「建設一般」択一式模擬問題 基本問題(1) 平成25年1月作成 (株)テクノ・リアライズ 当問題は、基礎的知識を習得するための基本問題です。 このため、技術士第一次試験の択一式問題と同様なタイプの選択肢もあります。 また、必ずしも五肢択一式ではない問題もありますのでお願いします。 Ⅰ 次の15問題について解答せよ。 問題1 国土基盤整備の目的およびその目的・目標を実現するための計画として、現行の 国土計画の名称(俗称含む)として正しいものはどれか。 ①21世紀の国土のグランドデザイン ②第五次全国総合開発計画 ③国土開発計画 ④国土形成計画 ⑤社会資本整備計画 問題2 我が国の社会資本整備の進捗状況に関する次の内容のうち、誤っているものを 2つ選べ。(人口普及率とは、総人口に占める割合をいう。) ①下水道処理人口普及率(22年度末):87% ②都市計画道路整備率(21年度末):59% ③1人当たり都市公園等面積(22年度末):9.8㎡/人 ④高規格幹線道路延長(23年度末):10,532km ⑤汚水処理施設人口普及率(22年度末):75% 問題3 我が国の社会資本整備の進捗状況と欧米諸国との比較に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。 ①我が国の人口100万人以上の都市の下水道処理施設の人口普及率は、99%であ るが、イギリスにおいては、全土でも98%(2005年)である。 ②ドイツのベルリンやイギリスのロンドンの都市公園等の1人当たり面積は、我 が国の3倍以上もある。 ③アメリカの高規格幹線道路延長は、我が国の10倍程度となっている。 ④我が国の1人当たりの住宅床面積は、37㎡(2008年)であり、イギリスの44㎡、 ドイツの47㎡、アメリカの59㎡に比べてはるかに少ない。 1 ⑤中国の高規格道路延長は、まもなく80,000kmとなり、至近年にアメリカを追い 越すと考えられる。 問題4 我が国の社会資本整備の進捗状況と欧米諸国との比較に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。 ①中国の鉄道延長は、2011年の93,000kmに達しており、2015年には、さらに 120,000km程度まで伸ばすと報告されている。 ②鉄道の混雑率を比較すると東京の166%(2010年度)に対し、ニューヨークは 71%(1991年)と低い。 ③主要都市圏における空港の滑走路数をみると、我が国は東京で6滑走路、ロン ドンは7滑走路、ニューヨークは9滑走路であり、退けをとっていない。 ④主要都市圏における空港の滑走路数をみると、我が国は大阪で5滑走路、パリ は6滑走路、ベルリンも6滑走路であり、退けをとっていない。 ⑤河川の氾濫防御率を比較すると、我が国は62%(2010年度末)であるのに対し て、テームズ川は100%(1/1000規模の高潮を防止)、ミシシッピー川は89% (1/500規模の高潮を防止、2003年)となっている。 問題5 地震の規模に関する次の内容のうち、正しいものはどれか。 ①マグニチュードとは、地震の揺れの大きさを表すもので、1~8の階級に分かれ ているが、先般の東日本大震災の地震では、「9」を記録した。 ②震度とは、地震の発するエネルギーの大きさを表す指標値であり、先般の東日 本の大震災のときには、「9」を記録した。 ③地震そのものの大きさを表す尺度の値が1つ増すと、そのエネルギーは8倍とな る。 ④地震そのものの大きさを表す尺度の値が1つ増すと、そのエネルギーは16倍と なる。 ⑤地震そのものの大きさを表す尺度の値が1つ増すと、そのエネルギーは32倍と なる。 問題6 過去の地震災害における死者・行方不明者数として、誤っているものはどれか。 ①三河地震(昭和20年1月):2,306人 ②福井地震(昭和23年6月):3,769人 ③兵庫県南部地震(平成7年1月):6,436人 ④新潟県中越地震(平成16年10月23日):68人 ⑤東北地方太平洋沖地震(平成23年3月11日):18,870人 2 問題7 過去の自然災害による死者・行方不明者数として、誤っているものはどれか。 ①雲仙岳噴火(1990年):44人 ②平成16年台風23号(2004年):98人 ③平成18年豪雪(2005年12月~2006年3月):152人 ④平成22年雪害(2010年12月~2011年3月):128人 ⑤平成23年大雪(2011年11月~2012年3月):92人 問題8 政策を評価する指標としての用語などの記述として、正しいものはどれか。 ①アウトカム指標とは、行 政 活 動 に よ り ど れ だ け の 財 や サ ー ビ ス を 提 供 し たのか、またその対象となった人々の数など、サービス成果を図る指 標をいう。 ②アウトプット指標とは、行 政 活 動 に よ り ど の 程 度 そ の 目 的 ま た は 達 成 目 標を達したのか、顧客のニーズにあったのか、あるいは社会にどのよ うな影響を与えたのかなど、社会成果と住民意識・満足度を測る指標 をいう。 ③フロー効果とは、整 備 さ れ た 社 会 資 本 施 設 が 機 能 し て 、安 全 性 や 利 便 性 、 効率性といった生産性等が向上するという直接効果をいう。 ④ストック効果とは、財 政 支 出 に 伴 い 短 期 的 な 有 効 需 要 を 創 出 す る こ と で 、 建設部門のみならず、幅広い産業分野における生産活動が誘発されて 生じる景気拡大などの経済効果をいう。 ⑤費用便益分析とは、事業を実施する上での費用対効果のうち、貨幣化できる効 果の総現在価値「B」と費用の総現在価値「C」との比をいう。 問題9 新しい交通ネットワークに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①フリーゲージトレインは、鉄道の車輪幅を変えることのできる車両であり、異 なる軌間の線路を走行することが可能である。 ②ライトレールとは、磁気浮上を可能とするレールであり、リニアモーターカー を支えるレールである。 ③トランジットモールとは、自家用自動車の通行を制限し、トランジット(すな わちバス、路面電車、タクシーなどの公共交通機関)の進入・運行のみを許可 した形態の歩行者道路(モール)をいう。 ④マルチモーダル交通体系は、複数の交通機関の連携を通じて、利用者のニーズ に対応した効率的で良好な輸送体系の確立と交通環境の創造を目指した連携 交通施策である。 ⑤LRTとは、軽量軌道交通のことで、いわば「次世代型路面電車」のことである。 3 問題10 交通・物流の効率化施策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①交通機関同士のシームレス化とは、出発地から空港までの移動を円滑かつ利便 性の高いものとするために、乗り継ぎ情報の提供や接続ダイヤの見直し等、ソ フト面を主とした効率化策である。 ②交通需要マネジメント(TDM)とは、都市または地域レベルの道路交通混雑を 緩和するために、道路利用者の時間の変更、経路の変更、手続きの変更などに よって交通需要量を調整することをいう。 ③道路の混雑を避けるために、通勤時のカープールや郊外駐車場の整備による交 通機関への転換など、自動車使用を自粛させることは、TDMの施策の1つである。 ④道路の混雑を避けるために、物流システムの効率化や就業時間のシフト策も TDM施策の1つといえる。 ⑤モーダルシフトとは、交通や輸送手段を変えることをいう。特に、貨物輸送を トラックから内航、鉄道等に変えることにより、道路の渋滞緩和や物輸エネル ギーの抑制およびCO2の排出抑制を行うものである。 問題11 次の用語の説明のうち、誤っているものはどれか。 ①パブリック・インボルブメント(PI)とは、施策の立案や事業の計画・実施等 の過程で、関係する住民・利用者や国民一般に情報を公開した上で、広く意見 を聴取し、それらに反映することである。 ②アナウンタビリティとは、行政機関や企業が、自ら行った判断や行為に関して、 国民に納得できるよう説明する義務、つまり「説明責任」である。 ③アセットマネジメントとは、インフラを資産(アセット)として捉え、財政制約 のもとでインフラの安全性・利便性・快適性等のサービスレベルを確保し、住 民・地域社会の便益を最大化するための総合的かつ戦略的なマネジメント手法 である。 ④アドプト制度とは、行政が民間事業者に公共施設のうち、河川管理などを依頼 し、地域に良好な環境を作り出す活動である。 ⑤静脈物流とは、排出される廃棄物を回収・再資源化するための物流をいう。製 品の生産から再資源化までの循環を人体の血流にたとえていうもの。 問題12 環境に関する次の用語の説明のうち、誤りを示す内容として正しいものはどれか。 ア.エコロードとは、環境にやさしいエコロジー・ロード、つまり環境にやさし い道づくりのことをいう。道路のルート計画や構造の検討にあたっては、自然 との調和を配慮したルート選定等を行うとともに、地形や植生の大きな改変を 避けるために必要に応じて橋梁やトンネル構造化を行うとともに、動物の横断 用構造物を設置するなどを行う必要がある。 イ.エコロジカル・フットプリントとは、「環境に残された足跡の意」であり、 4 生態環境に与えてしまう永久に消えることのない影響のことで、特に有害なも のを環境容量として表すものである。 ウ.ゼロ・エミッションとは、 「廃棄物ゼロ」をいう。廃棄物や排熱の自然界へ の排出(エミッション)をゼロにすることで、ある産業から排出される廃棄物 を別の産業の原料とするなどにより社会全体として廃棄物をゼロにしようと いう構想をいう。 エ.トップランナーとは、家電機器などの商品化されている製品のうちで、最も エネルギー消費効率が優れている、つまり「効率トップ」の機器をいう。 ① ア ② イ ③ ウ ④ エ ⑤ なし 問題13 生物生息環境等に関する次の記述のうち、正しいものを示すものはどれか。 ア.ビオトープとは、特定の生物群集が生存できる特定の環境条件を備えた均質 的な広がりを有する地域をいう。 イ.クマタカは、大きなタカで高山に棲み、野ウサギ、ヤマドリ、ヘビなどを主 食としている。ときにはカモシカ等を襲うこともあり、つばさを開いた時の幅 は1.5メートルにもなる。その数も全国で数百個体まで減少しており絶滅の危 機に瀕している。 ウ.イヌワシは、南方系の山地を棲みかとしているが、日本中部まで生息してい るが、絶滅の危機に瀕している。背面は暗褐色、喉は白地に黒い縦斑がある。 エ.オオワシは、日本で最大のワシで、北半球に分布し、日本では各地に見られ る。背面は灰黒色、腹は白地に細かな横斑がある。低山帯の森林に棲み、野生 動物を捕らえる。 オ.アオコは、富栄養化によって発生する藻類であり、藻類が水面に集積して水 の色が濃い緑色を呈し青い粉が浮かんでいるように見える現象をいう。家庭や 工場から排出されるリン酸塩と窒素化合物の濃度が高い汚水が湖沼に流入す ることにより、富栄養化が進行し、アオコはその典型的な現象である。 ① ア ② アとイ ③ アとオ ④ アとエ ⑤ ウとエ 問題14 温室効果ガス排出(2011年)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①我が国における温室効果ガスの総排出量は、CO2に換算すると年間13.7億トンで ある。 ②部門別温室効果ガス排出量で最も多いのは、産業部門であり、4.2億t-CO2であ る。 ③部門別温室効果ガス排出量で2番目に多いのは、運輸部門である。 ④部門別温室効果ガス排出量のうち、業務その他部門では、約2.5億t-CO2を排出 している。 ⑤部門別温室効果ガス排出量のうち、エネルギー転換部門では、0.86億t-CO2であ るが、2012年には、さらに増加すると予想される。 5 問題15 設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①コンシステンシーとは、水量または含水比の相違による軟らかさの程度をいい、 液状から固体状になるまでの性質であり、土にもコンクリートにもその性質が ある。 ②ヤング係数とは、コンクリート供試体に均等に軸圧縮力を加えると、軸圧縮力 に比例した縦ひずみを生じるときの比例定数で、圧縮力のそれに応じた縦ひず みに対する比をいう。T.Youngにより初めて称されたのでこの名があり、コン クリートの性質の 1 つであり、 圧縮強度20N/mm2 の コンクリート で 2.0× 104N/mm2程度である。 ③プレストレスコンクリートには、2つの製作方式があるが、現場製作のものを ポストテンション方式という。 ④ブリージングとは、コンクリートが硬化する前の状態において、骨材の沈降や 分離によって、練混ぜ水の一部が遊離して上昇する現象をいう。 ⑤レイタンスとは、フレッシュコンクリート中のセメントの中で主に石灰石より なる微粒子や骨材の微粒分がブリージング水とともにコンクリートの上面に 上昇して体積した多孔質で脆弱な泥膜層のことをいう。 6
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