技術士資格取得の扉を開く 第一次試験 第6号 発行者:江平 英雄、発行日:2009 年 1 月 20 日 メールアドレス:rdsnx187@ybb.ne.jp 基礎知識・・コンクリート編(1) まえがき このコンクリート編は、土木(建設)技術者が知っておくべき知識として伝承すべき知 識を土木学会関西支部編「コンクリートなんでも小事典」(講談社)と藤原忠司・長谷川 寿夫・宮川豊章・河合徹編著「コンクリートのはなしⅠ.Ⅱ」(技報堂出版)をベースに 記述しています。このような知識が「技術士資格取得の扉を開く」ために必要な知識なの かは、「技術士第一次試験の解答例、平成 14 年度板 建設部門」(近代図書)を参考にし ています。私としては、「このような知識は、当然、知っているだろうなぁ」と思いなが らも、受験生も、技術者としても、知っておくべき知識だと思っています。この通信メー ルで「コンクリート問題」を取り上げたのは、上記の参考資料を読んでいたことや、偶然、 雑誌「2008.12.26 の日経コンストラクション」で特集「トラブルに学ぶコンクリートの 品質」に 24 箇所の不具合例が記載されていたことからも、ジャスト・タイミングだと感じ ています。この資料での伝承方法は、私の試行錯誤の中から産まれてきたアイデアです。 アイデアを生かしてくれるのは、読者の皆さんです。是非、ご意見・ご感想なりをお寄せ ください。 1.セメント・コンクリートの基礎知識 セメント・コンクリートの起源は、2000~3000 年前、古代ローマ時代に構築された フォロロマーノ、カラカラ浴場、コロッセオ、パラティーノ丘の競技場、水道橋等、コン クリート構造物が散在している説が最も新しいものとして実在しています。1980 年中国 の李最雄博士が、中国甘粛省泰安県での大地湾遺跡で発見された大型住居跡での 5000 年 前説が登場しています。この遺跡では、粘土と石灰石地層の境界部分から産出された特殊 な「料きょう石」がセメントの代役を果たしています。また、1981 年スウェーデンのロ ーマン・マリノフスキー博士によるイスライル南ガレリア地方、イフタフの発掘現場での 壁部分使用されている材料から 9000 年前とする説があります。ここには、石灰を焼いた 粉に石灰石の粒を混入し、床に敷きつめらたものです。 今日、私達が使用しているポルトランドセメントは、ヴェスヴィオがもたらした奇跡の 粉「ボッツォラーナ」、ナポリの火山「ヴェスヴィオ」がもたらした物に由来しています。 この火山灰「ボッツォラーナ」は、石灰と水を混ぜ合わせ、これに割石を投入すれば、強 固な石塊になることを知るようになったローマ人が、水 1、石灰 2、ボッツォラーナ4の割 1 合で混ぜ合わせると、現代使用しているモルタルと同じような性質を有し、それに砕石や 砂利を混入し、建築構造物を構築したと言われています。 イギリスのジョン・スミートン(1724~1792)は、イギリス南部のエディストーン灯台 の建設に際して、古代ローマ時代のコンクリート技術に着目し、ポルトランドセメントの 研究をしはじめて構築していますが、その後 1824 年にレンガ積み職人ジョセフ・アスプ ディン(1778~1855)が、「人造石製造法の改良」と言う表題で特許を取得したことか ら、現在のポルトランドセメントが誕生しています。この時代のセメントは、粘土を 1000 ~1200℃で焼かれていますが、セメントの誕生と発達の背景に、高温でモノを焼く窯作り の技術が存在しています。また、ローマ時代の構築物には、コンクリート打設後、一定の 時間を経過させると凝結するため、打ち継ぎ目に「コールドジョイント」が生じることか らも、現在の型枠に相当する部分に煉瓦を積み上げ、その内側にコンクリートを打設して います。足場には、現在のビティ工法でなく、「ブランケット工法」を用いていたと言う 形跡が見られています。 (a) セメントの製造法 石灰石+粘土(粉砕したものをキルン)+少量の(けい石+鉄さい) ↓ 1450℃で焼成・・⇒「セメントクリンカー」・・粉砕 ↓ 少量の石こうを混入して完成。 (b) 硬化過程 セメントの水和反応は、硬化過程で生じる現象で、強固なコンクリートに変身させる化 学反応です。 カルシュウム(Ca)+アルミニウム(Al)+珪酸(SiO2)+水(H2O) (c) セメントの種類 ・ 普通ポルトランドセメント・・・一般的なもの。 ・ 早強ポルトランドセメント・・・固まるまでの時間の違いによるもの。 ・ 超早強ポルトランドセメント・・固まるまでの時間の違いによるもの。 ・ 中庸熱ポルトランドセメント・・固まるまでの時間の違いによるもの。 ・ 白色セメント・・セメント原料中の鉄分を除去したもの。 ・ 超速硬セメント・・1~2 時間で通常のコンクリート並の強度を発揮。 ・ エコセメント・・・廃棄物(廃タイヤ、バチンコ台、都市ゴミ、魚の骨、卵の殻、牛乳、 肉骨粉、プラスチックゴミ、ガラス瓶、建設残土)の利用セメント。 (d) コンクリートの種類 ・ レディーミクスコンクリート・・生コン ・ 現場練りコンクリート 2 その他の分類 ・ 髙強度コンクリート・・・・・⇒耐震構造物に使用するもの。 ・ 髙流動コンクリート・・・・・⇒作業員の手間のかからないコンクリート施工。 ・ 水中不分離性コンクリート・・⇒水中コンクリート施工に使用するもの。 ・ 転圧コンクリート・・・・・・⇒ダムや舗装に使用するもの。 2.コンクリートの配合での検討事項 コンクリートは、セメント、水、砂、砂利(砕石)と混和材・混和剤が用いられていま す。コンクリート全量に対して、使用料が比較的多い粉末系の材料を「混和材」、使用料 が少ない薬剤的な材料を「混和剤」と呼んでいます。セメントが樽に入っていた時代には、 混合割を容積比で、建築用がセメント1:砂2;砂利4、土木用がセメント1:砂3:砂 利6の割合で混ぜ合わせた後、水を職人の勘で適当に混ぜていました。現在では、次のよ うな項目を念頭において配合設計を行っています。 ・ 構造物として要求されている強度が満足しているか? ・ 打設作業性が確保しているのか?練混ぜ、運搬、打込み、締固め、仕上げ、型枠外し等 ・ 材料は、施工中に分離する危険がないか? ・ 構造物の鉄筋は錆びないようになっているのか? ・ 環境条件下における耐久性は、十分か? ・ 有害なひび割れは、生じないか? ・ 水漏れのしないコンクリートなのか? ・ 火災に対する安全性は、大丈夫なのか? (a)強度と水セメント比 コンクリート構造物では、コンクリートの強度が重要なファクターです。コンクリート の強度には、圧縮強度、引張強度、曲げ強度がありますが、一般的に、圧縮強度で評価さ れています。コンクリート強度と水セメント比の間には、密接な関係があります。セメン トに対する水の割が少なければ、コンクリート強度は増加します。逆に、水セメント比が 高ければ、強度は低下します。 (b)耐久性、水密性と水セメント比 コンクリートの材料は、その容積の 70%が骨材によって占められ、それをセメントペー ストが付着しています。即ち、セメントペーストの性質は、コンクリート内への異物質の 侵入に影響を及ぼすことになります。コンクリートは、ひび割れが生じなければ、水や異 物質を通しにくいものです。しかし、圧力がかかった場合等には、水がじんわりと滲み込 んでいくことがあります。水セメント比が大きければ、透水係数は大きく、小さければ透 水係数も小さくなります。 耐久性は、空気中の二酸化炭素の侵入による中性化(炭酸化)現象、塩化物イオンの侵 入による塩害現象に関連する問題でもあります。 3 (c)水量 コンクリートの軟らかさは、コンクリートに含まれる水の量によって決まります。水和 反応で消費されない水は、余剰水として、コンクリートの硬化後に空隙として、耐久性や 水密性を低下させる要因になります。 (d)セメント量 コンクリート内のセメントは、固まる時に反応熱(水和熱)が原因でひび割れ、乾燥収 縮現象を生じさせます。配合設計では、構造物の種類や各部材の強度、鉄筋配置間隔によ る骨材の最大寸法、スラプを定め、使用材料による試験練りを実施することになります。 コンクリートの主要部材の骨材については、その性質を調べることも大切です。その骨材 試験項目には、①粒度試験・・大小粒径の混合状態の調査。②密度および吸水率試験・・ 密度の大きいものは、一般に吸水量が小さく、骨材の強度が大きい。③粘土土塊量試験・・ コンクリート中に混入していると練り混ぜる際の水量を増加させ、強度や耐久性に影響。 ④有機不純物試験・・コンクリートの硬化を阻害し、強度や耐久性に影響、⑤塩化物量・・ 鉄筋腐食への影響、⑥安定性試験・・気象変化に対する骨材の安定性確認、⑦すりへり減 量試験・・舗装やダムにおける磨耗生の確認等があります。 (e)混和剤 混和剤は、コンクリートの性能を改善するために使われています。具体的には、打ち込 みやすくする、早く固まらせる、遅く固めさせる、など界面活性作用または水和調整作用 によって、コンクリートの諸性能を改善させるものとして使われています。化学混和剤の 種類と特徴は、以下の通りです。 ① AE 剤・・コンクリート中に多数の微細な独立した気泡(10~300μm 程度)を一様 に分布させ、ワーカビリティー(作業性)および耐凍性を向上させる剤。 ② 減水剤・・所要の作業性、やわらかさを得るために必要な水量を減少させる剤。 ③ 高性能減水剤・・必要なコンクリートの軟らかさを得るための単位水量を大幅に減少 させるか、同じ単位水量でコンクリートの軟らかさを大幅に増加させる剤。 ④ AE 減水剤・・AE 剤と減水剤の作用を併せ持つ剤。 ⑤ 高性能 AE 減水剤・・空気連行性能を有し、AE 減水剤よりも高い減水性能及びコンク リートの軟らかさを長時間維持できる性能を持つ剤。 ⑥ 凝結促進剤・・セメントの水和を早め、初期材齢の強度を大きくする剤。 ⑦ 流動化剤・・予め練り混ぜられたコンクリートに対して添加し、その流動性を増大さ せることを目的とする剤。 (f)塩害問題 コンクリートは、長期にわたって耐久性を維持できる建設材料ですが、環境条件や使用 材料によって劣化が生じる場合があります。その原因の代表的なものの一つには、塩害が あります。塩害とは、塩化物イオンによる害です。コンクリート構造物中の鉄筋(鋼材) が腐食すると、腐食生成物である錆が生じ、その錆によってコンクリート体積が増加し、 4 その応力によってコンクリート(かぶりコンクリート)にひび割れを生じさせ、コンクリ ートが剥落することことになります。錆の発生は、鋼材有効断面積を減少させ、構造体を 支える鉄筋力を弱め、コンクリートのひび割れを通じて塩化物イオンの浸透を増進させ、 錆生成が加速される悪循環現象が生じます。 塩害の発生原因には、内的塩害と外的塩害とがあります。内的塩害は、使用材料に起因 するもので、海砂を洗浄せずに使用した場合や塩化物イオンを多量に含む混和材した場合 に生じています。外的塩害とは、潮風にあたる海岸構造物、凍結防止材を散布する道路構 造物等のケースが考えられます。1970 年代頃から顕在化しはじめた塩害問題に対して、 各機関の調査報告書によれば、鉄筋が腐食し始める塩化物イオン量は、コンクリート1m3 あたり 0.5~1.0kg、耐久性に影響を及ぼす量が、1.5~2.5kg/m3 以上だと言われていま す。JIS 規定では、生コンクリート中の含有量を 0.3kg/m3 以下としています。 この対策としては、塩化物イオンが侵入しにくいコンクリートにするために、水セメン ト比の小さいコンクリート配合、鉄筋のかぶりを厚くする方法や、コンクリート表面を遮 塩性の材料で覆うような方法(撥水性材料、樹脂系材料、ポリマーセメント系材料等)、 あるいは鉄筋を錆びにくいものに変えてしまう方法(エポキシ樹脂塗装鉄筋、アラミド鉄 筋等)が採用されています。 (g)養生と温度調節 コンクリートの初期養生は、最も大切な要因です。コンクリートは、打設後の一定期間、 適当な温度のもとで、十分に湿潤状態を保って養生させることによって、性状が大きく変 化します。 (h)軽量コンクリート コンクリートの密度は、2.3~2.5kg/m3 です。軽量コンクリートを製造するには、骨材 を軽くする方法(軽量骨材コンクリート)とセメントペースト部分に微細な空気泡を入れ る方法(軽量気泡コンクリート)があります。 3.過去の技術士試験問題探索 「扉を開く」には、過去の試験問題を知らなければなりません。技術士法改正後の問題 ような、過去の問題を知ることの方が良いのではないかと考えて、今回は、平成 13 年まで の問題を取り上げています。 鋼構造及びコンクリート問題 平成 5 年 鉄筋コンクリート部材の設計に関する記述のうち、誤っているのものはどれか ① コンクリートのポアソン比は、弾性範囲内では、一般に 0.2 としてよい。 ② 温度の影響は、構造物の種類、環境条件、部材の寸法等に応じて定めるものとする。 ③ 曲げモーメント及び軸方向力によるコンクリートの引張応力度が、コンクリートの設計 引張強度の 90%より小さい場合、曲げひびわれの検討は行わなくてもよい。 5 ④ かぶりは、コンクリートの品質、鉄筋直径、環境条件、施工誤差、構造物の重要度等を 考慮して定めなければならない。 ⑤ 鉄筋の継手は、鉄筋の種類、直径、応力状態、継手位置等に応じて適切なものを選ばな ければならない。 [解答] コンクリートの設計引張強度の 60%より小さい場合である。 平成 6 年 鋼材の性質に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。 ① 鋼のヤング係数は 2.1×106kgf/㎠、ポアソン比は 0.30 である。 ② 鋼板は板厚が厚くなると、じん性と溶接生が低下する。 ③ 鋼を焼き入れた後に焼き戻せば組織が安定し、粘りが低下する。 ④ 鋼材は一般に炭素の量が多くなれば強度が増し、溶接性が良くなる。 ⑤ 日本工業規格において SS400 材の最低引っ張り強さは、400N/mm2である。 [解答]③の場合、炭素量が少ないほど高温になる。鋼を焼き入れた後に焼き戻せば組織 が安定し、粘りが増加する。④の場合、一般に炭素の量が多くなれば強度が増するが、溶 接性が悪くなる。 平成 7 年 鉄筋コンクリート柱部材のじん性に関する記述のうち、誤っているものはどれか。 [じん性率とは、終局変位δu と降伏変位δy の比率μ=δy/δu のことである] ① じん性の程度は、終局変位の降伏変位に対する比で表される。 ② じん性が大きいほど、降伏変位を超えてからも部材の耐力を失うことなく大きく塑性 変形できる。 ③ じん性が大きいほど、振動エネルギーをより吸収でき、耐震性能が高い。 ④ 曲げ耐力が大きい部材ほど、じん性も大きい。 ⑤ じん性を高めるためには、帯鉄筋等横拘束筋を密に配置することが有効である。 [解答]引張鉄筋量が多ければ、鉄筋が降伏する以前にコンクリートが圧縮破壊し、ぜ い性的な破壊となる。従って曲げ耐力が大きい部材でも、鉄筋が先に降伏するような断 面でないと終局変位は大きくならず、じん性が大きいとは言えない。④ 平成 8 年 柱、板の座屈減少に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 軸力を受ける柱部材の局部座屈とは、柱断面の一部が降伏することによる座屈を意味 する。 ② 柱の座屈強度は柱の断面形状、細長比、初期変形などの影響を受ける。 ③ 柱の有効座屈長は、柱の両端の支点条件によって変化し、両端ピン固定の場合は両端 剛結固定の場合の 2 倍の長さになる。 ④ 板をコンクリート床版などで十分に補剛することにより、板の局部座屈を防止するこ とができる。 6 ⑤ オイラーの公式によると、弾性座屈荷重は鋼材の降伏応力の影響を受けない。 [解答]①柱部材を軸方向に圧縮すると、材料の降伏点に達する前に湾曲する減少を座 屈といい、板自身の局部座屈(b/t による座屈)と部材全体の全体座屈(l/r による座屈) とがある。座屈を起すときの圧縮力 Per を座屈荷重といい、座屈応力度は、次の式で表 わされる。δcr=Per/A=π2EI/l2A=π2E/(l/r)2 オイラーの弾性座屈荷重の式 Per=π2EI/L2 平成 9 年 コンクリートに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 代表的なポルトランドセメントの種類としては、普通、早強、中庸熱セメントがある。 ② 水セメント比を大きくすると、コンクリート圧縮強度は大きくなる。 ③ スランプ試験は、コンクリートのワーカビリチーを判断するのに有効である。 ④ コンクリートの引張強度は、一般に圧縮強度の 1/10~1/13 程度である。 ⑤ コンクリートの弾性係数は、コンクリートの強度により異なる。 [解答] ② 平成10 年 鋼部材の破壊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 常温で静的荷重により破壊する減少を延性破壊と言い、低温で衝撃的な荷重により破 壊する現象を脆性破壊という。 ② 部材に応力が繰り返し作用して破壊する現象を疲労破壊と言うが、降伏応力以下の小 さな応力では疲労破壊は生じない。 ③ 荷重が負荷されてからある時間が経過した後に、突然、脆性的に破壊する現象を遅れ 破壊という。 ④ 腐食による破壊は、電気化学反応により鋼材に錆びが生じて腐食が進行し、部材が減 厚して強度を失って破壊するものである。 ⑤ 座屈による破壊現象は、プレートガーターのような薄肉板構造似よく見られる現象で ある。 [解答]鋼材に繰返し応力が作用し、繰返し回数がある限度を超えると、静的な引張り強 度以下の低い応力レベルで亀裂が発生していくことがある。この現象を疲労、さらに繰返 し応力を負荷すると亀裂が成長して脆性的な破壊が生じる。これを疲労破壊という。② 平成 11 年 コンクリートに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① コンクリートのクリープ係数とは、コンクリートに生じる弾性ひずみに対するクリー プひずみのことを指し、クリープ係数が大きいほどプレストレスの損失は大きくなる。 ② 高強度コンクリートの実用的な製造方法として、高性能 AE 減水剤を用いる方法があ る。 ③ 粗骨材率とは、コンクリート中の粗骨材と細骨材の絶対容積比の百分率のことを指し、 7 適切なワーカビリティーが得られる範囲内でコンクリート強度が大きくなるようこれ を定めことが基本である。 ④ アルカリ骨材反応の抑制対策には、安全と認められる骨材の使用、低アルカリ形セメ ントの使用、抑制効果のある混合セメントの使用、コンクリート中のアルカリ総量の 抑制がある。 ⑤ レイタンスとは、コンクリートのブリーディングに伴い、表面に浮かび出て沈殿した もののことを指し、新旧コンクリートの打継目の施工においては、レイタンスを除去 してから新コンクリートを打ち継ぐことが必要である。 [解答]細骨材量と骨材全量との絶対容積比の百分率を細骨材率という。一般に、細骨材 率を小さくすると所要のコンシステンシーのコンクリートを得るための単位水量が減り、 単位セメント量が少なくなる。この効果は、コンクリートの品質も良くなり経済的にもな る。従って、細骨材率は、所要のワーカビリティーが得られる範囲内で、単位水量が最小 になるように試験で定める必要がある。③ 平成12 年 鋼構造物の非破壊検査方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 放射線透過法は、ブローホールのような容積のある欠陥よりも、疲労亀裂のような平 面的な欠陥の検出に適している。 ② 超音波検査法は、放射線透過法と比較して、検出精度が検査者の技量に大きく依存す る。 ③ 磁粉探傷法は、欠陥が表面に開口していなくても磁束が表面に漏洩するので、表面下 の欠陥も検出できる場合がある。 ④ 浸透探傷法は非磁性金属にも応用でき、道具が簡易で済むが、表面に開口している欠 陥しか検出できない。 ⑤ アコースティックエミッション(AE)法は、固体内部の微少な破壊あるいはそれと同 様なエネルギー解放過程によって発生する弾性波動を検出する方法である。 [解答]放射線透過法は、X 線やガンマ線が物体を透過する性質を利用して内部欠陥を調べ る方法で、特にブローホールやスラグ巻込みなどのような立体状の欠陥の検出に適してい る。逆に、厚みに変化のない平面的な欠陥の検出には不向きである。① 平成13 年 両端埋め込みの5径間連続梁の中央の径間に等分布荷重が作用している場合、当該径間 の曲げモーメント分布の概形として正しいのはどれか。 ① 正弦半波、 ② 一定 ③ 1 次関数、 ④ 2 次関数 ⑤ 3 次関数 [解答]④ 以上 8
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