82 www.monuments-nationaux.fr サン・タンドレ大聖堂鐘楼 crédits photos droits réservés © Centre des monuments nationaux, Paris. illustration Tout pour plaire. conception Plein Sens, Anders. réalisation beau fixe. traduction InPuzzle. impression Stipa, janvier 2015. 歴史 大司教に手がけられた建築物 1630 年頃の大聖堂 裕福な農家に生まれたペ イ・ベルラン(1375-1458) は、ボルドー屈指の大司教 になります。司教職を務め ながら、ボルドー大学を設 立し、サン・タンドレ大聖 堂の装飾を手掛けました。 1440年に建築がはじまった鐘塔は、鐘の振動から 大聖堂の構造を保護するため、離れた位置に設け られました。 1853年まで鐘がなかった鐘楼 塔は、鐘の不在によって鐘楼としての役目を果た さず、住まいとして複数のアパルトマンに区切ら れていました。 すでに1667年の暴風雨で損害を被っていたため に、1790年の街路道路拡大に伴った取り壊しが検 討されます。しかし、世論が取り壊し反対を呼び かけるなどし、最終的には売却され、猟銃用の散 弾工場に改造されました。 1848年に歴史建造物に指定され、1851年にはド ネ枢機卿が鐘楼を買い戻します。枢機卿はこの塔 に本来の役割を与えるべく、3つの鐘と大鐘* を設 置しました。壮大な「聖母子像」を頂く石造りの 尖塔も加えられました。 鐘つき作業は、1925年以降に人力から電気モー ター式に移行されました。 *裏面に解説あり tour de pey-berland JP.qxp_berland 14/11/14 15:26 Page4 歴史 見学 サン・タンドレ大聖堂 インフォメーション ▲ 内部 塔は4層構造になっており、唯一のらせん階段 (231段)で行き来できるようになっています。 1 階 塔はチャペルの基礎上に建設されました。唯一の 名残は、柱頭式小円柱を配したゴシック様式の窓 で、これは出入り口に改造されています。 1882年に北西の控え壁に通路があけられ、階段と この空間とが繋がり、現在では塔の受付及び発券 所となっています。 塔内には4つの鐘が収められています。最古の鐘は 1552年製で、キリストの生涯画とゴシック書体で 装飾されています。これは、1782年に鋳造された 二つの小鐘と同じく、大聖堂のぜんまい式時計の システムを採用していました。 1704年製の鐘は大聖堂北塔から移されたもので、 ムートン* が今も残っています。 2 鐘室は、塔の心臓ともいうべき空間です。オーク 材を組んだ鐘楼* は、地上24mにそび えています。高さ11m、幅6mのこの 空間は二層に区分され、4つの鐘を擁 しています。鐘は振り子式に鳴ら され* ます。電力モーターによって、 大聖堂から遠隔操作で鳴らすことがで きます。 「フェルディナン・アンドレ Ⅰ世」大鐘* の命名式には、ナポレオ ン三世とその妻ウージェニーが主賓と して臨席しました。この最初の大鐘* は重量が重すぎ、ひびが見られたた め、「フェルディナン・アンドレⅡ世」に取り換えら れました。これは、ムートン* を含めて重さが8ト ン、直径が2,32 mあり、宗教行事や教会の重要事 の際に鳴らされます。直径1,9mの「マリーⅡ」 は、4,2トンの重さです。 これらの鐘はボレー鋳造所が手がけました。 3 第一テラスは地上40mにあり、コンクリートの床 から二つの小鐘が見えます。 2,5トンの「マルグリット」は、唯一ボルドーで作ら れた鐘で、デイレス鋳造所が手がけました。 わずか880㎏の「クレマンス」は、祈りの時刻を知ら せるお告げの鐘です。回廊が囲み、対窓* で装飾さ れた尖塔のタンブールは、飛び梁で支えられて控 え壁にもたせかける状態で、階段小塔の上部に配 されています。 外部 北 4 第二テラスは、地上50mの高さにあり、尖塔周囲 に配されています。この尖塔は10mの高さがあ り、クロケット装飾が見られます。 高さ6m、重さ1,3トンの銅製像「ノートルダム・ダ キテーヌ」は、パリの彫金師アレクサンドル・シェ ルティエによる作品です。鳩をなでる幼子イエス を抱くマリアは、もう一方の手に百合の花を持っ ています。メドックの方角を向くこのマリア像 は、ペイ・ベルランが生まれたアヴェルサンの集落 サン・ラファエルを見つめています。 銅板組立てをメタル構造で強化したもので、1863 年にドネ枢機卿が発注しました。これは、バルト ルディ*の作品と同時期の制作です。 2002年には像が修復され、金メッキが施されてい ます。 4 3 2 北の控え壁には、1440年10月13日に大司教ペイ・ ベルランが第一基石を設置したことを記念する銘 が刻まれています。 鐘楼のファサード装飾は、4段階に区分されていま す。 一層目となるベース部の壁面は、開 口部を有さず、装飾もありません。 唯一の出入り口は、北西の控え壁に 設けられた階段踊り場へ通じる扉で した。19世紀に、尖頭アーチ型の大 開口部が北面に設けられます。これ は新しい鐘を擁するためでした。 二層目の北および西側には、ゴシッ クフランボワイアン式のトレーサ リー(飾り格子)* による開口部なし のアーケード装飾が見られます。南 および東サイドには、19世紀に取り 壊された住居が隣接していました。 控え壁は薄くなり、ピナクル小尖塔 *による装飾が見られます。 3層目では、対窓* によって鐘室の 存在が示されています。レヨナン式 (放射状)装飾を施したこの大窓に は、木製のしころ板* が設けられて います。 ノートルダム・ダキテーヌ像を頂き に配した八角形の尖塔が4層目を構 成しています。二つの回廊に取り囲 まれたこの塔からは、ボルドーへの 美しい展望が臨めます。 1 *裏面に解説あり
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