2016年6月号

2016 年6月号 片瀬中学校保健室
1 年生の八ヶ岳、2 年生のフィールドワーク、3 年生の修学旅行。
いずれも天気に恵まれて、有意義な時間を過ごせたかと思います。
テストも終了し、次は体育祭。出来るだけけがの無いように予防としての準備を怠らず、持てる力を出しきって
ください!!
そんな事で、今月は運動にちなんだ話題をたくさん載せました。
人より速く走
りた∼い!!
全身にはたくさんの筋肉があり、その多くは○○筋という名称がつけられています。
だいたい し と う き ん
太ももの表側には大腿四頭筋という筋肉があり、
その裏側にハムストリングス筋(三つの筋群からなる)は位置しています。
ハムストリングス筋は非常に大きな筋肉のうちのひとつで、『アクセル筋』とか『ランナー筋』と呼ばれて
おり、身体を前に運ぶためにとても重要な働きをしている筋肉です。 特にランニングに関しては、股関節
しんてん
くっきょく
の伸展(のびる)とひざの 屈 曲 (まげる)を司っている筋肉なので、お尻の筋肉とともに鍛えれば鍛えるほど
走りのパフォーマンス向上につながることが期待できる筋肉なのです。
ハムストリングスがアクセル筋と呼ばれるのに対して、大腿四頭筋はブレーキ筋と呼ばれています。
一般的には、大腿四頭筋の方がハムストリングスに比べて 30∼40%強いと言われているので、ハムストリ
ングスを鍛えて表と裏の差を縮めることが、パフォーマンスの向上(より速く走れる)になると言われていま
す。プロのアスリートが意外にも細い脚をしているのに速く走れるのは、こんなところかしれませんね!?
ハムストリングス筋を強化して上手に使えるようになると
・スムーズな重心移動が可能になる
・ペースキープがしやすくなる(ペースダウンの軽減)
・スピードアップ能力が高まる
・着地が安定する
やや前傾姿勢で、
かかとをお尻に
ぶつけるような
つもりで走ると、
スピードが上が
ると聞きました。
体育祭がんば
れ!
・脚の筋力強化で失速しにくくなる
<お尻を突き出すスクワットがハムストリングス筋を鍛えます>
けい こつ か ろ う せ い こつまくえん
シンスプリントは正式名「脛骨過労性骨膜炎」といいます。漢字にすると、とても難しいです。
こつまくえん
昔はよく「骨膜炎」と短く呼んでいましたが、今はカタカナで、ちょっと格好良くさえ思える呼び方ですね。
(ならない方が良いに決まっていますが・・・)
時々、「先生、私(僕)シンスプリントなの!」なんて、自慢げに言っている人がいますが、さてきちんと中身を
理解していますか?
どんな競技に多いのか?
シンスプリントは陸上の短距離、長距離、サッカー、バスケット、バレーなど、ダッシュやジャンプを繰り
返すスポーツ選手に多いです。
しょしんしゃびょう
また、スポーツを始めて間もない人がなりやすいことから「初 心 者 病 」などとも言われます。
成長期には骨の伸びと筋肉の発達のバランスが悪いので、なりやすい年齢と言えます。そしてもともと体が
硬い人は、余計に筋肉のひっぱりが強くなるのでなりやすいと考えられています。
また、走り方、普段の姿勢、はいている靴、練習の環境、練習の方法や強い負荷、ケアの不足なども原因に
なります。
どこがいたくなるのか?
足のスネの内側の中央より下1/3の部分が痛むと言われていますが、実際はスネの内側全体、外側全体、
どこでも痛くなる可能性があります。骨を強く押すと痛むので、骨が痛いのだと思っていますが、実は骨に
は痛みを感じる神経がなく、痛いのは『骨の周りをおおっている骨膜』なのです。
どうして痛くなるのか?
骨膜に炎症が起きているからだと言われていますが、まだその原因として分からない部分もあるようです。
一般的には下のように説明されています。
左図のようにスネの骨の周りにはさまざまな筋肉が付着しています。
走ったり、ジャンプしたりすると、そのたびに筋肉が収縮して、
骨を覆っている骨膜という膜がひっぱられます。
部活やスポーツの練習で何度もダッシュを繰り返すと、そのたびに
骨膜がひっぱられて負担がかかり、炎症が起こってくるのです。
≪シンスプリントの痛みを起こす
筋肉を硬くする6つの要因≫
予防として以下のような点に気をつけると良いと言われます
1:地面を蹴るような走り方をするとふくらはぎの筋肉が硬くなりやすくなる
2:練習後にアイシングをしていると筋肉が硬くなる
患部が内出血を起こしたり、ズキズキ痛むときにはアイシングは有効ですが、普段のケアとして行うこ
とには注意を要します。なぜならアイシングをすると筋肉は硬くなるので、冷やしすぎるとシンスプリント
の原因である筋肉の硬さを増幅させてしまうことにもつながります。
3:痛みを我慢しながらストレッチをおこなっていると筋肉が硬くなる
ストレッチは、
「気持ちいい」と感じる程度であれば効果的ですが、痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、
筋肉が硬くなります。痛いくらいにやる方が効果がある気がしますが、過度なストレッチを続けると、筋肉
が硬くなり、シンスプリントを起こす原因になるので注意しよう。
4:自分に合ったくつを履いていないと筋肉が硬くなる
間違った靴選びをしてしまうと、足元のバランスが崩れ、足に大きな負担がかかる。
5:チームの練習メニューに問題があるとシンスプリントになりやすい
ジャンプを繰り返すような動きを繰り返し続けるとすねの筋肉が硬くなりやすい。
6:過度なプレッシャーを感じているとシンスプリントになりやすくなる
「大きな大会で結果を出さなければ!」とプレッシャーが大きくなるほどいつもより無理をしたり、気持ち
も体も常に張り詰めている状態で、ケガをしやすい状態でもあります。
たくさんあったので覚えられないと思いますが、とにかく『痛み』が何よりの警報です!
そのまま続けて『疲労骨折』なんて事になったら大変です。「何時ものことだ」と思わずに、早めに
スポーツ整形に相談し、指示をもらいましょう
以上図など数カ所に、ネット情報を引用しています。
しんしん
興味津々 ノバク・ジョコビッチ選手、皆さん知ってますか?
そうです!現在世界ランク一位、圧倒的な強さを誇るあの男子テニス界の王者です。
彼は自著(自分が書いた本)の中で、2010 年までの自分を、 “私の夢は世界最高峰の一人になることで
はなかった。世界最高峰と言える存在が 2 人いた。フェデラーとナダルだ。そしてこの 2 人からすれば、
きけん
ざ こ
私などたまに出て苦しくなると、直ぐに棄権してしまう、雑魚にすぎなかった。この 2 人こそ本物のエ
リートだ。私はまだ第二集団の中で、もがくだけの存在だった。
”
と言っています。
では、何が彼を現在の絶対王者にしたのでしょう?
2010 年の暮れ、ジョコビッチは検査によってグルテンと乳製品の不耐症(消化できない病気)だと言うこ
とが判明しました。グルテンとは、大麦や小麦に水を加えた時にできる植物関連のタンパク質で、様々な
食材に含まれています。代表的なもので言えば、パン・ピザ・めん類等々。
ジョコビッチは、14 日間グルテンを断ったところ、「体重が減るとともに体の調子が良くなり、コート
上でもこれまでにないスピード、柔軟性、集中力を発揮することができた。そして、乳製品も食事から取
り除くと急激に体重が落ちた。それからわずか 18 ヶ月後、私はまったくの別人になっていた。子供時代
から振り返っても 1 番の健康体になった。」と言っています。その後の活躍は世界中の人の知るところ
です。
面白いのは、ジョコビッチの実家が『ノバク』と言うピザ屋さんで、幼い頃からピザをこよなく愛してきたとか・・・何
とも気の毒な話しです。彼はもちろんグルテンだらけのピザは止め、グルテンフリー(グルテンを含まない)の食生
活に 大転換しました。 実家もピザ屋を辞めて、グルテンフリーのレストランに変わったそうです。
自分の全てが“食”で変わるなんて、本当にあなどれません!!
お知らせ
6 月 23 日(木)に予定していた耳鼻科検診は、
学校の都合により 6 月 30 日(木)に変更になり
ました。1 年生と 6 組全員、2・3年生は希
望者になっています。ご了承ください。